登録日:2025/03/24 Mon 12:46:34
更新日:2025/05/02 Fri 19:51:13
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『ブラックアリス』はちゃおで連載されているホラー漫画。
作者はなかむらさとみ。既刊11巻。
内容は端的に言うと「
ちゃお版『笑ゥせぇるすまん』」。対象の年齢層的に「女児向け『
魔石商ラピス・ラズリ』」と言い換えてもいいかもしれない。
「不思議の国」からやってきた少女アリスが悩みや願いを抱く人間に不思議なアイテムを渡していく。
しかしアリスの目的は
おろかな人間の姿を見ること。
そのため大抵の場合アイテムを使いすぎれば破滅することになってしまう。その中で描かれる人間の欲望が話の主軸。
2025年現在すべてが一話完結形式で続き物の要素は薄め。
連載誌をいくつも渡り歩いている作品。
最初は増刊号『ちゃおデラックス』及びホラー特集増刊号『ちゃおデラックスホラー』で連載。その後本誌『ちゃお』にて短期集中連載の形で移籍。
さらにその後『ちゃおデラックス』に戻るものの、雑誌そのものが廃刊になったためWEB版『ちゃおプラス』に移籍。4媒体で連載されたのはこれと『ショコラの魔法』くらい。
Youtubeのちゃお公式チャンネルにてボイスコミック版とWBアニメ版がアップされている。
ちなみに2024年度小学館漫画賞にてノミネートされたものの受賞は逃している。受賞した場合、2020年の『ショコラの魔法』以来ちゃおホラーが受賞したことになった。
【作風】
本作最大の特徴は各話主人公のクズ率の高さ。アリスの言葉を借りるなら「おろかな人間」。毎回主人公が何かしらクズな要素を持っている。例としては自己中心的、欲望に歯止めが利かない、嫉妬心が強いなど。
なかむらさとみ先生いわく塩梅としては『どうしようもない邪悪』よりかは『学年にひとりくらいいそう』を心がけているとか。
クラスの爪はじきものでもなく友達もいるが、その友達にすら「縁切るほどじゃないけどうざいな……」と思われるくらい。
ただアリスの目的が目的なのでそういう人間を選んでターゲットにしている節がある。
おろかな人間がアリスからもらったアイテムにより増長していくのが基本的な流れ。
この手の作品でよくある「普通の人間が不相応な力を手に入れたせいで堕ちていく」パターンより、「元々クズだった奴がアイテムを手に入れてますます悪化する」とか「悪意あるクズがアイテムを手に入れて犯罪や他人への攻撃に転用する」というパターンが多い(たまに前者もある)。
使用者の破滅が前提の地雷とかあからさまな欠陥製品もないわけではないが、作者が「使い方を間違えなければ素敵なアイテムもたくさんある」とコメントしている通り、本来の用途に沿って使えば普通に便利なだけのアイテムも少なくない。
制作者たるアリス自身、自分のつくった道具をどんな斜め下の使い方をしてくれるか期待している節がある。
物語としてはアイテムよりもそれを使う人間のおろかさを主軸に据えていると言える。
使用者本人がクズなのは前提として、家族や友人といったその周囲の人間からモブキャラに至るまで全員がクズというエピソードも少なくない。
オチはアイテムの使い方を間違えたおろかな使用者が因果応報な末路を迎えるものが大半。末路としては死ぬものから死んだ方がマシなことになるものまで多種多様。
ちゃおホラーは修羅の世界のなのでたとえ女児相手でも容赦しない。酷いものだと「自分が死ぬまでの10秒間」を20年以上にわたりループし続けるなど。
アリスの目的はおろかな人間が勝手に堕ちていく様を見て笑うこと。
破滅したおろかな人間に対し皮肉な言葉を投げかけ笑いながらアリスは帰っていく。
なおこの手の作品にしては珍しくアイテムの効果が世界規模に及ぶ回が時折ある。数巻に一度くらい「実は主人公以外にも多くの人がアイテムを使っていた」オチになる。
そうしてアイテムの使用者はどんどん増えていき、結果的に世界はアイテムの力に飲み込まれそのまま話が終わってしまう。
ただ次の話になると何事もなかったかのように世界が元に戻っている。
パラレルワールドなのか、アリスがたまに使う現実改変能力か、思っていたより世界は狭いのか、詳細は不明。
こんな物語だがハッピーエンド回もある。かなり少なめだが。
ハッピーエンドの条件は主人公が人間としての強さを見せること。
自分の信念のためにアリスが取り決めたルールを破ることでも、自分を犠牲にしてでも誰かを助けることでも、真に人として大切なことに気づいて行動することでもなんでもいい。
それをきちんと示して行動できればアリスは助けてくれる(大抵は現実改変能力でアイテムをもらう前の時間まで戻す)。
アリスの目的はおろかな人間が勝手に堕ちていく様を見て笑うこと。
どん底からでも自力で這い上がろうとする強い人間には興味がないのである。
まあ、そんな人間が100%ハッピーエンド迎えたかというとそうでもないのがちゃおホラーなんだが……。
【登場人物】
◆アリス
本作の主人公である不思議の国の住人。エルフ耳と、黒を基調にしたアリス系エプロン服が特徴。
外見年齢はおそらく小学校小~中学年くらい。年相応に幼い口調で話すが時折大人びたことを言い出すつかみどころのない少女。
本人曰く悩みを抱く人間に不思議なアイテムを渡す仕事をしている。各話主人公が悩みを抱いた時にどこからともなく登場する。
そうしてアイテムの説明と禁則事項を説明するといつの間にか消えてしまう。だがしばしばアイテムの虚偽の説明・意図的な説明不足をやらかしてくる。
作者曰く「無邪気で残酷」な性格で、アイテムを与えられた人間が醜い本性を剥き出しにした末に破滅する姿を「おもしろい」と評する。本性を現すと瞳孔が猫のように鋭くなるのが特徴的。
反面、堕ちた人間に突きつける言葉そのものは割と正論なことが多かったりもする。
その反面心の強い人間に対しては寛大で優しい一面を見せる。そういった人間に対しては事前にアリスと決めたルールを破っても大抵見逃す。
場合によってはアリスの持つ時間を巻き戻す能力でなかったことにするというアフターフォローをしてくれる。おろかな人間を笑うのが大好きなアリスであるが、その中で強く生きようとする人間を笑うことは決してない。
こう書くと人間の可能性を信じているようにも見えるが、それはそれとして「おろかな人間」の欲望をわざわざ煽って破滅させ、時には人間社会そのものの崩壊まで引き起こして平気な顔をしているタチの悪い愉快犯なのもまた事実。
冷静に考えると相当悪辣であるものの、それ以上にアイテムを渡される側の倫理観が終わっているため外道味はやや薄くなっている。
