登録日:2024/10/8 Tue 21:45:00
更新日:2026/08/20 Thu 22:19:51NEW!
所要時間:薫「約 10 分で読まないと祟りがあるってさ」 ダラさん「めんどくせえ事になりよった…」
『令和のダラさん』はともつか治臣による漫画作品。
一見すると古来の怪異を題材とした和風ホラー漫画であり、実際過去編はそんな感じだが、本編である現代編は古来の怪異とマイペースな姉弟による騒動を描いたホラーギャグ漫画となっている。
本作は、かつて
2ちゃんねるの
洒落怖スレに投稿された怪談「
姦姦蛇螺」を題材とした漫画であり、ニコニコ静画にて2021年11月から個人連載が開始された。
その後、2022年3月よりコミックウォーカーにて商業連載が開始され、その際
大人の事情により作中の怪異の名称が
「屋跨斑」へと変更された。
現在は単行本のほか、2026年07月23日には公式ファンブックが発売されている。いわゆる設定資料集だが、まえがきでの作者曰く「確定した設定として明文化したモノではない」とのことで、
例えば日向が髪を短くした理由がファンブックでは「乾くのが遅くて面倒くさい」というものだったが、後に掲載された第70話では「松の木のヤニに絡まってぶった切ってからそのまま」と齟齬が生じている。
TVアニメ化も決定し、2026年7月より放送中。
1クールアニメ全体の緩急を鑑みてエピソードが前後しており、例えばアニメ1話は姉弟とダラさんの話で纏めるため漫画1・2・4話が収録され、筆木先生が出る漫画3話が2話に回されている。
漫画数話をアニメ1話に纏めている都合過去編と現代編が交互に放送される格好となり、風邪をひきかねない温度差の波をよりいっそう体感できる。
【概要】
とある田舎町にある山の一角には、古来より忌み地として恐れられてきた場所が存在していた。
そこには怪しげな祠が建てられていたが、暴風雨による土砂崩れで損壊してしまう。
代々その山を管理してきた三十木谷家の姉弟は、祠の様子を確認しに向かった祖父を案じ、忌み地へと足を踏み入れる。
そこで彼らが遭遇したのは、数百年もの間、山に縛られ続けていた「それ」だった……。
【登場人物】
・ダラさん
CV:田村睦心/ファイルーズあい
数百年の間、とある山に存在し続ける祟り神。
「オマタギサマ」「マダラサマ」「マダラゴゼン」など、様々な呼び名を持つ。
一人称は「儂」。
前述の通り、個人連載版では「姦姦蛇螺」そのものという設定だったが、商業版では「屋跨斑」という架空の怪異へと変更された。
最大の特徴は、非常に長い黒髪、耳元まで裂けた口、蛇のように伸びた舌、3対6本の腕、そして全長10m近くにも及ぶ蛇の下半身という、まさしく人外そのものの異形の姿。
その一方で、見る者を惑わす豊満な
おっぱいも特徴の一つ。
ファンブックによると生前の身長は
174cmと時代を考えるととんでもない大女だったようで、人化した際はその高身長ぶりに姉弟に改めて驚かれている。
三十木谷家に代々恐ろしき怪異として語り継がれてきた存在だが、その実態はというと、
- 初対面の姉弟に正体を問われて律儀に自己紹介する
- 全裸であることを気にした薫から母親の下着を渡され、素直に着用する
- 薫の変態的な行動には普通に引く
- 禁足地である山へ頻繁に遊びに来る姉弟に頭を抱える(物語が進むにつれて慣れたのか、次第に気にしなくなる)
- 日が暮れ始めると、山で遊ぶ姉弟に帰宅を促す
- 姉弟が持ち込む衣装や玩具の費用を気にし、自らも収入源を得ようと考える
- 薫が家の備蓄品である大量のお菓子や飲料水を持ってきた際、「こんなにたくさんくすねるのは良くない」と持ち帰らせようとする一方、話には付き合う
など、個性的な登場人物が揃う本作においても屈指の常識人である。
また、「儂には関係ない」と言いながらも学校へ通う薫を気に掛けたり、暇だからダラさんの家で遊びたいと言う日向を迎えに行ったり、山へ遊びに来る姉弟に嫌な顔ひとつせず付き合ったりするなど、根はかなりのお人好し。
祠が損壊した暴風雨の夜、山へ足を踏み入れた三十木谷姉弟の前に姿を現す。
しかし、その際に日向へ自己紹介してしまったことが運の尽き。言葉が通じると分かった瞬間、あれよあれよと距離を詰められ、慕われ、懐かれ、気付けば姉弟の遊び相手にされてしまった。
その際、屋跨斑をもじって付けられた呼び名が「ダラさん」である。
元ネタ同様、祟り神となる以前は、数多くの術に精通した経験豊富な人間の巫女だった。
そのため怪奇現象や妖怪などのオカルト知識にも詳しく、時折、姉弟や読者に向けて分かりやすく解説役を務める。
また、現在の蛇の下半身は元々存在したものではない。本来の脚はそこに隠されているが、大腿部から下を切除され、骨や筋肉の断面が露出した凄惨な状態となっている。
現在では理性的な彼女だが、かつては自身の下半身に宿る屋跨斑が意識の主導権を握っていた。
その時代の彼女は、山へ近付く人間を無差別に祟り殺す極めて危険な祟り神であり、三十木谷家に残された記録もこの頃の出来事を記したものと思われる。
本人もまた、無差別に祟りを撒き散らしていた状態こそが「屋跨斑」であり、現在の自分はもはや屋跨斑ですらない別種の存在だと認識している。
およそ100年前、彼女は自身の内側に存在する屋跨斑を調伏し、理性を取り戻した。
以降は「怒り続けるのも疲れるし、人を殺めて騒ぎを大きくしたくない」という考えから、山へ肝試しなどに訪れる不届き者に対しても「死なん程度に祟りビームでキャン言わせて」追い払う程度に留めている。
当初、三十木谷姉弟とは深く関わるべきではないと考えていた。
過去に数多くの人間を祟り、命を奪ってきた存在である自分には、普通の人間である姉弟と親しくする資格などないと思っていたためである。
姉弟がダラさんの家に泊まりに来た際、彼女は自身の過去を打ち明ける。しかし姉弟は、そのマイペースさ故か、あるいは現在の彼女と過去の屋跨斑を別の存在として理解していたためか、必要以上に恐れることなく受け入れた。
三十木谷家に残された記録から過去の出来事をある程度把握した上で、それでもなお山へ遊びに来ていたのである。
そしてダラさん自身もまた、自分を慕ってくれる姉弟がいつか離れてしまうことを心のどこかで恐れており、「もう山に来るな」と言い出すことができなかった。
姉弟の本心を知って以降は、山に封じられているモノの正体や、自身に降り掛かった厄災について語りながら、時には振り回されつつ、姉弟からの供物(現代の飲食物)に舌鼓を打つ日々を送っている。
時折、人間の姿を装って町へ出ることもあり、その際は裂けた口をマスクで隠し、蛇の下半身は体を無理矢理絞ることで人間の脚のように見せている。
腕は術式で一時的に減らすこともできるが、発動は多少の手間を要するため、咄嗟に隠すときは服の中に仕舞っている。
ただし、半人半蛇という身体構造そのものは変わらないため歩行は苦手であり、杖を使って不安定な足元を支えていることがある。
自我を取り戻してから長い年月が経っているため、現代文明についてもある程度の知識を持つ。
以前、山へ侵入したチンピラが逃走時に落としていった携帯電話をきっかけに、ケータイ文化まで把握している。
(その携帯電話はダラさんが使い倒した結果、持ち主に
パケ死という恐ろしい祟りをもたらした)
もっとも、現代知識の大半は供え物や落とし物から得たものであり、未知の文化や技術もまだ多い。初めて
コーラを口にした際に見せた反応は必見。
なお、当時の生活習慣の影響なのか、よく見ると
腋毛などは剃らずに生やしっぱなしのようである。性癖~~~
庶民的かつ常識人としての側面が強調される彼女だが、怪異、そして祟り神としての恐ろしさを失ったわけではない。
例えば、迷惑系動画投稿者が山を囲うフェンスをワイヤーカッターで破壊し、私有地である禁足地へ不法侵入、さらに祠を暴いて「呪物」に触れてしまった際には、大蛇を思わせる恐ろしい姿となり、動画投稿者を問答無用で異界へ引きずり込んでいる。
もっとも、この対応には明確な理由がある。
- 呪物の呪いはダラさん自身にも制御できず、一度触れれば相手を選ばず発動する
- 呪いの効果は極めて速く凶悪であり、触れた時点で死がほぼ確定するほど危険
- そのまま現世へ放置すれば、周囲へ無差別に呪詛を撒き散らすことになる
つまり、これはいわば「緊急避難」に近い措置だった。
とはいえ本人も「余計な真似をして祟り殺されるのは勝手じゃが」と語るなど、ドライに割り切った様子を見せている。
ダラさんが住む山を代々管理してきた三十木谷家の長女。
死ぬほど落ち着かないという理由でスカートよりもズボンを好み、乾くまで時間がかかるという理由でショートヘアを好む。
さらに胸はまな板ということもあり、結果的にボーイッシュな雰囲気となった中学2年生。
その外見から、初対面時にはダラさんから男だと勘違いされていた。
第1話時点で13歳だったが、後にダラさんをも巻き込んだ誕生日を迎え、14歳となる。
