登録日:2025/03/04 Tue 22:53:09
更新日:2025/03/07 Fri 20:15:01
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概要
『
RAVE』連載終了後、真島ヒロの連載作品が『プルーの犬日記』だけになってしまったため、編集部から次回作の繋ぎと穴埋めとして全3回の集中連載として誕生したのが本作である。
同年、マガジンにてRAVEの後継作が誕生。そちらはRAVEを越える人気を誇り、マガジンの看板作品の一つともなった。そう、それこそがご存知あの『
FAIRY TAIL』である。
かなり凝った作りの世界観や、濃密なストーリーから、おそらく連載化も視野に入れた事がうかがえるが、FAIRY TAILとの同時連載は無理があると編集部の判断により、結局は集中連載のままで終わった。
本作が掲載された2006年頃のボンボンは、『
サイボーグクロちゃん』や『ウル忍』といったボンボンを支えてきた看板作品が既に終了してしまったため、死に体になった同誌を蘇らせるための一手として考案されたのが本作という裏話があるが、結果は前述の通り。
プルーの犬日記終了後に第二部となる『MONSTER SOUL 2nd』が同誌にて連載された。
単行本は無印版と2ndを分けた全2巻。ボンボン休刊後には新装版が改めて発行され、電子書籍版も新装版に準じている。
あらすじ
人間と魔物が住む世界「エルブンランド」。
この世界では、かつて人間と魔物による全面戦争が勃発し、人間達から魔物軍最強の遊撃部隊と恐れられていた魔物チームが存在していた。その名も闇の翼。
人間よりも強く、人間よりも思いやりに満ちた彼等は、「魔物は悪」という常識を打ち破る!!
登場人物
闇の翼
本作のメインキャラクターとなる魔物達のチーム。
過去に起こった人間と魔物との全面戦争で遊撃部隊を務め、そのずば抜けた戦闘力は魔物軍最強とまで謳われ未だに人間側からは恐れられている。そんな彼らの共通点は親がいない事と人間に対する怨みは持たない事。出自故か個々の結束力は固い。
普段は「地下迷宮ジ・ロンド」と呼ばれる魔物達の住む街に居を構え、街を荒らそうとする人間を撃退する用心棒を請け負っている。
本作の主人公にして闇の翼の斬り込み役。種族は
魔狼 。
普段は人間の少年にしか見えないが、感情が昂ると狼形態に変身する。戦闘力を誇るが、戦闘が終了すると力尽きて眠ってしまう。
ちなみに魔狼は魔物の中でも最強クラスのパワーを持つため、
S型魔物に分類されている。
食い意地がはっており空気が読めない部分が目立つが、悪党相手には誰だろうと容赦しない。
ちなみに、『RAVE』のハルや『FAIRY TAIL』の
ナツと同じく、季節を名前の由来した主人公になっている。
闇の翼のメンバー。種族はゴーレム。砂を操る能力を持つが、水に弱い。
少々自意識過剰なうっかり屋さん。
『2nd』では彼女の過去が描かれている。
ゴーレムの村で過ごしていたが、父親を含めた仲間達が滅びの運命を受け入れて大雨を浴びて仲間を失った事がトラウマとなっている。
その際に父親から母親が人間であると告げられる。
闇の翼のまとめ役。種族はミイラ女。
アキ達のお姉さんであり、幼少期から彼らの面倒を見てきたため、「マミ姉」と呼ばれている。
基本的は人格者だが、仲間に手出しする輩には容赦はしない。
「恥ずかしい」が口癖のくせになんの脈絡もなく服を脱ぎ出すことも。
いや、それこそ恥ずかしいだろ
闇の翼のメンバーで、アキの弟分。種族はフランケン・シュタイン。体には兵器が内蔵されており、見る者を威圧させる巨体と怪力を持つが、根は優しく繊細。
なお、顔面は外れる。
『2nd』では彼の過去が描かれている。
元は魔物の殲滅を目論む人間達によって生み出された生体兵器だったが、他者を傷つける事をなによりも嫌っていたために兵器として失敗作の烙印を押されていた。
それから放置された研究所に一人閉じこもって、朽ち果てていくのを待つ日々を送っていたが、そこで人間に追われていたマミィに出会う。
彼女から「力は傷つけるためではなく、大切なものを守るために使うもの」と教えられ、「ジェームス」という名前を与えられた事で、今まで忌み嫌っていた自身の力と命を彼女を守るために使うと事を誓う。
それ以来、自分に生きる意味を見出してくれたマミィを誰よりも慕うようになった。
闇の翼のメンバー。種族はたまねぎ鬼。「キュピィ」と片言しか話せず、他のメンバーと違い戦闘力は一切持たないが、誰よりも仲間思い。
第一部の登場人物
