登録日:2022/06/30 Thu 00:40:53
更新日:2024/12/13 Fri 14:04:09
所要時間:約 7 分で読めます
運命の巻戻士とは、木村風太による漫画作品。
●目次
【概要】
元々は『別冊コロコロコミックSpecial』2021年6月号における『ミラコログランプリ春』の
読み切り作品として掲載。
アンケートで好評を得たために本誌『月刊
コロコロコミック』の2021年9月号に読み切りとして掲載され、2022年2月号より連載が開始された。
2024年4月時点で既刊6巻。
連載版は木村曰く「ミラコロ版よりもカッコよさを前面に出そうとした」としている。
作品の宣伝文句としては「
コロコロ45年の歴史上初のループSFアクション漫画」を掲げており、実際にコロコロ作品としては珍しいループを題材にした漫画となっている。
主人公の過去エピソードなど、児童向け漫画としてはなかなかエグい展開もある。
第1話は読者
人気投票において2位の人気を獲得するなど支持を得ている(1位は
ポケモンカードゲームの付録「
ピカチュウVMAX」だった)。
その後も人気はどんどん伸びていき、2024年3月時点で人気投票12ヶ月連続1位と言う、
コロコロコミック45年の歴史の中で初の快挙を成し遂げている。
【あらすじ】
悲運の死を遂げた人々を救うことを目的とした「時空警察特殊
機動隊」、通称「巻戻士」と呼ばれる組織に属する少年・クロノ。
クロノは巻戻士としての能力を用いて、過去に発生した事件に介入して何千回にも及ぶタイムループを繰り返すことで悲劇を回避する展開に辿り着く任務をこなしていた。
日々巻戻士として活動するクロノは、”CASE999”という事件内容に反して超高難易度の任務の完了を目指しているとのことだが…?
【主な登場人物】
時空警察
CV:福光可奈子
本作の主人公の14歳の少年。巻戻士として活動しているが、まだ立場としては新人。
気の抜けた凡ミスをするなどスマホンからはバカ扱いされることも多々あるが、ループを何千回と繰り返しても耐え切れる超人的な精神力と、僅かな異変も見落とさない抜群の記憶力、洞察力を誇る。
ターゲットに対しても情を覚える人柄や過去の経験から任務に対しては完璧主義であり、任務成功後も出してしまった軽い物的損害は補おうとする真面目さもある。
また、あくまで人命救出が任務の本質でありながら、対象の心をも救うルートを目指しており、仮に救出ができても本人に
トラウマや後遺症が残るようであれば迷わずリトライをしてクリアに近付いたルートを諦める事が出来る。
巻戻士として常人以上の身体能力を誇るが、武器などは持っておらず、当人もリトライを繰り返して物事を覚えて対処するタイプなので、ぶっつけ本番の直接戦闘は不得意。
小学生時代はコミュ障でいつも本ばかり読んでいることから「ゴースト」と呼ばれて避けられており、自身とは逆に人気者の妹の存在からコンプレックスを抱いていた。
巻き戻しによるループ前の記憶を維持しているなど、巻戻士になる前からループのリセットを受けない性質を見せていた。
トキネの死と巻戻士の任務に巻き込まれたことを受け、妹を救うためにシライの導きによって巻戻士としての運命を歩むことになる。
名前の由来は他のキャラと同じく色の名前であるが、それに加えて
ギリシャ神話に登場する時間の神「
クロノス」からも取られていると思われる。
3オクロック「ハイド」との戦いで、トキネの事件を再現した二者択一を迫られた結果、彼もバージョンアップに目覚める。
その能力は「
複製」。
シライの「録画・再生」とは異なり、完全にもう一人の自分を呼び出して、自在に行動することができる。
実際には自分が3分間行動した後で元の時間に戻り、その行動を3分前の世界で再現させるといったもの。
