登録日:2025/02/08 Sat 22:11:00
更新日:2025/05/29 Thu 17:38:18
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デススマイルズⅡ 魔界のメリークリスマスとは、2009年に稼働開始した横スクロールシューティング。
開発はCAVE。
前作「
デススマイルズ」の続編で、世界観もキャラクターも同じ。
大きな変更点はグラフィックで2Dだった前作から一転してケイブ製STGとして初のリアルタイム描写のポリゴンを駆使した3Dを採用。
ただしゲームデザインは前作同様に2D式の横スクロールで進んでいく。遂にCAVEシューにも2.5Dの波が押し寄せてきた。
2010年には家庭用版として本作を進化させた「デススマイルズⅡX」が発売されている。
従来の基板購入が厳しいロケ向けに基板のレンタルプランが新たに用意されたりと鳴り物入りでリリースされた本作だが
稼働当初は
最終ステージが未実装だったり
、点数バグや永久パターンが存在していたりと、
どう見ても「作りかけ」としか言いようが無い
散々な出来として多くのプレイヤーから酷評されてしまった。
後に行われたアップデートである程度は遊べる様になっているのだが、
家庭用版で更なるブラッシュアップが進んだため、結局アーケード版は「家庭用のロケテスト」の様な立ち位置になってしまっている感がある。
【ストーリー】
こことは異なる世界、ジルバラードでハロウィンの夜に発生した大事件…ディオール家の四人の娘と、事件の元凶であった男の前には現世へと帰還できる時空の扉が開かれていた。しかし彼女達はまだこの世界に留まる事を決意し、誰もその門を潜ることは無かった。
それから1ヶ月ほどが経ち、ジルバラードでは雪が降り始めクリスマスの日が近いことを告げていた。
街へ買い物に来ていたディオール家の三女、ウィンディアは道端で寒さと飢えに苦しむ小さな女の子、「スーピィ」を発見する。可哀相に思ったウィンディアは彼女をディオールの屋敷へ連れて帰るが、その夜にディオールが重傷を負ってしまう。
ディオールの側には赤く目を光らせるスーピィ…
そして、窓の外から不気味な声を響かせる大男の姿…
スーピィを術で操り、ディオールを襲わせた大男…すべてはディオールに深い恨みを持つ怪人「サタンクロウズ」の仕業であった。目的を果たしたサタンクロウズはディオールの屋敷からあらゆる望みを叶えるという「願いの音符」を奪い逃亡。ウィンディアたちはサタンクロウズを追う。
その時、スーピィが姉妹の目の前でエンジェルとして覚醒した。彼女もまた現世界から迷い込んできたロストチルドレンであったのだ。
サタンクロウズを追って屋敷から飛び立つエンジェル達。それと同時に、もう1人のロストチルドレンが彼女達を追うため街から飛び立っていた。
【操作方法】
8方向レバー:移動
レバーを傾けた方向に移動する。
A、Bボタン:ショット
Aボタンで左、Bボタンで右を向いてショットを撃つ。
ボタンを長押しすると攻撃力が上がり、移動速度が下がる。
AとBを同時押しで新要素の「結界レーザー」。
結界内に入った敵をロックオンして追尾レーザーで攻撃、このレーザーのみ背景奥に居る(=ショットが届かない)敵を攻撃する事が出来る。
Cボタン:召喚魔法
本作のボム。強力な魔法で全画面の敵にダメージを与える。
発動中は無敵だが、弾数制限があるのでここぞという時に使うべし。
【キャラクター】
「えへへっ。がんばります!」
イギリスのロンドンで生まれた13歳の少女。
半年ほど前に誘拐犯に襲われ、命の危険を感じた瞬間、光に包まれてジルバラードに送られた。
甘えん坊で泣き虫で寂しがりやな性格。
自分から率先して行動するタイプではないが、やる時は根性を出してやるタイプ。
使い魔は白フクロウの「ホゥ」。
「こまったちゃんを、退治に行くわよ!」
現世界での記憶を失った11歳の少女。
現世界への執着は薄く、強く前向きにジルバラードで暮らしている。
性格は生意気でひねくれ者。素直になるのがニガテで、
気持ちと正反対の言動や行動をしてしまう不器用な面もある。
使い魔はプチイービルの「キキ」。
「だいじょうぶかなぁ…」
デンマークの首都コペンハーゲンで生まれた7歳の少女。
2週間前、郊外の湖でスケートをしている時に氷が割れて湖に落ちてしまう。
その時、生命の危機を感じたことで開いた光の扉をくぐってジルバラードにやってきた。その後ずぶ濡れで冥界城付近をさまよっていた所をサタンクロウズに拾われてしまう。
使い魔はなんと前作ラスボスの霊「ティラノサタンゴースト」。
スーピィの肉体的な弱さをフォローするには余りある力を持った最強の使い魔である。
「僕だって…好きでこんな事してるわけじゃ…」
スーピィの実の
兄。年齢は12歳。
湖に落ちてしまったスーピィを助けようとして、スーピィと同じように光の扉をくぐることになった。
ジルバラードでスーピィと離れてしまい、山で倒れていた所を「ゴールドバーグ」という飲んだくれの中年男に拾われ、訳あって
女装させられている。
使い魔は双生天使の「ペペ」と「ピピ」。
「いつでもどうぞ。」
ⅡXの追加キャラ。
10歳の頃、フランス・パリからジルバラードにやってきた。
おとなしくて控えめな性格。意外にも冷たい感情を隠し持っていて、
自分が認めない相手には心を開かない頑固な面もある。
長女である「ローザ」に対して抱いている尊敬は、まるで一線を越えているような誤解を与える事もしばしば。
