きみは四葉のクローバー

登録日:2024/09/22 Sun 17:01:31
更新日:2025/03/01 Sat 21:22:34
所要時間:約 4 分で読めます





希望、信仰、愛情、幸福。

1枚1枚の葉に込められた、1/100,000の奇跡をあなたに。



『きみは四葉のクローバー』は、こうしによる漫画作品。『週刊少年チャンピオン』2024年33号から連載が開始された。
配信サイト『チャンピオンクロス』でもチャンピオン本誌の連載に遅れる形で配信されている。

概要

内容は様々な謎を秘めたヒロインによって陰湿ないじめに対する復讐と主人公への愛が描かれるという漫画。公式では「ラブサスペンス」と紹介している。
作者のこうし曰く本作については「ド絶望とド幸せの情緒グチャグチャな漫画」「とても幸せなサスペンス漫画」とのこと。
死の運命が待っている主人公の運命を変えることがヒロインの目的であり、タイムリープものや未来予測ものに該当するジャンルの漫画である可能性も示唆されている(他誌作品で言えば『タコピーの原罪』とか『運命の巻戻士』に近いかもしれない)。
いじめを題材にしているためか作品の世界観は全体的に陰湿で薄暗く、精神的に何かしらの闇を抱えている登場人物が多い。

ちなみに作者のこうしにとっては週刊少年チャンピオンでの初連載の作品となる。
また、前作の『異世界最強、日本でJKと婚活する。』など商業誌ではコメディ系統の作品を執筆していたため、ジャンルや作風的にもかなり路線を転換したことになる。

あらすじ

小学生の頃は人気者だった男子高校生の宇津宇一は、現在ではいじめと親の虐待まがいの行動によって人生に絶望していた。
宇一は絶望とトラウマに襲われる人生の中、小学生時代に転校して去っていった初恋の少女との約束である獣医になる夢だけを目標に何とか生きようとする葛藤の日々を送る。
その宇一の目の前に、突如として初恋の少女であるよつはが成長した姿で帰ってきたのだった。

健気な美女として自身に好意をアピールし続けるよつはに対し、宇一は不信感を消せないながらも心が癒され始める。
ところが健気な美女は裏の顔では宇一以外の全ての存在を憎んでおり、まるで未来を知っているかのように宇一を攻撃してくる相手を逆に陥れることを目的に行動を開始する。

やがて宇一が死ぬ運命だと悟り、神すらも憎む激しい怒りを秘めたよつはの目的と正体は一体何なのだろうか…?

登場人物

  • 宇津宇一
主人公兼本作ヒロインの救出対象となっている男子高校生。
小学校時代は文武両道の明るい人物だったが、中学生になってからは過激ないじめと家庭崩壊を経験した結果、常に何かに怯える挙動不審の暗い性格に変わったことで周囲の人間もさらに離れていく悪循環に陥ってしまった。
小学生の時のよつはとの縁をきっかけに獣医になる夢だけを心の支えとしており、学力に関しては常に学年トップクラスの成績を維持している。
また、人間不信の暗い性格になった一方で、よつはが危険に晒されると思うと何とか彼女を庇おうとしたり、自分を虐めていた瑛人が怯えている姿を見ると同情心を覚えたりと、かつての勇気や優しさが残っているような様子も見せる。
再会したよつはに激しい好意をぶつけられていることには嬉しさを感じている一方、彼女にもやがて見切られるかもしれないという不信感や美女に好かれる自分に対する周囲の視線への恐怖心の方が勝ることも多い。

よつはによると、いずれ限界になって死に追い込まれる運命が待っているらしい。
その運命を壊そうとするよつはの目的と裏の顔には全く気づいていないが、よつはのちょっとした言葉回しや顔色に違和感を覚えることもある。

  • よつは
ヒロイン兼もう一人の主人公でもある女子高校生。四つ葉のクローバーを連想させる独特なデザインの時計を常に身に着けている。
小学生時代の宇一の初恋と夢の理由になった人物。転校で別れることになったはずが、高校生として再び宇一の前に戻ってきた。
多くの人間が見惚れる容姿を持つ美女であり、変貌した宇一に対しても小学生時代から変わらない天真爛漫でどこか抜けた性格で接しながら彼の心の支えになっている。
また、宇一に対して女性として強い好意を抱いており、外でも周囲の目を気にせずに恋人として振る舞う。