分身というよりは、
別の時間軸にいる自分を呼び出して助けを借りたというようなイメージに近い。
クロノの「命の選択をせず、どちらも助け出す」という強い意志が生み出した能力と言える。
CV:末次由布子
クロノの相棒として任務をサポートする新人教育AI。
スマートフォンのような形で宙に浮いて動く。
データモードを起動することで巻戻士本部のデーターベースにアクセスして情報を提供することが可能。
感情表現が豊かな存在でクロノの抜けた部分や完璧な成功に執着する姿勢にツッコむことも多く、クロノをバカと認識しながらも観察眼や精神力を高く評価して「100年に一度の逸材」とまで考えている。
CV:遠山春
クロノが小学生時代にトキネの死を見届けた直後にループに巻き込まれた際に出会った巻戻士の青年。
マイペースな雰囲気で寒いギャグを飛ばす癖がある。嫌いなことは「シラケること(シライだけに)」。
巻戻士としては最強クラスの人物で、自身の所持する刀で一撃で大型トラックを両断する剣技や修行の末に得たリトライアイの特殊能力を使える。
ループの記憶を所持していたクロノの様子に気が付いて彼を任務に帯同させることになるが、仮面の男の介入でトキネの救出に失敗した後にクロノを巻戻士として鍛えることを決める。
本編時点では元特級巻戻士という扱いで後進をサポートしており、多くの巻戻士から伝説として尊敬を集めている。
開眼「録画・再生」は、予め行った動作を記憶し、時間をおいて分身体がその動作を再現するというもの。
CV:伊藤タカユキ
シライの相棒として任務をサポートする存在。外観はスマホンに似ているが、そちらよりも口調が荒く表情も険しい。
長々とシライの能力を説明するなどお喋りな性格でもあり、クロノに対しても巻戻士の素質を感じていた。
CV:mayo
クロノと同じ巻戻士の少年。ギザ歯が特徴的な容姿で
日本刀を帯刀しており、広島弁のような口調で話す騒がしい性格。
優れた野生の勘と身体能力を誇り、クロノと同じ3級の巻戻士でありながらも既にリトライアイを開眼させていて、数秒間の間だが200倍もの速さで動く「
早送り」という能力を使える。
任務では他者に対して横暴な雰囲気を見せるなどクロノほどの完璧主義ではないが、一応アカバなりに考えて周囲に接しているなど意外に冷静な観察眼も持つ。
シライに対してかなりの尊敬心を抱いており、巻戻士の武術試験ではシライの弟子となっているクロノが気に入らなかったことからボコボコにした。
元々は2062年の時代で6歳の時に船の事故で死んでいるはずだったが、シライが1031回ループした過去がある。
CV:春香
2075年の日本政府が生み出した
人造人間(アンドロイド)。
ロケットパンチや手から出るビーム、無数の銃火器などの様々な装備が使える。
アンドロイドなのでどんなに寒く、逆に暑い場所の任務でも実行可能で、どんなにボロボロになっても痛覚がないのであまり自分の事を気にしない。
彼女自身は感情がないと思っているが何人かには感情があると言われている。
雪山の任務(対クロックハンズ)でリトライアイを開眼させて、「
停止」という能力を使える。
消耗が激しいので何度も扱えるものではないが、停止できる時間は20秒と長く、更に自分以外の巻戻士も止まった時間の中で動けるというのが最大の利点。
名前の由来はレモン色からか。
CV:末次由布子
在籍から5年で任務達成率91パーセントを誇る1級巻戻士。
ウェーブのかかったショートヘアのクールな女性で、超人的な槍の使い手。
しかし、巻戻士たちの出身時代のリストを盗むクロックハンズの
スパイでもあった。
任務から戻った後にスパイであると発覚するも、忽然と姿を消すが……?