◆うさぎ
アリスの相棒兼使い魔。二頭身のウサギの姿をしている。
アリスと一緒にいて彼女がアイテムを説明するときのアシスタント役をしている。それ以外ではアイテムを渡した人間の動向を見守っている。割と口調がぞんざいでありアリスにツッコミを入れることも多い。
物語的には読者目線なのか意外と作中で感情的になることが多い。アイテムを悪用したものに対し怒りを見せたり、アイテムで斜め上の惨事を起こしたものにドン引きしたりしている(逆にアリスは滅多なことがないと感情を荒げない)。
なお厳密には特定の名前を持っておらず、名無しのウサギとされているが作者は「豆大福」と呼称しており正式な本名にしようとしたがうさぎ本人に却下された。
番外編を見るにアリスのことは結構大切に思っているらしい。
◆ハートの女王
アリスたちの住む不思議の国の女王。アリスがおろかな人間を苦しめるのは彼女の命令によるものらしく、時折自分からアイテムを渡すべく出向いていくこともある。
冷酷な性格でほとんど感情を表に出さないが、うさぎ曰くアリスには時々「寂しい目」を向けているとのこと。
3巻、8巻、番外編と計3回しか登場していないレアキャラ。
かつての不思議の国は妖精のような存在が多数暮らす平和な国で、ハートの女王も現在の彼女とは別人のように心優しく純粋な人物だった。
人間とは互いに不干渉を貫いていたのだが、そんなある日手品師見習いのフィリップという青年が国にやってくる。
ハートの女王は彼に惹かれ、人間を警戒する側近たちの反対を押し切って結婚。娘アリアを授かった。
だがフィリップは不思議の国の物品を人間界で売って金儲けすることを目論んでおり、利益目的で好き放題する彼の影響で不思議の国は酷く荒廃。アリアも彼の影響で自分の利益しか顧みない「おろかな人間」に育ってしまった。
それまでの掟を破って人間を迎え入れたことを激しく後悔した彼女は、「女王様の手でおろかな人間に罰を与えてください」という側近からの言葉を受け、人間達への復讐を始めたのだった。
ちなみにフィリップのことは自ら処断したようだが、アリアをどうしたかについては「そんな昔のこと忘れた」と誤魔化しており明らかになっていない。
曰くアリスはアリアに似ているらしい。
【アイテムリスト】
◇1巻
◆美髪さんのリボン
「A」のイニシャルがかたどられたリボン。これを装着すると、肌のただれ落ちた都市伝説上の怪異「美髪さん」に変身できる。外すと元に戻る。
後述の「妖怪キャンディー」と比較すると変身できるものは1種類だが、変身自体は手軽で回数制限もなく元に戻れなくなるリスクも皆無なところは利点と言える。
使用者は根岸雫という小学生。オカルト好きだが声が小さく友達がいない。アイテムを貰い自作自演で噂を流し人気者になった。
バッドエンド。
順調に美髪さんの噂を広めていた雫だったが、いつの間にか自分の知らないところで噂に尾ひれがついたり、襲った覚えのない被害者が現れるようになったりする。
「自分以外にも同じことをしている人間がいる」と考えた雫は対抗意識にかられ、ますます美髪さんとしての凶行をエスカレートさせていってしまう。
そんなある日、自作自演がバレそうになって問い詰められていた雫のもとに別の美髪さんが現れる。
雫は彼女を邪魔者だと考え、ハサミを突き刺して殺害。完全に心が壊れ、もはや自分の本当に求めていたことすらあやふやな本物の怪異に成り果ててしまった。
どうしようもないところまで壊れてしまったのはアイテムのせいだと言えるが、そもそも自分に注目を集めるために他人に平然と危害を加えられる時点で雫も割とヤバい奴ではあった。第一話からなかなかパンチの効いた使用者である。
雫の前に現れたもう1人の美髪さんが同じようにリボンを使って変身していたのか、それとも本物の怪異だったのかは結局不明。アリスもその点は曖昧にぼかしている。
◆身代わり人形
ドール系の人形。望みを唱えると人形が代わりにやってくれる。
使用者は柴崎ルリ。成績のいい少女であるが実は内心クラスメイト達を見下している。
バッドエンド。
アリスの説明不足により「願望は本気度にかかわらず実行される」「他人には人形が使用者の姿に見える」という隠された効果がある。第2話という序盤からこんな欠陥アイテムが登場する始末。それにより「嫌っていたクラスメイトをルリが重傷を負わせる」という映像がとられてしまう。
人生台無しになり「死んだ方がマシ」と呟いたため人形に殺された。
◆ビューティーペンシル
消しゴム付きの鉛筆。この鉛筆で写真の顔を加工すると本物の顔も同じように変わる。
例えばソバカスを消しゴムで消すと本人の顔からソバカスが消えたり、一方で線を顔一面に書きなぐるなどすると偶発的な事故により顔を負傷したりなどの現象が起こる。
使用者は大矢亜由。顔がコンプレックスで、クラスの美少女である芳花にいつも引き立て役に使われるためいら立ちを感じている。ちなみにこの芳花という少女、アイテムの力で美少女になった亜由にまず「整形ってつらかったでしょ」と言って周囲に悪印象を抱かせるなど性格が悪い。
バッドエンド。
アイテムを悪用し芳花の顔を大怪我させる。それだけでは飽き足らず学校中の美少女を同じ目に遭わせていった。
だがその所業がバレ、アリスが被害者たちに同じアイテムを渡したため、復讐されることになった。
◆理想ドール
目の部分にボタンがかたどられた人形。この人形の顔に相手の名前を書き、体に望むことを書くとその人格が変えられる。
文字を書くこと以外でも本人に影響を与えられるようで、人形が燃やされると本人も重度の火傷を負うなど同じ目にあう。
使用者は和泉琴葉。翼という彼氏がいるのだがいつもドタキャンでデートをサボるため不満を抱いている。アイテムを使い翼が自分だけを大切にするよう人格を改造していった。
バッドエンド。
性格を改変しまくった結果、翼は性格が破綻し周りからの評判が最悪になってしまう。加えて実は翼がデートをドタキャンする裏で部活を努力していたと知り琴葉は反省し、元の翼に戻すために人形を燃やすが、火事が起き翼も被害に遭ってしまう。
翼は一命をとりとめ元の性格に戻った……が、実はアリスから人形を貰っており琴葉の名前と「一生俺のそばから離れられない」と書いていた。
◇2巻
◆よいこポイント
ハートを組み合わせた形のカード。欲しいものの名前を書くと必要ポイントが表示され、良いことをするとポイントがたまる。そして必要ポイント分溜まると欲しいものが手に入る。ペンケースの場合100ポイント必要で、皿洗いをすると10ポイント溜まる。
