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更新日:2024/12/10 Tue 23:33:14
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人生はチョコレートの箱、
開けてみるまで分からない。
『フォレスト・ガンプ/一期一会(原題:Forrest Gump)』は、1994年7月公開の米国のヒューマンドラマ・コメディ・ファンタジー映画。
制作・配給はパラマウント映画。
主演はトム・ハンクスで、監督はロバート・ゼメキス。
【概要】
原作は1985年に出版されたウィンストン・グルームの同名小説だが、
映画化にあたって脚本担当のエリック・ロスにより大幅に改編が施されると共に、撮影と編集段階に於いては50年間に及ぶ米国の歴史に主人公フォレスト・ガンプが巧みに紛れ込むという、一種の米国史そのもののブラックジョークと呼べるレベルにまで踏み込んでいる過激なパロディとしての側面も持つ。
映画の年表中の歴代大統領や、ジョン・レノンといった有名人が一部を除いては配役を立てるのではなく記録映像を用いて巧みに合成される形で出演させられたことでも大いに話題となった。
純粋無垢でしか居られないが故にライトサイドしか歩けない主人公に対して、ヒロインは望んでいない筈だったのに、徹底的に真逆のダークサイドを歩む━━というのも計算し尽くされた構図なのだろう。
彼等に次ぐ重要キャラクターである軍隊時代の恩人や、主人公を“立派な人間”に育て上げた母親すらが“綺麗事では済まない”部分を描写されている中で、だからこそ自分の境遇を実は他人が思うよりも理解していた主人公が純粋さを失わなかったことへの奇跡と、それが最後に視聴者をも含む人々の救いとなったことを納得させるのである。
そのため、良きにつけ悪しきにつけ、自然と同時代を生きた多くの人々の郷愁と共感を呼び込むことになり、コメディ・パロディ映画として製作されながらも映画史に残る感動作として名を刻むことになった。
━━映画の内容を踏まえてなのか、原題はシンプルに“Forrest Gump”のみなのに対し、邦題では“一期一会”が付記された。
『
バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズを完成させて其の手腕を見込まれたロバート・ゼメキスは、本作に於いても優れた映像作家・編集者としての手腕を見せつけて第67回アカデミー作品賞など、多くの栄誉を受ける結果となった。
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受賞歴 |
第67回アカデミー賞
受賞 - 作品賞/監督賞/脚色賞/主演男優賞/編集賞/視覚効果賞
ノミネート - 助演男優賞/撮影賞/作曲賞/美術賞/メイクアップ賞/音響編集賞/録音賞
第52回ゴールデングローブ賞
受賞 - ドラマ部門作品賞/監督賞/ドラマ部門主演男優賞
ノミネート - 脚本賞/助演男優賞/助演女優賞/音楽賞
第48回英国アカデミー賞
受賞 - 視覚効果賞
ノミネート - 作品賞/監督賞/脚色賞/主演男優賞/助演女優賞/撮影賞
第63回ナショナル・ボード・オブ・レビュー 作品賞/主演男優賞/助演男優賞
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映画自体の長さが142分もあるので未視聴だと非常に長尺の大作に見えてしまうが、実際には主人公の語る半世紀と共に印象的な場面を重ねていくタイプの編集なので、非常にテンポがよく見やすい映画である。
また、歴史の振り返りと共に各時代の懐メロが用いられているのもベタながら効果は高く、それらの楽曲とアラン・シルヴェストリのメインテーマを加えたサウンドトラックも人気となった。
同サウンドトラックは、01年に権利上の問題で未収録となっていたのか2曲を加えて再販されている。
タイトルの“フォレスト・ガンプ”とは主人公のフルネーム(フォレスト・ガンプ)であると同時に、
“gump”とは主人公の出身地であるアラバマ州を含む南部地方にて“馬鹿”や“間抜け”を意味するスラングであるために“フォレストのバカ”という意味を込めたダブルミーニングとなっていると考察される。
