登録日:2024/12/15(日) 11:37:10
更新日:2025/03/20 Thu 09:54:16
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「人間を食らう魔獣ホラーを狩る魔戒騎士」
「その多くがハガネと呼ばれる名も無き鎧を纏う」
「だがな、ハガネこそが魔戒騎士の原点」
「全てはここから始まった」
「これはハガネの騎士たちと黄金騎士・道外流牙の新たな物語だ!」
【概要】
現場に雨宮慶太が関わらない久しぶりの道外流牙シリーズで、松田康洋、田中佑和、木村好克という3人の監督を迎え、新体制で製作されている。
過去作でデザインを担当していた韮沢靖氏の逝去後、昨今のシリーズではCGが使用されていたホラーも一部だけではあるが久々にアクションパートで着ぐるみが採用された。
『KAMINOKIBA』まで登場していた莉杏やリュメなどのキャラクターが登場せず、既存のキャラクターでは流牙とザルバのみが登場しており、過去作を見ていなくてもほとんど支障がない作りになっている。
【あらすじ】
ホラー狩りをしていた
道外流牙は、若い女性
魔戒法師・
コヨリと出会う。彼女は師匠である
ムツギ法師からの手紙を流牙に渡す。その内容は、クレアシティにある最古のゲート・”
破滅ノ門”が開くのを阻止するため、クレアシティに来てほしいというものだった。
クレアシティへ向かった
流牙の前には現れたのは、ハガネの鎧に身を纏った
魔戒騎士・
白羽創磨だった。彼は3年前失踪した父・
白羽ゴドウの代わりに街を守り続けていた。ムツギから招集された新たな戦力であるアゴラの三剣士を拒む
創磨。流牙はそんな
創磨を気にかけ、導いていく。
破滅ノ門の開門を防ぐことは出来るのか?創磨の父・ゴドウの失踪は何を意味するのか?
そして、戦いの果てに明かされる真実とは?
【キャラクター】
ガロの鎧に光を取り戻した男。当代の黄金騎士・牙狼。コヨリに導かれ、クレアシティにやってきた。
創磨と出会い、彼を精神的に支えながら破滅ノ門の開門を防ごうとする。前作の時点では習得していなかった閃光剣舞を習得しているなど、さらなるパワーアップを果たしている。
3年前に、失踪する以前の白羽ゴドウと出会い、わずかな時間で閃光剣舞を伝授された。その際、彼に息子がいることを伝えられる。創磨を精神的に支えることを決意したのは、その時の、ゴドウとの約束があったため。
隻眼の森の試練を創磨に任せる、破滅ノ門の閉門のために閃光剣舞の発動を創磨に求めるなど、創磨に成長の機会を与え、創磨とともに破滅ノ門の封印を成し遂げるのだった。
最終話のエンディング後には、莉杏の飾りを見つめて笑顔になっているほか、ゴドウの子どもの話に対して意味ありげに笑うなど、『KAMINOKIBA』のラストシーンで
猛竜にからかわれた内容が実現しているような描写もある。
クレアシティを管轄とする魔戒騎士。青い目のハガネの鎧を纏っている。白羽ゴドウを父に持つが、彼が失踪しており、それに起因する精神的な弱さがある。ゴドウの帰る街を守るために、流牙やアゴラの三騎士に対し、強硬な態度をとる。
かつて、閃光剣舞の修行をゴドウから受けた際に、闇に飲まれてしまい、閃光剣舞を体得することが出来なかった。さらに、その際にゴドウに怪我を負わせたことがトラウマになってしまっている。
アゴラの三剣士との軋轢の結果、父・ゴドウの戦友だったイグスに剣を向けてしまい、一度は剣を捨てる創磨だったが、流牙の言葉で再び剣を取る。
流牙たちと協力し、破滅ノ門の前にたどり着くも、ムツギの突然の裏切りにより邪気を身体に送り込まれ、破滅ノ門を封じたザンゴの鎧を解いてしまう。その後、父の幻影を見させられ戦わされるもついに闇を克服し、流牙とともにムツギを倒した。
流牙から閃光剣舞を放つことを求められ躊躇するも、魔導輪・イルヴァからゴドウが、創磨をザンゴの継承者に選んでいたことを知り、奮起する。牙狼を一時的に纏えなくなった流牙にイグスの剣を渡し、閃光剣舞を破滅ノ門に放ち、破滅ノ門を閉じた。
