登録日:2015/04/16 Thu 16:05:40
更新日:2024/11/19 Tue 18:57:12
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角川書店とは
日本にかつて存在していた企業である。
2015年の4月16日にブランドカンパニー制を廃止し、会社組織としては消滅した。
尚、角川書店と付く名前の会社は3社存在し、それらをそれぞれ初代、2代、3代と区別し紹介する。
数々の書籍を売り出し、本屋さんでも常に角川出版の本が置いてあった。その数は膨大に渡る。
雑誌、辞書、教科書、文庫など書籍の販売を行い
ゲーム制作も行うなど幅広く活動し、萌えオタを増加させていった。
またアダルトゲームのレーディングを下げて家庭用に販売したりするという布教活動まがいの事も。
○概要
戦後の1945年に角川源義により創業される。
社長に就任する前は城北中学校教師であった。記念すべき初出版は「歩道」。
すでに岩波書店や新潮文庫という老舗があったため角川自体が成功するとは誰も予想をしていなかった。
当初は国文学関連書籍に強みを持つ会社であった、しかし70年代に入って従来の文芸路線から段々と一般大衆向けに路線転換する。
1975年には源義の長男、角川春樹が社長に就任した翌年、映画製作に手を出すようになる。
売れた書籍を次々と
実写化しCMを利用して大々的に販売するメディアミックス戦略を成功させ、
世間からは「天下の角川」と呼ばれるようになり一世風靡を巻き起こし、一時は
ライバル社の東宝や東映を興行収入や人気で抜いていった。
80年代からは実写映画だけではなく『ザ・テレビジョン』や『東京ウォーカー』などの情報誌、
ゲーム制作事業にも手を出し、1987年頃に漫画雑誌、ゲーム雑誌などを創刊する。
一年後の1988年には『角川スニーカー文庫』を創刊する。
ここから
ヲタ向けのコンテンツに精を出す事となり大衆向けの実写映画というより、ラノベやアニメ・
漫画などの娯楽の方へ勢力を広げる。
後述の90年代にはラノベ原作が次々と
アニメ化。やがてアニメの新時代を構築しムーブメントを起こす。
そして00年代から続く
ライトノベル市場の担い手となる。
1991年に富士見書房を吸収合併。角川の傘下に収め、富士見事業部(後の富士見書房)として営業を継続させる。
1992年、春樹と兄弟喧嘩をした副社長の歴彦が解任され、退社してメディアワークスを創業する。
角川メディアオフィスの社員も分裂し、およその人材はメディアワークスへと流れていった。
この時スニーカー文庫を離れた『フォーチュン・クエスト』や『
ゴクドーくん漫遊記』(番外編のみ)の受け皿として誕生したのが
電撃文庫である。
同時期に角川春樹の次男、太郎もホモ疑惑が浮上した為
ここから角川春樹の信頼度が本格的に失墜する事になる。
それにとどめを刺すかのように
1993年には兄の角川春樹が大麻の所持疑惑で社長を解任され、弟の歴彦が顧問として角川書店に復帰。
社長に就任し兄の後を継ぐ。『角川メディアオフィス』、『ザ・テレビジョン』などの子会社を吸収合併。
角川書店内の雑誌事業部、ソフト事業部、雑誌編集部とする。
この事件のことを『角川お家騒動』という。
これ以降は角川兄弟は離縁したようであり、それぞれ別の会社を設立し一切の資本関係を持たないことになる。
ちなみに春樹が逮捕されたせいで彼が監督だった
安達祐実主演の『REX 恐竜物語』の追加上演が中止になり(DVD化はされた)、角川書店は春樹監督作品の版権をも彼から取り上げ、裁判でも彼に勝訴した。
一連の騒動が収まったあとの1994年にコミックコンプが休刊し、『
月刊少年エース』が刊行される。
1995年にヘラルド・エース社を傘下に置き、角川が関わった『
新世紀エヴァンゲリオン』が大ヒットし、アニメに革命を起こした。
1998年11月に東京証券取引所市場第二部へ上場をする。