CV:森下結月
潜入捜査を得意とする2級巻戻士で、バージョンアップの能力「
変換」により自在に姿を変えることが可能。
基本の姿は黒髪の気弱な女性だが、犬の姿のチャワン、
イケメンで女性の扱いに慣れているチャニイなど、チャイヌの姿を合わせて7つの姿を持っている。
人格や体格なども大きく変化するが、頭の上にある雲のような毛が共通したトレードマークで、帽子の上にまで生えてる姿も存在する。
実は彼女こそが真のクロックハンズのスパイであり、3オクロック「ハイド」の孫娘。
ただし実の血縁ではなく、捨て子であった彼女を育ててきたという関係であった。
また、「変換」の能力も明かされていた7つが全てではなく、ハクギンもチャイヌの8つ目の姿ことチャネエだった。
ちなみに、チャネエの時に限り他の姿であった雲のような毛が無くなっている。
ハイドによって語られた過去ではかつて実の両親に捨てられた事が明かされる。
母は巻戻士であり、任務中にターゲットと恋に落ちた事でチャイヌを産んだ。
だが、DNA鑑定によりチャイヌの母は、夫が行方不明だった自分の父親だった事を知る。
つまり、チャイヌの母はチャイヌ自身であり、自分を産むというタイムパラドックスを引き起こしてしまったのだった。
自分の存在に自信が持てなくなったチャイヌは絶望によってリトライアイを発現させ、自分の心を守るために「変換」と共に8つもの人格を得る事となったのだった。
そして、運命に逆らうことで自分が消滅してしまう事を恐れてハイドに従っていたが、「運命と戦う」というクロノの言葉により、巻戻士として再起することとなる。
そして任務終了後にスパイとして他の巻戻士から刃を向けられるが、自分の意思で巻戻士を続ける決意をし、自分の力で居場所を勝ち得る事となる。
なお、「変換」で生み出された姿はチャイヌを守る家族の姿であり、それぞれチャイヌの姉や祖父、ペットなどが該当する。
しかし、その出自から母や祖母にあたる姿だけは存在していない。
CV:ヤシロこーいち→畑耕平
巻戻士の創設者であり隊長である、最強の巻戻士。
スキンヘッドのイカつい見た目に任務のためならドライな判断も下せる非情さを持ち合わせている。
シャープの後に3桁の数字を打ち込む事であらゆる機能を発揮する「
変形携帯」を操る。
大剣や盾のような単純な武器から銃やチェンソーのような複雑な機械、更には武器だけでなく周囲の機器のハッキングも可能な万能兵器である。
バージョンアップ「
逆再生」は、自分の意識を20秒先に飛ばし、そこから20秒間逆再生される世界の中で動けるというもの。
つまり、相手の動作を見て自分の行動を選択することで、あらゆる攻撃を必ず命中させられるという、複雑だが最強クラスの能力である。
その分消耗も激しく、使用後は満足に立ち上がれないほどに疲労する。
なお、能力が発動している20秒間は、互いに互いの動きが
逆再生している状態となるため、相手が後ろ向きに走ってきたり壁から自分に向かって飛んできたりと、シュールな光景が広がることとなる。
クロノとチャイヌを強制送還した後、3オクロック「ハイド」を道連れに火山の火口に落下して、その命を落とした。
……かに思えたが、クロノの前に現れたのは年老いた姿のゴローだった。
実はゴローは変形携帯の最後の機能で助かっており、その後数年間ハイドと共に過ごしてクロックハンズの情報を聞き出そうとしていた。
やがてハイドが病によりこの世を去ると、その時代にいるゴローと接触。
そして巻戻士を設立し、自分は人前に出ずに至る。
つまりゴローは自分がその年齢まで生きる事を事前に知っていたため、相打ち覚悟の戦いに挑んだというわけである。
CV:雪乃瀬りむ
クロノを指名して弟子入り志願した三級巻戻士。
壁を軽々とぶち破るほどの力を持ったハンマー使いの少女。
ただし、たった2回リトライしただけで精神に限界が来るほどに巻戻士としての適性は低く、更に記憶力も悪い。
明るいが口が悪く喧嘩っ早い性格。
名前は英語で灰色を意味する「gray」から。なお髪はピンク系の色。