三十木谷家に古くから伝わる怪異(つまりダラさん)を目の前にしても全く動じないどころか、翌日には自ら会いに行くという、まさにオバケ胆力の持ち主。
性自認は女性だが、思考回路や嗜好はどちらかといえば男子寄り。
突然下ネタを繰り出したり、異界へ連れ込まれても平然としていたり、勝手に異界のダラハウスをプラモデル製作所にしたりと、どのような状況でも一切ブレないマイペースぶりでダラさんを振り回している。
明るく社交的な性格で、男女問わず友人は多い。
一方で、ややブラコン気質な一面があり、弟との時間を優先するため帰宅は早く、放課後や休日に友人と遊ぶ機会は少ないようだ。
成績優秀、運動神経も体幹や持久力に関しては良好、さらに本人にはまったく自覚がないものの非常に高い霊感と霊力を備えたハイスペック女子。
特に霊能力に関しては、一端の霊能者でなければ触れることすら困難なダラさんの下半身に平然と触れたり、落書きをしたり、姿を隠したダラさんを容易に見つけたりするなど、時折本人以上にダラさんを驚愕させている。
しかし、その霊感があまりにも強すぎるため、本人は無意識のうちに「余計なもの」を感じないよう感覚を鈍化させている。
その結果、大きな霊障が発生していても気付いた時にはすでに危険な状況に陥っているという弊害も存在する。
本人曰く、自分は「ドスケベボディ」で「完璧に近いセクシーボンバー」とのこと。
しかし単行本の登場人物紹介では、母親の豊満な体型は受け継がれなかったことが明言されている。まぁパッと見で分かるレベルのまな板だし
とはいえとある一件で神降ろしをした際は神に引きずられてかちょっぴり増えており、成長の余地がないわけではなさそうである。
地元の小学校に通う小学5年生。
オーストラリア人である父親の血を色濃く受け継いでおり、金髪の長い髪と青い瞳を持つ美少年。
……なのだが、あまりにも女の子らしい容姿のため、外見だけなら完全に金髪美少女にしか見えない三十木谷家の長男。
そう、
男の娘である。
その見た目から、初対面時にはダラさんやチンアナゴから妹だと勘違いされる始末であった。
本人は服装に強いこだわりを持つタイプではなく、過去に日向が着ることを拒否した女子向けの服を着せられる機会が多かったため、現在でもスカートを含めた女性向けの服装を自然に着こなしている。
ダラさんは当初「この見た目では男子とも女子とも遊びにくいのではないか」と心配していたが、実際には全く問題なく、男女問わず良好な交友関係を築いている。
周囲も薫のファッションを特別視しておらず、むしろクラスメートの女子の一人からは明確な好意を寄せられている。
外見や服装が中性的なだけで、精神面は完全に年相応の男子そのものであり、年上の女性・大きなおっぱい・ラミア系のモン娘をこよなく愛するむっつりスケベ。言ってしまえば「ダラさん大好き星人」である。
普段は恐ろしい祟り神として振る舞うダラさんも、薫の前ではすっかり世話焼きな近所のお姉ちゃんと化してしまう。
友達の前では大人しいが、ダラさんの前では巫女のコスプレをしてほしいと駄々をこねたり、一緒にお祭りに行きたがったり、ロボットアニメに影響されて「ビームを撃てる術」を教えてほしいとねだったりするなど、年相応の一面を見せる。
単行本の登場人物紹介では「意外とクラス内では背が高い方」と紹介され、ファンブックでも身長153cmとあって年齢の割に高身長のようだが、159cmの姉より頭1つ低く描かれているシーンも多い。
後述の理由から非常に高い画力と設計能力を持ち、その才能によって下半身が蛇であるダラさんでも着用可能な衣服を製作することに成功。長らく全裸生活を送っていたダラさんが人間社会へ近付く大きなきっかけとなった。
ただし、興味の大半がエロ方面へ向いているせいか、学業成績は図工以外はやや低調。
・三十木谷 千夜
CV:青木瑠璃子
オーストラリア人の夫を持つ、日向と薫の母親。
外見は成長した日向そのものといった雰囲気だが、娘とは大きく異なる点として、ダラさんへ下着を提供できるほど豊満なバストを持つ。
専業主婦ではなく地元の役場に勤務しており、年齢は40歳。
しかし、その若々しい容姿とスタイルから実年齢よりもかなり若く見られる。
日向や薫を出産する以前は、非常に高い霊感と霊力を備えた人物だった。
しかし出産を重ねるたびに霊感は徐々に失われ、現在ではほとんど霊的存在を感知できなくなっている。
一方で、霊を祓ったり抑えたりするための高い霊力そのものは健在であり、山で何らかの問題が起きた際には事態を収める役割を担っている。
三十木谷姉弟を除けば、過去にダラさんと直接接触した数少ない人物の一人。
かつて山の祠から感じられる気配とダラさん自身が放つ気配が異なることを見抜き、その疑問をダラさんへ問い掛けたことで、口外しないことを条件に、山・祠・そして屋跨斑の過去について知ることとなる。
その際に課された呪いは「口外しようとすると突然口内炎ができて話しづらくなる」という、呪いというよりおまじないに近いものだったが、千夜は律儀に約束を守り続けているため知る由もない。
その後、彼女の強い霊気に目を付けた妖怪によって魂を抜かれかける事件が発生するが、間一髪のところでダラさんに救われ、それをきっかけにダラさんを「山を守る存在」として敬うようになる。
立入禁止区域である山へ日向と薫が頻繁に遊びに行っていることにも薄々気付いている。
本来ならば親として、そして山を管理する家の人間として止めるべき立場だが、「あなた達が遊ぶことで、山にずっと一人でいる屋跨斑様の気が紛れるなら嬉しい」という考えからあえて黙認している。
ちなみに作中では、現時点で二度ダラさんと再会している。
しかし1回目はパンクファッション姿のダラさんだったため、どこか既視感を覚えながらも正体には気付かなかった。
そして2回目はゴスロリ姿のダラさんだったため、やはり気付くことはなかった。そりゃ尊敬している山の守り神がそんな格好してるとは普通思わないだろ
・三十木谷 ウィリアム
日向と薫の父親でオーストラリア人。39歳。
隣町で眼科医として働く。
7歳の頃に日本に帰化しており日本語はペラペラ。千夜とは大学時代に知り合い交際を経て結婚した。
日向が3針縫う怪我をしたのを知るとパニック気味になるなど子供想い。
霊感はとても低いが千夜の山でのお勤めには協力的。でも若干空気気味。
・三十木谷 兵吾
CV:山本兼平
千夜の父親であり、日向と薫の祖父。
7年前に妻と死別しており、現在は千夜と共に三十木谷家を支えながら、代々受け継いできた山の管理を行っている。
日向と薫がダラさんと出会うきっかけとなった人物でもあり、暴風雨による土砂崩れで損壊した祠の確認へ向かった兵吾を心配した姉弟が山へ入ったことで物語が始まる。
霊感自体はそれほど高くなく、何度も山へ立ち入っているにもかかわらず、ダラさんの姿を明確に視認できたのは、祠が崩壊した暴風雨の夜のみ。
その際、損壊した祠へ近付いたにもかかわらず何も起きなかったのは「自然災害によって祠が壊れた場合、どう対応すればいいのか判断に迷ったので警告にとりあえず鳴らしただけ」という、祟り神らしからぬ非常に人間臭い理由によるものだった。
それ以外にも山でおぞましい気配を感じた経験は何度かあり、そのため山に対しては強い警戒心を抱いている。
その影響もあってか、禁足地である山へ孫たちが頻繁に遊びに行くことにはあまり良い顔をしていない。
しかし、それは単なる頑固さではなく、長年山を守ってきた人間としての責任感によるものである。
一方で、娘がオーストラリア人と結婚することを認めたり、薫の男の娘ファッションを特に気に留めなかったりと、価値観は非常に柔軟。
家族への理解も深く、孫たちとの関係も良好な、器の広い祖父である。
ダラさんへの供え物として日向によくお菓子をパクられる不憫な一面もある。
ダラさん「じいちゃんは怒っていい」
薫のクラスの担任を務める男性教師。
小太りで中年男性のような外見をしているが、実際にはまだ30代前半と比較的若い。
後述する美和の従兄弟でもある。
世話好きで生徒思いな善人なのだが、どこか怪しげな雰囲気と声のせいで、初対面では保護者や生徒から誤解されやすい。
しかし、時間をかけて接するうちにその人柄を理解され、現在では生徒たちからも信頼されている。
趣味は裁縫とフェルト人形作り。さらに個人的な依頼を受けてコスプレ衣装を製作するという裏の顔を持つ。
作中でダラさんが身に着けている衣服の多くは、薫が描いたデザインをもとに彼が製作したもので、ダラさんへ最も多くの供物を提供している人物の一人。
しかし、本来教師の副業は禁止されている上、女性向け衣装を製作することもあるため、発覚すれば面倒なことになるのは必至。そのため周囲に知られないようヒヤヒヤしながら活動している。
もちろん教師としての仕事も決して疎かにはしておらず、自分の何気ない発言が生徒の尊厳を傷付けてしまったのではないかと思い悩むなど、生徒のことを真剣に考える非常に真面目な教師である。
……え?何があったのかって?
