登録日:2024/09/16 Mon 09:31:54
更新日:2025/04/18 Fri 06:42:11
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チラズアートは、主にSteamにてアセット等を用いた3D形式のホラーゲームを販売しているゲームクリエイター(ユニット/スタジオ)。
法人名はチラズアート合同会社。
【概要】
主な愛称・略称は“チラズ(さん)”
因みに“Chilla's Art”の“Chilla”とは動物のチンチラ(Chinchilla)から取られたものであり、後に公募により名前が決定されたマスコットの“チラ丸”も紫のチンチラである。
アセットを用いていることや、モデリングの出来が不安定などと言われつつも短いスパンで及第点以上の出来のタイトルを量産していることで実況界隈でも人気が高く、直接にはゲームを遊ばない層にも認知度が高いインディーズゲーム・クリエイターである。
ゲーム制作に於いては有志者からの支援を募っており、ゲームの売上と共に数々の有名配信者を始めとした多くの人間に支援されつつ活動を続けている。
そのため、エンディング部分にてズラリと支援者の名前が並ぶのは勿論のこと、ゲームによっては支援者の名前を用いた小ネタ(架空の広告/商品など)が仕込まれている恒例行事もあり、支援活動を行っている配信者にとっては実況と共に自分の名前を見つけるのがイベントとなっている場合も少なくない。
尚、作品の雰囲気等からなのか初期作品を除いては日本を舞台とした作品が殆どなのにもかかわらず海外クリエイターと勘違いされることもあるが“米国育ちだが現在では日本に帰ってきている日本人クリエイター”……というのが正しい。
尚、モデリング専門の兄とプログラミング専門の弟による兄弟2人による作業であることが明かされていたが、2023年4月1日に三男も居ることが公表されると共に、今後は三人兄弟で活動していくことが発表された。
その直後に発売された『夜間警備』は三男が中心となって開発されたゲームであったらしい。
【作品の特徴】
殆どがホラーゲームにカテゴライズできるタイトルばかりだが、作風的には心霊よりもヒトコワに傾いたものが多い。
心霊要素を含む作風であっても真相部分はヒトコワという場合も少なくなく、かなり後味の悪いエンディングを迎える傾向も少なくない。
尚、心理的恐怖を主体とした作風である為か作品によっては検証すると時系列があやふやで何処までが現実の出来事なのか分からなかったり、
主人公の(悪)夢オチであったと判断される内容となっている場合もある。
ゲーム内にちりばめられた要素から、明言されていない詳細や真相が伏せられている部分を考察するのも楽しみ方の一つである。
ごく初期には確かに舞台も雰囲気も影響を受けたと語る海外ゲームのコピー的なタイトルが多かったが、後には日本を舞台に限定されたシチュエーションで内容を作り込んだ作風へと移行していった。
ゲームの長さ自体は短いものが多いからか、途中で自動車の運転等の違った要素を挟み込むパターンもあり、操作の難しさ等から否定意見を出されることもあるが新しい試みに挑戦していく姿勢は素直に評価したい所。
【発売タイトル】
■Evie(2018年2月16日)
■Welcome Back Daddy(2018年5月10日)
■Sphaera(2018年6月27日)
■Blame Him(2019年6月3日)
■Okaeri おかえり(2019年9月7日)
近頃、新しい家に引っ越してきたばかりの少女(主人公)は自宅への帰り道もあやふやままで見慣れない家への帰宅を目指す。
迷いながらもやっとのことでその家に帰り着くが、安心するはずの自宅も奇妙な場所で……?
