登録日:2024/09/01 Sun 03:12:01
更新日:2024/12/03 Tue 12:38:34
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『スターゲイト』(原題:STARGATE)とは1994年のアメリカのSF映画。
1994年のアメリカのSF映画。企画原案・監督・脚本はローランド・エメリッヒ。
エメリッヒはこのアイディアを学生時代から温めており、この作品が出世作となった。
元々は三部作構成の予定であり、続編と続々編が企画されていたが諸々の事情で製作中止となり、代わりに殆どの配役を変更したドラマシリーズの『スターゲイト SG-1』が製作された。なお元々の構想を基にした小説が刊行されている(未訳)。
あらすじ
1928年、C・P・ラングフォード教授らの調査隊がエジプトの遺跡で謎の文字が描かれた、未知の物質で作られた巨大な輪を発見する。
66年後、アメリカの考古学者ダニエル・ジャクソンはエジプト文明について定説を覆す説を学会で発表し、キャリアを棒に振りかけていた。失意のジャクソン博士に聴衆の中にいた老婦人:キャサリン・ラングフォード博士が声をかけ、軍がエジプト考古学者の助力を必要としているので参加して欲しいと持ちかけられる。
コロラド州の辺鄙な軍基地に案内されたジャクソン博士は地下の一室で缶詰め状態になり、渡された古代エジプトの文字で書かれたテキストの解読に取り組む。テキストの解読に成功し、それが「星の門」について書かれたものであると説明すると、とある一室に案内される。そこにはキャサリン博士の祖父であるC・P・ラングフォード教授がかつてエジプトで発掘した巨大な輪が機械に繋がれて安置されていた。
管制室のオペレーターたちがジャクソン博士の解読結果をもとに機械に入力すると輪が回転を始め、すると何もないはずの輪の中から水しぶきのようなものが飛び出し、青く輝く空間が現れた。兵士たちが
ロボット探査車を中に入れると遺跡のような廃墟の様子が管制室のモニターに映し出される。キャサリン博士によるとここはカリアム銀河系にあるとある惑星で、この輪:スターゲイトははるか遠くの惑星と地球をつなぐ転送装置なのだという。
ジャクソン博士はアメリカ空軍のジャック・オニール大佐率いる調査隊に加わり、スターゲイトを通ってその惑星に赴くが…
登場人物
◆ジャック・オニール大佐
演:カート・ラッセル
アメリカ空軍大佐。一人息子を拳銃の暴発事故で亡くした精神的なショックから除隊していたが軍の要請により復帰。スターゲイト作戦の実質的な最高指揮官となる。後のドラマ版ではカート・ラッセルにまったく似てないリチャード・ディーン・アンダーソンが演じた
◆ダニエル・ジャクソン博士
演:ジェームズ・スペイダー
エジプト考古学・言語学者。11ヵ国語を解し20歳で言語学と文献学、古代史学の三つの博士号を得た天才学者であったが、従来の学説を覆す説を発表したことから学会からは異端扱いされるようになり、今は下町の自動車整備工場の事務所に部屋を借りて住んでいる(小説版に住まいの描写がある)。キャサリン博士によって才能を見出され、スターゲイトの記号を解読しオニール大佐率いるチームの一員として旅に出る。
演じたジェームズ・スペイダーは渡されたプロットを読んで「酷い」と感じて逆にこの企画に興味を持ち参加したという。
ちなみに映画『
インデペンデンス・デイ』の
ノベライズ版(本作の脚本と同じくローランド・エメリッヒとディーン・デヴリンが執筆)にも名前だけ登場する。
◆キャサリン・ラングフォード博士
演:ヴィヴェカ・リンドフォース
スターゲイトを発掘したC・P・ラングフォード教授の娘。1928年の遺跡発掘時に父親に同行し、以降スターゲイトを研究するチームのリーダーとなる。ドラマ版にも(演者を変更した上で)ゲストキャラとして登場し過去とその後の顛末が語られた他、後に若き日の活躍を描いた『スターゲイト オリジン』が製作された。
◆カスフ(カザフ)
演:エリック・アヴァリ
異星の街ナガーダの長老。ジャクソン博士がラングフォード博士から送られたペンダントを身に着けていたため一行をラーの使いと誤解し、街で歓迎する。ドラマ版にも演者を変更することなく登場する(映画版の演者が続投した数少ない人物)。