誰とは言わないが、いくらハロウィンの仮装とはいえ、小学5年生の男子がサキュバス衣装で商店街を歩き回るなんて言い出したら、まともな大人なら止めるだろうよ。
以下、先生が製作したダラさんの衣服
ダラさん「あの先生の事酷使しすぎやろ…」
・アラレ
人物ではないが一応記載。
筆木先生が飼っている猫。オスで去勢済み。
初登場は第3話ラストのおまけコマと意外に早い。
かなりの老猫であり、少し後に内臓の病気によって体調を崩してしまう。そして、その様子に引っ張られる形で飼い主である筆木先生まで元気を失ってしまった。
その情報を薫経由で知ったダラさんは、数多くの衣服を供物として提供してくれた筆木先生への恩返しとして、彼の自宅を訪問。
アラレに自身の妖力を分け与え、半妖・化け猫へと変化させることで病を克服させた。
もちろんダラさんが一方的な判断で妖力を与えたわけではなく、半妖となった場合に自身がどう変化するのか、周囲へどのような影響があるのか(食事量が増える程度であること)をきちんと説明した上で、アラレ本人の了承を得て実行している。
増加するエサ代による筆木先生の財布へのダメージについては気にしていないのだろうか
その後、早速半妖としての力を発揮。就寝中の筆木先生の夢枕に現れ、自身が病に打ち勝ったこと、そして妖力を得た女子猫とのラッキースケベな日々が待っていることを告げるのだった……猫耳美少女の姿で。
筆木先生は「化け猫になったこと自体はいいとして、姿形は今の方がいい」とのこと。確かに長年連れ添ったおじいちゃん猫が突然美少女化したところで……。
このような経緯から、妖怪としての大先輩であるダラさんのことを「マスター」と呼び慕っているが、筆木先生に恋人を紹介できないか相談するなど関係性は妙にフランク。
ダラさん本人もその距離感を嫌がっている様子はなく、むしろ満更でもないようである。
アニメ版では第2話のアイキャッチで初登場。
ただし、この時点では猫の鳴き声のSEのみで、担当声優は設定されていない。
・十御田 柑奈
CV:風間万裕子
五年生にもなってよその女の人の家に泊まったってどうなの?
薫のクラスメイトのツインテ女子。
日向と薫が管理する山から東側に位置する山の地主の娘である。
薫に想いを寄せる恋する乙女なのだが、彼に対してはかなりツンデレ。しかし全く気づかれない。しかも当の薫はダラさんで頭いっぱいなので乙女的ストレスがすごいことになってるとか。でも仲は良い。
彼女の家系が管理する山に佇む墓石にはダラさん(と思われる人物)とダラさんと縁のある人物が葬られているが、長い年月の中、誰の墓なのかは風化してしまっている。それでも「すごく大切にしなさい」という言い伝えに従い毎年数日かけて夜通し祭祀を行っている。
・五十子 美和
CV:相沢舞
三十木谷家の向かいに住む、彼氏いない歴=年齢の26歳独身女性。描写から察するに実家暮らし。
ダラさんにも負けず劣らずの豊満なバストを持つ美女だが、男性恐怖症気味で親族以外の男性と接することが苦手。
そのため普段はリモートワークでフリーデザイナーの仕事を行い、さらに同人活動による収入も得て生活している。
日本人離れした容姿を持ち、なおかつ向かいに住む薫は、彼女にとって数少ない気兼ねなく接することのできる男性である。
幼少期から交流があり、薫の高い画力は、彼女のデザイン仕事を手伝う中で磨かれたもの。
その縁から、薫に「ダラさんへ貸すための下着」を用意してほしいと頼まれることになる。
極めて重度のショタコンという一面を持ち、薫から下着を貸してほしいと頼まれた際にはあれやこれやと妄想を膨らませたり、薫が座った座布団に顔を擦り付けたり、さらには彼が小学1年生の頃から成人する日を今か今かと待ち続けていたりと、相当に危険な言動を繰り返している。
ただし実際に一線を越えるような行為には及んでいないため、ダラさんのクソ甘判定ではギリギリセーフ。隙を見て手を舐める薫の方も大概ではあるが
さらに日向の誕生日に三十木谷家を訪れたダラさんを窓から双眼鏡で観察し、彼女を「ふしだらな女」と一方的に敵視。おまいう
その後、もはや我慢できなくなったのか、日向へのプレゼントを持参して三十木谷家を訪問する。
その場では終始ダラさんへ強烈な対抗意識を向け続け、さすがのダラさんも少したじろぐほどの圧を放っていた。
しかしその後の会話でダラさんが自分と同年代(ただし実際には享年)であることを知ってからは態度は軟化した模様。
・梛(二十尋 佐恵子)
CV:安済知佳
代々山の祠を祀る巫女の名を継ぐ18歳の現役JK。
そばかす・金髪・ツーブロック・丸メガネ・パンクファッションという巫女らしからぬ外見の持ち主だが、ダラさんをして「祠の修繕も儀式も完璧」「真摯に修練を積んだのは間違いない」「柏手ひとつで儂の術が維持できないほど場が清められた」と言わしめるなど、巫女としての能力と素質は確か。
「ネズミ1匹にミサイル使うみたいな」と例えられる程祓いの力が非常に強く、それでいて術に使うの力の変換効率も非常によくちょっとやそっとじゃ疲れの色も見せない。
だが、どうやら霊感がゼロらしいという神職にしては致命的な欠点があり、姉弟が遊んでる際に唐突に山を訪れダラさんを慌てさせるが探知されずに事なきを得た。
祠を祀るという関係上、山を管理する三十木谷家とは顔馴染みであり、特に千夜とは一緒にバンドのライブを見に行く仲である。
・二十尋 理嗣
CV:三瓶雄樹
梛の後見人兼お世話係をしている独身の中年男性。
梛には叔父様と呼ばれているが、彼自身は男子に恵まれなかった二十尋家に養子として迎えられた身で、梛との血縁関係はない。
梛と同様に霊感がゼロらしいが、そんな彼が後見人に選ばれたのは梛が老け専だから。
こっちもツーブロックに加え渋い表情に鋭い目付きで近寄り難い威厳を発しているが、昆虫採集やカードゲームが趣味という少年の心を持つ男性。
制作が追い付かないのに購入するせいで彼の部屋はプラモの数が凄いことになっており、家主から度々苦情が入るらしい。
数百年前、祠が建つ西の山と東の山一帯を支配していた荒神の大蛇。
地の文では現在のダラさんと区別するためか、「おろち」と呼称されている。
当時、山の麓で暮らしていた村人たちは、この大蛇を山神として祀り、生贄を捧げることで何とか共存していたが、ある時その地を訪れた祓い屋によって討伐される。
戦いの末、谷跨斑は首と胴体に分断され、それぞれ西の山と東の山へ封印された。
その後、胴体は紆余曲折を経てダラさんの下半身となったが、首は現在も人知れず封印されており、復活の機会を虎視眈々と狙い続けている。
まず谷跨斑が試みたのは、封印の隙間を通り抜けられるほど僅かな妖気を少しずつ練り固め、自身の魂の分身を作り出すことで転生する方法だった。
しかし、ここで問題となったのが圧倒的なまでの運の悪さ。
9度に及ぶ転生の結果、ガガンボ、アブラゼミ、果ては杉の木など、ことごとく外れを引き当てる。しかも9度のうち4回はイシガメという散々な結果となり、300年以上もの時間を無駄にすることになった。
そこで谷跨斑は方針を変更。行動範囲こそ制限されるものの、自身の力を発揮できる肉体を選択できる「憑依」という手段へ切り替える。
そして、その憑依先として選ばれたのが……⬇
本来の谷跨斑は、村人を生贄として扱うなど極めて残虐な荒神であり、その本質自体は現在も変わっていない。