なお、2000年と2007年に原作小説とは別の続編が企画されたが、何れも頓挫している。
【物語】
━━1982年。
ジョージア州サバナの、何気ない晴れた昼下がり。
天から舞い降りたような一枚の羽根がひらひらと下界の人々の間を縫ううように舞い、やがてはバス停で大人しくバスを待っていた男の足下に落ちた。
男は、足下の羽根を拾い上げると鞄の中にいつも入れているお気に入りの絵本の青空のページに挟み込む。
男は、身形のいいスーツに身を包んではいたが足下は泥だらけのナイキ(コルテッツレザー)。
ネクタイは締めておらず、シャツも仕立てのいいYシャツではなく部屋着のようなネルシャツという奇妙な壮年男だった。
やがて、バス停に男の他にも客が。
最初は黒人のメイドさんのようだ。
男はチョコレートの箱を取り出すと、彼女にもチョコレートを差し出しつつ自分の過去を語り始める。
「やぁ、僕はフォレスト・ガンプ。ママがいつも言っていたんだ、人生はチョコレートの箱、開けてみるまで分からないって……」
最初は、男の話を無視していた彼女も何時しか男の話に聞き入っていく、
彼女が去った後に現れた次の人も、次の人も……。
これは、アラバマの田舎町に生まれた決して誰との約束も破ることはない純粋無垢な男が、運命の相手と信じた一人の女を愛し抜いた物語。
【主要登場人物】
※以下は多くのネタバレを含む。
演:トム・ハンクス(青年時代)/吹替:江原正士(ソフト版・フジテレビ版)/山寺宏一(日本テレビ版)
演:マイケル・コナー・ハンフリーズ(少年時代)/吹替:近藤玲子(ソフト版)/矢島晶子(フジテレビ版)/大谷育江(日本テレビ版)
本作の主人公。
物語は、終盤近くまで彼自身が語る彼の半世を振り返る一人語りという形で進められる。
コメディ畑出身のトム・ハンクスは、本作にて前年の『フィラデルフィア』に続きアカデミー主演男優賞を獲得。当代一の演技派としての地位を固めた。
カリフォルニア出身ながら“完璧”とも評された南部訛りで見事な人物造形を作り上げている。
また、本作での吹替に於いて非常にトム・ハンクスの地声に近く、且つ日本語とはいえフォレストの“訛り”のイントネーションを限りなく再現してみせた江原正士は“字幕派”からも称賛を受け、例外もあるがトム・ハンクスの専属声優と見なされるまでになった。
アラバマ州にある架空の町・グリーンボウで母一人子一人の家庭に生まれたフォレストは生まれつきに背骨が曲がっていて暫く矯正器具を付けねばならず、知能指数も境界となる80を僅かに下回る75であった。
しかし、ママの尽力もあってか、普通の学校に通えることになったフォレストは、初めて乗ったスクールバスで周囲からの奇異な視線に晒されたものの、物怖じせずに話しかけてきてくれたジェニーと仲良しになり、多くの時間を過ごすようになる。
数年後のある日、ジェニーと2人で居る時にいじめっ子達に自転車で追いかけられたフォレストは、ジェニーの「走るのよフォレスト、走って!」の言葉を背に逃げ出す中で、遂に背骨が真っ直ぐになっていたこともあってか、矯正器具を自らの力で破壊すると自転車を振り切る程のスピードで駆け出すのだった。
こうして、何時でも走るようになったフォレストが高校卒業を間近に控えたある日。
この日もジェニーと歩いていたフォレストは、今度はいじめっ子達に自動車で追われることに。
流石に自動車には追いつかれそうになるが、颯爽と身を翻して逃げ込んだ先は大学アメフトの試合が行われているフィールドだった。
……偶然にもオフェンス側となったチームと同じ方向に走っていたフォレストだったが、彼に誰も追いつけないのを見た監督とコーチは掘り出し物だと言わんばかりに推薦状を出し、フォレストを進学させた上にチームに入れるのだった。
フォレストの“使い方”を心得ていたチームはフォレストの力で連戦連勝。
気づけば、全米チームにも選抜されホワイトハウスでハンサムな大統領(ジョン・F・ケネディ)の主催したパーティーにも呼ばれていた。
卒業後の進路が決まっていなかったフォレストだったが、そこに来ていたスカウトに応じて軍隊へ。
軍隊のバスでもハブられかけたフォレストだったが、気軽に話しかけてくれた黒人の新兵で、海老取り漁船の船長を夢見るバッバと仲良しになる。