CV:深町凌
グレイと同じくクロノに弟子入り志願した拳銃使いの少年。
彼も精神力、記憶力ともに非常に弱い。
にこやかで落ち着いた雰囲気の性格。
クロノが命を落とすと言われている任務に、グレイと共に同行する事になる。
YouTube版オリジナルキャラ
CV:mayo
その名の通り臙脂色のショートカットが特徴の女性巻戻士。
外見年齢はクロノやアカバと同じぐらいで、それ故にまだまだ精神的には未熟でよそ見や早とちりによってトラブルを起こしてしまうことが多いマイペースな性格。
一方、何事においても可愛さを第一に考えており、例え表面上は任務遂行できていたとしても、その結果が「可愛くない」と判断すれば何度も挑戦し直す等、根はクロノにも負けない真っ直ぐさを持つ。
武器はライフル銃。
ただ、ライフル銃はあまりうまく扱えず、鈍器として使っていることが多々ある。
YouTube版オリジナルキャラである為、本筋のストーリーには一切絡まないが、
モブキャラの一人として写されたことがある。
CV:ちんやく
黒と白のツートンカラーで癖毛が強い
ツインテールが特徴の女性巻戻士。
一人称は「僕」で、語尾に「だべ(さ)」と付けることも多い。
スマホン曰く優秀な巻戻士らしいが、
照れたり興奮すると携帯しているリコーダーを吹き鳴らすというおかしな癖の持ち主で、初対面の人間にはよく驚かれている。
クロックハンズ
CV:ヤシロこーいち
トキネ救出の任務を達成したと思われたシライの目の前に現れた人物。時計デザインの奇妙な仮面を装着している。
何故かトキネを何度も殺害することを宣言しており、巻戻士と同様の
タイムスリップによるループ展開を作ることが出来る。
執拗にトキネ殺害に拘る理由については語ることはなく、トキネの救出を試みたシライの妨害に成功した。
その実態は、時間犯罪組織
『クロックハンズ』のメンバーにして、そのリーダー格。
CV:伊藤タカユキ
爆弾を操るクロックハンズ。
その精度は凄まじく、大規模な破壊からミクロレベルの爆破まで可能で、爆破により雪崩を操るのもお手のもの。
レモンがリトライを繰り返して必死にユキを助けようとする姿を嘲笑う外道な性格。
しかし、
20年以上、回数にして
7800回以上もレモンのリトライに付き合いながらも「ウケた」の一言で済ませる異常な精神力の持ち主でもある。
また、クロックハンズは数字が低くなるごとに階級も上がるので12時は最低ランクではあるのだが、上記の精神力に加えわざわざクロックハンズ最強格の1オクロックが助けに来たり、他のクロックハンズが時間に関する2つの能力を持つ中「爆弾のプロフェッショナル」以外の能力を見せていないあたり「
コイツ実は0オクロックなんじゃないか?」とファンの間ではネタ混じりに囁かれている。
シライの過去に現れ、学生時代のシライ暗殺を目論む。
言葉の後にフランス語を付けて喋る。
その正体は、シライの学生時代に教師として潜り込んだマイ先生こと「マイ・ラッセルハート」。
記憶の「削除」と「編集」の能力を持ち、学校中の生徒を操ってクロノ達を襲った。
特に編集は非常に強力で、一般人に武術家の記憶を与えて強力な兵士にできる他、感情のないレモンに恐怖心を植え付け、アカバには常に空腹感を与えてお菓子をドカ食いさせ太らせるなど、即効性も高い。
また、発明も立派な能力であり学校中の生徒の記憶をハッキングして一気に操ることや、
背中に接続した4つのアームに武芸者の記憶をインストールした「
神殺し」という形態で戦うこともできる。
ただし、その形態は脳への負担が大きく、2時間で絶命してしまう。
かつては発明好きの両親のもとで発明やハッキングの才能を伸ばす少女だった。
しかし、当時住んでいた建物で災害が発生し、両親を失う。
その際に巻戻士によって助けられるが、彼女の両親だけ見捨て、命の選別をする巻戻士の傲慢さに恨みを抱いてクロックハンズのメンバーにスカウトされる事となる。