人間の密猟者コンビで、捕まえた魔物を売り飛ばして小金を稼いでいる小悪党。
狩られる理由を持たない魔物に対しても「魔物だから」という理由だけで狩るなど、偏見に凝り固まっている。
謂わば人間が魔物に対して、どういった感情を向けているのかを読者に伝えるポジションのキャラ。
ジョバを捕まえて逃げようとしたところをアキ達に見つかり、失敗して捕まる。
一度は見逃されるも、彼等にかけられている賞金に目が眩んで闇の翼の捕獲と始末を目論む。
トゥーランを誘き寄せて拉致誘き出した方法はオレオレ詐欺風。こんなマヌケな手にあっさり引っかかるトゥーランもトゥーランだが。したため、あまりの卑劣さと愚かさにアキ達の怒りが爆発。
彼女への暴行の跡が発覚した後もそれでも一切悪びれない態度を取り続けたため、人間だからではなく仲間に危害を加えたからという理由でアキにぶっ飛ばされる。
だが、これだけ痛い目に遭ったのにも関わらず全く反省せず、今度は負けた腹いせにツテを使って同業の密猟者組織と共謀してジ・ロンドを爆破させようと目論むが、その同業者達もマミィとジェームスによって既に壊滅されられた後だったため途方に暮れる。
人間への復讐を目論む魔物達の組織のリーダー。種族は幽霊。
人間に両親を殺された怨みから反乱軍を結成し、人間相手に一斉蜂起する機会を窺っていた。
だが、集めたメンバーは募集や勧誘ではなく洗脳によるものだったり、自分の意見に賛同しないだけで「同胞の痛みがわからない」と断じるなど、怨み憎しみに囚われて周りが一切見えていない節がある。
その思想を闇の翼に否定された挙句、アキが食事をくれない事に苛立って旗をうっかり折ってしまった事で敵と見做すが、戦闘で敗北。
敗北後は戦争を望んでいない者もいる事を教えられ、周りが見えていなかった事を猛省した。
魔物のチンピラ。種族はキマイラ。
ライオンとヤギの顔の双頭で、尻尾は蛇となっている。
ガラの悪い見た目に違わず傍若無人に振る舞い、人間の町だろうとお構いなくズカズカと入ってきたり、自分より下の相手にイキるなど、まさにどうしようもない男。
何故かパワーという単語を「パウアー」と発音する
アキ達の因縁の相手にして、第一部のラスボス。
S型魔物の魂を渇望しており、幼少期のアキにS型魔物の血を引くという理由だけで執拗な暴力を振るっていた。
マミィが自分の右目と引き換えにアキに手を出す事を辞めさせる様に取引きを持ちかけたが、後に偽物をつかまされたとして憤激し再びアキの命を狙うようになる。
それを察知したマミィが落とし前をつけさせるべく、たった一人で立ち向かったマミィを返り討ちにし、痛ぶっていたところを駆けつけたアキ達に阻止され、魔狼の力を覚醒したアキと激突。
最後は死闘の末に今まで馬鹿にしてきたアキに完膚なきまでに叩きのめされて敗北した。
2ndの登場人物
人間の少年。その正体は、人間の住む国「ドリオクラム王国」の王子。故郷の人々が三鬼遊に拉致され、助けを求めて勇者を探す旅に出発して行き倒れていたところをアキ達に保護された。
当初はバルカン・ブラザーズと同じく魔物に対する偏見と恐怖心を抱き、人間を食べる恐ろしい連中だと思っていた。探していた勇者の正体が皮肉にも嫌っていた魔物である闇の翼だと判明して絶望するも、事の顛末を聞いたアキ達が頼まれたわけでもないのに人々の救出と黒幕を倒しに向かうのを見て、考えを改めるようになる。
: 三鬼遊のリーダー格で、本作の黒幕。種族はスケルトン。
:頭にある穴はダイナマイトの発射口となっている。口癖は「ダーイナマーイッ」。
ちなみに、ブランク達三鬼遊の魔物達は、「地獄の種族」と呼ばれている。
:三鬼遊の一人。種族は岩鬼。語尾に「ガンス」とつける。
: 全身が岩の塊となっており、何故かジェームスみたいに顔面が外れやすい。
:三鬼遊の紅一点。種族はヴァンパイア。口癖は「おいしそう」。
:三鬼遊の手下。種族は鬼兵。見た目はジョバに似ているが、こちらは人間の坊主に近く、言葉を喋る。口から物凄く臭い体液を吐く。
三鬼遊が甦らせそうと目論んでいる、「魂喰い」と呼ばれる「破壊の種族」の魔物。
復活には大量の魂が必要となる為、三鬼遊がセルシュの国の住人を拉致していた。
元は人間で、アキの両親を殺した張本人。
ソウルハンターを自称し、魔物達を殺し回ってその魂を食らっていたが、両親の死を目の当たりにしたアキが発した力の前に敗北。
しかし死んではおらず、種族転生と呼ばれる術によって生きながらえ、三鬼遊を利用して力を蓄えていた。
本作のラスボスであり、かつて自身を倒したアキを逆恨みしている。
追記・修正お願いします。
最終更新:2025年03月07日 20:15