規律を守ることを第一として、やることは単純な物の積み重ねな上、聞かれたことには「はい教官!」とだけ答え、言われたことだけをこなせば良い軍隊生活はフォレストの性に合ったものだった。
……やがて、ジェニーとの少し苦い別れを経てフォレストとバッバは
ベトナムへと派兵。
部隊長のダン中尉は尊敬できる相手でフォレストは彼の下で働けることを喜んだ。
いつまでも仲良しでいつまでも海老の話ばかりをするバッバは言う。
「フォレスト、除隊したら一緒に海老獲りの会社をやろう」
━━4ヵ月も振り続けた長い雨が上がった後、フォレスト達の部隊はロケット弾と機関銃の雨霰の待ち伏せに遭ったが、バッバの言葉で立ち上がりジェニーの言いつけを守ってやっぱ走り出したフォレストはジャングルの外まで走り抜けて助かった。……が、その後で誰も居ないことに気づきバッバを探しに戻る途中で他の傷ついて動けない隊員達を一人ずつ助けては戻り、両足を無くしたダン中尉と死にかけのバッバもやっと連れ出した。
しかし、バッバとは永遠のお別れに……。
それで最期だと解っていたらもっと気の利いたことを言えば良かったとフォレストは思った。
その後、ダン中尉と一緒に送られた野戦病院でフォレストは卓球を覚えることに。
多くの兵隊を助けた功績で名誉勲章を貰ったフォレストは、再びホワイトハウスへ。
尻を負傷したのが珍しいという今度の大統領(リンドン・ジョンソン)に「一度見てみたいもんだ」と言われた(囁かれた)ので、フォレストはその場でズボンを脱いで傷跡を見せてあげた。
受賞の為にやって来たワシントンでは沢山のヒッピー達が抗議の為に押し寄せていて、フォレストはジェニーと再会した。
ジェニーに今の仲間達に紹介もされたフォレストだったが、ジェニーが良くない所にいると感じて別れ際に声をかけるが、またジェニーは去っていってしまった。
またベトナムに戻ろうとしたフォレストだったが、卓球の才能を見込んでいた軍は今度は卓球で共産主義者と戦うように命じ、フォレストは全米チームに入って中国まで行って話題を集めた。
そうした日々の中で、フォレストは野戦病院から消えたままになっていたダン中尉とニューヨークで再会した。
中尉にバッバとの約束を果たして海老獲り船の船長になると言うと、ダン中尉はお前が船長になれたら自分が一等航海士になると言って笑った。
ダン中尉は落ちぶれたような生活を送っていたが、フォレストは自分のことも足のこともバカにされたくないと思っているダン中尉を見て嬉しく思った。
そんな中、三度ホワイトハウスにフォレストは招かれた。
今度の大統領(リチャード・ニクソン)はもっと高級なホテルに泊まれるよう融通してくれたものの、フォレストは
目の前のビル(民主党本部)で懐中電灯を持った人達が何かをしていたことが気になって眠れず通報した。それがきっかけであの大統領が間もなく辞めることになったことにフォレストは気づいていなかった。
それから間もなくして、除隊処分となったフォレストは実家へ。
実家は、留守中に宣伝広告になってくれと頼むメーカーから送られてきた沢山の卓球道具や勝手に作られたポップアップでいっぱいだった。
いつも同じラケットを使っていたフォレストはそんな話に興味はなかったが、ママのアドバイスを聞いて2万5千㌦の契約料を手にしたフォレストは少しだけ自分と母親の為に使った後でバイユラバトルのバッバの家へと向かった。
引退する老人からオンボロ船を新品と思い込んで大枚を叩いて買ったりと相変わらずのフォレストだったが船長にはなれた。
━━海老獲りは思ったようには行かなかったが、船を売ってくれた後も様子を見に来てくれていた老人の「名無しの船は運が付かない」というアドバイスを聞いたフォレストは、船に世界で一番美しい名前として“ジェニー”と名付けた。
━━そして、ジェニー号の船長となったフォレストの手紙を受け取って、約束通りダン中尉が一等航海士になりに来てくれた。
2人で組んでも海老は穫れなかったので、フォレストはダン中尉のアドバイスを聞いて教会へと通うようになった。
たまにはダン中尉も付き合ってくれたが、まだ神様を許せなくて一緒に祈ることはなかった。
そんな中、2人だけが沖に出ていた時に大きな嵐(ハリケーンカルメン)が来て、港に帰ると他の船が全部ダメになっていた。
たった一隻だけになったジェニー号は海老を獲りまくり、2人は“ババガンプ”社を立ち上げて大金持ちになった。