巻戻士への憎しみからクロノ達とは敵対するが、発明好きで優しい性格という部分は素であり、泣いてる子供に発明品を披露して泣き止ませようとする姿も見られた。
CV:畑耕平
紳士風のタキシードを身につけた老人。
クロックハンズの資金調達のためにTOTE社内の告発者を炙り出すべく、部下を潜入させる。
任務から戻った部下を労い紅茶を淹れようとするも上手くいかなかったり、巻戻士が現れれば震えながらも部下を守ろうとする心優しい性格の持ち主。
それらの姿は全て芝居であり、部下のチャイヌも自身の便利な手駒としか見ていない冷徹な性格。
更にはチャイヌが死によってその記憶を失い自分のことをまだ信じていると思った時には、その様子を嘲笑いながら「また使ってあげる」などと発言した。
複数の人間を一気に空中へ放り出したり大量のレーザー砲で相手を取り囲んだりする、相手を宇宙空間へ放り出すなど、言った事を現実にする魔術師のような能力を持つ。
その能力もさることながら、巻戻士がリトライした瞬間を見計らいリスポーンキルを繰り返すことで、巻戻士の心を蝕む戦い方をする。
魔術じみた能力の正体は「入替」であり、彼の操る監視カメラに映った物質を、他の場所のものと入れ替えることができる。
しかもその距離に制限はほぼなく、どれだけ離れた火山帯や深海、宇宙であろうと彼の意思一つで入れ替え可能。
入れ替えの際に触れている物があると、それも一緒に入れ替えさせることが出来るため、入替の直前に体を掴まれると道連れを喰らうリスクがある。
実は「ジキル」という別人格と、もう一つの能力「
省略」を持っていた。
ジキル側の人格はハイド以上の下劣かつ外道であり、殺戮を好む残虐な存在。また、ジキルが目覚めている間は常に目を閉じている。
その能力は
過程を無視して結果のみをそこに残すというシロモノ。
それによりゴローの腕を切り落とすが、彼の開眼により倒される。
最後はゴローを「入替」により火山に送ろうとしたが足を掴まれタイムマシンも落とされ、ゴローと共にマグマの中へ消えた。
……かに思われたが、実際はゴローと共に生存。
しかしタイムマシンも壊れ転送も行えない状況であったため、火山付近のハワイの街でゴローと共に15年もの時を過ごす事となるが、後に病でこの世を去ることとなった。
最後までクロックハンズについては口を割らなかったが、彼は自身の出生についてゴローに語った。
彼はしがない手品師であったが、巻戻士と出会い、ふとした事故で共にタイムワープをしてしまう。
しかし彼が辿り着いたのは過去の世界だった。
そこで妻を作り子を育てるが、ある時家庭の中の光景に既視感を覚えた。
そう、彼もチャイヌと同じくタイムパラドックスを起こしてしまい、自分の母との間に子を作り、自分を産ませてしまったのだった。
歪んでしまった自分の運命に恐れ、自分から逃げ出すことで「ジキル」の人格が発生。
幼い自分自身を殺そうとしたところでクロックハンズにスカウトされる。
チャイヌに対しても元々はクロックハンズの為の道具でしかなかったが、自分と同じ境遇の少女に同情し、気付かないうちに愛してしまった事を告げて、チャイヌに詫びの言葉を遺した。
その他
CV:福光可奈子
クロノの妹の小学生。本編前にトラックに轢かれる交通事故で死去しており、ただの交通事故に見えるトキネの事件は何故かSS級任務「CASE999」に認定されていることから巻戻士に間では有名な事件となっている。
活発で明るい性格で、人助けを積極的に行うことや頭脳面でも長けていることから同級生からの人気も高いなど兄とは対照的な人物。
トキネ自身は兄のことを本来は自分よりも優れた素質の持ち主であると認識しており、「お兄ちゃんに足りないのは自信だけ」と諭していた。
不審者に誘拐されてしまい、クロノに救われるも何故か再び現れた不審者の報復殺人によって死亡する。
その後はシライによって救出が試みられるが、トキネの死を願う謎の男の手によって運命を変えることが出来なかった。
CV:ヤシロこーいち
クロノ達の昇級試験の際に現れた、ピエロの姿をした巨漢。
