怒首領蜂最大往生

登録日:2024/12/19 Sat 17:06:00
更新日:2025/03/27 Thu 16:46:26
所要時間:約 8 分で読めます








さようなら。




怒首領蜂最大往生とは2012年に稼働開始した縦スクロール弾幕系シューティングゲーム。開発元はCAVE。
「2012年版大往生」がコンセプトであり、弾消しを駆使した前作「大復活」から一転してある程度の弾避けを要求される「大往生」に近いゲームデザインとなった。
一方世界観は透明感があり、ケイブとしては珍しく「真っ当にシリアスな」遠未来サイバーSF風味に様変わりした。
BGMは並木学が担当*1。今回は当時の主流に合わせて落ち着いたトランス及びEDM系のサウンドとなっており、更に歴代シリーズ作のフレーズを随所に絡めた楽曲は評価が高い。

翌年の2013年5月には家庭用移植としてXbox360版が、2024年12月にはNintendo Switch版が発売されている。
また、家庭用移植とは別に蜂だけに8年後の2020年11月にはXbox360版をベースに新モードを盛り込んだ「怒首領蜂最大往生 EXA LABEL」がアーケード向けに稼働開始している。*2

【ストーリー】

精鋭「首領蜂隊」に指令が下る。


『コンピュータの統治下にある、戦争とは無縁の「理想の街」。
そこに入り込んだ「機械化惑星人」を排除すべく、コンピュータシステムを武力で停止させよ』


言い掛かりに近い命令に疑問を抱くパートナー・エレメントドールの問いに
マスターが返した答えは『首領の命令は絶対』ということだけだった。


翼を共にするエレメントドールは、ただマスターの無事を祈る。



戦闘開始は明朝。


マスターが無事に帰れますよう。


【操作方法】

8方向レバー:移動
レバーを傾けた方向に移動する。

Aボタン:ショット/レーザー
ボタン連打で攻撃範囲に優れるショットを発射する。
ボタン長押しでオプションを収束させ、攻撃力に優れる「レーザー」の発射に移行する。この際は自機の移動速度は低速となる。

レーザー発射中に自機が纏う「オーラ」にも独立した攻撃判定があり、レーザーの発射源(合体中のオプションが配置される位置)を敵に重ねるとレーザーとオーラが同時ヒットとなり大ダメージを与えられる。(通称:オーラ撃ち)
オーラ撃ちを当てるには敵へぶつかるギリギリまで近づく必要があるので注意。

Bボタン:ボム/ハイパー
画面全体を攻撃するボムを放つ。
「ハイパーメーター」が貯まりきった時に押すとハイパーを発動。火力とレーザー命中時のヒット数が爆増する。
オートボムOnにした場合はボムを所持している時に被弾するとオートボムが発動。
ミスを防げるが、ボムを全部消費してしまうのでなるべく避けること。

Cボタン:フルオートショット
ボタン長押しでショットを連射できる。

Xアレンジ(新・Xbox360モード、Ver.桜夜)の場合、従来の残機制ではなくエネルギー(ライフ)制に変わる。
ボムはHP1500消費で発動(ちなみに被弾はHP2000消費、HPは最大10000)。HP2000以下の状態*3で被弾するとゲームオーバー。
またAC同時押しで烈怒を彷彿とさせるダブルアタックを使用可能だが、使用中はハイパーゲージが増えやすい代わりにHPがものすごい勢いで減る。
減少したHPはハイパー中に敵に攻撃を当てる及び敵破壊で出現するアイテム回収で回復させる。


【自機】

  • タイプA
赤い戦闘機。
移動速度が速く前方集中型のショットを持つ。
攻撃範囲は狭いが移動速度の使い分けが明白。ショットの威力が最も大きい。

  • タイプB
緑のヘリコプター。
オプションのショット発射方向が自機の左右移動に合わせて変化する。
移動速度は標準的。オプションが可変式だが、オプションの挙動がこれまでと比べてかなり極端な為、使いこなすには少々コツが必要。

  • タイプC
青い戦闘機。
移動速度が遅い代わりに広範囲のワイドショットを持つ。
ショットはザコ処理に向く反面低火力であり、ショットとレーザーの使い分けが他の機体以上に大事。

  • タイプD
Xbox 360版より追加された、紫の戦闘機。
8つ4組のオプションから断続的なエネルギー弾を撃ち、タイプBと同様に発射方向が可変式となっている。

初期状態では新・Xbox 360モード(Switch版では「Ver. 桜夜」)専用。タイプAからCは新・Xbox 360モードでは選択不可。
ショップで「タイプD使用可能」を購入すると、他のモードでもコマンド入力で使用可能になる。
EXAレーベルでは全モードで選択可能。