ある日、ダン中尉はフォレストに初めて礼を言って海へ身を躍らせた。
その様子を見て、フォレストは「ダン中尉は神様と仲直りしたんだ」と嬉しくなった。
そうして仕事が上手く行っていたある日のこと、フォレストはママが病気で倒れたと聞いて実家に戻った。
━━お別れを済ませた後、ママは火曜日に死んだ。
ママを見送った後もフォレストは実家に残ることにした。
そんな中で、ダン中尉から「
リンゴの会社」に投資をしといたのでもう金に困ることはないとの手紙を受け取ったフォレストは母校の芝を刈る仕事を無料で引き受け、お世話になった人々に沢山の援助をした。
……ここで話を打ち切ろうとしたフォレストだったが、最後まで残って話を聞いてくれていた老婦人が待っていたバスを見送ってまで続きを話すことを促してくれたので、その後の話もすることに。
一人ぼっちになったフォレストの下に━━行く場所の無くなったジェニーがやって来た。
一人ぼっち同士となっていた2人は、また仲良しになって毎日を一緒に過ごした。
そんな日々の中で、意を決したフォレストは「自分を一人の男として愛して結婚して欲しい、(かつてはジェニーに否定されたけど)自分はバカだけど愛はわかる」と告げた。
……ジェニーは困ったような顔をしていたが、その夜に2人は結ばれた━━しかし、ジェニーは何処かへと去っていってしまった。
ジェニーが居なくなってたまらない気持ちになっていたフォレストは、家を飛び出して走り出した。
グリーンボウを出て、アラバマを出て海へ。
「どうせこんなに遠くまで来たのだから」と反転して、今度は反対の海の果てへ……そんなことを繰り返している内に何かを感じてアメリカ横断を4度も繰り返したフォレスト。
気がつけばフォレストは「平和を願って走る男」として有名になっており、フォレストの後ろには多くの人々が後を追うように走っていた。
しかし、3年と2ヶ月と14日と16時間目にモニュメントバレーを背にしたルート163で走るのをやめると家に戻ったのだった。
……家に帰ると、ジェニーからサバナに住んでいるので会いに来て欲しいという手紙が届いていた。
老婦人にジェニーからの手紙を見せて、今日はそのためにこの町に来てこれからジェニーに会いに行くのだと言うフォレスト。
住所を聞いた老婦人は、それならばバスなんか待つ必要はないといい、フォレストは老婦人に教えられた通りに走り出す。
そして、手紙に書かれていた住所のアパートに向かい━━フォレストは数年ぶりにジェニーと再会する。
姿を消してからのフォレストの記事をスクラップしていたというジェニー。
久方ぶりの再会に、お互いに言葉を詰まらせているとジェニーの友達がジェニーの子供を連れて帰ってきた。
ジェニーは、お母さんになっていたのだ。
━━名前を聞くと、子供の名前はフォレスト。
━━お父さんもフォレストだと聞いて、少し驚くフォレスト。
パパはあなたよ、フォレスト
……ジェニーの言葉に息が詰まり、よろめくフォレストだがジェニーに支えられる。
「あんなに可愛いものは今まで見たことがない」━━初めて見る息子=フォレストJr(演:ハーレイ・ジョエル・オスメント)の感想を聞かれて、そう答えたフォレストはJrが学校でいじめられていないか、自分のようではないかと聞くが、学校では一番デキがいい子だという。
その後、ジェニーから病気を打ち明けられたフォレストは皆で家に帰ろうという。
今度は、ジェニーからの「結婚してくれる?」との問いをフォレストは快諾する。
そして、フォレストの家でささやかな式が執り行われることになった。
式には、少ないけど大切な人達が……何よりも、新しい足を生やしたダン中尉がやって来てくれた。
こうして、結婚したフォレストとジェニーはJrを交えて3人で暮らし始めたが━━間もなく病でジェニーは立てなくなり、ママと同じベッドで土曜日に死んだ。
そして、フォレストは2人の思い出の樹の下にジェニーの墓を作って上げて、彼女の父親の家(生家)を壊してあげた。
ママやジェニーや、他の人達……寂しいけれど、意味は分からないけれどそれも人生なのだとフォレストは思った。
そして、再び学校が始まる時期になり、
Jrもフォレストとジェニーが通った地元の学校へ。
Jrが持ち出していた思い出の絵本を開いた時に、挟んでいたあの羽根が落ちたことにフォレストは気づかなかった。