しかし長年に渡る転生ガチャ失敗の影響か、現在では知能まで若干低下しており、時には地の文からすら馬鹿にされる始末。
現在の姿でダラさんに正体を知られれば即座に祓われることを理解しているため、内心では血が出るほど悔しがりながらも、正体を隠して従順に振る舞っている。
しかし弱体化した分身体とはいえ、元々は荒神と呼ばれた存在。その力は未だ健在であり、並の怪異では到底太刀打ちできないほどの実力を持つ。
また、かつて同じ身体を共有していた縁からか、生前のダラさんが置かれていた境遇については思うところがあるらしく、時折真剣に彼女へ思いを馳せる一面も見せる。
純粋な人外であり、日本古来の怪異であるにもかかわらず、人間社会や現代の文化にも意外なほど順応しており、横文字にも妙に詳しい。
元々は鎌倉時代、海外の船に積まれ日本に不時着したアミメニシキヘビの変種。そのデカさゆえに人々から恐れられ山狩りに遭い、
傷つき命からがら洞窟に身を隠し、怪我から力尽きようとしていたところを少女に助けられる。
少女に介抱されしばらくし、108回目の脱皮にて怪異へと変貌。日本語を解する知能も手に入れた。
少女と会話を交わし始めたことで少女から「ヤサカ」と名付けられ、しばらく交流を持っていたが、その少女がえにも言われぬ程の残虐な目に遭わされたことで感情が爆発、
当時の山の主であり、「人間になりたかった」と語る妖怪の幇助もあり覚醒し、もはや死を待つばかりの少女を喰らい、少女がいた集落をまるごと消し去った。
その後「ヤサカ」の名を封じ当時の山の主から「谷跨斑」の名を贈られ、再び人が移り住むまで少女の墓守として眠りについた。
おろちの過去も本過去編と同様にシリアス一辺倒であるが、少女と会話する時のおろちは現代と変わらずコミカルな様子も見せる。
・初瀬川 周
CV:古賀葵
日向のクラスに編入してきた転入生。ミステリアスな雰囲気と黒い制服から、どこか妖艶な印象を与える少女。
12歳の頃、彼女が持つ高い霊力に目を付けた谷跨斑により憑依先として選ばれてしまう。
しかし憑依時に発生した負荷に周の肉体が耐えきれず、昏睡状態に陥ってしまった。
この事態は谷跨斑にとっても完全な想定外であり、急遽、周の肉体を憑依に耐えられるよう作り替える必要が生じた。
その結果、霊力の大半を消費しながら、わずか数ヶ月の間に12歳だった周の肉体を15歳相当まで急成長させることとなる。
しかし、その肉体改造に力の大部分を使ってしまったことで、谷跨斑自身も大幅に弱体化。
因縁深い相手であるダラさんにすら気付かれないほどの状態になってしまった(妖気の性質がほぼ同質であり、お互いに感知しづらいという事情もある)。
その結果、現在の谷跨斑はチンアナゴ蛇の背後霊のような状態で周に寄り添いながら、復活の機会をうかがっている。
おろち曰く「常人の何十倍とも思える質と量を兼ね備えた霊力」を持っているが、「MPはめっちゃあるのに使える魔法が全く無い」といわれるレベルに霊感が低く、
更に急成長で霊気が乱れていて霊障に対する耐性もないため、おろちから贄としての布石もかねて防御術を仕込まれている。
憑依した谷跨斑の思考が周の行動へ影響しているのか、当初はダラさんと深い関係を持つ日向について情報を探ろうとしていたが、ここで思わぬ誤算が発生。
周と日向は幼稚園時代からの顔見知りであり、当時の日向に7度も助けられた経験(その約半分がお漏らし関連)から、周は日向へ一方的な恋心を抱いていたのである。
幼稚園時代は日向を男だと思い込んでいたものの、再会によって女子であることを知る。
……しかし本人は「性別なんてこの際どうでもええやろ」と、特に気にする様子はなかった。
さらに精神面は12歳当時からほとんど成長していないため、日向絡みになるとグフフ、ゲヘヘといった不穏な笑いを漏らすなど、かなり危険な方向へ暴走する。
しかも谷跨斑の思惑とは裏腹に、周本人は非常に自由奔放。好き勝手に行動しては騒動へ巻き込まれ、そのたびに谷跨斑が苦労して貯めた妖気を消耗するという、彼からすれば頭の痛い日々を送っている。
とはいえ、周本人の明るく人懐っこい性格もあり、日向との関係は現在ではすっかり良好。
・久砂葉 エル
CV:貫井柚香
動画配信者の若い女性。
名前は芸名と思われ、その由来は言うまでもなくネット用語の「草生える」だろう。
平尋神社で例大祭が開催された日に、カメラマンであるコッさん(CV:石神貴之)を連れて応神町を訪れる。
しかし、その目的は祭りの見物ではなく、視聴者からのタレコミによって存在を知ったという、祠が建つ禁足地だった。
祭りによって周囲の人目が少なくなった隙を突き、私有地である山へ無断侵入。さらに山を囲むフェンスをワイヤーカッターで破壊し、祠を封じていたワイヤーまで切断、祠の中身を引きずり出そうとするなど、やっていることは完全に犯罪そのものであった。
当然ながら、そんな悪行がタダで済むはずもなく、呪物に触れたことで呪いを受ける。
その場で手足を捻り潰されるという凄惨な最期を迎え、さらに祠の異変を察知して駆け付けたダラさんによって、コッさんもろとも異界へ送られた。
その後、彼女の遺体は「山には山菜程度しかなかった」という内容の隠蔽動画に利用された挙句、異界の蟲に食い荒らされ、発見されることすらなかった。
魂もまた妖怪たちの百鬼夜行に加わる形で異界を彷徨い続けることとなり、呪物に不用意に触れた者がどうなるのかを読者へ強烈に印象付ける存在となった。
ついでに彼女のせいでダラさんは祭りを途中退場する羽目になり、せっかく楽しみにしていた薫から不満たっぷりのメールを受け取ることになる。
そのまま退場したかと思われたが、ひょんなことからコッさんと共に怪異として現世に舞い戻る。しかし妖力は極めて弱く、そのままでは存在を維持できない状態だった。
そこで彼女は生き残るため、コッさんを捕食。捕食されたコッさんはエルの後頭部に寄生するような形で存在することとなった。
怪異同士の捕食は、本来ならば自我の融合を引き起こす場合があるが、エルとコッさんは例外的にそれぞれが独立した人格を保っている。
一度死を経験したためか、生前のようなろくでもなさは鳴りを潜めている。
怪異としてはものすごく弱く、やむなく捕食しようとしたアラレにボコボコに返り討ちにされた。
【過去編】
約六百年前、人間だったダラさんが祟り神へと変貌し、それを鎮めようとする十郎太の姿を描いた前日譚。
もう一つの本編とも言える重要なエピソードであり、現代編とは打って変わってギャグ要素はほとんど存在せず、終始シリアスな展開が続く。
人の悪意や悲劇、そしてダラさんがなぜ現在の姿になったのかが描かれるため、かなり衝撃的かつ凄惨な描写も多い。
現代編との凄まじい温度差も、本作の大きな魅力の一つである。
【過去編のあらすじ】
昔々、西と東、2つの山の麓には、それぞれ小さな村があった。
2つの山に挟まれた谷には、自らを「ヌシ」と名乗る巨大な蛇が棲み、人や牛馬を喰らっていた。
蛇の脅威に抗う術を持たなかった村人たちは、やむなくそれを山神として祀り、生贄を捧げることで辛うじて暮らしを守っていた。
そんなある日、一組の祓い屋の一家が村を訪れる。
村人たちは彼らを温かく迎え入れ、祓い屋の娘2人もまた、その恩に報いるべく大蛇退治を決意した。