使い魔はベビードラゴンの「ボーボ」。
「さあ、参りましょう。」
ⅡXの追加キャラ。
8歳の頃、アメリカ・カリフォルニアからジルバラードにやってきた。
交通事故に巻き込まれ瀕死の状態で現れたが、ディオールの治療魔法により一命を取り留める。やさしい性格で、責任感もありしっかりしている。
使い魔は妖精の「ティティー」。
【システム】
本作は残機制ではなく、前作と同じくライフ制となっている。
ライフ残量は画面左上のゲージで確認可能。
得点アイテムを回収すると画面左下の数字が上昇する。
数字が1000まで貯まった時にAボタンとBボタンを同時押しすると自機がパワーアップ。
パワーアップ中は自機のショットが強化される他、通常時よりも敵から大量の得点アイテムが出現するようになる。
さらに道中のザコ敵への接触に対して自機が無敵となり、ダメージを受けなくなる。
【ステージ】
アーケード版は全5ステージ。1周エンド制。
前作同様に最終ステージまではマップ画面から進行するステージを選択するが、レベル選択は廃止された。
また前作にはあった幕番号がなくなり「第〇章」と表記、最終ステージは「最終章」と表記される。
第4ステージ(第4章)をクリアすると幕間デモを挟んで最終章へ直接進む。
「IIX」では全7ステージ+αに変更され、アーケード版で一度廃止されたレベル選択が復活。ただし前作メガブラックレーベル版の追加要素であるLv.999はなし。
最終章前で幕間デモが挟まれるのはアーケード版と同じだが、その後アーケード版と同じく最終章へ直接進むか「IIX」追加要素のEXステージ(第6章)を経由するか選ぶことになる。
ボス:大っきなトナカイ リリー
ボス:お城をまとった野獣 ビゴーテ
ボス:古い井戸の悪夢 ヘビースネイク
ボス:お化け屋敷のナイスミドル タメコス氏
ボス:白い闇の支配者 タルタロス
- Field F:廃楽園『見果てぬ夢の国』(ⅡX限定)
ボス:堕ちたマスコット マッドテディー&マッドバニー
前作の「峡谷」「神殿」と同じく、最終ステージ直前で挑むか任意で選択するステージ。
前作同様にボス不在の前半パートとラスボスが控える後半パートの二部構成。
「IIX」では「廃楽園」を経由した場合、道中ボス共に攻撃内容が激化する。
ラスボス:憎っくき変人 サタンクロウズ
元は現世界からジルバラードにやってきた普通の人間だったが、魔力に目覚めた途端、私利私欲のために人々を陥れたため、
ディオールと戦うことになり、敗れて魔界に封じ込められた。
数十年もの間恐ろしい魔物だらけの魔界で生き抜いてきた為、魔力は鍛えられ強大になった。
ディオールに対しての恨みを晴らす為、そして「願いの音符」を手に入れる為、サタンクロウズは再び悪に手を染める。
前作「メガブラックレーベル」版のエンディングラストにて顔見せで登場していた謎の人物の正体。
一度倒すと身体を巨大化させて第2ラウンド開始となる。
真ボス(IIX限定):再び扉を開く者 ビジョンブラッドジルバ
前作の事件の黒幕で光の扉を通じて元の世界(=地球)へ帰還したサキュラの父親。
ジルバラードで身につけた魔力で元の世界を征服した
後、今度はジルバラードを征服すべくエンジェルたちの前に再び姿を現す。
- 「廃楽園」を経由して最終章へ進む
- 全てのボスを結界レーザーでトドメを刺す
上記条件を両方満たすとサタンクロウズ撃破後に出現。
激しい弾幕は前作(ブラッディージルバ)から据え置きではあるが、ボムバリア未搭載、本体の脆さも据え置きで真ボスにしては手抜き感が否めない。
直前にライフ回復アイテムが出現するのも相まって、ここまで来れるプレイヤーなら難なく倒せるだろう。
開発側もその点を見越してなのか、Xbox360版では「こいつに負ける」と取得できる実績があったりする。なので実績コンプを狙う場合は一度負けないといけない。
元の世界を征服した影響なのか、性格が前作からガラリと変わって別物感が強い。本作の作風路線変更の一番の被害者なのかもしれない…。
【余談】
エンジェル達のキャラクターデザインが全員フォレットのような丸顔とポップな路線に様変わりしたが、担当は前作同様ジュンヤーこと「井上淳哉」氏によるもの。
前作からの作風の変わりっぷりに同一人物であることを見抜けなかった人はそれなりにいるかもしれない。
なお、アーケード版稼働開始の際に自身のサイトにて「見切り発車」と思わせる発言をしていた。
廃楽園のボス「マッドテディー&マッドバニー」は後に「
怒首領蜂最大往生」の家庭用移植版での追加キャラ「桜夜」が持っている人形としてゲスト出演している。
本作で新たに用意されたアーケード版基板のレンタルプランだが、稼働開始翌年の2010年初期に廃止が決定。その時にレンタル用の基板は全て回収された。
そのためかアーケード版基板の現存数が非常に少なく、現在ゲームセンターで見かける事は極めて稀である。
今から遊ぶならアーケード版の不満点が改善された家庭用版一択になるだろう。
追記修正はレイのエンディングで「おねだりする」を選択してからお願いします。
- デモ画面の音量が調整できないせいで、ゲーセンに悲鳴が響いていたが、稼働先から何度苦情を受けても修正しなかった記憶がある。そして、稼働初期はプレイアブルキャラが2人しか居なくて、しかも最終ステージが遊べなかった。オンラインアップデートがあるとはいえ、この出来で販売したのはちょっと… -- 名無しさん (2025-02-09 08:01:41)
最終更新:2025年05月29日 17:38