Jrは、30年前の自分と似たやり取りでドロシーさんのバスへ。
それを見送ったフォレストの足下から再び羽根が舞い上がる場面で映画は終わる。
ファーストネームの“フォレスト”は血の繋がりがあるとも言われる南軍の将軍で、悪名高きKKK(クー・クラックス・クラン)の創始者とされるネイサン・ベッドフォード・フォレストから戒めを込めて付けられたと主人公が自ら語るシーンが冒頭に置かれており、しかもそれを話す相手が黒人女性という極めてブラックジョーク的な場面となっている。
演:ロビン・ライト/吹替:佐々木優子(ソフト版)/名越志保(フジテレビ版)/勝生真沙子(日テレ版)
本作のヒロイン。
フォレストとは幼少期に運命的な出会いを果たしながらも、周囲の環境の悪さもあってか成長していく中で身を持ち崩してゆく。
ジェニーも確かにフォレストを愛してはいたが、フォレストが“特殊な子”だったことから、様々な経験を経るまでフォレストの庇護から逃げ続ける人生を送るが、最後の最後に“フォレストに相応しい女”になるために人生のやり直しを始めた時にフォレストとの子供を授かっていたことに気づいた━━のだと思われる。
多くの人々に感動を与えた本作ではあるが、ある意味ではフォレストとは真逆の存在、フォレストを裏切り続ける悪役として描かれており、ヒッピー等のカウンターカルチャーの中で、平和や正義を建前にする彼等の生活の裏で蔓延していた暴力や犯罪、ドラッグや性モラルの崩壊といった側面が描写されている。
演:ゲイリー・シニーズ/吹替:有本欽隆(ソフト版)/鈴置洋孝(フジテレビ版)/樋浦勉(日本テレビ版)
フォレストとバッバが、ベトナムにて配属された第9師団内の小隊長。
米国建国当時からの移民で軍人の家系らしく、先祖は何れも重要な戦争で名誉の戦死を遂げてきたという。
勘ピューター頼りな所があるが慎重な性格で、部下には高温多湿なベトナムでも靴下を清潔に保つよう命ずる一方、
士官への狙撃を警戒して自身への敬礼を止めさせる、行軍中に敵の気配を感じて警戒態勢を取らせる等頼りになる隊長。
彼の「勘」への理解・共感を示す部下はいなかったようだが、それでも隊の部下は彼によく従っていたようだ。
しかし、長い雨が開けた後のジャングルにて大規模な敵の待ち伏せを受けてしまい部隊は壊滅。
自らも両足を吹き飛ばされたが、名誉の戦死を覚悟してナパーム爆撃を行うように通信した直後にフォレストに助けられ、
既に爆撃開始が近かった事もあり自分を置いて逃げるよう命令するもフォレストはこれを無視、(本人曰く)惨めに生き残ることになる。
その後、回復の見込みなしと判断されたのかフォレストよりも先に本国へ送還されて姿を消すが、
名誉勲章受章者の軍属の卓球選手として有名になったフォレストが自身の住処であるニューヨークのスラム街に来た時に待ち伏せして再会する。
この頃はホームレス同然の風体になっており、すっかと身を持ち崩していたものの、仲良くしている売春婦にフォレストがバカにされた時には激しく怒っている。
━━そして、卓球で稼いだ金で宣言通りに海老獲り船の船長になったフォレストからの手紙を受け取り、パートナーとなるために自らもスラムからバイユラバトルへ。
勘ピューターの精度は相変わらずだったが、神の試練を思わせるハリケーンカルメンに打ち勝ち、海老が穫れるようになって会社を経営するようになる中で初めてフォレストに感謝を述べ神様と和解。
フォレストが去った後も事業を守りつつ、フォレストが一生涯お金に困らないようにと創業間もない“果物会社”アップルの株を買い付けてフォレストに送った。
━━フォレストとジェニーでの結婚式では、かつてのように髪を短くして髭を剃り落とし、チタン製の義足を付けた精悍な姿で参列。
かつては適当に聞いて間違えていたアーカンソー州ではなく、ちゃんとアラバマ州のグリーンボウの家を訪問。
有色人種であるフィアンセのスーザンを紹介する。
演:ミケルティ・ウィリアムソン/吹替:福田信昭(ソフト版)/屋良有作(フジテレビ版)/酒井敏也(日本テレビ版)
フルネームはベンジャミン・ビュフォード・ブルーで、頭文字にBが並ぶことから白人風でくだらないと言いつつ“バッバ”を名乗っている。
かつてのフォレストとジェニーと似たようなシチュエーションでフォレストに隣の席を譲り、そのまま軍隊時代の一番の親友となる。