三日三晩に及ぶ激戦の末、ついに大蛇は討ち取られる。
その首は西の山へ、胴は東の山へと封じられた。
長年にわたり大蛇の脅威に苦しめられてきた村人たちは深く感謝し、祓い屋一家を封印を守護する神宮として村へ迎え入れる。
各地を旅してきた彼らもその申し出を受け入れ、村にはようやく平穏が訪れた。
討たれた大蛇から流れ出た血には、永い歳月の果てに積み重ねられた怨念と呪詛が宿っていた。
その血は大地へと染み込み、山そのものを穢していく。
やがて、山の井戸水を生活用水としていた西の村では、原因不明の病に倒れる者が次々と現れた。
調べの末、井戸水こそが病の原因であると判明する。
西の村人たちは、生きるために東の村を流れる川の水に頼らざるを得なくなった。
しかし、水を分け与えてもらう暮らしが続くにつれ、西の村人たちの胸には、やがて割り切れぬ思いが積もっていく。
「なぜ、苦しむのは自分たちだけなのか」
その小さな不満は、やがて嫉妬となり、憎しみとなって、2つの村を静かに蝕んでいった。
そして、その小さな亀裂こそが、後に大きな悲劇を招くことになる。
【過去編の登場人物】
・妹巫女
CV:田村睦心
谷跨斑を封じた祓い屋一家に所属する、姉妹巫女の妹。
漫画を読めばすぐに分かる通り、その正体は人間時代のダラさんである。
しかし、この頃の彼女の本名を、現在のダラさんはなぜか忘れてしまっている。どれだけ時間をかけても思い出すことはできず、そのため作中でも妹巫女の名前部分は黒く塗り潰され、読者にも明かされない形になっていた。
両手足にはケロイドのような傷跡が残っているが、これは彼女が紙が非常に貴重だった時代の人間であったことが大きく関係している。
術を記す際、墨では即応性に欠け、木板では携帯性に難があるため、緊急時には小刀で自らの身体へ術式を直接刻み込んでいた。
そのため、彼女の身体には長年にわたる術の行使による無数の傷跡が残されている。
姉巫女と比べて容姿に恵まれていないという理由から、祓い屋一家の中では冷遇されており、大蛇討伐後は「胴体側の封印を守護する巫女として独立する」という名目のもと、貧しい東の村にある荒れ果てたあばら家へ追いやられてしまう。
しかし、元来優しい性格だった彼女は、東の村の人々から温かく迎え入れられた。
それまで家族から十分な愛情を受けられなかった彼女にとって、初めて向けられる純粋な好意は戸惑うほど嬉しいものだった。
妹巫女はそんな村人たちに報いるため、僅かに身につけていた医療の知識を活かし、献身的に尽くしていく。
その評判はやがて西の村にも届くほどとなった。そして、その噂を聞いて東の村を訪れた青年大工・十郎太と出会い、2人は次第に惹かれ合っていく。
……しかし、その幸福は長く続かなかった。
姉巫女もまた、十郎太へ想いを寄せていた。
妹巫女と十郎太の関係を知った姉巫女は激しい嫉妬と逆恨みを抱き、やがて西の村に広がる東の村への不満を利用して谷跨斑と妹巫女を同時に排除する、恐ろしい計画を企てる。
そして計画当日、姉巫女が封印を解いた谷跨斑の胴体を再度討ち取り、気が緩んだ所を西の村の男衆に襲われ、わけもわからぬまま四肢を絶たれ、達磨状態の瀕死となった末、姉巫女にトドメを刺される。享年26歳だった。
姉巫女「まさか……ありえぬ……!!」
「混ざったのか!?」
幼い頃から両親に蔑まれていた中で、それでも姉巫女だけは慕い、信頼し続けていた妹巫女。
だからこそ、その姉からの裏切りは、心優しい彼女を絶望させ、怨霊へと変えるには十分な理由となった。
妹巫女は、自らを殺した西の村人たちを憎む谷跨斑と共鳴。
切り落とされた自分の脚と魂を差し出すことで、一時的に谷跨斑の身体を「借りる」ことに成功する。
彼女は憎悪と怒りに突き動かされ、まず姉巫女の手足を引きちぎって殺害。
続いて、自分を陥れる計画へ加担した両親、そして関係した西の村人たちを次々と殺害していく。
心の片隅で、十郎太の姿を思い浮かべながら。
やがて妹巫女の意識は谷跨斑の中へ取り込まれてしまうが、谷跨斑が傷を癒すため眠りについた隙を突き、十郎太の夢枕へ現れる。
そして、谷跨斑に施した3つの術と、それに関する情報を記した木簡を残し、姿を消した。
以降、彼女の身体は妹巫女と谷跨斑の意識が時折入れ替わりながら、数百年もの時を過ごすこととなる。
後に明らかとなった本名は木春。
姉である椿の補佐、あるいは予備となるために与えられた名前である。
ダラさんが自分の本名を忘れていたのは、単なる記憶喪失ではない。
「木春」という名を思い出した場合、封印されていた椿の意識が表に出て、ダラさん自身の人格を乗っ取ってしまうことを理解していたためである。
妹巫女と共に谷跨斑を封じた祓い屋一家の長女。
妹巫女と比べて整った容姿を持ち、さらに巫女としての才能にも恵まれていたため、両親からは幼い頃より一身に寵愛されて育った。
その結果、妖との戦闘など危険で汚れる仕事は妹巫女へ押し付け、自身は巫女としての華やかな役割だけを担うようになる。
また、自らの身体を傷付けることを嫌ったため、妹巫女のように術式を身体へ刻み込むこともなかった。そのため、身体には傷一つない美しい姿を保っている。
しかし皮肉にも、過酷な経験を積み重ねた妹巫女は、結果として椿と同等、あるいはそれ以上の実力を身につけることとなった。
大蛇討伐後、妹巫女を東の村へ追いやった椿は豊かな農地を持つ西の村に建てられた新築の神社と家で、両親と共に暮らすことになる。
その待遇の差はあまりにも露骨であった。
そして、神社の建築に携わっていた青年大工・十郎太と出会い、椿は彼へ想いを寄せるようになる。
しかし十郎太は、椿に対して尊敬こそ抱いていたものの、恋愛感情を向けることはなかった。
それどころか、前述の通り妹巫女と親密な関係になったことで、椿の中に妹巫女への激しい嫉妬と逆恨みが芽生える。
さらに西の村では、谷跨斑の血によって穢れた井戸水の影響で病が広がり、東の村への不満が高まりつつあった。
椿はこの状況を利用し、
- 西の村人から自分へ向かう不満の矛先を逸らす
- 恋敵となった妹巫女を排除する
- 谷跨斑という災厄の根本原因を断つ
という、一石三鳥とも言える計画を立案する。
その内容は
- 谷跨斑の胴体の封印を解き、妹巫女に討伐させることで疲弊させる。
- 嘘を吹き込み扇動した西の村人たちに妹巫女を襲わせ、瀕死に追い込む。
- 自身の手で妹巫女にトドメを刺す。
- 再度討伐した谷跨斑の胴体と妹巫女の遺体を組み合わせ、式神として利用する。
- その式神を率いて谷跨斑の頭部を滅ぼし、井戸の穢れの根源を完全に消滅させる。
という、もはや人間の悪意の範疇を超えた、鬼畜の如き計画だった。
計画の第1段階として、椿は西の村人たちに
- 「井戸が穢れた原因は、妹巫女が自分への恨みから谷跨斑の封印を緩めたため」
- 「妹巫女は東の村人と手を組み、豊かな西の村を狙っている」
という嘘を吹き込む。
そして自ら封印を解いた谷跨斑の胴体を妹巫女に討たせ、彼女が限界まで消耗するよう誘導。
その後、計画通り西の村人たちが妹巫女を襲撃し、四肢を奪う様子を、椿は笑いながら見届けた。
そして瀕死となった妹巫女に対し、長年溜め込んだ憎悪をぶつけるように何度も刃を突き立て、自らの手で殺害する。
その有様は、直前まで狂気に呑まれていた西の村人たちですら恐怖を覚えるほどだった。
