牙狼-GARO- ハガネを継ぐ者

登録日:2024/12/15(日) 11:37:10
更新日:2025/03/20 Thu 09:54:16
所要時間:約 11 分で読めます




「お前たち”ハガネ”のことは知っているか?」

「人間を食らう魔獣ホラーを狩る魔戒騎士」

「その多くがハガネと呼ばれる名も無き鎧を纏う」

「だがな、ハガネこそが魔戒騎士の原点」

「全てはここから始まった」

「これはハガネの騎士たちと黄金騎士・道外流牙の新たな物語だ!」



「剣を持て、答えは戦いの中にしかない」



─未来に、継げ─



GARO

ハガネを継ぐ者



【概要】


雨宮慶太原作・監督の特撮番組『牙狼-GARO-』、その中で『牙狼-GARO- 闇を照らす者』から始まった道外流牙シリーズの2024年TVシリーズ。

道外流牙シリーズとしては、映画『牙狼-GARO- 神ノ牙-KAMINOKIBA-』から6年ぶり、牙狼シリーズとしても『GARO -VERSUS ROAD-』から4年ぶりの作品となった。

現場に雨宮慶太が関わらない*1久しぶりの道外流牙シリーズで、松田康洋、田中佑和、木村好克という3人の監督を迎え、新体制で製作されている。
過去作でデザインを担当していた韮沢靖氏の逝去後、昨今のシリーズではCGが使用されていたホラーも一部だけではあるが久々にアクションパートで着ぐるみが採用された。

『KAMINOKIBA』まで登場していた莉杏やリュメなどのキャラクターが登場せず、既存のキャラクターでは流牙とザルバのみが登場しており、過去作を見ていなくてもほとんど支障がない*2作りになっている。



【あらすじ】


ホラー狩りをしていた道外流牙は、若い女性魔戒法師コヨリと出会う。彼女は師匠であるムツギ法師からの手紙を流牙に渡す。その内容は、クレアシティにある最古のゲート・”破滅ノ門”が開くのを阻止するため、クレアシティに来てほしいというものだった。

クレアシティへ向かった流牙の前には現れたのは、ハガネの鎧に身を纏った魔戒騎士白羽創磨だった。彼は3年前失踪した父・白羽ゴドウの代わりに街を守り続けていた。ムツギから招集された新たな戦力であるアゴラの三剣士を拒む創磨。流牙はそんな創磨を気にかけ、導いていく。

破滅ノ門の開門を防ぐことは出来るのか?創磨の父・ゴドウの失踪は何を意味するのか?

そして、戦いの果てに明かされる真実とは?

【キャラクター】



ガロの鎧に光を取り戻した男。当代の黄金騎士・牙狼。コヨリに導かれ、クレアシティにやってきた。

創磨と出会い、彼を精神的に支えながら破滅ノ門の開門を防ごうとする。前作の時点では習得していなかった閃光剣舞を習得しているなど、さらなるパワーアップを果たしている。



  • 白羽創磨(演:仲野温)

クレアシティを管轄とする魔戒騎士。青い目のハガネの鎧を纏っている。白羽ゴドウを父に持つが、彼が失踪しており、それに起因する精神的な弱さがある。ゴドウの帰る街を守るために、流牙やアゴラの三騎士に対し、強硬な態度をとる。

かつて、閃光剣舞の修行をゴドウから受けた際に、闇に飲まれてしまい、閃光剣舞を体得することが出来なかった。さらに、その際にゴドウに怪我を負わせたことがトラウマになってしまっている。


  • コヨリ(演:中澤実子)

クレアシティを管轄とする魔戒法師。ムツギの弟子で、色違いのフードのある魔法衣を着用している。体術を得意としている法師。流牙シリーズでは、初めて「のごめ」*3を使用している。

創磨と長い付き合いであり、何かと気にかけている。戦闘面でも、創磨との息の合ったコンビネーションも披露している。


  • ムツギ(演:黒谷友香)

クレアシティを管轄とする魔戒法師。コヨリの師匠。リュメに劣らず高名な法師なのか、疾風と烈風という魔戒法師を従えている。ゴドウやイグスとは戦友で、創磨を特別視するところがある。

人を惑わせる匂いである闇のパルファムを探知する魔導具やホラーを転送する魔導具を仕立てる、ビル全体を大規模な結界で覆う、疾風と烈風を瞬時に呼び出すなど、様々な方面で有能さを発揮する。


  • 白羽ゴドウ(演:萩原聖人)

元々のクレアシティの管轄の魔戒騎士。白羽創磨の父で、イグスやムツギとは盟友だった。光斬騎士・斬冴の称号を持ち、ザンゴの鎧を纏っている。流牙シリーズでは珍しく魔導輪を持っている。名前は、イルヴァ(声:鈴村ゆか)で礼儀正しい口調が特徴。

閃光剣舞と閃影剣舞の2つの奥義を持っており、前者は流牙も使用している。魔導札を操る一面もある。3年前から姿を消しており、破滅ノ門の開門との関連を疑われている。


牙狼シリーズでは、アニメ映画の『DIVINE FLAME』にて、黒曜騎士ゼムであるダリオ・モントーヤを演じているが、特撮の方の牙狼はこれが初。同年の光の巨人特撮では、主人公の父役かつヒーローの声を演じている。

  • イグス(演:朝香賢徹)

アゴラの三剣士のリーダー。赤い目のハガネを纏う。ゴドウの戦友だった。

創磨をクレアシティを守らせることに懐疑的で、ロンとともに創磨がクレアシティを守るようにすることをムツギに推薦していることから、創磨との仲は険悪。

  • ロン(演:山本章博)