■Aka Manto 赤マント(2019年9月24日)
「意中の相手と仲良さそうに談笑したから」というあまりに勝手な理由でいじめの加害者から廃校舎に連れていかれた主人公。
そこで彼女は赤いマントに白い仮面を付けた怪人「赤マント」に襲われ、逃げながらなんとか脱出する方法を探すのであった……。
■Stigmatized Property 事故物件(2019年10月26日)
最近引っ越した幼馴染のアパートを訪ねた主人公であったが、自分を呼んだはずの幼馴染はなぜかいなかった。
やがてアパートに残された破かれた日記の断片を集め、この建物が事故物件と呼ばれる原因と土地に棲みつく悍ましい呪いの真相に迫ることになる……。
■Inunaki Tunnel 犬鳴トンネル(2019年11月19日)
ビデオブロガーである主人公は話題となる動画を作るべく封鎖された旧犬鳴トンネルの入口を突破して肝試しを決行する。
封鎖された先の犬鳴村にて主人公はかつて村で起こった出来事や言い伝えられていた伝承を知ると共に奇怪な体験をする……。
■Yuki Onna 雪女(2020年1月3日)
差出人不明で脅迫メッセージ付きの3枚の写真を受け取った主人公。
写真にはそれぞれに幼い子供が映り込んでおり、その内1枚に映っていたのは自分の息子であった。
子供達を救うべく、写真の指示に従い主人公は雪山に佇む寂れた旅館に足を踏みいれるのだが……。
■The Convenience Store 夜勤事件(2020年2月18日)
女子大生でありながら、時給1300円に惹かれて深夜のコンビニでワンオペバイトに挑むことになった主人公の田鶴結貴乃。
一人とはいえ何事も無ければ無事に済む筈の仕事であったが、そのコンビニが建つ前の土地には……。
■Onryo 怨霊(2020年4月25日)
除霊を生業とする主人公の元に、差出人不明者の人物により最近男鹿半島で多発する不可解な子供が被害者の事件の元凶と目される、
7年前にとある惨劇が起きたいわくつきの家の除霊を求める依頼が舞い込んできた。
主人公は胡散臭い依頼は受けない方針であったものの、町の人の安全が自分の怠慢のせいで害されるのは本意ではないため仕方なく解決のために動き出すが……?
■Missing Children 行方不明(2020年6月13日)
主人公の佐藤は、以前当時中学生であった息子の匠を自殺で亡くした事をきっかけに子供の問題専門の「いじめ探偵」を営んでいた。
ある日、3人の女子中学生が行方不明になり、行方を追って行く事になるが……?
■The Ghost Train 幽霊列車(2020年7月24日)
2年前に妻が謎の失踪を遂げた主人公の田中謙介。
ある日、列車に乗って帰る途中で不可解な怪奇現象が次々と彼を襲い、最終的に「
きさらぎ駅」に迷い込んでしまう……。
■Hanako 花子さん(2020年12月11日)
いじめっ子に困らされていた少女達は呪い殺そうと
花子さんを呼び出すおまじないを実行したが校舎内に閉じ込められてしまい、迫りくる怪異を避けながら脱出を試みる……。
■Teke Teke - テケテケ(2021年1月21日、NyxTalesとの共同開発)
「テケテケ」という都市伝説の話をしてから突如学校に来なくなった恋人を訪ねた主人公であったが……。
■The Caregiver 終焉介護(2021年4月3日)
とある介護施設で働いていた介護士達は、訪問介護先でこの世ならざる光景を目撃する……。
■Night Delivery 例外配達(2021年6月5日)
ある団地へと荷物のお届けにやってきた配達員(主人公)。
しかし、配達先の住民達はみんな苛立っていたり受け取りのついでに主人公に奇妙な頼み事をしてくる連中ばかりで何処かおかしい連中ばかり……その中で主人公が知る、かつて団地で起きた哀しい出来事とその真相とは?