しかし椿の外道ムーブはこれで終わらず、証拠隠滅のため、自分の計画へ協力した西の村人たちまでも皆殺しにしてしまう。
椿にとって唯一にして最大の誤算、それは自ら妹巫女にトドメを刺したことだった。
最も信頼していた姉に裏切られ、絶望の中で命を奪われた妹巫女は自らの魂と力を谷跨斑に喰わせ、怨霊へと変貌。
想定外の事態に椿は対応できず、隙を突かれて両足の骨を砕かれ、生きたまま手足を1本ずつ食いちぎられて息絶えた。
妹巫女へ行った仕打ちが、そのまま自分自身へ返ってくるという、因果応報の最期であった。
さらに椿は、自身の計画を書き記した竹簡──つまり犯行計画書そのものを神社へ残すという致命的な失態を犯していた。
そして、それを事件の真相を探るため神社を訪れた十郎太が発見する。
呪術の知識こそなかったものの、そこに記された悪意は十分すぎるほど伝わり、十郎太が椿へ抱いていた尊敬は完全に崩れ去ることとなった。
実は谷跨斑に喰われた手足を通して、椿の怨念は長い間ダラさんの中へ封じられていた。
現代編でダラさんが本名を思い出したことで「姉の代替」という言霊から封印されていた椿の意識が表へ現れ、ダラさんの人格を支配。
愛する十郎太の子孫である日向と薫の存在に気付き、猫撫で声で取り込もうとするが、ダラさん自身が作った紙芝居によって、2人は椿の本性をある程度理解していた。
そのため拒絶され、椿は逆上。生前と変わらぬ自己中心的な感情のまま、2人を喰らおうとするが、ダラダラダラさんを通じて本来のダラさんが復活。
薫の予想外の奮闘により状況は覆され、最終的には日向へ憑依したダラさんの手によって、生前と同じ決別の言葉と共に再び封印された。
・巫女姉妹の両親
CV:島田岳洋(父)/大南友希(母)
本名は不明。
谷跨斑討伐以前から、容姿に恵まれた姉巫女を溺愛する一方、容姿で劣る妹巫女を「客人がおる時は出てくるな」「双子の忌み児」と蔑み、実の娘とは思えぬほど冷遇していた。
さらに姉巫女が立案した殺害計画を扇動されたとはいえ受け入れるなど、親として以前に人としての倫理観すら欠落した存在である。
妹巫女を捨てなかった理由は単純で、祓い屋としての能力が高かったから。
娘としては見下しながらも、戦力としては利用価値があると判断していたという、何とも小物じみた打算によるものだった。
そして自分たちが危機に陥った際には、溺愛していたはずの姉巫女をあっさり切り捨てようとし、互いに責任を押し付け自分だけ助かろうとする醜態を晒すなど、最後まで親としての情や覚悟を見せることはなかった。
事件当日の夜、自宅で姉巫女の帰還と「吉報」を待っていたが、姉巫女の死体をデコイとして利用した会話から、両親もまた計画に関与していたことを悟られる。
結果、両親は姉巫女共々黒幕と判断され、谷跨斑と融合した妹巫女の襲撃を受けることとなった。
父親はその場で姉巫女へ責任を押し付け、みっともなく弁明しようとするが、長年の苦しみと裏切りによって憎悪に染まった妹巫女にそのような言葉が届くはずもなく、姉巫女と同様に手足を引きちぎられ殺害された。
結果として、この両親の歪んだ価値観こそが、妹巫女を追い詰め、姉巫女を嫉妬と傲慢に満ちた人物へと育て上げた最大の原因とも言える。
ある意味では、姉巫女もまた、この両親による歪んだ教育の被害者だったのかもしれない……。
・十郎太
CV:興津和幸
西の村で暮らしていた、腕の良い大工の跡取り息子。
当時の大工は高い技術を求められる花形職であり、現代で言えば職人として成功したエリートに近い存在だったと思われる。
年齢はおそらく10代後半から20代前半ほどの若者だが、すでに一人前の大工として認められており、谷跨斑討伐後には村の若い衆を率いて、神社や祓い屋一家の住居の建築を長期間にわたって手掛けていた。
現代で言えば「高収入」「若手エリート」「鍛えられた肉体」と、女性受けする要素を数多く備えた人物であり、神社建築の期間中に姉巫女から想いを寄せられるようになる。
しかし彼は姉巫女の片思いを知ってか知らずか、妹巫女の噂を聞くと、仕事の合間を縫って東の村へ通うようになる。
荒れ果てたあばら家の修繕を行い、畑仕事や山菜採りを共にする中で、少しずつ妹巫女との距離を縮め、やがて恋仲へ発展していった。
その様子を姉巫女に目撃されたことで嫉妬を買い、妹巫女は謀殺されることとなる。
しかし十郎太には姉妹間の確執を知る術などなく、彼にとっては愛する人を突然奪われるという、あまりにも理不尽な悲劇であった。
過去編の最重要人物その1。
事件当日の夜、東の村へ落ちた雷の音で目を覚ました十郎太は、土砂降りの中、妹巫女の身を案じて彼女の住むあばら家へ向かう。
そこで彼が目にしたのは、異常な速度で風化していく谷跨斑の胴体。
姉巫女によって皆殺しにされた西の村人たち。
そして──斬り落とされた、ケロイドのような傷跡が残った手足。
あまりにも凄惨な光景に言葉を失い、呆然とする十郎太。
その場に残された左腕へ触れようとするが、直接触れることはできず、溢れ出す瘴気に当てられてしまう。
意識が朦朧とする中、誰もいなくなったあばら家へ辿り着き、妹巫女の死を理解した十郎太は、嗚咽しながらその場で力尽きるように眠りへ落ちた。
翌朝、重い足取りで西の村へ戻った十郎太を待っていたのは、西の村人の惨死体だった。
犠牲者はいずれも東の村に強い恨みを抱き、妹巫女殺害にも関与した者たち。
そして十郎太は、今回の惨劇がまだ終わっていないことを知る。
さらに神社に残された資料から、姉妹巫女には師にあたる人物が存在することを突き止める。
事態を収め、妹巫女を救う方法を求め、十郎太は一人、京へ向かうのだった。
愛する人が人ならざる存在へ変わってしまってもなお、その想いを捨てることなく、自らの人生を懸けて向き合い続けた、過去編屈指の
漢。
・観重
神社に残されていた紹介状を頼りに十郎太が訪れた、京から遠く離れた山間部で、孤児と共に暮らしていた老人。
かつては陰陽師の弟子であったが、禁術や外法にも手を出したことで破門された過去を持つ。
そのため少々危うい雰囲気だが、十郎太から東の村で起きた惨劇の話を聞くと、残り少ない寿命であるにもかかわらず「ケツを拭くのも面倒くせぇが、師の務めだ」と彼を弟子として迎え入れる。
なお、その際の「俺の教えた弟子が、俺の教えた外法でやらかしたのなら」という発言から、姉巫女が企てた外道なやり方も観重から伝えられたものではないかとも考えられている。
もしそうであれば、彼自身が直接関与したわけではないとはいえ、妹巫女の悲劇に繋がる一端を担ってしまった人物でもある。
十郎太を弟子に取った後は、まず2ヶ月間、陰陽術や呪術に関する基礎知識を叩き込む。
その後、老いた身体に鞭を打ちながら十郎太、そして共に暮らしていた孤児と3人で東の村へ向かう。
そこから5年もの歳月をかけ、呪物を祀る祠の整備、新たな神社の建立、屋跨斑を封じるための術式の構築などに尽力した。
そして全ての基盤を整えた後、静かにその生涯を終える。
現代まで続く屋跨斑への対処法、祠の管理、封印術の基礎を築いた過去編の最重要人物その2。
・みつ
観重に引き取られ、彼の元で育てられていた孤児の少女。
かなり人見知りな性格らしく、初対面の十郎太を快く思っていなかった。
観重が東の村へ向かう際には、老いた彼から「家に残れ」と言われるも、それを拒否して同行する。
