登録日:2025/02/18 Tue 04:19:36
更新日:2025/02/19 Wed 18:03:44
所要時間:約 4 分で読めます
『海の眷属と偽りの花嫁』は、高倉知子による少女漫画。
秋田書店の漫画雑誌『プリンセスGOLD』で2019年10・12月号〜2020年2月号まで連載。単行本は全1冊。
【あらすじ】
アメリカ・マサチューセッツ州のミスカトニック大学海洋生物学部の課外講座中、潮に流されホープマスの海域に入り込んだ船が突如転覆。
主人公のアリサ達乗船者5名は、ギデオンに救助されホープマスで保護されるが、ギデオン含む村民達は排他的であからさまに歓迎していないことを態度で示す。
船の積荷を回収するために無断で屋敷を抜け出した船長のビルは、慌てた様子で駆け戻り「村が化け物の巣窟」であることを叫び、
直後に魚のような顔をした集団が扉を破り屋敷に侵入する。魚顔の集団と合流したギデオンはアリサ達を捕らえ、ホープマスの呪われた歴史を語る。
【登場人物】
ミスカトニック大学で海洋学を学ぶ学生。22歳。
16年前、船の転覆事故に巻き込まれ天涯孤独の身。事故のショックで前後数日の記憶を失っており、事故後に身に着けていた見覚えのない指輪を「海のお守り」と呼び大切に身に着けている。
父の跡を継ぎ事業拡大に成功したことで名を馳せた若手実業家。ホープマス全土の土地の権利者。
一時期はニューヨークで活動しメディアにも取り沙汰されていたが、現在はインスマスに籠もっている。
アリサの指輪に心当たりがあるらしく彼女から詳細を聞き、16年前の事故の救助活動に関わったことを明かす。
ミスカトニック大学の海洋生物学教授の生徒。
課外授業に船を貸し出したグロスターの船乗り。
【用語】
アメリカ・マサチューセッツ州の北部に位置する小さな村。
村の周囲を壁で囲い外部との交流を拒み、近辺の船乗りに対してもホープマス近海に近寄らないよう要請する排他的な風土。
それもあってか周囲の港からも嫌われ、偏見からか醜い人魚が出没すると噂されている。
100年前に旅人が村人の姿を目撃し周辺都市にまでパニックが拡がった結果、焼き討ちされ一度滅んており、
逃げ延びた村人が密かに帰還してホープマスに名前を変えて復興した。
祖先は海神の眷属となり、その御使を授かり幸を得たとされるが、
現在は御使は村人の制御を離れて暴れ回り、村人は外部からの目と不意に始まる心身が魚のように変異し海に誘われる運命を恐れながら生活している。
16年前のアリサが巻き込まれた転覆事故も御使によるもので、指輪は当時既に海に還っていたギデオンの母親のもの。
【中盤以降のストーリー】
アリサ達に真実を打ち明けたギデオンは、身体の変化などホープマスが抱える問題を解決するために、
村の閉鎖を解くことを決めアリサ達に協力を求め、一同も快く応じる。
アリサは表向きギデオンの婚約者となり、互いに好意を抱くが、
ギデオンは自身が抱える呪いにアリサを巻き込むことを恐れ、偽りの関係から先に進められずにいた。
そんな折、ギデオンは自身の変異の兆候に気付く。
追記・修正お願いします。
- 「クトゥルフ神話は実はラブストーリーにアレンジも出来る」と改めて感じさせてくれた作品。欲を言えば「御使」もハッキリ描いて欲しかったかも(ダゴンというよりクトゥルフの落とし子ぽい?) -- 名無しさん (2025-02-19 18:03:39)
最終更新:2025年02月19日 18:03