【キャラクター】

  • 首領蜂隊第一級戦闘員
自機のパイロットでありプレイヤーの分身。エレメントドールからは「マスター」と呼ばれている。パイロットスーツ姿のみで性別等は不詳。
世界観に合わせてか、パイロットスーツが顔全体も含めた全身を覆うデザインとなっている。販促用のポスター絵では相変わらず酷い目に遭う。

  • 通信オペレーター(CV:下田麻美)
「目標を発見、攻撃へ移行してください。」
首領蜂隊司令部直属の女性隊員。母艦より自機へ状況報告や激励などのサポートを行う。魅力的な彼女の声は首領蜂隊の隊員の間で人気があるという。
何気にシリーズで初めて声だけでなく容姿が用意されたオペレーター。
開発当初は容姿がなく従来通り声のみだったが、ロケテストで思わぬ反響があり、それを受けて急遽容姿が設定されたそうな。

  • 朱理(しゅり)(CV:ゆかな)
やっぱりワタクシよねぇ。
タイプAのエレメントドール。
高飛車で攻撃的な性格。自信過剰な一面があり、生半可なパイロットには心を開かない。歴戦の記憶を尊重しており、死地を潜り抜けてきたことに絶対の自信を持っている。
プレイヤーの事は最初からデレ…信頼してるようで、上記の性格の割にプレイヤーに対してキツイ一言を放つ場面は見られない。
自機性能的に、本作を慣れるにはまずA-Sから始めろとよく言われる。

  • 光(ひかり)(CV:喜多村英梨)
全力でサポートします。
タイプBのエレメントドール。
歴戦の記憶を持つが、物事を断片的に決めず、マスターの意見を尊重している。
自信が無いように見えるが、それはマスターの意見を第一に考えているため。
1面ボス前の台詞はプレイヤーに対する煽りに聞こえると評判。

  • 真璃亜(まりあ)(CV:能登麻美子)
はい、お供いたします。
タイプCのエレメントドール。
物静かで、"自分の主人に忠実"をモットーとする。
歴戦の記憶のみならず、その時の状況とマスターの思考等を総合的に判断して支援を行う。
「普通」がもっとも優れていると証明したいらしい。
全体的に冷静で事務的な台詞が多いが、4面ボスの図体の大きさを見て驚くといった一面も。

  • 桜夜(さや)(CV:平野綾)
マスター、長い旅のはじまりよ!
タイプDのエレメントドール。
究極のエレメントドールとして開発されていたが、ある事情から通常のエレメントドールとして運用される。
自信家で自由に振舞う性格だが、有事の際にはパイロットを思いやるぐらいには気が回る。
ボム使用時に「ぬがよい」と言う。
新・Xbox 360(Ver. 桜夜)モード/Xアレンジ専用。

【ドレスシステム】

機体選択後、自機の性能を強化するエレメントドールの服を選択する。システム的には『怒首領蜂大往生』のエレメントドール選択とほぼ同様。

  • 戦闘服(ショット強化)
ショットの攻撃範囲と火力が強化される。敵の数が多い場面で有利。
レーザーを撃つと移動速度が他強化と比べてやや遅くなるため注意。とはいえ「大往生(通常版)」と比べると足の遅さが致命傷になりにくくなった。
ボム所持数が多く、緊急時にも比較的安定して対処可能であり、名実ともに初心者向けのタイプ。まずこちらから始めるのが無難だろう。

  • 私服(レーザー強化)
レーザーの火力が強化され、更にザコ敵に対して貫通特性が付与される(固い敵は貫通不可)。ボスや固い敵に有利。ただし、ボム数はショット強化よりも少なくなる。
今回はレーザーの火力上昇の幅が控え目であり、どちらかといえばザコ敵貫通特性による正面方向への殲滅力上昇がメイン。

  • 水着(エキスパート強化)
ショットとレーザーの両方が強化される。ボム所有数は初期1個、最大でも2個とすごく少ない。
これを選択すると難易度が2周目相当に跳ね上がる大復活ブラックレーベル仕様という恐ろしいおまけ付き。

【アイテム】

  • ボムアイテム
ボムが1つ増える。
最大数までボムを取得した状態でさらに取得すると、マキシマムボーナスが発生し一定時間毎にスコアを獲得する。
その状態で追加取得すると獲得倍率強化、ノーミスでステージをクリアするごとにスコア獲得時間の間隔が3段階まで早まるようになる。