使用者は村上果林という小学生。いつも三人組で遊んでいるが、自分だけお金がなくグッズをお揃いに出来ず悩んでいる。
そんな中「よいこポイント」を貰いこれの効力でグッズを手に入れるようになった。
バッドエンド。
友達と遊ぶことよりアイテムを集めることを優先した結果絶交されてしまう。やり直すため「よいこポイント」に「友情」と書き心身共にボロボロになるまでポイントを集める(10000ポイント必要と言われた)。
そんなある日街で強盗事件が起き、「解決すればポイントを稼げそう」と首を突っ込んでしまう。解決し10000ポイント溜まるも強盗に包丁で刺され致命傷を負ってしまう。
ポイントが集まったことでそこに友人たちが来るがこんな方法で友情を手に入れたため友人たちは正気を失っていた。そのため果林の怪我を気にせず遊びに行こうと彼女をどこかに連れて行った。
◆真実の香り
香水型のアイテム。かけられた相手は思っている本音をすべて口に出してしまう。
使用者は川本亜美。正義感の強い中学生で、親友の千景がクラスメイトの鮎莉にいつもからかわれていることを気にしている。千景が気弱で本音を言えていないのだと考えアイテムの使用を決意した。
ハッピーエンド。
どうしても本音を言わない千景に焦り亜美は手が滑って自分に香水をかけてしまう。
そうして曝け出してしまったのは千景への執着心。「千景がいないとひとりぼっちになっちゃう」「お母さんも私のことを気にしてくれない」「千景に頼られたくて裏で千景をいじめていた」と彼女への想いを暴露してしまう。
しかしそれでも千景は亜美の本音に向き合ってくれ、彼女は自分の心の弱さに気が付くのだった。
とみせかけてバッドエンド。
実は千景は亜美がたまらなく大好きであり彼女を独り占めしたかった。そのためかよわい女の子を演じ、「千景には自分がいないとダメだ」と亜美が自分に依存するように仕向けていた。
◆交換イヤリング
白と黒で対になるイヤリング。2人でつけるとお互いの体が入れ替わる。お互いが強く「元に戻りたい」と考えると元の体に戻る。
使用者は白石愛梨。キラキラした美人の姉の姫花と対照的に外見も内面も地味な自分を疎み、姉を憎んでいる。
体を入れ替えた後、姫花の彼氏である佑について「近づくな」と言ったり、佑から貰ったぬいぐるみを破壊したりと、姫花の様子がおかしくなるが……。
ハッピーエンド。
実は佑が狂人で妃花に対し尋常ではない独占欲を抱いていた。ぬいぐるみを破壊したのも中に隠しカメラがあったから。
最後は佑に襲われかけたところを妃花が金属バットで殴り倒す。姉の真意を知った愛理は反省し元の体に戻るのだった。
とみせかけてバッドエンド。
姫花は前から佑を疎んでいたが始末する方法が悩んでいた。そんな中交換イヤリングの存在を知り、入れ替わった愛梨に罪を擦り付けられると考えたのだった。
◆よみがえりスイッチ
片切スイッチの形をしている。生物の背中に着けスイッチをオンにすることで一時的にその生物をよみがえらせる。
ただし用途は最後のお別れを言うためのもの。よみがえるものの死んだ直前までしか戻せず、スイッチを切らなければ苦しみが増していく。飽くまで不慮の事故で突然の別れを迎えた相手に対しきちんと区切りをつけるためのアイテム。
使用者は生田一希という病気がちの小学生。学校に行っている間に愛犬のチビがなくなってしまいこのアイテムを使った。どうしてもスイッチを切る覚悟が出来ず悩んでしまうが……。
ハッピーエンド。
チビのためにも勇気を出してスイッチを切った。一希はチビのためにも命を大切にすると誓うのだった。
とみせかけてバッドエンド。
実は一希は病気がちどころか既に亡くなっており別のよみがえりスイッチの効果で生きている。
◇3巻
◆あやつりバサミ
クラシカルな形をしたハサミ。これを持つと自分と相手の間に糸が見え、それを切ると相手は何でもいいなりになってしまう。
使用者は宮下杏奈というワガママ女子。親のつくった夕食に文句を言う・先生にタメ口・掃除中にケータイいじる・それら注意されると逆切れとものの見事にワガママ。少しでも自分に逆らう人間全員にこれを使った。
バッドエンド。
ハサミの正体は「縁切りバサミ」。切った対象との縁をすべて切ってしまう。なので切られた相手は操られているのではなく、どうでもいい無関係の相手なので見離していただけである。
作中では道具の本性に気が付き、自分のイエスマンだったため唯一切らなかった友人にあわてて助けを求める。しかし「従っていれば勝手に機嫌よくなるから従っていただけで今となってはあなたなんてどうでもいい」と切り捨てられてしまう。
杏奈の周囲は言うこと聞かない彼女に根気よく指導しており、杏奈の人間関係はかなり恵まれていたと言える。
虚偽の説明をするなどアリスが悪意を持ってアイテムを渡したケース。ただアリスとしても周囲の人間ほぼ全員に使うのは予想外だったらしい。
◆チャンスのリップ
想い人の名前が刻まれたリップ。塗るたびに名前が刻まれた相手と近づくチャンスが生まれる。ただしリップが壊れると名前を刻まれた相手が死んでしまう。効果の割にリスクがデカすぎる。
使用者は水野絵麻。篠田くんという男子が気になっているのだが、彼が親友の小春とばかり話していることに嫉妬心を抱いている。そんな時にアリスからリップを貰い、彼とお近づきになろうとする。
バッドエンド。
実は小春もチャンスのリップを持っており、彼女もその力で篠田に近づいていたのだと考えた絵麻は「あんたみたいなブスがこんなもの持ってても無駄」と暴言を吐く。
だがそれを当の篠田にも聞きつけられてしまい、彼に嫌われた絵麻は自棄を起こして小春のリップを踏み壊し、篠田を殺そうとする。
一瞬の躊躇もなくアイテムを殺人に転用しようとするあたり、絵麻はだいぶヤバい奴だと言わざるを得ない。
だが、実は小春のリップに書かれていたのは絵麻の名前だった。彼女が本当に仲良くなりたいと思っていたのは絵麻のほうだったのだ。
そうとは知らずに自分の名前を刻んだリップを壊してしまった絵麻はそのまま死亡。
そして絵麻の本性を知った小春は彼女に失望し、遺されたリップを使って篠田を自分のものにしようとするのだった。
◆消滅チケット
トランプの形をした1枚のチケット。貼り付けた相手を消滅させるというシンプルに物騒な能力を持つ。
使用者はありさという子役の少女。子役になってから親が金目当てで厳しくなったことに心を痛めている。子役仲間の友人に励まされつつ、また親と仲良くなりたいと考えている。そんな中赤の女王からチケットを貰った。
バッドエンド。
芸能界での人気に執着し、親どころか友人たちもありさを傷つけるようになっていく。そうしてありさは信じていたすべてに裏切られ絶望する。