流牙からクレアシティを託され、コヨリやロンとオビとともにクレアシティに残った。
クレアシティを管轄とする魔戒法師。ムツギの弟子で、色違いのフードのある魔法衣を着用している。体術を得意としている法師。流牙シリーズでは、初めて
「のごめ」を使用している。
創磨と長い付き合いであり、何かと気にかけている。戦闘面でも、創磨との息の合ったコンビネーションも披露している。
本性を現したムツギと対峙することになり、師弟対決に持ち込む。禁断の果実をムツギが手に入れたことで、手に負えなくなるが、魔導筆を流牙に提供し、ムツギを貫く槍として使用されることになる。
クレアシティを管轄とする魔戒法師。コヨリの師匠。リュメに劣らず高名な法師なのか、疾風と烈風という魔戒法師を従えている。ゴドウやイグスとは戦友で、創磨を特別視するところがある。
人を惑わせる匂いである闇のパルファムを探知する魔導具やホラーを転送する魔導具を仕立てる、ビル全体を大規模な結界で覆う、疾風と烈風を瞬時に呼び出すなど、様々な方面で有能さを発揮する。
彼女こそこの作品の黒幕。3年前、ホラーから助けた人間が殺人を犯したことに気を病んでしまい、
ホラーのいない世界を作る思想に囚われてしまう。その心の隙を誘惑者に付け込まれ、破滅ノ門の中にある禁断の果実を、ゴドウの破滅ノ門の閉門計画に乗じて手に入れようとするが、ゴドウに阻止されてしまう。
しかし、諦めなかったムツギは創磨を使って3年後に禁断の果実を手に入れることを画策し、創磨を取り立てることによって増長させ、流牙を呼び出し創磨には出来ない常闇の石の入手を依頼、迷宮アイビスの罠を使いコヨリと流牙を追い出し、創磨に開門の障害となっていたザンゴの鎧を解除させ、ついに禁断の果実を手に入れることに成功する。しかし、全ては誘惑者の狙い通りであり、ホラー化してしまった。
最終的に自分の過ちに気が付いたのか、破滅ノ門を封印した創磨やコヨリを見守るように、ゴドウやイグスの隣に幻として立っていた。
元々のクレアシティの管轄の魔戒騎士。白羽創磨の父で、イグスやムツギとは盟友だった。光斬騎士・斬冴の称号を持ち、ザンゴの鎧を纏っている。流牙シリーズでは珍しく
魔導輪を持っている。名前は、イルヴァ(声:鈴村ゆか)で礼儀正しい口調が特徴。
閃光剣舞と閃影剣舞の2つの奥義を持っており、前者は流牙も使用している。魔導札を操る一面もある。3年前から姿を消しており、破滅ノ門の開門との関連を疑われている。
3年前からおかしくなっていた破滅ノ門の調査を行っていた。その解決方法を探す中で、流牙と出会い、閃光剣舞を伝授した。解決方法を持ち帰ったものの、破滅ノ門の前でムツギに裏切られ、破滅ノ門の開門を許してしまう。しかし、身を挺してザンゴを
心滅獣身化させ、破滅ノ門を抑えることに成功した。心滅獣身態になった反動で鎧に身体を喰われて死亡しており、3年後に創磨が鎧を解除したとき、そこには誰もいなかった。
アゴラの三剣士のリーダー。赤い目のハガネを纏う。ゴドウの戦友だった。
創磨をクレアシティを守らせることに懐疑的で、ロンとともに創磨がクレアシティを守るようにすることをムツギに推薦していることから、創磨との仲は険悪。
アゴラの三剣士のメンバー。緑色の目のハガネを纏う。2番手であり、イグスからその腕を買われている。
茶目っ気があるものの、魔戒騎士としては自立しており、クレアシティの管轄の騎士になることを打診されるほど。魔戒騎士の称号に隠された重責にも気が付いており、黄金騎士に憧れたことのあるオビとは反対に、ハガネのままが良いとつぶやくことも。
アゴラの三剣士のメンバー。黄色い目のハガネを纏う。最も若く未熟な面もあるが、イグスやロンとの息の合った連携を見せる。
黄金騎士に憧れて守りし者になった経緯があり、黄金騎士本人に出会い、浮かれるシーンがある。また、救助する側なのに自分がテンパっていることをコヨリに指摘されるなど、まだまだ成長途上の騎士である。
クレアシティでホラーが出現する際にゲートの近くに出現する謎の存在。陰我を具現化した存在のように見えるが...?
