魔導輪(牙狼-GARO-)

登録日:2025/02/23(日) 10:02:45
更新日:2025/03/03 Mon 17:58:01
所要時間:約 11 分で読めます




「俺の名はザルバ。魔導輪だ」

「わぁ、指輪がしゃべってる」

「俺にはホラーの居場所を探知する能力があるんだ」

「へぇ...今どき魔導輪か」



魔導輪は、『牙狼-GARO-』シリーズに登場する登場人物かつアイテム。


概要


一部の魔戒騎士(特に称号持ち)が所持するアイテム。指輪型は特に魔導輪と呼ばれているが、カテゴリーとしては魔導具に入る*1

人間に友好的なホラーが、魔戒騎士と1か月に一度、1日分の寿命を引き換えに契約を結んでおり、魔戒法師の術により金属製の身体に宿っている*2*3

元々は、真魔界に本体がおり、人間界で魔導具の体が破壊されても死ぬことはなく、記憶を失うだけで済む。

守りし者に対して知識を授ける役割を持っており、ホラーの名前やその生態を解説することが多い。そのほかにも、単独行動が主な魔戒騎士の相棒として、話し相手にもなったりする。

必ず、魔戒騎士と行動を共にするかというとそうでもなく、専用のスタンドにセットされたり、修復や浄化のために魔戒法師の手に託されたり、番犬所の神官の命令で交換させられたり、魔戒騎士が守ろうとする一般人と行動を共にしたり、様々な活躍をしている。挙げた例にあてはまるのがほとんどザルバなのは、歴代主人公の相棒なので仕方ないということで。

一部に例外*4はあるものの、主に男性っぽい魔導具は、「○ルバ」。女性っぽい魔導具は、「○ルヴァ」となるという法則性がある。

流牙シリーズでは、廃れているようで、多くの騎士が付けていない。猛竜曰く、喋るから面倒とのこと。

元々、牙狼シリーズの立ち上げの際に、バンダイから小道具をフィギュアのおまけとして、売り出す提案*5があり、疑似人格を主人公の相棒にしたかった雨宮慶太監督が、主人公は6種類の指輪を相棒とすることを発案。予算の兼ね合い上、ザルバ1種類となり、その他没になった5種類の案の1つの蛇型女性タイプの指輪がシルヴァになったという。

魔導具一覧

魔導輪

ザルバ

声 / 演:影山ヒロノブ

言わずと知れた黄金騎士・牙狼(ガロ)の魔導輪。初代の牙狼から登場している。

フランクな男性のような性格をしており、よく軽口を叩いている。旧魔戒語で、「」を意味する名前だけあり、友情に厚く、牙狼の継承者やその仲間たちの窮地を救うことも多い。

真魔界の姿では、赤い毛の兜飾りを付けた巨大な骸骨のような姿で、大きな鎌を持っている姿となっている。『蒼哭ノ魔竜』で登場した知恵の祠の番人としては、魔導輪の顔に鉄製の身体を持ったような姿であり、手が刀になっている。

能力としては、基本的な索敵に加えて、場所を探知できる指輪の生成、魔天使を呼び出し結界を超えて鎧を召還する、炎の記憶の制御、魔導二輪の制御など、多彩な能力を持っている。これがザルバ限定の能力なのか、他の魔導具でも出来ることなのかは不明。

『鋼の咆哮』では、真魔界を訪れたガロに出くわし、死を覚悟するが、邪心がないのを見抜かれて、契約を持ちかけられ、それに乗ったのが魔導輪ザルバとなった経緯だと語られている。

『牙狼外伝 笑顔』では、人間態らしきものが登場。なぜか、貴族っぽい衣装を着ていた

冴島家シリーズでのザルバ

劇中の描写では、大河鋼牙雷牙の三代契約している。初代牙狼の最終回で、鋼牙を救うために自己犠牲でガロの鎧を召還したため人界でのボディが崩壊し、それ以前の記憶を失っている。
現在のよく軽口を言うフランクな性格が構築されたのはこの頃からで、第1期ではどちらかというとクールでニヒルな口調だった。

大河と契約していた時代を描いた漫画、『the Bible』では、契約によって大河が月一日だけ死んでいるときに、真魔界での本来の姿で、少年時代の鋼牙とともに外出したことがあり、ゴンザを驚かせた。

鋼牙にとっては、成長を見届けてきた育ての親的なポジション。大河の指示で少年時代の鋼牙の修行を手伝ったこともある。大河が殺された際には、鋼牙に遺言を伝え、その後大河の意思を継いだ鋼牙と契約した。