最終的にありさは自分自身にチケットを使う。この腐った世界から見切りをつけ決別するつもりだった。
だがその行動が赤の女王の目に留まりありさは不思議の国で働くこととなる。ついでにその時優しさを失う魔術をかけられている。こうしてありさはアリスと名前を変えて不思議の住人となったのだった。
◆夢幻アプリ
カメラ用途のアプリ。頭にかざして理想のシーンを想像することで、その想像通りの写真を撮ることが出来る。
使用者は戸田未久。SNSが好きだが映える写真を撮ることが苦手であり、イイネ数が多い友人たちを憧れている。
バッドエンド。
未久はアプリに依存し現実逃避するように。その結果現実の自分やその周囲がどんなに醜くてもアプリの中の自分が美しければ満足するようになってしまった。最後は汚い部屋の中栄養失調状態で写真の中の自分を楽しんでいた。
その上アプリであるため未久が周囲にシェアした結果大問題に。アプリがかなりの数の人間に流行してしまい未久のような人間が増え町がディストピアのような光景となった。
◆命の天秤
両端に黒と白のハートの付いた天秤。黒の天秤を下に下げることで、対象の相手と家族を入れ替えることが出来る。ただし元の家族に接すると黒の天秤が崩れていき、すべて消えると使用者が消滅する。
使用者は平山小夜。家が貧乏で母がほとんど家事も仕事もしないので苛立っている。対照的に友人の由奈は家が金持ちであり、羨ましがっているところでアリスからアイテムを貰った。
ハッピーエンド。
母と他人になり外側の視点を持ったことで母についての別の一面を知る。それは『実は病魔に侵されていた』『娘に貯金を残すため手術を拒んでいた』ということだった。入れ替わった由奈に助けを求めるが「このまま母が死ねば貯金が私のものになる(意訳)」とブラックアリスの民度を見せたため失敗する。
最後はアリスの「元のお母さんと接すると死んでしまうルール」を破り母に会いに行く。自分では助けられないし会ってしまえば死ぬと分かっていたが、それでも動かずにはいられなかった。
それを見たアリスが小夜の強さを認めすべてを元に戻した。
ということで3巻最終エピソードにして初のハッピーエンド回。ちなみにこれが掲載されたのは2018年9月号。連載開始が2016年6月号なので丸2年ハッピーエンドがなかったことになる。
◇4巻
◆早送りリング
宝石とリボンのついたブレスレット。宝石の部分はボタンとなっており早送りしたい時間を思い浮かべてボタンを押すとその時間が早送りできる。例えば宿題を思い浮かべてボタンを押すと一瞬で宿題が終わる。
使用者は遠藤ほのか。何をやってものろまで周囲からバカにされている。アイテムを貰った後はその力で陸上部に入った。努力家のエースの月島さんを「必死に頑張っちゃてバカみたい」と言うなど傲慢になっていった。
バッドエンド。
実は道具には使った分老いるのが早くなるというデメリットがある。一応アリスは「本当に大切な時しか使っちゃいけない」と忠告していた。
気が付くもすでに後の祭り。周囲は陸上で世界記録まで出したほのかに期待しており後引ける状況ではなかった。最後は実年齢19歳の時に老人にしか見えない外見になり倒れてしまった。
同じような道具を使用した少年も同様の末路を辿っていたが、あちらは10万倍速という常軌を逸したスピードで何時間も過ごしたためであるため、こちらはせいぜい数倍、それも常時使用しっぱなしというわけでもないにも関わらず老化のスピードが異様に早く見える。
実際に使用した分以上に老化するデメリットがあったのかもしれない。
なお月島さんは彼女がアイテムを使っていることを知っていた。だが近いうちに自滅すると考えそうなったときにアイテムを奪おうと考えていた。望み通り早送りリングを手に入れたが、アリスに「どうせ同じ結末をたどる」と暗にコメントされている。
◆聞き耳かざり
ハートのイヤリングの形をしている。気になる人の方に意識を傾けるとその人の話している言葉が距離関係なく聞こえる。アリス曰くこのアイテムで聞いたことは絶対に人に話してはいけないらしい。ただし、紙に書いて見せることで他人に伝えることは問題ない模様。
使用者は天野詩織といううわさ好きの少女。バスケ部の白石くんに片思いしており、彼がマネージャーの涼花と仲がいいため情報を集めたがっている。
バッドエンド。
白石くんと涼花の2人だけの秘密をばらし仲を裂こうとした。だが失敗しむしろ自分が嫌われる結果に。
逆恨みで「とことん本性あばいて情報をバラまいてやる!」と考えるもルールを破ったことでアリスにペナルティを与えられる。
その結果周囲の人の悪口がすべて自分に聞こえてくるという体質に。その暴言の数々に耐えられず発狂した。ちなみにアリスは最後「でも聞いたことが全てではないかもしれないけどね」と言っている。
◆時をかける時計
懐中時計の形をしている。使うことで時間を巻き戻すことが出来る。その代わりアリスに人生で大切だと思う時間を対価を支払わわなければならない。
使用者は珍しく不明。物語は岸本雪菜というバレエ少女の目線で進む。親友のひまりと共にオーディションに参加するがいきなり彼女に背中を押され大けがをしてしまう。彼女を恨んでいる中いきなり時が戻った。
ハッピーエンド。
使用者はひまり。実はオーディション中照明が落ちそうになっておりそれをかばうために雪菜を押した。だがひまりはそのせいで親友が大けがしたことを悔やみアリスからアイテムを貰った。そうして「バレエをしていた時間」を対価に時を戻した。
その結果雪菜は怪我をせずに済んだが今度はひまりが致命傷を負ってしまう。そのため今度は雪菜が「ひまりとの思い出の時間」を対価にもう一度時間を戻す。
そうして時を戻した世界では2人はお互いのことを忘れていた。だがその世界でも2人は仲良くなる気配を見せていた。アリス曰く「強い絆は切れてもまた結びつく」。
◆不思議の国のスマートフォン
トランプを模したスマートフォン。話しかけると持ち主が行くべき場所を教えてくれる。例えば「お金が欲しい」と言うと地図アプリが起動し落ちている場所を示す。
使用者は菊田のどか。優柔不断であり片思いの蒔人くんとどうすれば仲良くなれるかいつも悩んでいる。ちなみに「お金が欲しい」とアイテムに言ったところ、母親のヘソクリを見つけたので迷わずスッた。
ハッピーエンド。
アイテムを使ううち「アイテムに頼り切るのではなく自分で考えることが大切」と気が付く。スマートフォンは事故で壊してしまったものの、のどかは「これからは自分の力で生きていくんだ」と前向きに考えるのだった。
とみせかけてバッドエンド。