アゴラの三剣士のメンバー。緑色の目のハガネを纏う。2番手であり、イグスからその腕を買われている。

茶目っ気があるものの、魔戒騎士としては自立しており、クレアシティの管轄の騎士になることを打診されるほど。魔戒騎士の称号に隠された重責にも気が付いており、黄金騎士に憧れたことのあるオビとは反対に、ハガネのままが良いとつぶやくことも。

  • オビ(演:西銘駿)

アゴラの三剣士のメンバー。黄色い目のハガネを纏う。最も若く未熟な面もあるが、イグスやロンとの息の合った連携を見せる。

黄金騎士に憧れて守りし者になった経緯があり、黄金騎士本人に出会い、浮かれるシーンがある。また、救助する側なのに自分がテンパっていることをコヨリに指摘されるなど、まだまだ成長途上の騎士である。

別の特撮ではゴーストハンターをしていた。その時変身した戦士と、ハガネの目の色が似ている...かもしれない。

  • 誘惑者(演:おしの沙羅)

クレアシティでホラーが出現する際にゲートの近くに出現する謎の存在。陰我を具現化した存在のように見えるが...?


【用語】


  • クレアシティ

ボルシティ、ラインシティに続く、本作の舞台の街。郊外には破滅ノ門のある迷宮アリビスや、常闇の石がある隻眼の森などが存在する。創磨やコヨリが生まれ育ち、白羽ゴドウとムツギの管轄となっている。だが、ゴドウは3年前に失踪している。賑やかな街だが、破滅ノ門が開きかかっていることが原因で、人を惑わせる匂い・闇のパルファムが漏れ出ており、ホラーが急増している。

  • 破滅ノ門

最古のゲート。門を封印するために、多くの命が奪われた。封印の際に常闇の石が鍵となっており、その外縁部に迷宮アイビスが作られた。


  • アゴラの三剣士

ムツギ法師が招集した魔戒騎士3人衆。3人ともハガネの鎧を纏う。ロンとオビの力をイグスが集め放つ3人連携の奥義を使用することができる。

  • 閃光剣舞

白羽ゴドウの奥義。闇を取り込み、光に変えて放ち、相手の動きを封じることができる。現在では、道外流牙も体得している。


  • 閃影剣舞

閃光剣舞と対になる奥義。光を闇に変えて放つ技。閃光剣舞よりも会得が難しい。


【魔戒騎士の鎧】


  • ガロ

黄金騎士の鎧。劇場版『GS翔』で初登場した、ガロ翔の姿を基本形態として戦う。



魔戒騎士における基本の鎧。『MAKAISENKI』で出てきたものとデザインが異なり、登場するものは全て銀色で、背中に鬼の装飾があり、立体機動装置のようなものを射出できるようになっている。創磨が青、イグスが赤、ロンが緑、オビが黄色と、様々な瞳の色をしている。


  • ザンゴ

光斬騎士の白い鎧。過去の回想でゴドウが纏うシーンが登場する。雨宮慶太監督曰く、デザインのテーマは、魔戒法師の里の魔戒騎士らしく、『白夜の魔獣』で初登場した白夜騎士・打無との共通点が見て取れる。




【主題歌】



編作曲に梶浦由記を迎えたインストゥルメンタル楽曲。破滅ノ門の古文書や主要キャストの写真を使用するなど、これまでのCGを多用したオープニング映像とは異なる印象を与えている。

ラストカットが本編の展開によって変わっている。1話~8話までが、闇の中の光。9話と10話が、ザンゴ。11話と12話が、破滅ノ門になっている。

  • ED『其れは穢れなき修羅の涙』

JAM Projectによる楽曲。これまでとは異なり、バラード曲となっている。その話の場面が静止画となって使用されている。

  • 最終話ED『乱』

JAM Projectによる楽曲。元々は、シングル『其れは穢れなき修羅の涙』に収録されたカップリング曲。挿入歌の予定かつ提供バックで流れている楽曲であったが、最終回のエンディングとして使用された。

映像も専用のものが用意されており、主要キャストがシルエットで表現される、ホラーと憑依された人間の顔が映し出される、鎧とそれを着て演じたスーツアクターの名前が表示されるなど、凝った映像に仕上がっている。



【余談】


  • 当初は最古のゲートをテーマにした映画として準備されていた。初期稿ではハガネの魔戒騎士は登場しない予定だった。

  • 本作のアクション監督は、鈴村正樹。彼は声優の鈴村健一の弟であるのだが、隻眼の森の番人であるラウルの声を兄が担当した事により兄弟で同じ作品に関わった。

  • 過去作では音楽制作をランティスが担当していたが、JAM Projectが所属事務所のハイウェイスター傘下のHS Record/Earkthにレーベルを移籍した事に伴い本作の音楽制作も同社が引き継いだ。そのためなのか『RED REQUIEM』以来配信されていなかった特撮ドラマのサウンドトラックが配信されている。

  • 4年ぶりの牙狼だったこともあり、初の牙狼オンリーライブ『JAM Project×牙狼 LIVE 2023 烈火炎奏』や、スーツや小道具を展示する展覧会『牙狼展~守りし者の記憶~』など、様々なイベントが行われた。なお、『烈火炎奏』ではOPが、『牙狼展』ではザンゴの鎧のスーツが本編より先にお披露目された。

ザンゴの鎧が無事に継承される未来を信じる者が追記・修正を行ってください

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最終更新:2025年03月20日 09:54

*1 雨宮慶太監督は、デザインなどでは関わっている。

*2 過去作を見た人へのサービスは一応存在している。

*3 『白夜の魔獣』で、山刀鈴が使用した魔導筆を自分の手元に戻す技。