おじさんが海老獲り漁師、祖母や母親は金持ちに海老料理を振る舞う給仕係という貧しい家庭で、自分の船を持ちたいから志願したと語る。
後にフォレストが生家を訪問した時には呆れるような子沢山で、恐らくは長男だったのだろう。
フォレストとはまた別の意味でマイペースで、訓練中だろうが暇さえあれば常に海老のことを話しているお気楽な性格。
ベトナムに派兵され、軍隊生活も終わりが見える中で(天然なだけかもしれないが)ダン中尉からも“兄弟”と言われた程に似ているフォレストを誘って故郷に戻り海老獲り船の船長となり2人で起業することを約束し合うが、それから間もなくして戦闘中に負傷してしまい、フォレストに助け出されたものの既に致命傷を負っており、最期はフォレストの腕の中で「家に帰りたい」と言い残し息を引き取った。
しかし、ジェニーやダン中尉と共に数少ないが本物の友達であったバッバの影響は大きく、後に意思を引き継いで漁師となったフォレストはダン中尉と共に起業した後の社名を“ババ・ガンプ・シュリンプ”とし、バッバの取り分(利益の半分)をバッバの家族に送った。
演:サリー・フィールド/吹替:土井美加(ソフト版)/鈴木弘子(フジテレビ版)/野沢由香里(日本テレビ版)
先進的で肝っ玉が座っていて、厳しくも優しいフォレストのママ。
母子家庭で、代々の広い家を下宿屋として解放して多くの人の世話をしつつ生計を立てていた。
フォレストが障害にも負けない普通の子よりも遥かに強い“普通の子”に育て上げ、その人生観と教育はジェニーの言葉と共に常にフォレストの支えとなっていた。
演じたサリー・フィールドは本作以前に2度もアカデミー主演女優賞を獲っていた名女優である。ちなみに、息子フォレストを演じたトムとの年齢差は10歳しかない。
演:シオバン・ファロン/吹替:佐藤しのぶ(ソフト版・フジテレビ版)/堀越真己(日本テレビ版)
グリーンボウのスクールバスの運転手。
ヘビースモーカーのようで、学童を移送する仕事なのに常に咥え煙草をしている。
一見すると強面で無愛想に見えるが、初めて学校へ行くフォレストが「知らない人の車に乗ってはいけない」と言ったことから互いに名前を名乗りあって知り合いになって乗れるようにするなど、柔軟性がある。
エピローグでは……。
【実在した人物達】
演:ピーター・ドブソン/吹替:小野健一(ソフト版)/荒川太郎(フジテレビ版)
後の“キング・オブ・ロックンロール”……。
ミセス・ガンプの営む下宿屋の客の一人で、本作では自身の演奏するギターに合わせて踊ってくれたフォレストのダンス(矯正器具を付けている故にカクカクした動きになる)からヒントを得て
後の“ラバーレッグ(腰振りダンス)”を生み出したことになっている。
演:リチャード・ダレッサンドロ/吹替:中野裕(ソフト版)/大川透(フジテレビ版)/納谷六朗(日本テレビ版)
フラワーパワーの提唱者。星条旗のTシャツを着てFワードを交えたトークで群衆を煽っていた人物。
成り行きで平和集会に参加する事になったフォレストのスピーチに涙を流して感動していた。
ただし、話す直前で軍関係者が音響の配線をメチャクチャにしたせいで群衆に全く聞こえないというオチが付いたが
【本人映像による出演】
※ホワイトハウスのトイレにマリリン・モンローの写真は(アカン)でしょ。
元ビートルズにして世界で最も偉大なシンガーソングライターの一人。
卓球選手として中国に赴いたフォレストが帰国後にテレビ番組で共演した人物で、
中国人はアメリカ人とは生活習慣も文化もまるで異なるというフォレストに対し「想像もできない」と言葉を漏らした司会者に
「簡単な事だよ、想像してみれば」と返しており、これが後の彼の代表作『イマジン』に繋がっていく……という演出がなされている。
フォレストからは感じの良いイギリス人の青年だ、という印象を持たれていた模様。
【余談】
- 本作の聖地巡礼地としては、フォレストが走るのをやめたモニュメントバレーが有名。
- 2022年にインドで本作をモチーフとしたリメイク作品『Laal Singh Chaddha(ラール・シン・ダッチャ)』が公開された。
- 本作をモチーフとしたテーマレストランとして“ババ・ガンプ・シュリンプ”が存在しており、日本でも営業中。(東京都文京区、東京ドームシティラクーア、ららぽーと豊洲)
追記修正してWikiこもり!追記修正し続けるのよ!
