竜の石像(Shadowverse)

登録日:2024/12/09 Mon 21:31:48
更新日:2024/12/16 Mon 23:39:37
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こいつ、今にも動き出しそうだな。


竜の石像
アミュレット ドラゴン
コスト4
ブロンズ
自分のターン終了時、「相手の場のカードの枚数」が自分より多いなら、このアミュレットはドラゴンに変身する。

ドラゴン
フォロワー ドラゴン
コスト5
ブロンズ
5/5

竜の石像とは、デジタルカードゲーム『Shadowverse』に登場するドラゴンクラスのカードの一つ。

概要

登場は、オーバーパワーカードのオンパレードな『ワンダーランド・ドリームズ』。
このパックを機にシャドバの環境は良くも悪くも大きく激変したことで知られるWLD産のカードということもあり、この竜の石像もまた極めて強力なカード。
《昏き底より出でる者》、《不思議の探求者・アリス》などの当時の環境カードと並び称される、「竜の石像ドラゴン」のキーカードとして三積み必須。出てきた瞬間に相手が降参することもザラであった。







などということは全くなく、むしろ当時もその後に至っても、史上最弱のクソ雑魚カード単なるインテリアなどと散々な評価を受け続けている、ドラゴンクラスどころからシャドバ全体で見ても最弱争いに名を連ねるレベルのゴミカードの一つとして逆に有名な一枚。
忌むべき悪魔の像》《沈黙の絶傑・ルルナイ》のように、登場当初はゴミ・微妙扱いだったが環境の変化により再評価されたカードは数多いし、《消し去るもの》《外界の理》のような「環境デッキに入れるにはカードパワーが低すぎるが、効果自体は唯一無二でユニークなのでとりあえずネタデッキなら使い道はある」というようなカードはまだ救いがある。
しかし、この竜の石像は「ネタデッキだろうが居場所がない」「コンボの組みようがないので再評価も難しい」「そもそも入れたところでまともに仕事しない」と、あまりにも悲惨すぎてネタ方面での再評価の兆しすらない。ブロンズクラスなので《スカルフェイン》のように調整で救済される見込みすら絶望的

効果

具体的にどういうカードなのか、というと「自分のターン終了時に相手場のカード枚数が自分より多ければドラゴンに変身するアミュレット」である。まあ書いてあることが全てである
このアミュレット自体のコストは4で、出てくるドラゴンは5コスト相応の5/5という高めのスタッツ。

「ふーん。4コストで5コスト相当のフォロワー出せるならまぁ強くはなくても悪くはないんじゃない?」

……とぱっと見では思えてしまうのだが、実際使おうと思うと全く期待通りの働きはしてくれない。これがクソ雑魚カードと呼ばれる所以である。

以下、このカードの弱いところを順番に説明していこう。

弱いところ① 条件が微妙に面倒くさい

基本的にカードゲームで相手依存の効果は弱いというのは一つの常識である。

当然と言えば当然だが、「相手の場にカードを増やす」というのはかなり特殊なカード以外ではかなり困難。つまり、基本的に「相手にカードを出してもらわないと自発的に条件を満たすのはまず無理」という前提条件の時点で一つ大きなハードルを背負ってしまっている。
さらに、「相手側のカード枚数を多くするためにこちら側の横展開が制限されてしまう」というのもネック。自分側か相手側の絶対数だけを参照してくれていれば、こんな面倒なことはなかったのだが……。

そしてこの条件、よくよく読むとさらに面倒くさい。「相手の場のカードの枚数」が自分より多ければ、である。相手の場のフォロワーの枚数がとか以上ならとかそういう救済が一切ないのだ。つまり、起動するまで何の役にも立たないこのインテリアを含めた上で、相手の場のカード総数が自分より多いことが最低条件。一番有利な条件だったとしても、自分の場が竜の石像1枚、相手の場が普通に動けるフォロワーor普通にお仕事するアミュレット合計2枚。
……起動条件の時点で普通に不利すぎね?

弱いところ② 起動タイミングが最悪

この手のフォロワーを出すタイプのアミュレットで理想的なのは、「相手のターン終了時」というのが多い。
いわゆる「召喚酔い」がシャドバにも実装されているのだが、この解除タイミングが「自分のターンが回ってきた時」であるため、相手のターン終了時にフォロワーが出てくれると実質疾走持ちと同じことになるのだ。ネクロマンサーの《冒涜の墓場》などが代表的。
次点で「自分のターン開始時」か、もしくは「自分のターン中」。このタイミングなら、自発的に進化権を使って無理矢理動かすこともできるし、スペルなどでのフォローも効きやすい。少なくとも棒立ちにはなりづらい。多くのカウントダウン+ラストワード起動型のアミュレットはこのタイプである。

翻って竜の石像の起動タイミングを改めて確認しよう。
「自分のターン終了時に」
……控えめに言って最悪である。
確かにドラゴンは弱くはない。弱くはないが、それでもフルボッコされれば普通に死ぬレベルの耐久力であるし、攻撃力3以上のフォロワーに進化を切られたらその時点でアウトである。
対大型の合言葉「はい死の舞踏」であっさり狩られる懸念も強い。
そもそも起動した時点で盤面不利なのは確定なので、そのまま相手の自由なフォロワーに好きなようにしてやられる危険性は極めて高いと言わざるを得ない。