雷牙との契約においては、雨宮慶太監督が脚本・演出をしている『P冴島鋼牙』にて、雷牙が牙狼を継承しない未来でエイリスに敗北することを知った鋼牙から頼まれて、雷牙の元に向かったという経緯が明かされている。

大河や鋼牙は真面目な性格なこともあり、ザルバ1人かカオルやゴンザと絡んでコメディリリーフを務めることが多いが、雷牙とは性格上、軽妙なやり取りをすることが多い。

流牙シリーズでのザルバ

符礼法師が元々所有しており、後に流牙の手に渡る。『闇を照らす者』の終盤で流牙と契約を交わした。リュメの手で、一時期カバーが付けられ、鈴の音がなった時だけ、カバーを開けられてしゃべるような状態*6だったこともあったが、『ハガネを継ぐ者』からは再びカバー無しとなった。

初期には、未熟な契約者である流牙を認めず、契約を交わそうとしなかったため、符礼法師に返却されたことも。視力を失い、牙狼剣をも失った流牙に、逃げる選択肢を示したが、流牙が諦めず、牙狼剣の下にたどり着いたことから、考えを改め契約を交わしている。

アニメシリーズでのザルバ

時系列としては最初の『紅蓮ノ月』では、序盤は星明によって封印された状態になっている。雷吼が自力で封印を解いた後は普通にしゃべることができるようになっていた。

炎の刻印』では、魔女狩りの後破損した状態で、ヘルマンからガエル法師の手に渡っており、ガエル法師に手によって復活することになる。ザルバに魅入られた魔戒騎士・マルセロによるひと悶着もあったが、当代の牙狼であるレオンの手に無事渡ることになる。

レオンに刻まれた炎の記憶を制御する役割を持っているが、あまりに火力が強い時には炎を吐き出してしまうことも。物語前半は、口枷を噛まされており、あまりしゃべらなかったが、後に外される。アルフォンソにガロの鎧が渡った際には、一時的にアルフォンソが身に着けていた。

VANISHING LINE』では、ソードの魔導二輪の始動キーとなっており、バイクと一体型となり自在に動けるようになっている。ソフィと行動をすることも多い。

暗黒騎士・ナイトの手によって窮地に陥った際には、自爆特攻をし、バイクごと大破してしまった。その時に、ソードの手によってガロの鎧と融合。ガロ・ザルバ融合形態の力の源としてソードの助けとなった。ザルバ自身も導きの地でジーナによって復活している。

エルバ

声:折笠愛

閃光騎士・狼怒(ロード)の魔導輪。『MAKAISENKI』で初登場。老婆のような声をしている。レオが魔戒騎士の素性を隠していたため、革袋に長らく仕舞われていた。レオが素性を現してからは、左手に装着している。

アルヴァ

声:松野井雅

影煌騎士・狼是(ローゼ)の魔導輪。『神ノ牙-JINGA-』で登場。軽妙な女性のような口調をしている。神牙の言動にほとんど口出ししなかったが、終盤、口を出したことによって捨てられてしまう。次回予告では、本編と異なり人間に対して皮肉な言葉を述べており、別の一面を見せている。


イルヴァ

声:鈴村ゆか

光斬騎士・斬冴(ザンゴ)の魔導輪。『ハガネを継ぐ者』で登場。礼儀正しい女性のような語り口をしている。


魔導具

シルヴァ

声 / 演:折笠愛

銀牙騎士・絶狼(ゼロ)の魔導具。初代牙狼で初登場。ペンダント型をしている。は、初代牙狼の最終決戦まで首から下げており、それ以降は左手のグローブに装着している*7。これは、ガルムの攻撃でシルヴァが破損したことを零が悔やんでいたため。

零を諭すような、穏やかな女性的な性格をしている。旧魔戒語で「家族」を意味する名前。

真魔界での姿は、狼幻竜と呼ばれる、紡錘型のシルエットに、三方向に狼の顔が付いているクリーチャー。CRシリーズでは、翼人絶狼によって倒されているが、ドラマシリーズでも過去にあったことなのかは不明。