実は蒔人くん含めこの世界のほとんどの人間は不思議の国のスマートフォンを所有している。彼曰く「無しでこの世界を生きていくことは難しい」らしい。誰も彼もがこのスマホを持っていることに気が付きのどかは絶望するしかなかった。ある意味スマホ依存やスマホの所有を前提とした社会システムになっている現実への痛烈な皮肉
この結末についてアリス曰く「スマホに従って生きる人間より自分の頭で考えるしかなくなったのどかちゃんの方がよっぽど幸せ」と、他の人間に比べれば一応救われている方であるとフォローはされている。
◆平等の鐘
小さなベルの形をしている。鳴らすことで世の中を平等な世界に変える。作中では国民の貯蓄や服装が全て平等な同じものになる世界へ変貌した。
使用者は宇佐美リナ。家でウサギを買っているためお小遣いがほとんどなく、お金に余裕のあるクラスメイト達を羨んでいる。ムシャクシャしてウサギに八つ当たりしていたところでこのアイテムを貰った。すべてが平等で何も心配のない世界をリナは楽しんでいくが……。
バッドエンド。
皆さんのご想像の通り、平等の名のもとに平等から外れた人間を排除するディストピア。病気になっても平等に授業を受けなければならず、世界中が同じ顔・服装・性格をしている。
鐘ひとつでここまでの大惨事を起こせるというアイテムの中でも相当悪辣な品。
最終的に「一人だけウサギを買っているのは不平等」としてウサギを捨てられることに。心が壊れたのかリナも平等に同じ顔・服装になっていた。読者が見分けられなくなるというメタ的な都合上髪型は変わらなかった
アリスは結局ウサギを孤独にさせたことを悔やみ彼を使い魔にした。こうして生まれたのがアリスといつも一緒にいるうさぎ。まあ、こんな破滅ありきのアイテムをデメリット説明せず渡したアリスが一番悪いのだが。
詳細は説明されないが、次の話からまたいつもの世界に戻っていた。
◇5巻
◆ビューティーキャンディー
宝石型の3つのキャンディー。食べると本人の思う理想の姿に少しずつ近づいていく。ただし食べるごとに「運動神経」「知力」「人間性」と内面の能力を失っていく。
使用者は松村文乃という地味な外見の少女。一見人のいい少女で周囲からの人気は高いが実際は「ブスでも目立つために努力しているだけ」と考えている。実際迷い犬を見かけた際周囲に誰もいなかったので見捨てようとした。楽して人気者になりたいと考えているときにアリスからアイテムを貰った。
バッドエンド。
調子に乗り文化祭のミスコンに出演することになるが勝つために焦り3つ目のキャンディーを食べてしまう。その結果「人間性」を失い、優勝はしたものの周囲に暴言を当たり散らすように。
全てを失いアリスに文句を言うも、「文乃ちゃんが失ったのはいい人を装う力なので地が出ただけ(意訳)」と返されてしまう。
自棄になり「食べたら内面が空っぽになる」と言われながらも4つ目のキャンディーを奪う。それを食べて本当に人形になってしまった。ただし内面を引き換えにしただけあって人形は美しく、望み通りたくさんの人の注目は集まった。
◆ライフフィルム
映写機型のアイテム。このフィルムには対象の人生すべてが刻まれている。そのためこのフィルムを早送りすることで人生を好きな地点までスキップできる。ただしスキップした間の時間の記憶も失われる。逆再生しようとするとフィルムが破れ人生が終わってしまう。
使用者は岸本仁奈という小学生。常に母にお小言を受けており束縛されない大人になりたいと考えアイテムを使った。その力で高校生なりバイトを始めるなど小学生の時よりも自由な時間を楽しんでいく。
ハッピーエンド。
高校生の時間でも母に束縛されており無理やりバイトを辞めさせられてしまう。それにキレて、もっと自由な時間が必要だと考え大学生まで時間を飛ばす。
その時間では母が倒れていた。そこで母が口うるさい裏で自分のために働いていたことを知る(バイトを辞めさせたのもブラックバイトだと気が付いたからだった)。
最期は母を助けるため、フィルムが破れれば人生が終わると忠告されながらも、時を戻して母を助けようとした。だが特に何事もなく小学生の時間まで戻り仲直りするのだった。
アリスはうさぎに仁奈が生きていることを突っ込まれたが「終わったのは自分勝手な仁奈ちゃんの人生」と返していた。
◆無限BOX
宝箱の形をしたアイテム。これを持って自分の持ち物の名前を言うと、大きさ関係なく箱の中に収納することが出来る。逆に箱の中に手を入れて取り出したいものを思い浮かべると取り出せる。
使用者は菅原梓。片付けが苦手で母に小言を言われることが多くこれを使い部屋の収納に役立てた。だが徐々に増長していき「嫌われ者なんてこの世に必要ない」と嫌いなクラスメイトを無限BOXに閉じ込めようとする。
バッドエンド。
ふとした口論が重なり梓は母に無限BOXに閉じ込められる。冗談で言ったつもりだったので母は一瞬焦ったものの「便利なものを手に入れたわ」と梓を懲らしめることを決める。梓のクズさは血筋であったようである。
クラスメイト達は心配しておらず、むしろ暴君となっていた梓が消えたことで喜んでいた。「嫌われ者なんてこの世に必要ない」という言葉が自分に返ってきたオチ。
◆スーパー委員長バッジ
「学級委員」と書かれたバッジ。これをつけて命令すると相手は逆らえなくなる。ただし相手の心は操れずあくまで逆らえなくするだけ。
使用者は津山優里。学級委員長であるが誰も言うことを聞いてくれず「無能」と言われている。ブラックアリス主人公の中では比較的まともな人格の持ち主。だが道具の力におぼれ逆らう相手に罰則を命じるなど考えがゆがんでいった。
バッドエンド。
良くならないクラスに苛立ち「困っている人がいたらゆずり合うことを心に刻め」と命令する。だが心までは操れない道具だったこともあり反論されてしまう。追い立てられ逃げているところで階段から落ち大けがを負った。
そこにクラスメイト達が駆けつけるも「ゆずり合うことを心に刻め」と命令されたため助ける役目を譲り合い誰も手を貸さなかった。繰り返すが心までは操れないので、命令を楯に本心から助けたくなかった可能性がある。
◆自分みがき人形
使用者と同じ姿をした蝋の人形。使用者の体と連動しており、表面を磨くと使用者の肌が輝き、人形を削ると体型が変わる。
使用者は西原桃花。ぽっちゃり体型で肌荒れがひどいことがコンプレックス。やせたことでクラスメイトの美恵と文化祭のシンデレラの役を争っていく。なお両者同じくらい性格が悪く、いちいちスタイルのことでマウントを取り合っていた。
バッドエンド。
美恵に人形の秘密がバレ奪われそうになる。隠すことになりとっさにステージ上に隠す。