1999年に東芝と提携してテレビ番組の制作プロダクション『トスカドメイン』を設立した。
2000年頃には製作委員会として出費するようになりラノベの
アニメ化やコミカライズ化に対してより力を入れるようになった。
いわばメディアミックスと呼ばれる手法でありこれに影響を受けた多くの他社がこの手法を取り入れ始める。
2002年に大映を買収し、角川大映映画へ統合する。
2003年春に角川書店を、株式会社角川ホールディングス(角川HD)に社名変更。業務は新たに設立した新生の角川書店(2代目)に丸投げする。
2004年1月に角川書店からエンターテインメント事業部を分割、角川大映映画に譲渡。
2004年3月18日に角川HDが株式を公開買付けし、メディアリーヴス、アスキー、エンターブレインを子会社化。
2004年9月に角川HDが東京証券取引所市場第一部に移行
2005年10月1日に角川書店から富士見事業部を分割、新たに富士見書房(2代目)を設立。
2006年4月1日、角川書店からウォーカー事業部と雑誌事業部のザテレビジョン部門を分割、
ウォーカー事業部と角川書店
北海道、ウォーカープラスを統合した「角川クロスメディア」、
ザテレビジョン部門と角川インタラクティブ・メディアを統合した「角川ザテレビジョン」を新設。
2006年7月1日に角川HDが、社名を角川グループホールディングス(角川GHD)に変更。
2007年1月に角川書店(2代目)を会社分割し、出版事業部・カルチャーコンテンツ事業部を中心とする株式会社角川書店(3代目)が誕生。
2008年4月に角川マガジングループの商号を株式会社角川マーケティングに変更すると共に、角川GHD・角川書店傘下のクロスメディア事業子会社を委譲。
2009年2月26日に同年4月7日付で、株式会社中経出版の全株式を取得し、子会社化すると発表。
4月の初めにグループ内の
ゲーム事業統括会社として角川ゲームスを設立し、エロゲやギャルゲばかりを作るようになる。
翌年の11月6日にNTTドコモと事業提携を開始。
2010年3月に『
生徒会の一存-DSする生徒会-』を発売し、
DSという機種ながらも容量を膨大に詰め込み、
限定版に『碧陽学園公認4大グッズ』という名前の豪華特典を付け、当時としては画期的な
ゲームであった。
2010年10月28日 にドワンゴと電子書籍やコンテンツ配信に関して業務提携すると発表。
2011年冬頃に傘下の角川映画社、角川ゲームスの統合を立て続けに行う。
翌年の2月にグリーとIC(インターネットコンテンツ)分野で業務提携したと発表。
5月26日にドワンゴと資本提携し、同社が角川GHDの自己株式73万株を、
ドワンゴの自己株式及び新株計16,800株をいずれも第三者割り当てで取得すると発表。
翌年の10月にリクルートが同年の11月15日に傘下のメディアファクトリーが全株を売却すると発表。そして同社を子会社化した。
2011年7月7日(偶然にも七夕の日)に
咲を彷彿とさせるような
キャラゲー『涼宮ハルヒちゃんの麻雀』を発売し、
今更感デジャブがありながらも、そこそこの売上を叩き出す。
2012年頃には三代目社長の
バカ井上伸一郎と
喜屋武ちあきとの交際が発覚し猛バッシングを受ける(なお歳の差は親子ぐらい違う)。
2013年6月22日に会社名を統合し『KADOKAWA』に変更する。
2013年12月19日(本来の発売予定は11月28日であったが延期)に
3DSで『
ハイスクールD×D』を発売。
どうやら角川ゲームスには3DSで
エロゲを売ろうという目論見があったようである。
原作自体が相当エロいためCERO:D(17歳以上)の認定を受けた。
2014年7月31日に実質最期の角川書店の
ゲームとなる『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』を3DSで発売するが、
売上は思うようには伸びずセールとしてはあまり成功しなかった。
2014年10月にニコニコ動画を運営するドワンゴと経営統合し、持株会社『KADOKAWA・DWANGO』を設立。