■The Night Way Home 帰り道(2021年8月7日)
とある学校で1人の少女が行方不明になり、家出か事件に巻き込まれたか、隣り町の中学校でもその噂は広がり始めていた。
その隣町の中学に所属している主人公は件の噂を気にしながら帰路に付くが、最寄り駅で見知らぬ少女に出会って意識を失いトイレで目を覚ます。
そこはいつもの駅ではなくなく異形の怪物が闊歩する闇に包まれた異界へと変貌していた……。
■The Radio Station 深夜放送(2021年10月31日)
ラジオ局のMCをしていた主人公の弟が突然死んだ。主人公は弟の身に何があったのか突き止めようと調査するのだが……。
■The Closing Shift 閉店事件(2022年3月19日)
あるカフェでアルバイト店員として働く主人公を通して描かれる恐怖の体験の数々……。
美しい容姿をしているからといって得ばかりでは無いという話。
■The Bathhouse 地獄銭湯(2022年10月1日)
都会での生活に疲れた姉が新しい生活を求めて寂れた町の銭湯に就職した後に失踪した……。
その謎を追って自らも町にやってきた妹(主人公)もまた、姉の仕事を引き継ぎ真相を探ろうとするが……。
チラズ屈指のホラーと讃えられつつも販売中止となったことでも話題を呼んだ幻のゲーム。
2024年にリメイク版が発売。
■The Karaoke ヒトカラ(2023年2月4日)
バスケ部で汗を流している女子高生(主人公)と親友。
部活終わりにカラオケをしてから帰ろうと約束するが、選択次第で最悪の展開に……?
■Night Security 夜間警備(2023年6月16日)
ある会社のオフィスが入っているビルにて守衛として働くようになったイケメン妻子持ちながら不実な所のある警備員(主人公)。
失踪したとされる前任者の仕事を引き継いで仕事を始めてみるが、奇妙な態度を取る居残っていた会社員達と触れ合う中で、彼自身もまた奇妙な空間に囚われていることに気づくのだった。
■Parasocial パラソーシャル(2023年8月26日)
VTuberとしてデビューした主人公はゲーム実況の配信により着々と人気を得ていたが、ある夜の配信によりモデルを外されて本当の顔が晒されるという事態が発生。
親友の励ましもあり、めげずに活動を続けようとする彼女だったが顔バレの一件があった夜から彼女の周囲で奇妙な出来事が起こり始めるのだった。
■The Kidnap 誘拐事件(2023年11月1日)
とある田舎で起こった誘拐劇を少年の視点から描いた物語。
■Jisatsu 自撮(2023年12月16日)
ある“ホラースポット”として知る人ぞ知る古びた民家に強引に取材に行かされた主人公の新人ライター。
住人など居ないと思われた民家だったが未だに水道や電気は通っているようで、それだけでも奇妙だったが、更に屋内で見つけたビデオテープに記録されていた過去の映像に導かれるようにして主人公が見つけた民家の秘密とは……。
■Shinkansen 0 新幹線 0号(2024年3月23日)
チラズアートが送る
8番出口風ゲーム。
いつの間にか新幹線に乗り込んでいた主人公は、いきなり話しかけてきた少年の話に乗って奇妙なループを繰り返しているのだという新幹線からの脱出を目指すゲームに挑む。
■The Bathhouse 地獄銭湯 Restored Edition(2024年8月10日)
幻となっていた『地獄銭湯』のリメイク作品。
単なる修正版ではない新要素も交えた待望にして意欲作。
■Cursed Digicam 呪われたデジカメ (2025年1月10日)
娘の死後、霊障に悩まされるようになった主人公の男性。
藁にも縋る思いで「霊を映す特殊なデジカメで15枚霊の写真を撮ってアップロードすることで成仏させるサイト」をネットで見つけ、
胡散臭く思いながらもデジカメを購入して自分に憑き纏う霊を成仏させようと試みるのだが……。
The Ramen Stand | 拉麺屋台(近日登場)
Jimmu | 神武(近日登場)
【その他】
2024年には東亮太により作品をノベライズ化された短編小説群『夜勤事件 ~Chilla's Art ノベライズ集~』が
KADOKAWAから発売されている。