だが人形がロウで出来ていることが災いし照明の熱で人形が融けてしまう。そのため頭の先から体が融けていくという歴代屈指の惨い死に方をした。
なお、美恵は溶けてしまった桃花を見て嘲笑し、「この人形欲しかったなあ」と呟くが、それを見たアリスは美恵にも人形を差し出すのだった…
◇6巻
◆あやつりネイル
毒々しい色のネイル。これを指につけると、使用者の思った通りに指が動いてくれる。「宿題をやりたい」と考えると手が勝手に宿題をやるなど。ただし一度ネイルを落とすともう使えなくなる。
使用者は永野明音。目立ちたくて新入生歓迎会のピアノ伴奏を引き受けたが元来の努力嫌いのせいで全くうまくならない。そんなときにアリスからアイテムを貰った。
バッドエンド。
アイテムがあまりにも思った通りに動くため商品の万引きやクラスメイトの殺害(未遂)なども少し思っただけで手が勝手に動くように。そうして人望を失い「死んだ方がマシ」と考えたため手が勝手にスコップを持ち喉を突き刺し死亡。前述の身代わり人形並みの欠陥アイテムである
なおアリスは中盤で「ネイルを落とそうか」と言っていた。ただ明音が欲をかき落とさなかったので結局死ぬことになった。まあアリスの性格上明音が落とさないと分かったうえで言ったかもしれないが。
◆子どもクレジットカード
使用者の名前と支払方法が書かれた黒いカード。お金以外で使用者が持っているもので支払いをすることが出来る。対価は学力・体力・美貌と何でもいい。
使用者は金田友恵という小学生。気前良く周囲に物をあげて人気を稼いでいる。そのためカードの支払方法も「人望」にした。
なおカードの付随品で人間ウェブショッピングが使えるようになる。なにそれ怖い。例えばこの店で売られているきれいなお母さんを購入すると使用者の本物のお母さんと入れ替わる。これで友恵はためらうことなく両親を美人に変えた。
バッドエンド。
実は友恵は周囲に「おだてれば物をくれる便利なやつ」と思われているだけで人望は無かった。そのため人望を引き落とせなくなってしまう。
さらに、人間ウェブショッピングの商品の人間もこのアイテムで支払いができなくなった者たちであることが明かされる。
借金のカタとして彼女も人間ウェブショッピングの商品となった。
余談だが、ラストでクレジットカードを拾って「ラッキー」と言って使う気満々の子供も登場しており最初から最後まで倫理観が終わっていた。
◆おいしいスパイス
瓶に入ったスパイス。これをかけた食べ物はなんでも美味しく食べることが出来る。
使用者は成瀬千沙。食べ物に好き嫌いが多く給食ではいつもこっそりトイレに捨てている。クラス全体で好き嫌いが多いため千沙はこれをみんなで使うようになった。
バッドエンド。
そんな生活が続き千沙含むクラスメイト全員が肥満児になっていく。千沙は食欲が増したものの、クラスメイト達の食欲も増したことで食べられる給食の量は減り不満を持つように。
空腹が我慢できなくなり千沙は金魚など食べられそうなもの全てスパイスをかけて食べるようになっていく。最後はクラスメイトを食べようとした。だが考えることは全員同じであり一番肥えている千沙が最初に食べられることとなった。
◆真実のマスク
小さなリボンのついたマスク。このマスクをつけて言った言葉は全て事実になる。ただし5回しか使えずマスクを外すとリセットされる。
使用者は生徒会役員の塚本柚月。追いつめられると咄嗟に嘘をついてしまう癖がある。ただし幼馴染の陸だけは彼女のどんな嘘でも見破ってしまう。ブラックアリスでは相当貴重なラブコメ成分。陸に片思いしているが仲が進まないことに焦りアイテムで「自分たちは付き合っている」という事実を作った。
ハッピーエンド。
陸にマスクを触られそうになり咄嗟に「マスクを外したら自分は死ぬ」と言ってしまいそれが事実になる。それを言った時点で力は残り1回分に。今の言葉を無かったことにしようともう一度力を使おうとするが、陸が事故に遭ってしまう。
柚月は自分の体より事故がなかったことにすることに力を使い、彼女の強さを認めたことでアリスが時を戻した。
現状唯一となる恋愛関係でハッピーエンドを迎えたケース。
◆ヒロインのしおり
ハートの付いたしおり。このしおりに物語の題名を書くと、その物語の主人公に変身して話に入ることが出来る。
使用者は岡田結芽。ものぐさな少女でいつも部屋を散らかして母に怒られている。絵本が好きで憧れていたところアリスにアイテムを貰った。
ビターエンド。
例によってアリスの説明不足により物語の世界はブラックなものになっている。
- 白雪姫→小人たちが働かない
- かぐや姫→婚約者たちがブサイクしかいない
- シンデレラ→王子様が浮気性なうえに政敵が多い
最後は「わたしにふさわしい物語」と書いたところ「マッチ売りの少女」の世界に飛ばされる。凍死寸前の身体でマッチを擦り見えたのは母とのいつもの日常だった。
結芽が本当の幸せに気が付き微笑むところで終わるが、作風が作風なのでこのまま帰れず凍死した可能性もある。
◆どこでもパスandペン
「ちゃお」2020年5月号で開催された読者参加型企画「アリスからもらいたいアイテム」として読者から募集したオリジナルアイテムでグランプリに輝いた読者考案のアイテム。「真実のマスク」の表紙でイラスト化されている。
リングで留められた6枚綴りのハート型のメモ帳で、「行きたい場所」を書けばそこに30分だけ行けるようになる。ただし、同時に「帰りたい場所」も書かないと帰れなくなってしまう。
歩いたりなどして自力で帰れる場合でも適用されるかは不明。また、「帰りたい場所」に本来自分がいた場所でない場所を記入したら実質1枚で2箇所に行けるようにも見える。
イラストにはなったものの、このアイテム自体が登場するエピソードは残念ながら描かれていない。
◇7巻
◆封印のメモ
カギ型のアクセサリーが付けられたメモ帳。これに消したい記憶と消したい相手の名前を書くと記憶が消えてしまう。ただしカギが壊れるとすべての記憶が戻る。
使用者は高山日菜子というプライドが高い少女。片思いの空に告白したところもう彼女がいる上にその相手がクラスメイトの利美であると知ってしまう。フラれたことを無かったことにするためにアイテムを使った。その後はアイテムを悪用し2人が付き合っているという記憶を無かったことにしてしまう。
ハッピーエンド。
記憶を好きに消せることで調子に乗りクラスメイト達に嫌われいじめられるように。そんな中記憶がないこともあり利美たちにかばわれ、記憶を消してしまったことに罪悪感を抱くようになった。
最後は全て元通りになると分かりながらも、利美たちのためにカギを破壊し記憶を戻した。
