登録日:2025/01/05 (日) 11:11:16
更新日:2025/03/02 Sun 19:28:34
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俺たちで繋ぐんだ、父さんたちの想いを。
なぜならば、俺たちは皆……
”ハガネ”を継ぐ者だからだ。
概要
固有の称号のない魔戒騎士が纏う最も数の多い基本形の鎧。
総監督の雨宮慶太曰く
「ガロがガンダムならハガネはジム」という位置づけであり
召還者が
闇堕ちしたり、強敵相手に数でものを言わせたりと、シリーズでは長らく
かませか、その他大勢のザコのような扱いだった。
早い話が、「
個別の鎧を新規にデザインするほど出番のないキャラに着せる鎧」である。
しかし、そもそも魔戒騎士は基本的に称号の有無に関わらず皆対等(詳細は
魔戒騎士の項目を参照されたし)であり、ハガネ使いもまた厳しい修行を経て剣を手にした立派な魔戒騎士。
そもそも鎧が固有の形状に変化するというのは所有者の実力とは別に環境が重要な面もあり、ぶっちゃけ「運」の要素もかなり大きい。
なので
ハガネの騎士=弱いというわけではない。
劇中でも称号持ちにも引けを取らない実力者も登場したうえで、主要キャラが彼らと互いに背中を預け合って共闘する場面もある。
そして、『
ハガネを継ぐ者』で遂に作品のメインとしてクローズアップされることになった。
公式外伝『鋼の咆哮』やアニバーサリーブック『牙狼ぴあ』の雨宮監督の言によると
「元来魔戒騎士の鎧はハガネがデフォルトであり、ガロの鎧のような特殊な形状や色彩をしたものは長い時間をかけ徐々に変化していったり、契約した魔道具・魔界の力の影響を受けた結果そうなっていった」
とされる。
さらに、鎧を形成するソウルメタルは鉛色をしていることが明かされており、ジオラマで表現されたかつてのガロの鎧も同系統のカラーで表現されている。
そのためか、『ハガネを継ぐ者』ではハガネの鎧も銀色で統一されている。
一方、『MAKAISENKI』では鎧の色は三色で、金・銀・銅のカラーが存在している。
『MAKAISENKI』におけるハガネには「眼」に相当する部位が無いために不明だが、『ハガネを継ぐ者』では瞳の色が所有者によって異なっている。
『MAKAISENKI』で初めてデザインが明かされた。
このデザインは、
初代牙狼でカオルが持っていた絵本を元にしたデザインであり、CRシリーズに登場した英霊のデザインにも類似している。
バイザーのようになった顔周りが特徴で、魔戒騎士の鎧は例外なく狼をモチーフにしているが
ハガネはその成分がやや薄目で一般的なイメージにおける騎士の甲冑に近い。
スーツの実物はなくすべてCGによって表現されていた。
アニメ『
炎の刻印』では眼があるなどやや狼成分が強まったアレンジが施されている。
『ハガネを継ぐ者』では、新規にリデザインされディティールが細かく、重厚な佇まいになった他、背中に鬼の顔を思わせる装飾が追加されている。
このデザインのものはスーツが制作された。
同作品は世界観が『MAKAISENKI』と異なるのでハガネの鎧の設定が変化したのか、それとも道外流牙の世界におけるハガネが昔からこういった感じなのかについては未詳である。
装備
魔戒剣
説明不要の基本装備。
『MAKAISENKI』では、紋章のない牙狼剣のような剣。
『炎の刻印』では、特徴のない剣。
『ハガネを継ぐ者』では、鍔に装飾のある剣を使用している。
魔導筆
『MAKAISENKI』第24話「時代」で使用。
光矢流星のために、
魔戒法師たちからの提供を受けて使用した。
同技は基本一発限りの手であり、法師に筆を借り受けねば使えないことも相まって普段のホラー狩りではまず使われない。
立体機動装置(仮)
『ハガネを継ぐ者』で使用。
背中の鬼の装飾から発射することができ、高く跳ぶことができる。
『
魔戒ノ花』で
牙狼・『
絶狼DB』で
絶狼が使用したものと類似しているが、関係があるかは不明。
技
光矢流星
『MAKAISENKI』第24話「時代」で使用。
