登録日:2025/01/15 (水) 18:43:32
更新日:2025/06/03 Tue 11:47:32
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人が何処でどのように死ぬか選べるというのなら、それは大きな間違いだ。
既に死に場所が決したことを、貴様らは知るまい。
CV:
小山力也
キャラクターデザイン:源覚
二つ名:
鋭眼穿楊
概要
初登場は第1期の2話。
殤不患に意味深げに声をかけ、玄鬼衆に襲われた彼を手助けする役割で登場した。
右目を眼帯で覆った隻眼の男で、ぼさぼさの長髪と無骨な衣服が歴戦の勲章を感じさせる人物。
東離では「鋭眼穿楊」の名は知らない者はいないと称されるほどの大英雄であり、作中では
捲殘雲をはじめとする多くの若者の憧れとなっているらしい。
そのため、弟子入りした捲殘雲からは
「狩の兄貴」と呼ばれている。
性格は冷静沈着かつ用心深く慎重。
如何なる時も平常心を崩さず、滅多に激情することもない。
戦闘における彼の無茶とも言える行動に関しては、そのほとんどが彼の実力に裏付けられるものであり、弓への絶対の自信が見て取れる。
反面、他人に関しては過剰なまでに疑り深く、作中では素性の全てが謎な殤不患、イレギュラーの形で旅に加わった殺無生には不信感を抱き、常に注意深く見張っていた。
鬼鳥こと
凜雪鴉から、護印師の丹翡の手助けとして、天刑劍の奪還と
蔑天骸の討伐を依頼され、弟子の捲殘雲と共に承諾し、旅の仲間に加わる。
戦闘面
得物は弓と矢で、奇抜な形をした弓と、三又の特徴的な矢を愛用する。
遥か遠くの目視しづらい獲物も一撃で射貫くほどの、遠距離攻撃の実力者。
しかも近接戦闘にも死角はなく、作中では「間合いは取れない」と侮った獵魅と玄鬼宗郎党2人に対して引け目を取らず、真上に向かって矢を放ち、彼らが倒れる場所を計算しながら誘導し、見事獵魅以外の2人を真上から仕留めるという離れ業を披露した。
必殺技:「死門鏡影」
気迫と共に分身の幻影を放ち敵を幻惑させ、更に同時に放った気功によって竜巻を発生させる。これにより敵はダメージを負うだけでなく、前後不覚に陥り致命傷の隙ができる。
活躍
第1期前半
前述のように、凜雪鴉の呼び出しに応じて丹翡の手助けをするために七罪塔への旅に同行する。
初登場時には弓による無双を披露し、視聴者の心を掴んだ。
殺無生が凜雪鴉抹殺のために現れた際には捲殘雲と共に彼に戦いを挑むが、前述した真上に矢を放つ戦術を完全に読まれ、逆用されて危うく自分が矢に射貫かれるところを、矢を掴むことでこれを躱す。
七罪塔への旅の際は、凜雪鴉が突然招き入れた「得体の知れない男」である殤不患に正体の探りを入れるが、鬼歿之地を越えて西幽からはるばるやって来たと語る彼の発言を「法螺」だとまともに取り合わず、不信感を募らせる。
途中、
刑亥の呪符を死体に貼り付ける手伝いをする戦闘のアシストも行った。
魔脊山では、傀儡の谷のトラップである岩の巨人の弱点を矢で射抜く大役を任されるも、殤不患の本性を見極めるためにわざと手を抜き、彼に巨人を倒させ、落下する彼を助けるだけに終わった。
その上で、狩雲霄は殤不患を「取り立てて得手のない、敵に回しても支障はない小物」と判断し、彼を完全に侮っている。
殘雲、本物の誇りとは命と引き換えに手に入れるものだ。
生きてなお誇らしげに振る舞う者は、必ず秘めた恥がある。
寧ろ手際よく恥を隠した者だけが、武林に名を残すことができるのだ。
英雄の本性
実は英雄として振る舞っていたのは上辺だけに過ぎず、本心は自己中心的な金利主義者。