幼い少女でありながら、十郎太と共に事態の収拾へ尽力するなど、単なる子供とは思えない描写が随所に見られた。
その正体は、一を聞いて十を知る、いわゆる「神童」。
観重の教えを瞬く間に吸収するほどの才覚を持っており、13歳となった彼女は観重の死後、彼が残した全てを受け継ぐ。
そして幼名を捨て、新たな名として「梛」を名乗り、十郎太にとって3人目の師匠となった。
1人目の師匠?大工の師匠だよ。
さすがにこの頃には十郎太ともすっかり打ち解けているため、その点は安心してほしい。
過去編の最重要人物その3。
【その他ダラさんワールド用語集】
・応神町
ダラさんを始めとした主要人物たちが暮らし、本作のドタバタ劇が繰り広げられる架空の町。
詳しい所在地は明らかになっていないが、町民が関西弁で話すこと、薫の「海無し県」という発言、そして車で明石海峡大橋まで到達可能であることから、近畿地方の内陸部に位置していると思われる。奈良県周辺だろうか。
ファンブックの前書きによると「奈良県王寺町を中心に信貴山と生駒山を加えたいくつかの町をキメラ化し、それをスケール的に圧縮して小さくし、さらに地形を90度時計回りに回転させた架空の町」とのこと。
「町」という区分でありながら、町内には独立した中学校と2つの小学校が存在し、広い河川敷も備えているなど規模は比較的大きい。
さらに電車で40分ほどで都市部へ出られるなど交通の便も良く、意外と住みやすそうな地域である。
物語の舞台として頻繁に登場する一方、単行本の紹介ページ以外では町名が明言される機会は少なく、妙に影が薄い。
・酉貴山
作中で「西の山」と呼ばれる小規模な山。
谷跨斑の頭部を封じた祠が存在する禁足地で、現在のダラさんの住居でもある。
麓には山を管理する三十木谷家が暮らしている。
ダラさんがまだ人間だった数百年前には山麓に村が存在し、農地に恵まれていたことから隣接する東の村との間に経済格差が生じていた。
この格差が西の村人による東の村との対立や偏見の原因となり、後の悲劇へ繋がることになる。
姉巫女の策略、そして屋跨斑と化した妹巫女の襲撃によって西の村の男衆は大きく数を減らし、かつて見下していた東の村人たちの協力なしには遺体の処理すら困難な状況に陥った。
皮肉にも、長年抱いていた優越感が自分たちを苦しめる結果となったのである。
・卯駒山
酉貴山の東側に位置する山。作中では主に「東の山」と呼ばれる。
この山を管理しているのが十御田家。
かつては山の土地が農耕に向かなかったため、村人たちは貧しい生活を強いられていた。
大蛇討伐後、こちらにも谷跨斑の血に含まれていた呪詛が染み出したが、西の村とは異なり生活用水に川を利用していたため、深刻な被害は発生しなかった。
西の村の井戸は穢れを溜め込んでしまったのに対し、川の水は常に流れているため呪詛が蓄積しなかったのである。
事件後は人口が激減した西の村と協力関係になり、最終的には自然な形で統合されたようである。
・平尋神社
2つの山を見上げるように建つ神社。
規模は大きすぎず小さすぎず、古い歴史を持つことから町民にも親しまれている。
現在は現役女子高生である梛が巫女を務める。
日向と薫がダラさんと行きたがった祭りも、この神社で行われる例大祭である。
主神として山の平穏と豊穣を司る天屋小春女神、配神としてものづくりと家屋の守護を司る十金比子神を祀る。
御神体は2色の石が絡み合ったような奇妙な形状の物体。自然に出来たとは思えない異質なモノで、ダラさんはそこからどこか懐かしい気配を感じ取っている。
・上梛の祠
三十木谷家が代々管理する山中の祠。
「梛」は神木を意味し、山の守護を表す。
かつては「神凪」と呼ばれていたが、「凪」という字が風や波の静けさを意味することから、山の神が荒ぶらぬよう願いを込めた名前だったとされる。
しかし、時代の経過による風化や識字率の低さによる変化によって、現在の「上梛」になったらしい。
内部にはダラさん曰く「相当ヤバい代物」が封じられており、誰も不用意に触れないようワイヤーで厳重に閉ざされている。
普段は自由奔放な三十木谷姉弟ですら、「この祠に近付くな」という言いつけだけは素直に守っている。
その中身とは……⬇
・巫女の左腕
祠の内部に封じられている呪物。
呪符で包まれ、箱に収められたその正体は、人間だった頃のダラさんから切り落とされた左腕である。
切断された際の苦痛と怨念を宿しており、不用意に触れた者はたちまち手足が捻り潰されてしまう。
呪いによって保存され続けているため、数百年が経過しても腐敗することなく当時の状態を保ち続けている。
しかし同時に、この腕には妹巫女の「村を守りたい」という願いも込められている。
恨みや怒りを燃料として生まれた力を、谷跨斑の頭部の封印に使った結果生まれた、憎悪と優しさが混ざり合った異質な存在である。
元々はダラさんの身体の一部だったものの、長く祀られたことで独自の神格を獲得。
現在ではダラさん本人にも制御できない別種の存在と化しており、ダラさん自身も「あればっかりは儂とて助けられぬ」と言うほど危険視している。
現時点で触れて無事だった人物は千夜のみ。
ただし、それも直接触れたわけではなく、大型の人型呪符を被せる形で回収した結果であり、それでも鼻血を流すほどの影響を受けていたため、直接接触すれば彼女でも危険だった可能性が高い。
・異界
ダラさんが鳥居状の門(通称・鳥居ポータル)を開くことで行き来できる、現世とは少し位相の異なる空間。
人間がここに迷い込み、現世から隔絶されることで発生する現象が「神隠し」である。
異界には深さによる段階が存在し、浅い場所であれば景色は現世とほぼ変わらず、物体には触れられないものの長期間滞在しても大きな影響はない。
しかし深部へ進むほど暗闇が広がり、妖怪や怪異が徘徊するようになる。
さらに瘴気が身体へ蓄積され、最終的には異界そのものに取り込まれる危険があるため、生身の人間が長居する場所ではない。
ダラさんは主に
などの目的で利用している。
・ダラさんハウス
異界のそこそこ深い場所に佇む一軒家。
正確にはダラさん自身が建てた家ではなく、異界に取り込まれた家屋を彼女が偶然発見し、休息場所として利用しており、本人も「自分の家ではない」と語っている。
約40年前、何らかの理由によって異界に取り込まれたらしく、その時点から内部の時間は停止している。
そのため、テレビでは当時放送されていた番組が延々と流れ続け、置かれた飲食物は腐らず、植物も成長しない。
一方で、電気やガスは問題なく使用可能であり、さらに底が見えないほど暗いボットン便所が存在するなど、現実離れした特徴を持つ摩訶不思議な家である。
ただし、元々この家に住んでいた住人がどうなったのかは現在も不明。
異界に取り込まれた時点で廃墟だったようだが、そのわりには生活の痕跡が家中に残っていたりと謎が多い。
異界に存在する都合上、内部には瘴気が漂い、妖怪や怪異の危険にも晒されているため、通常の人間が長期間滞在できる場所ではない。
しかし、後述する「綱守」があればそれらの危険をほぼ無視できるため、結果的に三十木谷姉弟にとって格好の遊び場となってしまった。
もちろん、使った後に放置しているわけではなく、大晦日には大掃除を行い、ボロボロだった障子も張り替えるなど、後片付けはしっかりしている。え?そういう問題じゃないって??