牙狼や他の称号のある騎士と同様に、魔導筆を矢、魔戒剣を弓として射る技。
イデアと
ギャノンを倒すために使用されている。
『ハガネを継ぐ者』で使用。
ロンとオビが剣に炎を纏い、イグスの剣に放つことで、三色の炎が混ざった玉を生成。
イグスが散弾のように放つことによって、広範囲にホラーに攻撃を与えている。
閃光剣舞
『ハガネを継ぐ者』で使用。
魔戒騎士・白羽ゴドウが編み出した必殺剣。
闇を取り込んだうえで光に反転させ、それを推進力に変えて一閃を繰り出し対象を斬り捨てる。
ゴドウから伝授された道外流牙と、ゴドウと流牙から教わった創磨が破滅ノ門を封印する目的で使用。
修得難易度は非常に高く、使えば制限時間に関係なく強制的に鎧が返還されてしまうなどデメリットもあるが、ハガネの騎士でも使用可能で高位のホラーをも一撃で撃破できる威力を持つ。
この技と対を成すものとして、「閃影剣舞」がある。
こちらは己の光を闇に反転することで繰り出すが、自身が闇に堕ちるリスクを持っているため、使用したのはゴドウとガロ・闇になる流牙のみ。
ハガネを纏った戦士たち
暁
演:安永昇
初出は『
白夜の魔獣』。
山刀翼の弟子として登場し、レギュレイスとの戦いの中で涼邑零に憧れるようになっていった魔戒騎士。
ハガネを纏ったのは小説作品の『妖赤の罠』が最初。
零を目指し修行を続けることで、レギュレイスとの戦いの後に、ハガネを纏えるようになった。
翼の承諾を得て、零のいる東の管轄までやってくるも、功を焦った結果、ホラー・デライボーに舐められた上、敗北してしまう。
零が導こうとするも、丁度ザバックに招集され、そのまま零とともにザバックに参加することに。
初戦で五道アキラに敗北した上に、零と戦った榊闘次に貶された結果、心に影を落としてしまう。
その矢先、アキラが配置した
バラゴの魔導ライターに触れてしまい、操られてしまった。
椿フブキと五道アキラによる決戦の後、操られたまま魔導ライターを着火し、自分の身体を依代にして暗黒騎士・キバを召還した。
ガロ、ゼロ、ダン、ヤイバの4騎士によって鎧を解除され、正気を取り戻した。ザバックの後は、翼の弟子に戻り、閑岱に帰還している。
多賀城信義
演:田中要次
『MAKAISENKI』終盤で登場。
20話の主人公として描かれている。多くのハガネの魔戒騎士の1人。真鍮色のハガネを纏う。
妻と子ども2人とともに暮らしている中年の魔戒騎士で、赤い仮面の男に破滅の刻印を刻まれている。
元老院にて、鎧の返却を巡って起こった、他の魔戒騎士たちの諍いの仲裁をしていた。
意識を失いかけた際には、鋼牙から家族の写真の入ったペンダントを握らされる。
ギャノン戦では、他の魔戒騎士とともに
鋼牙たちの援軍として戦い、光矢流星を放った。
マルセロ
声:綿貫竜之介 / 岡本沙保里(子ども時代)
『炎の刻印』第3話「契約-ZARUBA-」に登場。
ガエル法師の弟子の魔戒騎士で、バンダナを付けている。
見習い騎士で、ガエル法師の洞穴の工房を守るために、太鼓型の魔導具を使用する。
ハガネとしての姿は、青みがかった銀色の鎧。
レオンより年上で、
ヘルマンがガエル法師に破損した
魔導輪・ザルバの修復を依頼した場面に出会っている。
その日からザルバの魔力に憑りつかれており、カンテラをゲートとするホラー・オンブラにそそのかされてしまい、ザルバ復活の際にハガネを纏いガエル法師を殺し、ザルバを奪った。
逃走中に出会ったエマに罪を擦り付け逃げようとするも、ヘルマンには見抜かれており、ホラーの姿を現した。
ハガネを意識してか、オンブラは紫の炎を纏う騎士のような姿だった。
最終的にガロを纏ったレオンにザルバを奪われ、討滅される。
冴島雷牙
演:中山麻聖
鋼牙が鎧を雷牙に渡さなかった世界で、ハガネを纏い
エイリスと戦うも、ガロ由来の奇跡を起こすことができず、敗北する。
この様子を見た、鋼牙が雷牙に鎧とザルバを託すことを決めた。
白羽創磨
演:仲野温
『ハガネを継ぐ者』に登場。
青い目の銀色のハガネを纏う。ハガネを継ぐ者のもう1人の主人公ポジション。
光斬騎士ザンゴこと白羽ゴドウの息子。