せめて相手のターン終了時だったなら「横展開してくるつもりなら、実質疾走持ちドラゴンが湧いてくるぞ?いいのか?」という牽制として機能してくれていたのだが……。

弱いところ③ そもそもドラゴン自体そんな強くない

ドラゴンは5/5という高いスタッツを持っている……のだが、一切の能力がない。いわゆるバニラである。
正直、4コストでドラゴンが湧いて出てきても相手への牽制としてはさほど機能しないというのがある意味最大の問題点。
守護などの相手の動きを縛る能力があるわけでもなし、2回攻撃のような「放置したら死ぬぞ?」系の危険な能力があるわけでもなし。無理矢理倒さず放置してもそこまで害がないというのが実情だったりする。
もちろん油断した相手にドラゴンパンチで5点ダメージを通せば手痛いダメージなのは間違いないが、ドラゴン放置してくるような相手は大体自分の顔面ダメージ無視して横展開して速攻で削り取ってくるアグロ構成なので、竜の石像を出しているテンポロスが致命的すぎる。

重量級フォロワーを出すアミュレットとしては、

氷づけの巨象
アミュレット ニュートラル
コスト3
シルバー
自分が元のコスト7以上のフォロワーをプレイした時にこのアミュレットを破壊する。
ラストワード 自分の場に「インペリアルマンモス」を出す。

インペリアルマンモス
フォロワー ニュートラル
コスト7
ブロンズ
6/7

せめてこれに準ずるぐらいのコスト/パワー比は欲しかったところ。ちなみに氷づけの巨象は普通に環境デッキでの採用例もあるパワーカードである。

弱いところ④ っていうかぶっちゃけコイツでよくね?


デスドラゴン
フォロワー ドラゴン
コスト4
ブロンズ
4/4

ドラゴンよりワンサイズ小さいが、その代わり普通にデッキに投入可能。もちろん条件を満たさずともフォロワーとして運用できるし、進化して直殴りもできる。
竜の石像は条件を満たさないと発動しない分、出てくるフォロワーがワンサイズ《デスドラゴン》より強い……のだが、結局どちらもバニラなので絶対的な差ではない。
1/1の差が勝負を分ける場面は必ずあるため、「竜の石像はデスドラゴンの下位互換」とまではいかないのだが、小回りとか諸々考えると「逆に1/1の差のために役に立たない可能性が高い置物抱えるか?」という問に頷ける人は多くはないだろう。

なおこのデスドラゴン、カードパワーのインフレで竜の石像より後に出てきたカード……とかでは全く無く、むしろ全プレイヤーが必ず持っているベーシックカードであり、サービス開始当初から存在しているカードである。



総括すると、「条件満たすのが相手依存で面倒くさい」「条件満たしても出てくるのが大して強くない」「そもそも条件満たせない」「ロマン的な一発逆転要素すらない」と、散々。
一応、「アミュレットが自発的に変身する唯一無二のカード」という希少性はあるが、それが役に立つ場面は特にない……というかむしろ《氷づけの巨象》と違ってナーフ前《バハムート》への牽制としてすら機能しないというマイナスポイントでしかない。




と、まぁ色々とマイナスポイントを語ってきたが、それでも無理矢理運用方法を探し出すのがカードゲーマーの性。なんとか竜の石像が活躍できそうなデッキを探してみよう。

プランA マゼルベインドラゴンへの採用

唯我の絶傑・マゼルベイン
フォロワー レジェンド
コスト6(修正前)
コスト5(修正後)
ニュートラル
4/4
ファンファーレ 自分のデッキに重複するカード(唯我の絶傑・マゼルベインを除く)がないなら、このバトル中自分のリーダーは
「自分のターン終了時、自分の場のフォロワーが1体なら、ランダムな自分のフォロワー1体を+2/+2して、ランダムな相手のフォロワー1体に2ダメージと、相手のリーダーに2ダメージ」を持つ。
リーダーはこの能力を重複して持たない。

「こちら側が横展開できない」「ターン終了時という最悪の起動タイミング」という竜の石像のデメリットを逆利用できる極めて特殊なデッキ。
ターン終了時の能力起動タイミングは、「リーダーに付与された能力判定→アミュレットの能力判定」であるため、竜の石像は置いてあってもマゼルベイン能力の起動を邪魔せず、それでいながら条件さえ満たせば竜の石像はしっかり起動する。
通常マゼルベインデッキはフォロワーを1体しか出せないのが欠点となるのだが、竜の石像を使えば強引に2体出すことが可能となる。ドラゴンは確かに単体では大した強さではないが、それはあくまで単体の場合。脇にマゼルベイン効果でステータスアップしたフォロワーが並んでいれば、2体同時排除は相手にとっても困難になり、圧はかなりのもの。
「こちら側が横展開できない」という竜の石像の弱点も、そもそも横展開を捨てているマゼルベインなら無視できる。
ちなみに同じことは7コスアミュレット《竜の峡谷》でもできる。あちらは継続的にドラゴンを出し続けてくれるため継戦能力が高く、竜の石像は1回しか起動しない代わりに安い。

強いて噛み合わない点を挙げるなら、マゼルベインダメージで相手のフォロワーが倒れて数が減ってしまった場合、石像が起動しなくなってしまうところか。


あ?プランB?ねえよ、そんなもん。

唯一の救いはブロンズなのでパックから出ても別に痛くないことぐらい。これでレジェンドとかゴールドだったら大ブーイングだっただろう



追記・修正は竜の石像の使い道を考えながらお願いします。


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最終更新:2024年12月16日 23:39