- ババガンプシュリンプ、行ってみたいんだけどダイエット中の身には重そうなメニューが多いのが悩ましい -- 名無しさん (2024-11-01 20:31:03)
- 嘘がうまいので本当にこんな人物がいたような気になってしまう映画 ある民間人から見たアメリカ近代史映画の雰囲気を出すのがうますぎる -- 名無しさん (2024-11-01 22:54:48)
- じぇにーが段々落ちぶれていくシーンが辛すぎた -- 名無しさん (2024-11-02 07:33:37)
- 原作だとダン中尉には救いがない。映画見た後に原作読んで扱いの差に仰天した -- 名無しさん (2024-11-02 18:16:37)
- 日本でのテレビ放送だとカットされがちだけど、入学した大学がアラバマ州立大学だから黒人差別に関する大きな事件が起きたり、母親の「尽力」の内容がはっきり描かれてたりと結構凄い描写も多いよね。 -- 名無しさん (2024-11-02 18:44:59)
- ↑2 ダン中尉の話は特に日本のファンに好まれてる印象があるので原作のままだったら日本では今より受けてなかったかもしれないね。 -- 名無しさん (2024-11-02 19:14:31)
- 主人公がとにかくメンタル強くて優しくて実は一番安定してるっていうね。 -- 名無しさん (2024-11-02 19:18:32)
- フォレストはおバカと言うよりは天然みたいな印象を受ける。少なくとも自分や周りが言うほど愚かではない。 -- 名無しさん (2024-11-02 20:00:34)
- 公開当時、フォレストを正、ジェニーを負としてアメリカ文化を擬人化した映画って評があった -- 名無しさん (2024-11-02 20:56:50)
- ゼメキス監督はBTTFシリーズの他にも「ロジャー・ラビット」や「永遠に美しく…」のようにCGやVFXの使い方に定評があったけど、こういう使い方をしてくるとは思わなかった -- 名無しさん (2024-11-02 21:28:19)
- 個人的にバッバ役の酒井敏也さんの吹き替えも好き -- 名無しさん (2024-11-02 22:11:07)
- 中身は80年代前半までを扱い、上映されたのは94年かぁ… 個人的な懐古主義の琴線にビンビン触れまくる設定だ -- 名無しさん (2024-11-02 22:32:01)
- ジェニーの遺したガンプの息子って明らかに父親ガンプじゃないよね -- 名無しさん (2024-11-02 22:49:45)
- フォレストは確かに頭は少し悪いしバカにもされてるんだが、一方で善悪をきちんと判断して他人に憎まれたり嫌われるような事をしなかったっていうのが大事だと思う。 -- 名無しさん (2024-11-03 07:49:23)
- ↑↑しばらくガンプの下で同棲してたんだから逆算すれば他に父親なんて考えられないだろ。親父に性的玩具にされ時代に弄ばれやっとガンプに相応しい女性になろうとまともな仕事しながら息子を一人で育ててたジェニーがそんな嘘つくと本気で思えるの? -- 名無しさん (2024-11-16 05:58:38)
最終更新:2024年12月10日 23:33