  • 1UPアイテム
残機が1つ増える。ある敵を一定条件下で撃破することでのみ出現する。

  • 蜂アイテム
従来のシリーズと同様、特定箇所にレーザーの先端を打ち込むと出現する。ステージ中最初の取得からノーミスのままで最後の1つを獲得すると獲得スコアが2倍になる。

【システム】

  • オートボム
大復活とは違いドレス選択時にOn/Offを選択可能。
Offにした場合は死亡時に最大ボム数が1個追加、S強化は6個、L強化は4個、EX強化は2個まで増える大往生システムとなる。
Onにした場合、死亡時にボムが増えないペナルティに加え、オートボムを発動させると手持ちのボムストックを全消費してしまうため、Onでもなるべく自分で押せるように意識するべき。
通常クリア狙いではボムを多く撃てるOffが、逆に隠しボス狙いでは事故を防げるOnが選ばれる事が多い。
エキスパート強化が相対的にお得な仕様。

  • アイテム回収
おそらくはむちポから輸入されたシステム。レーザーとショットを切り替えると星アイテムを回収してくれる。

  • GPS(ゲットポイントシステム)
敵を倒すとコンボゲージが増加し、これが0にならない限り得点が雪だるま式に増加していく。
レーザーを当て続けている場合ゲージは一定量残るのでこれを利用すれば全つなぎが可能。
今回は非ハイパー状態でゲージが無くなっただけではHIT数も得られる得点も完全にはリセットされない。
ハイパー中にコンボゲージが無くなるか、被弾(オートボム含む)で完全リセット。

  • ハイパーシステム
スコアアイテム獲得時や蜂アイテム獲得時、またはレーザー、オーラで敵を攻撃し続けると「ハイパーメーター」が上昇、メーターが溜まりきることで、一定時間自機を強化するハイパーが使用可能になる。被撃墜時には半分ほどゲージが上昇(ハイパー発動中に撃墜された場合は上昇しない)。
また、発動せずに再度メーターが溜まりきれば最大10レベルまで効果がアップする。
ボムを所有している場合はハイパーを優先して発動する(オートボムはハイパーの使用問わず最優先で発動する)が、ハイパー発動中にボム(オート含む)を発動させると中断される。

  • ゲームランク
ゲームの難易度を示すシステム。主にハイパーを発動することで、発動したハイパーレベルに応じて1~5ずつ上昇。被弾(オートボム・ミス問わず)によってある程度下がる。最大ランクは50。
ランクが上がるごとに攻撃が激化し弾速も上がる。


【ステージ】

全5ステージ、1周エンド。
条件を満たすと5面クリア時に隠しボスが出現する。

  • STAGE1「理想の街」

中ボス:飛掃(ひそう)

ボス:守雀(すざく)


  • STAGE2「平和で安定した生活」

中ボス:雷掃(らいそう)

ボス:闢虎(びゃっこ)


  • STAGE3「豊富な生命の源」

中ボス:IGS-彩音-(インペリアルガードシステム -さいおん-)

ボス:源武(げんぶ)


  • STAGE4「バックヤード」

中ボス:震顎(しんがく)

ボス:晴龍(せいりゅう)


  • STAGE5「機械化惑星人?」

中ボス1:災光(さいこう)
中ボス2:雷掃
中ボス3:飛掃

ラスボス:幸龍(こうりゅう)



【余談】

某ゲーセンのニコニコ生放送では大人気のコンテンツで、2024年12月時点で最多の11回登板である。
故にコメント欄では最大以外が生放送となっても最大ネタが擦られまくっている。
あまりにも登場しないことから真ボスがNEETでデブ扱いにされていたり、猛者によって倒されまくる*4ことから裏ボスが単なる雑魚扱いされたり…。
朱里さんがストゼロ中毒になってるというネタを使いだしたら間違えなくここのリスナーです。


追記修正お願いします。
そしてさようなら。




本格シューティングゲーム永遠へ…

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最終更新:2025年03月27日 16:46

*1 なお、本作が並木氏がベイシスケイプ在籍時に担当した最後の作品である。

*2 使用基板はexA-Arcadia。開発もexA-Arcadiaの製造・販売を行っているShow Me Holdingsの内部開発チームである「TEAM-EXA AM2」によるもので、ケイブからのライセンス許諾作品という扱い。

*3 合図としてカウンターが点滅し始める。

*4 最多は1日15回、当時のそのゲーセンは朝10時~夜12時の14時間営業だったので1時間に1回以上のペースで倒された。