話の都合上、歴代では初となるアリスまたはアイテムの時間を戻す能力に頼らずハッピーエンドにたどり着いた主人公。それ故に彼女の罪は消えなかったが、アリスは「大丈夫、一緒に乗り越えられる友達が出来たから」とエールを送っていた。
◆お友だちアンドロイドゲーム
リアル育成ゲーム。小さな人形の形をしていて背中のボタンを押すと人間の姿に変化する。ただアンドロイド故に最初は感情がなく使用者がきちんと教育しなければ徐々に歪んだ人格になってしまう。もう一度背中のボタンを押すとリセットされ人形の形に戻る。
使用者は森崎久美。このアイテムを使い「アン」という友達を作った。アンは素直な子だが倫理観をまだ理解しておらず、久美が「お金が欲しい」と言った時には彼女の母の財布をスッていた。それに対し久美は「バッカじゃないの!? 財布ごと盗んだらすぐバレるんだから中身だけ取らないと!」と教育した。
バッドエンド。
実は久美自身も母の所有する人形でつくられた娘。最終的に「育て方を間違えた」として母にリセットボタンを押されてしまう。
エピローグで母はママ友と「子供を育てるって大変ですよね」「うちの子も5回目のリセットでようやく理想の息子に育ったもの」と話していた。
何気に数少ないおろかな人間である理由がつけられている主人公。
◆注目スマホ
ピンク色のスマートフォン。これで撮った写真をSNSに挙げると注目が何倍にも膨れ上がっていく。
使用者は砂山千晴。SNSが好きだがイイネを集めることが苦手。前にも似たようなキャラがいたような……。最初は地道にやっていたものの人の陰口を扱った投稿の方が伸びやすいと気が付いていく。そのため虚偽の情報を流してでもイイネを集めるようになっていった。
バッドエンド。
虚偽の情報であったことがバレ被害者の身内から狙われるように。アイテムの性質上、炎上も何倍も膨れ上がるので、投稿者への怒りも倍増していくことになる。
最後はどこに逃げても町中の人間が自分の写真を撮り不幸を狙うという報復を受け、発狂してトラックに飛び込んで自殺した。だが本人は注目を浴びられたということもあり微笑んでいた。
◆もしもミラー
手鏡型のアイテム。鏡にもしもの未来について語りかけると、その場合の映像を見せてくれる。
使用者はサッカー部のマネージャーである田崎絵未。部活仲間の慧に片思いしているが優柔不断なこともあり話しかけられていない。彼は同じマネージャーの美咲と仲がいいためモヤモヤしている。
バッドエンド。
アイテムのおかげで仲良くなり彗と美咲の3人で買い出しに行くことに。ミラーでどんな結果になるか見たところ3人とも交通事故に遭うというものだった。美咲を疎んでいたこともあり、慧にだけ待ち合わせ場所の変更を伝えてしまう。
だが慧が体を張って事故から美咲を守るという未来に改変され、2人は付き合うことになった。あとは特に罰が無しというブラックアリスにしては緩めのオチ。
なおアリス曰くどのような行動をとったとしても2人が付き合うという未来に収束したらしい。
◆取り換え仮面
古風なデザインがされた仮面。自分の顔がいらない人間からアリスがもらったものであり、身に着けると顔が変わる。仮面は一度外すことは可能だがもう一度装着すると二度と外せなくなる。
使用者は桜野千景。自分の顔がコンプレックスで母にキツく当たっている(言った後に後悔したが)。美少女の仮面を貰い家出をしてアイドルとして生活を始める。
ハッピーエンド。
アイドルとして生活する反面ストーカーに狙われるように。仮面の元の顔の持ち主のストーカーだったらしく、千景を本人だと勘違いして狙っていた。
恐怖心から仮面を外すも、千景を探す母がそのストーカーに狙われる現場に居合わせてしまう。母を助けるため二度と仮面を外せないことを承知で装着し母を守った。
その後母と仲直りし、アリスが仮面を壊したために元の顔に戻った。
2025年現在1巻に2つハッピーエンドがあるのは7巻のみ。
◇8巻
◆見返りチャーム
ハート型のアクセサリー。これを身に着けて誰かの手助けをするとその相手からお礼としてほしいものがもらえる。先に欲しいものについてアクセサリーに唱えなければならない。「ケチがお母さんがお小遣いをくれる」という描写があるのである程度行動を操る力がある模様。
使用者は戸塚愛莉という小学生。クラスメイトの和馬の誕生日プレゼントとしてゲームを買ってあげるためにチャームにお金を願った。なおクラスメイトの佐和子を助けた後、彼女が財布を落とすのを見かけたが、「これが今回の報酬なんだ」と解釈し黙ってもらっていった。
バッドエンド。
和馬にゲームを渡すことに成功するものの彼もチャームを持っておりゲームのことを書いていた。つまり愛莉もまた巡り巡ってチャームに操られていたことになる。
それどころか和馬だけではなく愛莉の周りはみんなチャームを持っていた。そのため愛莉は周囲の善意が見返りのためだけのものだと考え人間不信に陥る。
だが唯一チャームを持っていない佐和子のみが愛莉を気にかけてくれ、愛莉は見返りを求めない友情の大切さに気が付くのだった。……と見せかけ佐和子もチャームを隠し持っており「ゆうじょう」と書いていた。
◆女王様のヘアピン
王冠の形をしたヘアピン。これをつけると周囲の人間は使用者を「女王様」と呼び何でも従ってくれる。アリスの精神操作系のアイテムでは珍しく心まで操れる。
使用者は葉月結乃。文化祭のクラスリーダーになったが内申点目的なので実力が伴っておらず、クラスメイトにも見抜かれているため嫌われている。アイテムを得た後は、文化祭のために親の金を盗むクラスメイトを見てご満悦であった。
バッドエンド。
またもアリスの説明不足により、操られた人間はアリのように自分の命よりも集団の統率を重視するようになる。
- 売上を上げるため勝手に整形手術を受けてくる
- 体調不良で動けなくなったクラスメイトを用済みとして捨てる
- 怪我をしても気にせず血をまき散らしながら作業を続ける
アイテムの本質に気が付いた結乃は「女王様を辞める」と宣言しヘアピンを捨ててしまう。それによりクラスメイトたちに用済みのゴミと判断され捨てられた。窓から投げ捨てられたため死亡または大怪我をしたと思われる。
その後は別のクラスメイトがヘアピンを所有し何事もないように作業を再開した。
◆自由への手帳
「A」とかたどられた手帳。これに自分の望むルールを書くと学校の校則を強制的に変えさせる。ルール上OKになるだけで生徒たちがそのルールをどう感じるかはまた別の話。
使用者は倉持由羽。自由が大好きであり校則を守らせようとする先生たちに疑問を抱いている。このアイテムを使い「服装自由」「髪型自由」「タメ口OK」とルールを好きなように変えていった。