・綱守
そんなダラさんハウスへ泊まりたがる三十木谷姉弟のためにダラさんが作った護符。
自身の髪を切って編み込み、そこへ魔除けの効果を持つ唾を含ませた上で符に包んだものである。
髪は念が宿りやすい性質を持つため、山神であるダラさん自身の髪を素材にすることで非常に高い防護効果を発揮する。
これを身に付けていれば異界の瘴気を吸収し、さらに妖怪や怪異から存在を気取られにくくなるため、異界へ入る際には欠かせない必須アイテム。
薫は出来たてホヤホヤのこれにしゃぶりついてダラさんの唾液をチュッパチュッパして彼女をドン引きさせた。
・お守り
ダラさんが日向の誕生日プレゼントとして贈った、手作りのお守り。
その中身はなんとダラさん自身の舌の肉である。
非常時にこれを口に含む、あるいは血液をかけることで「贄を捧げた」状態となり、離れた場所にいてもダラさんの加護を受けることができる。
作中では実際に使用され、ある程度の力を持つ悪霊を一撃で撃破するほどの効果を発揮した。
当然ながら薫も欲しがったが、その性格を見越していたダラさんはすでに彼の分も用意済みだった。
そして効果を確かめたいという理由で、薫は無言のままダラさんの舌の肉をしゃぶり続け、再び彼女をドン引きさせることになる。
・嚙礫
ビームを撃ちたがる薫に対し、ダラさんが代用品として披露した術の一つ。
石に呪文を刻み、それを口に咥えて吹き出すことで高速射出するという単純な術である。
生前は木の幹に食い込む程度の威力だったらしいが、祟り神となった現在では大木を何本も貫通し、まとめて薙ぎ倒すほどの対戦車砲じみた貫徹力を発揮。
その圧倒的な破壊力には流石の薫も驚愕したが、「すごいけどビームとは違う」という、微妙に納得できるようなできないような理由によって採用は見送られた。
アニメでは噛礫のくだりが丸ごとカットされてしまった。
・ダラダラダラさん
薫が筆木先生に依頼して制作してもらった抱き枕。
外見はダラさんを小型化してデフォルメしたような非常に可愛らしい姿をしている。
しかし、その内部には薫が集めたダラさんの髪の毛が大量に詰め込まれている。
山神でもあるダラさんの髪を集め、人形に詰め込み、さらに名前と身体を与えるという制作過程は相当に危険なものであり、分類上はれっきとした「呪いの人形」である。
とはいえ、宿る念の持ち主が三十木谷姉弟に対してクソ甘なダラさんであるため、三十木谷家の人間に対して害を及ぼすことはない。
むしろ家の中で怪奇現象が発生した際には、夜中に包丁を手にしてひとりで動き出し、その原因となる怪異へ襲い掛かるなど、ダラさん譲りのお人好しぶりを発揮する。
一度千夜に発見されているものの、彼女もまたダラさんを慕う人物であるため「カッコええよね」と特に問題視されなかった。
それどころか、千夜自身も気に入って欲しがっている模様。本当にそれでいいのか。
その後、とある事件ではダラダラダラさんを持ち込んでいたことが功を奏し、ダラさんと三十木谷姉弟の窮地を救う重要な役割を果たすことになる。
・十郎太の子孫
屋跨斑となった妹巫女との関係が原因で、十郎太は正式な婚姻を結ぶことができなくなった。そのため、屋跨斑を祀ることに協力した人々が、彼の血筋を後世へつなぐ役割を担うこととなる。
現代編の主要人物たちは、いずれも彼らの末裔である。
初代梛は「玖枝の術」によって彼らと十郎太の間に疑似的な血縁関係を結び、その術を受けた家々は十郎太の子孫として位置づけられた。
この血統を受け継いだ家は、名字に「十」の字を含むようになる。
全部で8家あり、現在判明しているのは「二十尋」「三十木谷」「四十八願」「五十子」「六十里」「七十刈」「十御田」。
日向「追記なら修正もしときましょっか?」
薫「蛇巫女ってタイトルとかエッチだと思います」
ダラさん「そういうんじゃなくてさ???」
- 現代編では悪人が全然出てこないんだよな -- 名無しさん (2024-10-08 22:14:49)
- 三十木谷姉弟の多趣味っぷりは凄い -- 名無しさん (2024-10-08 22:48:56)
- 会員限定のえっちな書き下ろし大好き -- 名無しさん (2024-10-09 03:10:34)
- 迷惑系動画配信者は自業自得の呪いで勝手に死んだんだろう。ダラさんがやったのは呪いの拡散を防ぐのと死体を操って何もなかったかのような動画を作ったことと死体の始末だ。 -- 名無しさん (2024-10-09 09:00:01)
- ↑蟲「始末は自分やで」って顔 -- 名無しさん (2024-10-09 09:05:04)
- コメディ一辺倒と思ったらしっかりホラー要素もあるんやな -- 名無しさん (2024-10-09 11:54:14)
- タグの声優は、宣伝動画に出演した方々だっけ? -- 名無しさん (2024-10-09 20:30:10)
- ダラさん苦労人(人じゃないけど)気質だよね -- 名無しさん (2024-10-09 20:42:54)
- 累計200万部に劇場版アニメにアプリゲームにスピンオフ いやー大ヒットですな! -- 名無しさん (2024-10-09 21:53:59)
- 作者本人が描いた同人誌にとてもお世話になりました -- 名無し (2024-10-10 08:59:56)
- ダラさんのページだヤッター! って所要時間オイィィ!!! のんびり読んじまったじゃねーか! -- 名無しさん (2024-10-10 11:50:42)
- 今後アニメ化されるなら越したことはないが、個人的にはボイスドラマの方をレギュラー化して欲しい。てか一本だけあるのも区切りが中途半端、普通なら日向の性別公開まではやる所でしょ -- 名無しさん (2024-10-10 15:24:43)
- あれ?この項目立ってなかったっけ?前にここで見たような記憶があるんだが -- 名無しさん (2024-10-12 18:12:21)
- 迷惑系動画投稿者(の死体)の後頭部…というより脳みそに指つっ込んで動かして喋らせてたから、そういった能力もお持ちのよう。 -- 名無しさん (2024-10-31 22:55:09)
- 彼は姉巫女に尊敬こそ抱いていたものの【見抜きもせず】そらしねぇわ草 -- 名無しさん (2025-01-03 18:13:57)
- 変な苦労を重ねて憎めないギャグキャラ化した谷跨斑より、姉巫女の方が凶悪なのが何とも -- 名無しさん (2025-01-09 22:49:39)
- チンアナゴ元から今みたいな性格だったんじゃねえかw過去編でギャグやってるのコイツだけだろ -- 名無しさん (2025-08-22 20:29:42)
- 呪物からこぼれ出る瘴気のごとく、作者の性癖が漏れまくってていいアクセントだ -- 名無しさん (2025-08-24 15:05:20)
- ↑3 すっかり三枚目ダーク(笑)ヒーロー(笑)と化して、JCからの細々とした、しかし確かな信仰に心地良く安住してるし今後姉巫女の再逆襲とかあってもよくてベジータポジに納まりそう -- 名無しさん (2025-08-24 20:40:20)
- 「大艦巨娘主義」の人だと後から気づいてびっくり(だいぶ絵柄が変わっている) -- 名無しさん (2025-10-13 09:58:47)
- 屋跨斑が分離した結果、ダラさんもチンアナゴも元々の善良さを取り戻しているのは何なの… -- 名無しさん (2025-11-21 12:54:31)
- アニメ化おめ!!! -- 名無しさん (2025-12-11 14:50:56)
- ボイスコミックのキャストはそのままスライドしてほしいなぁ -- 名無しさん (2025-12-12 07:45:12)
- もうチンアナゴのこと憎めねぇ… -- 名無しさん (2026-01-31 09:14:17)
- 大のショタコンは成人をまったりしないが?? -- 名無しさん (2026-02-19 18:34:22)
- 時折、鬼太郎並みのホラーシーンが存在する -- ひろし (2026-07-19 17:03:56)
- ギャグな所もあるけど、神の領域を侵すと碌な事にならない始末だ、知らずに来れば罠、確信で来れば罰だな。 -- 名無しさん (2026-07-21 20:20:50)
- 姉巫女、中の人が今期別作品だと妹(と両親)から疎まれる役演じてる皮肉よ -- 名無しさん (2026-07-26 14:28:44)
- 予測はしてたがアニメだと「谷跨」と「屋跨」の区別がつかない -- 名無しさん (2026-07-27 21:59:59)
- ていうか十郎太の子孫の苗字とか、文字で読まないと分かりにくい設定が割と多い気もする -- 名無しさん (2026-08-19 00:14:26)
- Xの動画で流れてきた程度の認識だけど海外放送?ではダラさんモロ見えとかなんとか -- 名無しさん (2026-08-19 16:39:54)
- よもやジェミニオンやアリエティスをデザインされた方だったとは露知らず。アニメのコメントで初めて知って仰天したわ。 -- 名無しさん (2026-08-19 17:40:07)
最終更新:2026年08月20日 22:19