本作の真の黒幕。破滅ノ門から生まれた存在で、ムツギの行動を裏から操っていた。禁断の果実を手に入れたムツギに憑依し、猛威を振るうが流牙と創磨の連携に敗れ、討滅された。
【用語】
ボルシティ、ラインシティに続く、本作の舞台の街。郊外には破滅ノ門のある迷宮アリビスや、常闇の石がある隻眼の森などが存在する。創磨やコヨリが生まれ育ち、白羽ゴドウとムツギの管轄となっている。だが、ゴドウは3年前に失踪している。賑やかな街だが、破滅ノ門が開きかかっていることが原因で、人を惑わせる匂い・闇のパルファムが漏れ出ており、ホラーが急増している。
最古のゲート。門を封印するために、多くの命が奪われた。封印の際に常闇の石が鍵となっており、その外縁部に迷宮アイビスが作られた。
ムツギが封印を解くも、ゴドウが命を懸けてザンゴを心滅獣身化し、押しとどめる。だが、3年後にムツギに邪気を送り込まれた創磨によって、封印を解かれてしまう。封印に使用されていたホラーが竜の首となって、流牙たちを阻むも、流牙と創磨の閃光剣舞によって封印される。
最初は流牙は破壊するつもりだったが、この世界に光と闇が存在するゆえに封印という形で、共存の道を取った。
ムツギ法師が招集した魔戒騎士3人衆。3人ともハガネの鎧を纏う。ロンとオビの力をイグスが集め放つ3人連携の奥義を使用することができる。
白羽ゴドウの奥義。闇を取り込み、光に変えて放ち、相手の動きを封じることができる。現在では、道外流牙も体得している。
創磨は3年前に闇に飲まれてしまい、ゴドウを傷つけてしまい、それがトラウマとなり長らく体得できなかった。しかし、魔導輪・イルヴァからゴドウがザンゴを創磨に継承させるつもりだったことを知ったことで、ついに体得することができた。
閃光剣舞と対になる奥義。光を闇に変えて放つ技。閃光剣舞よりも会得が難しい。
ホラーとなったムツギとの戦いで使用。牙狼の金色を闇へと変換し、ムツギを捕縛し討滅した。ガロ・闇の状態で放っている。
【魔戒騎士の鎧】
ガロ闇も登場しており、ゴドウに闇を扱える者の証として見せたほか、ホラーとなったムツギに闇を注ぎ込まれた後、閃影剣舞を放つ際にガロ闇の姿で戦っている。
魔戒騎士における基本の鎧。『
MAKAISENKI』で出てきたものとデザインが異なり、登場するものは全て銀色で、背中に鬼の装飾があり、
立体機動装置のようなものを射出できるようになっている。創磨が青、イグスが赤、ロンが緑、オビが黄色と、様々な瞳の色をしている。
ホラー化したムツギを破った流牙だったが、ムツギに闇を注がれたことと、閃影剣舞を放ったことで邪気がガロの鎧に溜まってしまい、召還できなくなる。創磨がイグスの魔戒剣を持っていたことで、流牙がまさかのオレンジ色の目のハガネを纏い、破滅ノ門を閃光剣舞で封印するのだった。
光斬騎士の白い鎧。過去の回想でゴドウが纏うシーンが登場する。雨宮慶太監督曰く、デザインのテーマは、魔戒法師の里の魔戒騎士らしく、『
白夜の魔獣』で初登場した
白夜騎士・打無との共通点が見て取れる。
破滅ノ門の開門を防ぐため、ゴドウが心滅獣身化させたことにより、3年間破滅ノ門を押しとどめていた。しかし、ムツギにそそのかされた創磨が鎧を解除したため、返還されていった。
【主題歌】
編作曲に
梶浦由記を迎えたインストゥルメンタル楽曲。破滅ノ門の古文書や主要キャストの写真を使用するなど、これまでのCGを多用したオープニング映像とは異なる印象を与えている。
ラストカットが本編の展開によって変わっている。1話~8話までが、闇の中の光。9話と10話が、ザンゴ。11話と12話が、破滅ノ門になっている。