2015年4月16日に
社内カンパニー(ブランドカンパニー)制廃止が決定。同じグループの富士見書房も(ブラカンとしては)
消滅する事となった……。
これにより(ブラカンとしての)角川書店は消滅し、今後は"ブランド名"として存続する事になった。
00年代以降は吸収合併が続いたり会社名がコロコロ変わるなど角川にとっても大変な時期だったように思われる。
因みに『艦これ』などのゲームを制作している『角川ゲームス』は連結子会社として存続しており今回の騒動とはまるで関係ない事に注意されたし。(そして2015年以降は角川ゲームスは『艦これ』の運営・開発から離脱している)
○歴代社長
初代:角川源義
二代目:角川春樹
三代目:角川歴彦(ここまでが初代角川書店)
四代目:福田峰男
五代目:本間明生
六代目:井上泰一
七代目:井上伸一郎
○関連グループ
など
○関連グループ(消滅またはブランド化)
富士見書房
アスキー・メディアワークス
エンターブレイン
メディアファクトリー
中経出版
角川学芸出版
角川マガジンズ
角川プロダクション
角川大映→角川映画
など
○派生企業
角川春樹事務所(会社を追い出された角川春樹が設立した会社。なおその前に春樹氏は同名の個人事務所を映画用に持っていた)
幻冬舎(元角川書店社員が設立した会社)
幻戯書房(角川源義の娘「辺見じゅん」が作った会社)
など
○書籍
など
追記・修正は角川書店や富士見書房を愛する人がして下さい。
過度な雑談および企業に対しての愚痴や誹謗中傷などを行った場合、IP規制・コメント欄の撤去等の措置がされる可能性がありますのでご了承下さい
- 過渡期の誤字を修正しました。 -- 名無しさん (2015-05-07 22:03:10)
- 角川書店歴代社長間違ってますよ〜 角川春樹、角川歴彦、福田峰男、本間明生、井上泰一、井上伸一郎の順ですよ。 -- 元社員 (2017-01-13 13:02:57)
- ちなみに 佐藤辰男は メデイアワークス社長、角川グループホールデイングス社長で 角川書店は社長ではない -- 元社員 (2017-01-13 13:04:36)
- カドカワは旧KADOKAWA DOWANGO、その子会社のKADOKAWAは旧角川グループホールディングスで今も持株会社、たくさんの関連会社はKADOKAWAの下、という構造になっているのでちょっとわかりにくい -- 名無しさん (2017-09-26 16:54:16)
- もちろん角川文庫を活性化させた春樹氏の功績は大きいが、それまでは島村抱月訳「人形の家」(松井須磨子の衝撃的な後追い自殺事件は演劇史上あまりにも有名!)だの、森鴎外訳「マクベス」だのといった学術系書籍の宝庫でもあったので、それらとの両立も忘れるべきではなかったのだが… -- 名無しさん (2020-10-03 21:03:36)
- ↑岩波文庫が定期的に復刊フェアをやってくれるのに対し、角川文庫は80年代末に二回ほどやったきりだもんな。芥川龍之介の作品集は以前はけっこう充実していた(ただし「妖婆」のような怪作が抜けているので全集には程遠い)のに復刊されるたびに年表だの同時代人の批評だのがカットされてどんどん薄くなっていくし… -- 名無しさん (2020-11-01 21:11:35)
- ここのコメント欄の撤去をお願いします。 -- 名無しさん (2022-07-30 19:41:21)
- 報告にあった荒らしコメントを削除。 -- 名無しさん (2022-09-07 17:52:24)
- 違反コメントを削除しました。 -- 名無しさん (2022-09-19 07:32:41)
- もうお終いだよこの会社 -- 名無しさん (2024-07-05 11:46:34)
- ↑今日のコメントかと思ったら違った -- 名無しさん (2024-11-19 18:57:12)
最終更新:2024年11月19日 18:57