愛嬌のある顔つきと子供っぽい口調をしているが、その正体は史上最悪の連続殺人犯。
「戦車に乗せてもらえなかった」というだけの理由で一国の軍隊を壊滅させたという恐るべき逸話を持つ。
巨大な鉄球を振り回して飛行機内で破壊の限りを尽くし、クロノとアカバを幾度となくリトライに追い込んだ。
なお、彼はクロノ達の試験を妨害するために送り込まれたクロックハンズからの刺客……ではあるのだが、あくまで
彼自身はクロックハンズの構成員というわけではなく、彼らによって別の時代から連れてこられただけのそのへんの殺人鬼である。
このエピソード以降クロックハンズとの直接対決が話の主軸になっていったこともあり、今のところ
この手の在野のバケモンは彼以外には登場していない。
妙な方向で読者に強烈なインパクトを残したキャラの1人であり、1エピソード限りの敵役でありながら何かとファンの間で話題に上っている。
身も蓋もないことを言ってしまうと、ワンピースのヒグマとか寄生獣の犬に寄生したパラサイトみたいな「まだ設定や作品の方向性が固まりきってない時期に出てきたせいで浮いちゃってる」タイプのキャラ。
なお、YouTube版には
彼が3人に増えて襲ってくるエピソードがある。
レモンの任務先で出会った少女。
任務で傷ついたレモンを町まで運ぶが、そのせいで薬を手に入れられずに命を落とす運命だった。
彼女を救うため、レモンは当初の任務完了後もリトライを繰り返し続けている。
CV:末次由布子
シライの過去にいた短針中学校の教師。
剣道部の顧問だが発明好きで、変な発明道具を作ってはシライたちに披露している。
大きなメガネと手袋、後頭部でまとめたお団子ヘア、そして女性にしてはそれなりに長身であるのが特徴。
【主な用語】
◇巻戻士
正式名称「時空警察特殊機動隊」。過去の時空に戻って不慮の事件や事故で亡くなった人間を救うことを目的とした超精鋭部隊。本部は現代よりも未来の2087年の世界。
この組織に属する人間は人並外れた身体能力を持つ者が選ばれており、右目に「リトライアイ」というタイムマシンを仕込まれている。
スマホン曰く「巻戻士はターゲットに情を移してはいけない」という理論があるようで、これはリトライアイでターゲットの死を繰り返し見ると精神にダメージを受ける可能性があるため。
そして、それが恋愛感情に発展すれば最悪自分自身を子として生み出すタイムパラドックスを生じさせてしまう恐れもあるため。
志望者は1000人程度いるらしく、候補者は最終試験として新人教育AIを引き連れて実務を行うことになる。
巻戻士には3級~特級までの段階があり、特級にならなければ超高難易度の任務を受注することは不可能。このランクは昇格試験として扱われる任務を経て上がる。
担当する事件は難易度のランク付けがされているようで、現時点ではSS級まで難易度の上限が存在している。
大量殺人事件の場合は死傷者が半分に減るだけでも成果としては十分というような描写があったり、救出対象が何かしらの痛手を負っても助命にさえ成功すれば任務達成として扱われたり、最悪死を回避できなくてもそれまでの経緯が幾分か穏当になれば許容範囲であるかのような描写も見当たる。
◇リトライアイ
巻戻士が右目に内蔵しているタイムループ機能を持つ義眼。巻戻士は普段は何かしらの形で目を露出しないように隠している。
使い方としては巻戻士が「巻き戻し」を宣言すると発動し、巻き戻しボタンのマークと今までに経験した出来事が映像のように流れながら過去に戻ることが出来る。義眼には任務における使用回数も表示される。
義眼の持ち主が死にかけても起動すれば一瞬で自身の死や体力の消耗すら無かったことに出来るチート能力だが、巻き戻すと精神的なダメージを大きく受けてしまうという大きなデメリットも存在する。
但し、このダメージはリトライの副作用というよりは、運命を変えられないことを何度も目にして起こる精神的ショックの意味が多いとも取れる。
