登録日:2025/02/18 (火) 01:17:04
更新日:2025/03/07 Fri 01:11:47
所要時間:約 5 分で読めます
■概要
『茉莉花官吏伝』とは『ビーズログ文庫』にて2017年7月から刊行されているライトノベル。既刊16巻。
著者は『おこぼれ姫と円卓の騎士』の石田リンネ。
イラストはIzumi。
スピンオフとして『十三歳の誕生日、皇后になりました。』も刊行されていた。全10巻。
2024年7月時点でシリーズ累計173万部を突破した。
2025年3月に200万部に到達。
『月刊プリンセス』にて『茉莉花官吏伝 〜後宮女官、気まぐれ皇帝に見初められ〜』という名でコミカライズされている。作画・高瀬わか。既刊10巻。
スピンオフのほうも本編と同じく『月刊プリンセス』にてコミカライズされている。作画・青井みと。既刊7巻。
両作共にクオリティが高く読みやすいので、コミカライズから読み始めるのがおすすめ。
いわゆる中華風ファンタジー世界を舞台にした作品。
後宮で働いている主人公が皇帝に目をかけられ、出世していくという王道の作品。
一方で出世していくということは他人を蹴落としたり、厳しい選択をするということでもあり、心優しく変化を嫌う主人公が追い詰められていく心情も描いていく。
そして主人公を追い詰めていくのはヒーローたる皇帝自身というのも本作の見どころ。
■あらすじ
後宮の女官の茉莉花(まつりか)は『物覚えがいい』というちょっとした特技がある。
そんな彼女は、名家の子息のお見合い練習相手を引き受けることに。
しかしその場にきたのは、お見合いをしてみたかったという皇帝・珀陽(はくよう)で!?
しかも茉莉花の特技を気に入った珀陽は「とりあえず科挙試験に合格してきて」と言い出し……!?
皇帝に見初められた少女の中華版シンデレラストーリー!
(公式より引用)
■主な登場人物
■白楼国
CV:
高橋李依
本作の主人公。16歳。
一度見ただけで完璧に覚えることができる『完全記憶力』の持ち主。
平民生まれで後宮の宮女になるものの、手柄を立てたことで女官に出世する。
そんな時ひょんなことから皇帝・珀陽とお見合いすることになり、その時にひったくり逮捕に貢献したことで珀陽に記憶力を知られてしまう。
そして珀陽に強制的に太学に放り込まれ科挙試験に合格し文官になってしまう。
茉莉花は幼いころ完全記憶力を過大評価され周囲をがっかりさせてきた経験があるので、文官になることも、期待されることも嫌がっていた。
しかし周囲からの期待に応えようと頑張る中で、文官としてのやりがいを見つけていく。
CV:
島﨑信長
本作のメインヒーロー。白楼国の皇帝。18歳。
イケメンでありながら科挙試験と武科挙試験の二つとも合格した若き天才。
しかし実は期間限定の皇帝であり、任期期間があと10年ほどしかない。
というのも幼くして母親を亡くし後ろ盾がなかった珀陽には皇帝になることができなかった。
科挙試験と武科挙試験を受験し合格したのも「こんなにも優秀な皇子が皇帝になれないんだぞ」という周囲のあてつけだったという。
しかし合格した直後、父親である先代皇帝が死去してしまう。
皇后との間に生まれた皇太子は幼く、先代皇帝は幼くして皇位についた際に好機と見た周辺国に攻め込まれた過去があるため、皇太子が大人になるまでの代打が珀陽だったのだ。
大きな改革は自分の任期中に終わらないし、あまりに大きな功績を作ると円滑に皇太子に皇位を渡せない。
なので人材発掘と育成に力を注ごうとしており、そんな彼が目を付けたのが茉莉花であった。
そのため茉莉花には数々の試練を与え成長を促している。
ちなみに後宮には美人の妃が大量にいるが、妃と子供を作ると皇太子と皇位争いが起きてしまうため、理性をフル回転させて手を出さないようにしているらしい。
珀陽の側近。禁色をもつ科挙試験をトップ合格した天才。
珀陽の家庭教師をしていたこともあり、茉莉花の科挙試験のための教師をしてあげた。
様々なことを観察し頭の中に国を作って動かしているという天才。
珀陽の側近。禁色をもつ武官。
文官の仕事で各国に行っては危険な目にあう茉莉花をよく助けている。
茉莉花の太学での同期で世話役。
女の子よりも女の子らしい容姿をした美少年だが、内面は苛烈。
平民の出で町で一番の天才だったため鉦家の養子となり太学に入学したものの、成績は底辺。
焦っていると茉莉花の世話係になってしまい、彼女が「本気で勉強しようとしていなかった」ために激怒し、いじめを行う。
和解後は親友(春雪は認めないが)として茉莉花に助言している。
御史台の文官。人懐っこい性格で誰とでもすぐ仲良くなる。
この性格を活かし様々な部署や人の監査をしている。
実は先代皇帝と女官との間に生まれた皇子。珀陽の異母弟であり本名は「冬虎」
御史台の男性文官。
生真面目な性格なのだが、それゆえ天然な一面がある。
尊敬する人の消耗品をより高価で新しい物に無断ですり替え、それを夜中眺めるというストーカー趣味がある。
しかもこの行為は白楼国の法律では窃盗にはあたらないため、堂々としているという厄介さ。
大虎曰く「頭のいい変態は厄介」
■赤奏国
CV:鈴木達央→佐藤拓也
赤奏国の俺様系皇帝。18歳。
大胆不敵で荒々しい言動をするが、実は理知的であり赤奏国の将来を誰よりも考えている。
滅びゆく赤奏国を救うため珀陽の手を借り兄である皇帝を暗殺して即位した。
このため暁月を快く思わない人たちが兄皇子の元へ集まり内乱が起きている。
なおたくさんの妃を養うほど資金がないので、後宮には皇后しかいない。
CV:河野ひより
『十三歳の誕生日、皇后になりました。』の主人公。暁月の妻。13歳。
祖父により皇帝の妃になるべく育てられてきた幼い少女。
とはいえあくまでたくさんいる妃の中の一人になる予定だったが、彼女の妃入り直前に暁月が皇帝を暗殺しており、そのまま流れで暁月の皇后になった。
素直な性格で、皇后として皇帝を支えるべく勉強中。
CV:田丸篤志
赤奏国の文官。可もなく不可もなく地味に仕事をしている。
……が、実は優秀な人物で、文官を長く続けるために周囲に敵を作らないように控えめな仕事をしていた。
しかし同類の茉莉花に実力を見抜かれてしまい、暁月から未来の宰相として禁色を授かった。
■用語
大陸の東側に位置し黄龍を守護神獣にしていた大国。
しかしある時大陸の覇権争いに巻き込まれ内部分裂。西の白楼国、南の赤奏国、北の黒槐国、東の采青国となる。
各国は四神を崇めており、皇帝は神獣に認められると神獣への化身能力を授かる。
追記・修正お願いします。
最終更新:2025年03月07日 01:11