凜雪鴉の呼びかけに応じたのも、旅の真の目的である天刑劍を奪う手伝いをし、その報酬を得るためだった。
更に言うと、あわよくば凜雪鴉を出し抜き、天刑劍を独り占めすることすら目論んでいた。
「英雄としての表面だけ取り繕っていれば自身の誇りはどうなっても構わない」というのが信条であり、要は「バレなければいくらでも汚れ仕事をしても平気」として、英雄の誇りを完全に捨てている。
捲殘雲にも、最終的には汚れ仕事を手伝わせ、「英雄の取り繕い方」を教えることで、修行を終わらせる算段だった模様。
しかし、言葉の端々からは、かつては英雄に憧れていたものの、自身の限界を知り、挫折により擦れてしまったような過去が見受けられる。
真の活躍
生死一劍・殺無生編
1期より過去の時系列であり、この時点で凜雪鴉と組んで彼の「窃盗」に協力していたことが判明する。
「神箭手」の偽名を名乗り、仮面をつけて「剣聖位」を決める劍技會に参加し、大会で禁止されている弓矢を使って、無差別に投射して控室の剣客達の過半数を殺傷。
本来ならば人を救えるはずの弓矢の腕を、大量殺戮に使っている。
結局大会を中止に追い込んだが、凜雪鴉の策略により彼が付き人をしていた殺無生には知らされず、全て殺無生とグルだと主催の鐵笛仙に思い込ませた。
その後、殺無生を嵌めてご満悦の凜雪鴉のアシストをするため、鐵笛仙の足を射抜いて殺無生に彼を殺させ、更には鐵笛仙の側近も殺し、凜雪鴉を殺そうとした殺無生を妨害した。
凜雪鴉の悪趣味ぶりには若干引いていたものの、報酬はたんまり頂いたようで自身も満足しているようだった。
1期における殺無生への苦言の数々は、今作の彼への仕打ちを考えるならまさしく「どの口が」と言えよう。
第1期後半
蔑天骸に捕まった丹翡と殤不患を見捨て、自身が天刑劍を手に入れるための策略を練るが、それに対し捲殘雲から異を唱えられる。
だが、狩雲霄は「英雄なら誰だって恥がある」と開き直った挙句、「英雄になりたければ丹翡を見殺しにしろ」とおおよそ英雄とは思えない言葉を吐いて捲殘雲を幻滅させる。
結局、捲殘雲とはそこで決別し、刑亥と組んで天刑劍奪取の計画を練り直すことになる。
そこで、彼と刑亥は蔑天骸に取引を持ち掛け、殤不患と組み直した凜雪鴉を出し抜くために天刑劍の鍔を手に入れるため、一足先に脱走して鍔を奪還しようとした丹翡と捲殘雲を尾行。
鍔が隠されていた寺で2人を追い詰め、刑亥と一緒に鍔を奪いにかかる。
金のためなら悪党である玄鬼宗とも手を組む下劣さには、丹翡からすら「浅ましい」と呆れられ、遂には捲殘雲から「あんたとはもう兄貴分でも何でもない!」と三行半を叩きつけられる始末であった。
そのまま元弟子である捲殘雲と戦闘になるも、それでもなお師弟としての情は残っていたようで、考え直すよう説得した。
だが、それを拒絶した捲殘雲に失望し、必殺技を放って彼の右目―――奇しくも、自分と同じ―――を潰し、重傷を負わせ、彼らを敗走させた。
この時、捲殘雲は「いつか誇り高く死んでいくためにも、恥じるような生き方をしてはいけない」と言い放っており、狩雲霄の擦れた生き方に一種のダメージを与えている。
偽英雄の末路
天刑劍の鍔を手に入れ、同じく柄を手にした蔑天骸と合流した狩雲霄と刑亥。
後は報酬を蔑天骸から受け取るだけだったが、鍛劍祠に封じられていた天刑劍を蔑天骸が引き抜いた時、祠に異変が起こる。
実は天刑劍の封印は、200年前の窮暮之戰において唯一魔界へ帰らなかった魔神・妖荼黎を封印するためのものでもあったのだ。
まさに復活しようとしている魔神を見て、狩雲霄は血相を変える。そして彼は、蔑天骸に矢を向けた。
あの魔神が再び地上に解き放たれれば、窮暮之戰の再来だ!