そのため、巻戻士の任務は巻き戻しの発動によって精神面が限界を迎える前に成功や撤退が求められるという消耗戦となる。
またリトライアイは破損すると能力が使えなくなるため、巻戻士にとって右目付近は弱点となっている。
そして、右目を潰されるなどの負傷を負ってから他の巻戻士によってリトライをし続けると、リトライアイにエラーが生じて巻き戻しが出来なくなってしまう。
なお、巻戻士が命を落とした場合、他の巻戻士によってリトライされれば死ぬ前に戻ることもできるが、その場合はリトライをした回の記憶を一切失ってしまう。
一握りの優れた巻戻士はリトライアイを「開眼」させ、タイムスリップ以外の能力を引き出すことが出来る。
例えばシライは自身の斬撃を録画した分身を作り出すという「録画」「再生」という能力を使える。
能力の命名ルールは「ビデオの操作」であり、巻き戻し含めて時間をビデオテープに見立てているようだ。
バージョンアップの発動中は、右目付近に電流が走るような現象が発生する。
◇クロックハンズ
巻戻士の妨害をする謎の組織。
巻戻士とタイムマシンを憎んでおり、全てのタイムマシンを消し去ることで平等な世界を作ろうと目論んでいる。
巻戻士はリトライアイによりリトライのたびに多大な負荷を受けるが、彼らは懐中時計のような特殊なタイムマシンにより、肉体への負担を一切なしにリトライが可能となっている。
ただし、外付けである分巻戻士も狙いやすく、奪われたり壊されたりすれば当然無力化される。
また、リトライ以外にもそれぞれ特技を極めており、巻戻士を苦しめる。
時計の針が描かれた仮面を被っており、12時から始まって数字の若いものほど強力な相手となっている。
【アニメ】
2022年3月28日からYoutubeチャンネルが設立されてアニメ(というか漫画系動画)が投稿されている。運営はケイコンテンツが担当。
連載開始時点でYoutube展開が告知されており、連載開始から2ヶ月程度でYoutubeでの
アニメ化が行われたのはコロコロ史上でも最速となる。
アニメオリジナルストーリーが展開されているが「宮本武蔵との戦いで佐々木小次郎を勝たせろ」とか「明智光秀から織田信長を救え」など、結構ぶっ飛んだ内容も目立つ。
また、同じくコロコロとYoutubeで作品展開をしている
ブラックチャンネルとのコラボも行われている。
【余談】
- 単行本第1巻の表紙は初版のみメタリック仕様が施されている。
- SF作家の藤井太洋の息子が本作のファンとのことで、第1巻では藤井自らが本作への推薦コメントを出している。また、その後も虚淵玄氏や辻村深月氏からもコメントが送られている。
- ゲームブックのように物語を読み進められる「インタラクティブコミック」という形式のデジタル漫画もあり、巻戻士のように試行錯誤を繰り返して物語を楽しむこともできる。
- 小学館の人気作品とのコラボレーションも積極的に行われており、「名探偵コナン」、そして「ベイブレードX」を題材とした「葬送のフリーレン」などが、上記のインタラクティブコミック形式で配信されている。
追記・修正は、何千回もループを繰り返して未来を変える100万分の1のクリアルートを掴んでからお願いします。
この項目が面白かったなら……\「巻き戻し!!」/
- ブラチャンコラボで知った。しかし最近はコロコロ漫画のYouTube進出が多いな -- 名無しさん (2022-06-30 11:05:30)
- 3級から特級になる→特級になると妹の事故の任務をできると結構長めの道のりだが20巻位でまとめてほしいな。 -- 名無しさん (2022-07-24 10:09:56)
- これほどタイムリープを上手く扱った作品はそうそうない。 -- 名無しさん (2024-04-09 18:53:53)
- 救済RTAみたいなゲームっぽい展開と、時間改変をテーマにしたゴリゴリのハードSF展開の合せ技が美味しい。 -- 名無しさん (2024-04-09 19:09:29)
