さらにもう一発(NARUTO)

登録日:2024/09/20 Fri 02:44:20
更新日:2025/02/09 Sun 21:47:15
所要時間:約 5 分で読めます




NARUTO‐ナルト‐』の登場人物はたけカカシのセリフ。

概要

第四次忍界大戦でカカシがオビトとの戦いの最中に発したセリフ。
話の流れではかつての旧友が敵対し、教え子と共に彼と戦うというシリアスな流れなのだが……


経緯

オビトは万華鏡写輪眼「神威」で身体の全体や一部分を神威空間という別空間に飛ばすことでナルトたちの攻撃をすり抜けてきたが、カカシが「別空間内に飛ばしているなら、その空間へとリンクできる自身の神威を用いた攻撃なら回避できずに当てられる」弱点を看破。
オビトが神威を発動したら、同じ空間に飛ばせるカカシの神威も発動させてナルトらの攻撃を当てる、という戦術ですり抜け能力を攻略する。

しかし、何度も神威を使用したことでカカシのチャクラが切れる寸前となり戦術が破綻。ナルトからも「写輪眼の使い過ぎでバッテバッテだな」と感じ取られている状態。
一緒に戦っていたガイとキラービーはうちはマダラと交戦するも木遁で封じられており、疲弊していたカカシをフォローしながらオビトと戦うという厳しい状況。
そんな危機的状況に九喇嘛はナルトに代わるように言い、ナルトの身体を借りる。そしてカカシに声をかけ……

なんと、カカシをオビトに向けてブン投げた。
それに咄嗟に反応したオビトは彼に触れ、あっさりと時空間へと吸い込んでしまう。

チャクラ切れで神威が使えなくなったカカシが戦線離脱&人質になった最悪の状況にナルトは喚くが、九喇嘛は策があるから攻撃をし続けろと語る。
チャクラモードによる腕伸ばし攻撃にオビトは神威で腹部だけ時空間に転移させてすり抜けたが、ここでオビトが突如吐血する。


オビト「!!?(カハッ)」


ナルト「……!?」


2人とも何が起きているのか理解できずにいたが、場面は時空間に飛ばされていたカカシ視点へと切り替わる。
そこに描かれていたのは、時空間に転移していたオビトの腹部に拳をめり込ませていたカカシ。


カカシ「能力のネタが分かってる分注意してれば反撃できる…」


九喇嘛はカカシ自身を時空間に飛ばし、オビトが攻撃をかわそうと肉体を転移した所を攻撃すれば手っ取り早い上にカカシの神威の使用をしなくてもいいという戦法ですり抜け能力を攻略する。
九喇嘛の読みどおり確かな手応えがあったことにカカシは、


カカシ「さらにもう一発」*1


と追撃の腹パンを与える。
強烈な一撃にオビトも膝をついてしまい、その際に顔部分がカカシのいる時空間に転移し、苦しむ顔を見られてしまう。
そして彼から再三のパンチを喰らい吹き飛ばされる。
苦しんでいたオビトの姿に理解できずにいたナルトに九喇嘛は「オビトにダメージを与えたのは時空間にいたカカシの攻撃。投げ飛ばす寸前にチャクラを渡したから体力は回復し、奴も神威で元に戻ってこれる」と解説。
直後にカカシも神威でナルト達がいる現実空間へと帰還し、以後も戦闘は続いていく。


なんでこんなのが項目として扱われるのか

……と、一見すると無敵に思えた能力の対処法を発見しこれから反撃に転じるという、重要ではあるものの言ってしまえばそれだけの一場面なのだが、上記のシーンは作中屈指の迷シーンかつ、迷言としてこれと同じように扱われている。
その理由が以下。


①セリフのチョイス

一発目のオビト吐血後に視点が時空間のカカシに移り、読者への種明かしとなる二発目の追撃時に言ったセリフが「さらにもう一発」というワードチョイス。
「さらにもう一発」や「もう一丁!」のような熱のこもった言い回しではなく、説明口調気味なのがミソ。

直前の「能力のネタが分かってる分〜」というのが脳内のセリフではなく、誰もいない神威空間でカカシが実際に発しているセリフであることや、効果音が「ズン」というのもまたシリアスな笑いを誘う。


②せっかくの攻撃が腹パン

オビトも即座に対応できない状況で待ち伏せという絶好のチャンスだったのに追撃技がただの腹パン。
九喇嘛の急な策案だったのでクナイなどの武器を用意する暇が無かった……と見ることも出来るが、カカシには雷切がある。
前述の通りチャクラは回復されているので読者や視聴者から「そこは雷切とかでやれよ」とツッコミを受けやすい*2

一応フォローすると、そもそも劇中でも後から「殺ろうと思えば殺れたはずだ」とオビト自身に指摘されている(攻撃の甘さを指摘した回想の中にこのシーンが描かれていた)。
この時点でのカカシはオビトから「リンを貴様が殺めたから」と敵対する理由を語られ、カカシ自身もそれを深く後悔していたため、カカシにはオビトを殺す事が出来ずにいたのだ。
最終的に世界を守る事とナルトたちの戦う姿・言葉で覚悟を決めて彼を殺す事を決意する。……要は攻撃手段に非殺傷の腹パンを選んだ理由はちゃんとあったのだが、そんな整合性を吹き飛ばすインパクトを与えたのが下記の三番目の理由。


③あまりにもシュールな絵面

迷シーンとなってしまった最大の理由が間違いなくこれ。
「輪切りになって浮いてる人間の腹部に真剣な眼差しでパンチを叩き込む」というあまりにもシュールな絵面。カカシの腰の入った殴り方がまた面白い。
このコマには集中線もしっかり入れているので余計にインパクトを与えている。
アニメでも原作通り……どころか腹部の断面部分は赤く発光している*3という描写になっているので原作より更にシュールに。


上記の要因でシリアスな笑いとしてネットでもたびたび話題になっており、後にナルトを読んだ読者から「コラじゃないのかよ」「アニメオリジナルと思っていた」とツッコまれる事となってしまった。




「項目のネタが分かってる分注意してれば書き込みもできる…」

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最終更新:2025年02月09日 21:47

*1 吹き出しや集中線で勢いがある場面だが台詞自体には「!」はつかない

*2 とはいえ食らったオビトが吐血するので腹パンだけでもかなりの威力だった模様

*3 断面図を誤魔化すための光規制。ナルトは夜7時30分に放送されたので断面部分はグロいと判別されたか