JAM Projectによる楽曲。これまでとは異なり、バラード曲となっている。その話の場面が静止画となって使用されている。
JAM Projectによる楽曲。元々は、シングル『其れは穢れなき修羅の涙』に収録されたカップリング曲。挿入歌の予定かつ提供バックで流れている楽曲であったが、最終回のエンディングとして使用された。
映像も専用のものが用意されており、主要キャストがシルエットで表現される、ホラーと憑依された人間の顔が映し出される、鎧とそれを着て演じたスーツアクターの名前が表示されるなど、凝った映像に仕上がっている。
【余談】
- 当初は最古のゲートをテーマにした映画として準備されていた。初期稿ではハガネの魔戒騎士は登場しない予定だった。
- 本作のアクション監督は、鈴村正樹。彼は声優の鈴村健一の弟であるのだが、隻眼の森の番人であるラウルの声を兄が担当した事により兄弟で同じ作品に関わった。
- 過去作では音楽制作をランティスが担当していたが、JAM Projectが所属事務所のハイウェイスター傘下のHS Record/Earkthにレーベルを移籍した事に伴い本作の音楽制作も同社が引き継いだ。そのためなのか『RED REQUIEM』以来配信されていなかった特撮ドラマのサウンドトラックが配信されている。
- 4年ぶりの牙狼だったこともあり、初の牙狼オンリーライブ『JAM Project×牙狼 LIVE 2023 烈火炎奏』や、スーツや小道具を展示する展覧会『牙狼展~守りし者の記憶~』など、様々なイベントが行われた。なお、『烈火炎奏』ではOPが、『牙狼展』ではザンゴの鎧のスーツが本編より先にお披露目された。
ザンゴの鎧が無事に継承される未来を信じる者が追記・修正を行ってください
- 久々の新作がまさかの流牙主役だったのは驚いたけど嬉しかったな -- 名無しさん (2024-12-15 13:31:04)
- 今回の流牙の成長ぶりを見たら雷牙の成長ぶりも見たくなったから雷牙主役の新作もやってほしいな -- 名無しさん (2024-12-15 13:42:13)
- 2024年の作品だから、何故かなかなか…というほど経過してないような気がする -- 名無しさん (2024-12-15 14:08:08)
- やっぱりホラーはアナログじゃないとな!(イルギシン -- 名無しさん (2024-12-15 14:22:03)
- ちょっと低予算感があった(それでも普通の特撮よりは金かかってるだろうけど)のと後半で若干尺稼ぎが目立ったのは残念だったけど、話はすごく良かった -- 名無しさん (2024-12-15 15:59:07)
- タケルの他、ホラー役の翔一もいる。 -- 名無しさん (2024-12-15 16:12:15)
- 最終回で流牙が鋼を纏うの良かったな -- 名無しさん (2024-12-15 16:20:34)
- 流牙がかける創磨への喝が胸を打つ。創磨も頭から反発せず成長していく過程がストレス無くみれた。ラストはあれで文句無しだけど、続編か外伝で正式に継承した創磨のザンゴの活躍を見たい(パチ以外で) -- 名無しさん (2024-12-15 17:59:07)
- ようやく落ち着いた作風に還ってきた感じがする。低予算感や引き伸ばしのひどさは擁護できないが、「守りし者とはなにか」という初心に焦点を絞った構成が爽やか -- 名無しさん (2024-12-15 20:25:29)
- 流牙以外にも牙狼に憧れていた騎士がいた訳だけど、もしかしたら闇照世界の牙狼は流牙ではなくオビが継承していた可能性もあったのかな? -- 名無しさん (2025-01-07 17:54:04)
最終更新:2025年03月20日 09:54