◆シュリ(シャウリ、シャーレ)
演:ミリー・アヴィタル
カザフの娘でスカレの姉。カザフからジャクソン博士に対して貢物の奴隷として差し出される。ドラマ版では演者は変更された。
◆スカレ(スカーラ、スカラ)
演:アレクシス・クルス
カザフの息子。オニールらの持っていた銃器に興味を示すが…。ドラマ版にも演者を変更することなく登場した(カザフとともに映画版の演者が続投した数少ない人物)。
◆ラー
演:ジェイ・デヴィッドソン
紀元前8000年の超古代エジプトに現れた異星人。エジプト人の少年の身体に乗り移り、スターゲイトを使って地球人を奴隷として異星へ連れ去っていた。ナガーダの人々はその奴隷の末裔である。再生装置を保有しこれで若さを保っている。
演じたジェイ・デヴィッドソンは『クライング・ゲーム』で映画初出演にもかかわらずアカデミー助演男優賞にノミネートされるなど注目されていたが俳優としてのキャリアは『クライング・ゲーム』と本作での出演のみに限られ、主にファッション業界で活動した。
◆アダム・コワルスキー中尉
演:ジョン・ディール
オニール大佐率いるスターゲイト探検隊の一員でオニール大佐の副官。ドラマ版にも登場するが序盤で死亡する。なおエメリッヒのお気に入りのキャラだったらしく自分の手を離れて製作されたドラマ版を観てこのことにお冠だったという。
吹き替えについて
本作の
日本語吹き替え版はソフト版とTV放送版、そして機内上映版の計三種類がある。
機内上映版は旅客機の国際線の機内で上映するもので、かつては通常のそれとは異なる独自の販路で製作・配給されていた。そのため劇場公開版やソフト版よりも吹き替えの出演者が豪華で評価が高いものもあればその逆もあり、品質が安定しないことで知られていた。なかでも『スターゲイト』の機内上映版の吹き替えはかなりやばいらしいという噂が立ったが、機内上映版を観るには限られた時期に限られた航空会社の国際線の機内で視聴する必要があったため、視聴できた者は限られておりファンの間でまことしやかに語られるだけであった。
そして公開から25年以上時が立ち、amazonプライムなどの動画配信サービスでサブスクとして本作が配信されることになったのだがその吹き替え版はソフト版でもTV版でもなく…
あの機内上映版だった。
その内容なのだが声優の演技がとにかく酷く、
棒読みで明らかに素人だったり鼻声だったりわざとらしいだみ声だったり複数の登場人物の声を一人の声優が声音を変えて演じているのがわかるなどといった有様だった。
往年のファンはこれがあの噂に聞く幻の機内上映版かとある意味感動する一方でなぜマシな演技のソフト版やTV版ではなくわざわざこっちを配信に出してきたのかと困惑し、これが初見の視聴者はこれで金を取るのかと唖然とするような状態であった。
もっともこの機内上映版はソフト化やテレビ放送が今後望めないため(後者の場合、ほぼ放送事故になる)、ある意味今しか観れない貴重なものではある。
とはいえあまりにも酷い代物なので怖いもの見たさで観たい方以外はソフト版かたまに放送されるTV版の吹き替えか、さもなくば字幕版で視聴することをお勧めする。
追記・修正お願いします。
- 夜伽のシーンがエロチックだった記憶 紳士的にお断りしてたと思うが 今思うと白人酋長モノだけどエンタメとして結構楽しかった記憶 -- 名無しさん (2024-09-01 13:19:08)
- アマプラ版、男一人女一人で全員分アテてる感じ。日本昔ばなしかと -- 名無しさん (2024-09-01 18:13:02)
- 今はどうなってんのか知らないが昔何度か国際線に乗った際に観た映画の吹き替えのあれこれは酷かった -- 名無しさん (2024-09-01 18:28:29)
- 起承転結しっかりしてて面白い映画だよね・・・吹き替え?江原版しか知らねえ -- 名無しさん (2024-09-02 13:49:33)
- 作りが全然違うから比較するのはアレだけど、SG-1は面白かったなぁ。シーズン2から目に見えて予算が上がったり、人間同士の謀略が挟まれたり、リチャード・ディーン・アンダーソンがコミカル格好良かったり -- 名無しさん (2024-10-28 13:44:19)
最終更新:2024年12月03日 12:38