ところが、裏の顔では宇一以外の全ての人間や運命すらも攻撃対象として認識しており、策略を巡らして宇一に害を与える周囲の人々を積極的に不幸に陥れようとしている
何故か宇一がいずれ死ぬと断言してその運命を変えることを目的に行動しており、宇一に関係する人間の状況や直近に起きる出来事を把握しているような謎の様子を見せる。
宇一に対するバカップルのような熱いアピールは、自身の美貌を利用して「底辺の男子高校生に惚れ込んでいる美少女」を演出することで周囲の男性陣を嫉妬心を扇動するための作戦でもある(ただし、内心描写から察するに宇一への熱いアピール自体は演技という訳ではない模様)。
しかし、その冷酷な裏の顔でも宇一が自殺する夢を見て罪悪感に苦しむ様子や異常な大和の存在に怯えている様子を見せており、実は精神的には常に限界に近い状態である。

  • 宇一の母親
主人公の母親。宇一の小学生時代は普通の明るい主婦だったが、精神を病んだようで宇一が高校になる頃には常にイラついてリストカット痕を息子に見せることを趣味とする毒親に変貌した。
家事もまともにせず、パート先での鬱憤などから宇一に八つ当たりするなど母親として最早成り立っていないが、こういった行為の数々は「息子だけが唯一の自分の心配をしてくれる」という歪んだ依存から行っている側面もある模様。
息子への振る舞いからよつはの制裁対象として扱われており、彼女の策略によって息子の心情を勘違いしたことから、自己保身のために息子に媚びるかのように多少気を配るようになる。

  • 八重大和
よつはと宇一のクラスメイトの男子高校生。高校では生徒会で活動している爽やかな少年。
宇一とは小学生時代からの同級生でよつはとも交流があり、中学生になってからいじめられている宇一を救えていないことに罪悪感を抱いていることを宇一に伝えている。

…ところが、実際の本性は小学生時代からよつはを運命の相手と勝手に思い込んで一途な好意を抱き続けており、幼い頃から現在に至るまでよつはに好かれていた宇一へ強い殺意を抱き続けている精神異常者
宇一が自殺してくれることを強く願っており、宇一が高校入学後もいじめられるようにとネット上での成りすましなどの工作活動を仕掛けて彼の高校生活を暗闇に陥れた黒幕。
再会したよつはに対しては運命を感じて彼女に少し触れるだけで激しい興奮や気味の悪い劣情を覚えているが、よつはにはその卑劣な本性や欲望は見抜かれており、恐怖心すら覚える制裁対象として扱われている。
また、よつはの出生に何か事情があることを知っている様子や、宇一へのいじめは大和が単独の知恵で行った訳ではないと考えられるような独白があるなどの謎も抱えている。

  • 江藤瑛人
宇一の中学時代の同級生の男子高校生。かつていじめを庇おうとした宇一を攻撃対象にして彼の人生を狂わせた張本人。
人間の所業とは思えない悲惨ないじめを様々な人間に対して続けており、取り巻きの友人達と共に未成年での飲酒などの犯罪にも手を染めている不良学生。
現在は赤天高校という宇一とは別の高校に通っているが、その激しかったいじめは宇一にとっては未だに消えないトラウマになっており、ある程度通学ルートが共通していることもあって電車で宇一と再会する。
宇一との再会時によつはが「宇一に新たに出来た美少女の恋人」として徹底的に振る舞ったことによって嫉妬心を煽られて行動を誘導されてしまい、駅のホームに転んで危うく列車に轢かれそうになる騒ぎを起こす。
更に密かによつはが送り込んだ炎上系動画配信者によってトラブルが拡大し、最終的に動画配信者の視聴者の玩具として悪事を掘られたことで転落人生を歩むことになった。

余談

  • 作者のこうしは本作の連載開始から『学園アイドルマスター』を一度もログインできていないとX(旧Twitter)にて述べている。



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最終更新:2025年03月01日 21:22