生きとし生ける者全てが殺し尽くされる!俺も貴様も、例外ではない!
それは、ある意味人間として当然の反応であった。いくら金目当ての彼とは言え、命が失われては元も子もないからである。
……だが、彼は大事なことに気づくのが「遅すぎた」。
すぐ傍にいた刑亥は、鞭を振るって彼の首を締め上げ、天井の梁へと吊るす。
最初から、刑亥は妖荼黎の解放が目当てで天刑劍の封印を破らせようとしていた。その魂胆を、狩雲霄は傍にいながら見抜けなかったのだ。
不意打ちにすぐ反応できなかった狩雲霄は、もがき、苦しみながら絶命する。
その姿は、まさしく絞首刑にされた罪人のようであり、英雄の死に様とは程遠い惨めなものであった。
そのまま妖荼黎の封印された穴に落下した彼は、ひっそりと行方不明扱いにされたのだった……。
その後
狩雲霄の死は、刑亥の離脱や蔑天骸の死によって有耶無耶にされ、長らく行方不明扱いとされてきた。
なお、一度は決別した捲殘雲も、落ち着くと再び「兄貴」と呼ぶようになっていた。
そして、第3期で敵として立ち塞がった刑亥から、「狩雲霄は自分が殺した」と暴露され、捲殘雲は激昂している。
一度は師弟として築かれた絆は、そう断ち切れるものではないのかもしれない。
余談
- 脚本の虚淵玄氏曰く「コメディパートが一切ないシリアス一辺倒のキャラ」というコンセプトで作られたキャラ。なお、「もっと人気が出ると思っていた」とも語っている。
- れっきとした悪党ではあるものの、凜雪鴉の獲物からは除外されており、彼とは協力関係を上辺だけだが築いている。「驕慢」を持つ者とはかけ離れているものと思われているようだ。
お前はまだ若い。最初の追記・修正は誰しも辛いものさ。
だがそこを踏み越えた先にあるのが俺だ。
- サンファンの登場キャラで初めて出来た項目がこの人か -- 名無しさん (2025-01-15 19:02:40)
- 初登場回がピークだった狩の兄貴に哀しき過去… -- 名無しさん (2025-01-15 21:21:58)
- 「人が何処でどのように死ぬか選べるというのなら、それは大きな間違いだ。」最後に自分に返ってきたな -- 名無しさん (2025-01-15 21:53:35)
- 色々な意味で一般人過ぎたな -- 名無しさん (2025-01-15 22:19:54)
- 殘雲のことは騙しつつもずっと立派な師匠として振る舞ったり、悪党としての金の稼ぎ方という本人の本性含めて自分の全てを殘雲に教えるつもりは有ったりと 本人なりに弟子を大切に思ってた気持ちは有ったぽいというね -- 名無しさん (2025-01-15 22:37:22)
- ノベライズのアレンジによって色々と(公式化されるかはわからないが)設定が生えてきた男。弓の巧者なのに格闘戦を厭わなかったり、誇りを蔑ろにする割には英雄好漢の振る舞いをとりつくろったりするルーツはなかなかうならされた。 -- 名無しさん (2025-01-16 13:55:06)
- 公式ノベライズでの過去開示は後付けというには割とスッキリ本編での行動に説明がつくので、元々裏設定として存在してたのを小説化にあたりお蔵出ししたんだろうか -- 名無しさん (2025-03-15 17:23:04)
最終更新:2025年06月03日 11:47