小説化するに当たって原作のゲームでは考察要素となっていたり曖昧にされていたりした部分が筆者の独自解釈で書かれている所も多数あるが、
監修したチラズアート曰く一部細かい所は直してもらったものの、それ以外にほぼ直すところはなかったらしい。
また、同じく2024年にはVコミにて『夜勤事件』が漫画化されている。
チラズアートの作品同士は全て世界観を共有しているとおぼしき要素がゲーム内にちらほら見られる。
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実例 |
- 『閉店事件』にて『帰り道』と同じ中学一年生の女子が行方不明というニュースが流れている
- 『パラソーシャル』では『閉店事件』の主人公や登場人物がサブキャラとして登場する
- 同作では『赤マント』や『閉店事件』もゲームとして登場する(上記のノベライズによれば後者は主人公の手記がネットに出回り作中世界のチラズが許可を取ってその話をベースにゲームを作った模様)
- 『ヒトカラ』の主人公・みらは『事故物件』の犠牲者と同じ学校(日記に「みらちゃん」という記載有り)
- 複数の作品で出てくる「船橋」という苗字の青年達は兄弟(三男という「閉店事件」船橋の発言から)
- 『呪われたデジカメ』に登場する霊を写すデジカメの制作者は、カメラで除霊する『怨霊』の主人公(もしくはその関係者?)
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追記修正はワンオペで追記修正作業を終えてからお願い致します。
- 適度なクオリティである程度考察要素のあるゲームをコンスタントにお出ししているのが良いと思う。 -- 名無しさん (2024-09-16 10:02:06)
- 極端な低クオリティなしに多作、というのはそれだけで価値がある。1回ぐらいガチガチにクオリティ上げた作品もやってみたいが… -- 名無しさん (2024-09-16 11:28:05)
- 新幹線 0号は8番出口ライクの中でもかなりの完成度だった。 -- 名無しさん (2024-09-16 12:48:57)
- 帰国子女ってこと? -- 名無しさん (2024-09-16 14:19:44)
- その前から有名な人が実況していたことがあるとはいえ、やっぱり夜勤事件から実況する人が増えた印象。 -- 名無しさん (2024-09-16 18:18:27)
- いろんな人の誘拐時間の算数のドリルめっちゃ笑った。某兄弟配信者の弟さん… -- 名無しさん (2024-09-17 18:24:30)
- 今の所短編メインだけど、いつかガッツリ作り込んだ長編とか出してくれると嬉しい -- 名無しさん (2024-09-17 19:03:12)
- 項目名も中身も全部”Chlla”になってるのはなぜ? -- 名無しさん (2024-09-17 19:09:09)
- ↑凡ミスです。修正しましたが漏れがありましたら御免なさい……m(_ _)m -- 名無しさん (2024-09-17 19:16:50)
- 割と胸糞だったり後味の悪い展開が多いのも作風かな?直近だと地獄銭湯もリメイク前は胸糞な終わり方だったけど、リメイクであぁなるとは思わなんだ -- 名無しさん (2024-09-19 01:55:29)
- 赤マントからの人間だから昨今のヒトコワウォーキングシミュレータだと物足りない感すごい。けどストーリーの練り方がどんどん上手くなってって、中でも新幹線と深夜放送はメチャクチャ好きだ -- 名無しさん (2024-09-19 09:31:25)
- サポーターの大〇▲〇▲で候さん(自主規制)もある意味名物だった。流石にクレーム入って改名したらしいが -- 名無しさん (2024-09-19 18:26:32)
- 「アセット」って「アセットストアで配布されてるような既成アセット」って意味で使ってるんだろうけど、社内スタッフが魂込めて自作したアセットでも「アセット」だからね。 -- 名無しさん (2025-01-24 04:34:08)
- 赤マントや雪女みたいながっつり探索ステルス好きだったんだけど、パラソでネタにしたってことは不評のほうが多かったんだろうか -- 名無しさん (2025-01-24 17:50:08)
最終更新:2025年04月18日 06:42