ゴドウの技・閃光剣舞を継ぐことできず、ゴドウが行方不明になったため、ザンゴの鎧も継承できない事態に陥ってしまう。
さらに、修行中にゴドウを傷つけてしまったことがトラウマになっていた。
3年前に失踪した父のために、管轄であるクレアシティを守るも、破滅ノ門開門阻止のために、アゴラの三騎士と
道外流牙が街を訪れ、管轄を失う可能性に思い至り、反発する。
一時は、味方に刃を向けるほど不安定になっていたが、戦いの中で流牙に導かれ、ゴドウの真実をも知ることになった。
破滅ノ門の前で、開門を目指すムツギ法師によって邪気を注ぎ込まれ、闇堕ちしかける。
辛うじて流牙のサポートを得てゴドウの幻影を打ち破り、精神的な不安定さを克服した。
ホラー化したムツギを流牙とともに倒し、流牙の激励を受けて閃光剣舞を習得。破滅ノ門の封印にも成功した。
戦いの後は、イグスの後を継いで、ハガネとしてクレアシティを守る三騎士として活動することになった。
イグス
演:朝香賢徹
『ハガネを継ぐ者』に登場。
赤い目の銀色のハガネを纏う。アゴラの三騎士のリーダーを務める。
白羽ゴドウやムツギ法師とは古くからの戦友にあたる。
風祭・ホラー態との戦いでハガネを纏い、ビルに巣くうホラーをロンとオビとともに討滅する。
しかし、ホラー・ガエラとの戦いで、ムツギ法師の従者である疾風と烈風を吸収したガエラの猛攻を受けて、落命する。
その死に際に放った言葉は、創磨を立ち直らせ、彼の守りし者としての意識を変えることになった。
イグスの剣は、迷宮アリビスに向かう際に、墓から創磨が持ち出している。
最終決戦において、閃光剣舞と対を成す技・閃影剣舞を使用し邪気でガロの鎧を纏えなくなった流牙へと渡されることになった。
ロン
演:山本章博
『ハガネを継ぐ者』に登場。
緑色の目の銀色のハガネを纏う。アゴラの三騎士の二番手。
現実的なものの見方をする人物で、流牙が纏うガロの鎧に隠された責任の重みにも言及。
その責任を背負うぐらいなら自分はハガネで良いと、こぼしたことも。
オビと2人でいるときにはコメディリリーフになりがち。
オビとコンビを組んで戦うことが多い。
風祭・ホラー態との戦いでハガネを纏い、ビルに巣くうホラーをイグスとオビとともに討滅する。
最終決戦では、オビと共にクレアシティに残った。
オビ
演:西銘駿
『ハガネを継ぐ者』に登場。
黄色の目の銀色のハガネを纏う。アゴラの三騎士の新米騎士。
未熟さが目立つ騎士。
元々ガロの鎧に憧れて、守りし者になった過去を持つ。
大天空寺の跡取り息子とは関係ない
ロンとともに戦うことが多い。
風祭・ホラー態との戦いでハガネを纏い、ビルに巣くうホラーを、イグスとロンとともに討滅する。
最終決戦では、ロンと共にクレアシティに残った。
道外流牙
演:栗山航
『
闇を照らす者』では、幼少時に符礼法師の下で独自に修業しガロの鎧を纏ったため、これまでハガネを着たことはなかった。
しかし、『ハガネを継ぐ者』にて、初めてハガネの鎧を纏うことになる。
破滅ノ門の前におけるホラーとなったムツギとの決戦で、ガロ・闇となり閃影剣舞を使用。
その結果、牙狼剣に邪気が溜まってしまい、破滅ノ門を前にガロの鎧を再召喚できなくなってしまう。
そこで創磨からイグスの剣を渡された彼は、オレンジの目の銀色のハガネを纏う。
そして閃光剣舞を創磨とともに放ち、破滅ノ門を閉じることに成功した。
余談
- 設定上、『一人前の魔戒騎士』は鎧の召還ができるようになるのと同義。
すなわち全ての魔戒騎士がハガネを纏えるため、本編では鎧を纏うシーンがない魔戒騎士だとしても、最低限はこの鎧は所持し纏えるということになる。
- 小説作品では、称号有りの鎧を纏うまでは、鋼牙も零もハガネを纏っていたと語られている。これが映像作品にもある設定なのかは不明。
- 『VANISHING LINE』に登場するホラー・ナムレスは、元々が魔戒騎士であることや、名前の意味が無銘(=称号なし)であることから、生前は金色のハガネの鎧を纏っていたのではないかと考察されている。
大事なのは鎧じゃない!追記・修正だ!