- こないだ無料公開されてどハマりしてしまった。マイ先生かわいいよマイ先生。 -- 名無しさん (2024-04-09 23:08:32)
- 巻戻士の名前の由来は、クロノはクロノスだけでなく「 黒 」、シライは「 白 」、アカバは「 赤 」、レモンは「 レモン色 」、チャイヌは「 茶 」、アニオリのエンジは「 エンジ色 」で、色からも来てるんじゃないでしょうか? -- 名無しさん (2024-04-09 23:29:19)
- ファンからやたらネタにされるキバク、ついに公式からも「20年間アンドロイドに粘着するやべーやつ」と呼称される -- 名無しさん (2024-07-28 21:30:05)
- 確かクロノの「複製」は3分後の自分を呼び出すって言う能力だったはず… -- 名無しさん (2024-07-31 20:37:59)
- ↑3の者ですが、巻戻士たちの名前の由来は色かな?と思ってたのですが...ゴロー隊長のゴローの名前の由来は...なんでしょうか...? -- 名無しさん (2024-07-31 22:30:02)
- ゴクオーくんといいこれといい、コロコロってたまに大人が読んでも十分楽しめる名作があるから侮れない。 -- 名無しさん (2024-08-01 00:09:48)
- よく考えたらチャイヌの過去、ハイドの口から語られたから どこまで本当かわからないよな。タイムパラドックスの事は本当だとしても それで捨てられたのか怪しく思う。 -- 名無しさん (2024-08-02 02:49:08)
- マイ先生の両親の件もクロックハンズが一枚絡んでるって可能性が高い。 -- 名無しさん (2024-08-02 07:28:12)
- 3時の名前と性格が元ネタと真逆なのが少し闇を感じるよね(ジキルとハイドではジキルが紳士、ハイドが凶暴) -- 名無しさん (2024-08-04 11:56:41)
- これは他の少年誌でやっても成功すると自信持って言える作品 -- 名無しさん (2024-08-12 07:47:40)
- 無料期間中にドハマりしてコミックス大人買いしてしまった。 -- 名無しさん (2024-08-16 09:35:01)
- ゴロー隊長以外にその場にいなかったので『実は3時が言い残したチャイヌへの思いは隊長の優しいウソで、実際は最期までチャイヌを道具扱いしてたとかないよね?』と思って読み返してみたら、チャイヌに出生の秘密を明かしたあとと、隊長に過去を語った回想の時だけ、3時ことハイドの一人称が「ぼく」になっていた(他のシーンでは「わたし」ジキルの人格だと「オレ」)。つまり、その時だけ作らない素の自分で話している=チャイヌにかけたずっと家族だという言葉は素で出てきた本音だった、というのがハッキリするようになってた。つくづくよく出来た漫画だ -- 名無しさん (2024-08-21 17:51:39)
- 隊長がトキネの名前出したのはなんなんだろ トキネが巻戻士の創設者で本来はクロノの方が死ぬはずだったり? -- 名無しさん (2024-08-21 19:18:57)
- 自分の親が自分って遺伝子的にどうなっているんだろう。少なくとも親から半分受け継いでいないとおかしいが...。 -- 名無しさん (2024-08-21 19:50:47)
- ↑普通だったら両親から半分づつ遺伝子を受け継ぐが、こういうパラドックスの場合時間軸とか因果律とかの働きで片親(自分自身)と結果的に全く同じ遺伝子になって生まれてくるって可能性もありそう。そういうどうなってるか分からない遺伝構造の歪さおかしさなんかもすべて含めて「存在しないはずの人間」「生まれてはいけなかった」ということなんだろう -- 名無しさん (2024-08-22 00:09:03)
- コロコロ555号記念のPVの主役としてクロノが登場 しかもEveの書き下ろし曲という豪華っぷり -- 名無しさん (2024-08-31 22:22:59)
最終更新:2024年12月13日 14:04