『牙狼外伝 笑顔』では、人間態らしきものが登場。なぜか、ザルバともども貴族っぽい衣装を着ていた。

500年に1度の大災厄の際には、鋼牙のザルバと交換され、ガロとともに戦った。『絶狼 BLACK BLOOD』では、ユナが首から下げたことも。

小説版では、道寺法師が調整している最中の彼女と、幼いころの零が会話しているシーンがある。

ゴルバ

声:緒方賢一

白夜騎士・打無(ダン)の魔導具。『白夜の魔獣』で初登場。ブレスレット型をしていて、は左手首に装着している。旧魔戒語では、「」を意味する名前。

老人の声をしており、初登場時は翼と同じく、よそ者に対して厳しい態度を取っていた。

レギュレイスとの戦いでは、途中でレギュレイスに憑依されてしまい、一時期意識不明になっていた。

ウルバ

声:折笠愛

雷鳴騎士・破狼(バロン)の魔導具。『MAKAISENKI』で初登場。手鏡型をしている。手鏡の中に、ザルバのようなシルエットの一つ目の頭部が浮かび上がるような形で存在しており、幼い少年の口調で話す。

オルヴァ

声:大関英里

幻影騎士・吼狼(クロウ)の魔導具。『魔戒ノ花』で初登場。女性の横顔が刻まれたカメオのデザインをしており、生意気な女性の口調で話す。クロウの胸に装着されている。

ジルヴァ

声:遠藤綾

絶影騎士・ゾロの魔導具。『炎の刻印』で登場。腕輪型をしている。古風な女性のような口調をしており、本当に必要な時にしか口を開かないため、滅多に喋ることが無い。レオンの手に渡った際に、ヘルマンの真意を伝えた。ヘルマンの死後は、ヒメナが所有している。

その他

大魔導輪・ガジャリ

声:大友龍三郎

魔導輪より、上位の存在で、ヒトにもホラーにも与さない大いなる存在。『MAKAISENKI』で初登場。契約することによって、生と死以外のあらゆる望みを叶えることが出来るようだ。魔戒騎士の誕生にも関わったとされる。数百年だけ人界のために存在する契約を結んでいる。

ザルバが自己犠牲で体が崩れ落ちるほどのダメージを受けた結界を超えた転移を、契約1つでやってのける能力がある。

『MAKAISENKI』にて、鋼牙が魔導列車に転移するために契約を交わし、鋼牙が約束の地に向かう対価を支払うことになった。

月虹ノ旅人』で再登場。暗黒騎士・キバの目論見をくじくために、雷牙が英霊の塔から牙城に転移するために契約を交わす。



ガルドの魔導具

声:小松もか

ガルドの右胸についている人形型の魔導具。『GOLD STORM 翔』で登場。ガルドを慕っている、少女の口調でしゃべっている。


余談

  • 作中で使用された他のアクセサリーとともに、魔導輪もJAP工房で商品化されている。
  • 実はバラゴも、黒い魔導輪らしきものを付けている。デザインは色違いのザルバで目は紫色。これが何なのかは明言されたことがない*8
  • ザルバは2018年にTAMASHII Labから影山ヒロノブの声で喋る指輪が発売されていた。
  • 流牙シリーズで魔導輪を付ける騎士が少ないのは冴島家シリーズとの差別化のほかに、その分声優を用意するのが大変という事情があると思われる。似たようなケースとして、『GS翔』やアニメシリーズでザルバが喋らない時期があるのも、影山ヒロノブ氏のスケジュールとの兼ね合いという事情があるものと推測される。
  • 雨宮慶太監督曰く、『MAKAISENKI』4話の「切札」では、ピアス版のザルバが登場する予定だったが、プロップまで作ったものの、違和感があったため没になったという。

「お前か?俺と契約したいという魔戒騎士は」

「なら俺に名前を付けてくれ」

「お前の名はザルバだ」

「ザルバ?」

「旧魔戒語で追記・修正という意味だ」

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最終更新:2025年03月03日 17:58

*1 ただし、広義ではマ号ユリや、魔戒法師が一般的に使うアイテムも魔導具と呼ばれている。

*2 牙狼の初期では、阿門法師が作ったような発言があるが、『鋼の咆哮』の設定や後続作品の描写を考えるに、阿門法師が修復したのが現在の設定だと思われる

*3 またこの対価からも窺える通り、ホラーが生きるためにはこの程度の寿命を分けてもらえば十分事足りる。つまり何人も人間を食い殺す敵ホラーは同族から見ても悪党である

*4 『MAKAISENKI』で登場したエルバ。老婆の声をしている。

*5 後のイクイップ・アンド・プロップシリーズとして発売される

*6 JAP工房では、「ザルバ シールドver.」という名前で販売されている。

*7 『白夜の魔獣』前編では、鋼牙の前に現れた零が、シルヴァを首から下げているが、これは鋼牙の記憶を元に再現された存在だからである。

*8 JAP工房では、「漆黒ノザルバ」という名前で販売されている。