- ハガネを継ぐ者の最終回で流牙が纏った時は驚いたな。無人島での修行を終えてすぐ牙狼剣を引き抜いて牙狼を継いだろうからハガネを纏う事はなかったろうし -- 名無しさん (2025-01-05 11:18:15)
- 今後の実写作品や冴島作品にハガネをスーツで出すならハガネを継ぐ者の時のスーツを流用するのかな?銀以外の色はCGで加工するとか出来そうだけど -- 名無しさん (2025-01-05 11:23:11)
- 無名だからと言って必ずしも雑魚じゃないんだよな。元老院には鋼だけど凄腕のベテラン騎士も多く所属してるらしいし -- 名無しさん (2025-01-05 12:07:30)
- この鎧にまつわる本音と建前の葛藤がこの作品の泣き所でもある -- 名無しさん (2025-01-05 16:02:48)
- ↑2 なんなら大半のネームドは無名かつこの鎧使ってた所を幾多の戦いや経験を経て鎧自体も独自の形に変化していったからな・・・ -- 名無しさん (2025-01-05 22:31:31)
- ↑そもそも魔戒騎士の戦闘スタイルってパチンコとかならいざ知らず映像作品では大体似たり寄ったりで具体的な強さの差は鎧がどうのというより纏ってる奴の技量の差って印象がある -- 名無しさん (2025-01-06 05:37:38)
- 創磨のハガネもいつかは独自のデザインになるんだろうか? ザンゴベースにガロ・闇っぽいテイスト入ると予想 -- 名無しさん (2025-01-06 05:57:49)
- 称号持ちだけど新米でまだ弱い騎士もいれば無名だけどベテランで強い騎士もいるよね -- 名無しさん (2025-01-06 09:23:19)
- 今のところ無いけど、心滅獣身となったハガネも見てみたい -- 名無しさん (2025-01-06 09:32:05)
- 鋼の咆哮には烈火炎装の起源は書かれていても名ありの騎士の起源は書かれていなかったよ。ぴあ2024のインタビューだとザンゴやダンは法師の村で作成されたワンオフものだって雨宮監督が語っていたし違うと思われます -- 名無しさん (2025-01-06 10:48:20)
- 因みに10周年記念のぴあだと「ゼロやダンは魔導具とか魔界の力とかでデザインを変えているイメージ」とも雨宮監督が解説しています -- 名無しさん (2025-01-06 10:49:11)
- もしもだけどイルヴァは今後斬冴の継承者が現れるまで創磨が所持してるなら、一時的とは言え魔導具持ちの鋼と言う結構珍しい感じになりそうだよね -- 名無しさん (2025-01-06 12:00:24)
- ↑3 その辺は持ってる人がソースになるべく沿った形で修正して欲しい -- 名無しさん (2025-01-06 14:24:16)
- 暗黒騎士鎧伝を観る限りだとまず数々の功績を上げて行きハガネから独自の形状の鎧に変わり、そこから更に功績を重ねて漸く称号が与えられる感じかな? -- 名無しさん (2025-01-06 15:51:15)
- ↑「無名の騎士」と称号持ちはバラゴの中だと零やクロウへの態度から両立しているっぽいし違うんじゃないかな -- 名無しさん (2025-01-06 19:27:13)
- 全体的に改行が不自然だったので訂正しておきました。 -- 名無しさん (2025-01-06 21:47:46)
- 雷牙のハガネはどんな形状になってどんな称号を与えられてたんだろう -- 名無しさん (2025-01-07 18:50:03)
- ↑黄金騎士だがガロではないってケースの初の映像化、見たかった -- 名無しさん (2025-01-07 20:54:42)
最終更新:2025年03月02日 19:28