バッドエンド。
ルール上は自由になるものの「自由すぎると品位が疑われる」と結局元の校則を守るものが増えていく。そう考える生徒を排除するルールを追加し周囲に恨まれるように。
そうしてクーデターが起き手帳を奪おうとする生徒たちに襲われる。小部屋に立てこもり、苛立って手帳に「ルールに共感できない奴は学校から出て行け!!」と書き込む。
襲われた際に小部屋の戸が引っかかり開かなくなったうえ、学校から誰もいなくなってしまったため、助けを借りられず幽閉された。
◆幻惑の首輪
リボンのついた首輪。これをつけると相手に幻覚を見せることが出来る。
使用者は不明。物語は盛岡咲花とレオの2人のデートの様子が描かれる。なお咲花はデートの前に猫を自転車でひき殺しそのまま逃げた。
メリーバッドエンド。
使用者はレオ。実は首輪の力で人間の姿をしているが、実は咲花が轢いた猫の子ども。動機はもちろん復讐。
最後はきっちり復讐を完遂した。レオ目線ではハッピーエンド。
◇9巻
◆理想のペン
このペンで絵を描くとその中に入ることが出来る。絵の中に入ると描いたものと自分しかいない世界が形成される。逆に絵の中の存在が現実に抜け出すこともできる。
使用者は美術部員の桐谷満里恵。朝陽という少年に片思いして美術部に入ったがあまり仲良くなれていない。そんな時にアリスからアイテムを貰い絵の中の理想のアサヒと遊ぶようになった。
アサヒは本物とは似ていないが満里恵が大好きで彼女の理想通りの存在になろうとしている。特に「いつも君のそばにいるよ」と言ってくれることが満里恵の理想と聞きそれに近づこうとしている。
バッドエンド。
巡り巡って満里恵は本物の朝陽と仲良くなる。だがアサヒが現実に現れ邪魔をされたことで、朝陽に嫌われてしまう。
思わず暴言を吐いたせいで本格的にアサヒがおかしくなってしまう。そして「いつも君のそばにいる」と言う言葉を守らせるため、アサヒは自分ごと満里恵を絵の中に閉じ込めた。
◆ミニチュアフレグランス
香水型のアイテム。これを振りかけたものはミニチュアになってしまう。ミニチュアになっている間は対象の時間が止まる(花が枯れなくなるなど)。香水なので水で流すと元の大きさに戻る。
使用者は高瀬花蓮という美少女。自分と父は美人であるが、母と妹はブサイクなためいるもバカにしている。中盤では彼女たちにイラつき2人をミニチュアに変えてしまった(その場に放置するなど普通に殺す気だった)。
バッドエンド。
母の若いころの美人だった写真を見せられる。実は母は若いころは美人であり、血筋通りなら花蓮も年をとるごとに母のような醜い容姿になると突き付けられる。その事実に耐えられなくなり自身にアイテムを使い自分自身の時間を止めた。
だが母の言葉は嘘であり母だと思っていた相手は継母だった。直前に見せた写真は継母ではなく実の母の若いころの写真だった。なので血筋通りなら花蓮は美しく年をとるはずだった。
もう取り返しがつかずアリスに「見かけだけが大切な花蓮ちゃんにぴったりな姿」と笑われてしまう。
◆ヘルプナビ
スマートウォッチ型のナビ。近くにいる助けを求める人の居場所・名前・レベルが表示される。
ここで表示されるレベルは助けた際の注目度のこと。言い換えると対象を「助かってほしい」と思う人がどれだけいるかになる。助けを求める相手が今にも死にそうであったとしても注目度が低ければレベルも低い。
使用者は星川泉。表向きは親切な少女だが実際は周囲にちやほやされるために人助けをしている。不良生徒を相手にしたときは(相手にも非があるとはいえ)冤罪をかけて退学にさせた。
バッドエンド。
レベルが低いからと見捨てた老人を死なせてしまい周囲からバッシングを受ける。逃げた先でかつて自分が陥れた不良生徒から報復を受け当たり所が悪く死んでしまう。
彼女の断末魔の声に応えヘルプナビが反応したがレベル0であった。
◆妖怪キャンディー
ハートと丸形の2種類のキャンディー。ハート形を食べると妖怪に変身でき、丸形を食べると人間に戻る。
使用者は七瀬加栄という小学生。友達の気を引くためにいつも怪談のホラ話をしている。クラスメイトの里緒奈にバレそうになった時にこのキャンディーを貰った。
バッドエンド。
トイレの花子さんに変身してクラスメイト達を驚かせようとするが、そこに本物の花子さんが現れる。第1話の美髪さん以来であるが、ブラックアリス世界にはアリス以外の怪異も存在している。
彼女の存在に驚き丸形のキャンディーを落とし元の姿に戻れなくなってしまう。こうして2人の花子さんという新しい怪談になった。ついでに花子さんは何故か加栄が大好きなので、気を引かなくても付き合ってくれる友達が出来た。
◆チェンジクリスタル
丸形の宝石。これを相手に向け欲しい体の部分を唱えると、自分と相手でそのパーツが入れ替わる。ただし一度交換した人とは二度と交換できず、クリスタルが壊れるとすべてリセットされる。
使用者は芦名遥花というぽっちゃり女子。モデルのシオンに憧れているときにこのアイテムを貰った。その力で自分とシオンの全身を入れ替える。
バッドエンド。
シオンとしてモデル活動を続けるうちに承認欲求が膨れ上がり他のモデルたちに嫉妬するように。そして自傷行為をした後にその部位をクリスタルで交換して相手を強制的に怪我させるという最悪の使用方法を考案する。
それでも敗北してしまい、落ち込むうちにまた周囲が羨ましくなり、バランス考えずに交換していった結果見るも無残な顔になった(ブラックアリスの数少ないグロシーン)。
どうにもならなくなりクリスタルを破壊してすべてをリセットする。だが元の身体は交換している間に交通事故で重傷を負っていた。それに気づかず動いたため怪我が悪化することになってしまった。
◇10巻
◆勇気のカケラ
瓶に入ったガラスのような透明のカケラ。食べると勇気が出てくる。ただし一度にたくさん食べてはいけない。
使用者は田崎望乃。クジ引きで風紀委員に選ばれたものの、臆病なせいで他人に注意ができずに悩んでいた。
そこで役に立てないぶん休み時間返上で書類仕事をするなど、この漫画では割と珍しく責任感があって善良だった使用者。
同じく風紀委員の川井に想いを寄せているが、彼は物怖じしない性格の草野由良に惹かれており、複雑な胸中を抱えていた。
バッドエンド。
勇気のカケラのおかげで不良にも注意ができるようになった望乃だったが、そのせいで彼女達からの報復を受ける。
由良に負けたくない気持ちもあり、彼女はアリスから忠告を受けていたにもかかわらず勇気のカケラを一気に一掴みほど服用。「勇気がある」を通り越して恐れという理性のリミッターが完全に外れた状態になってしまう。
どうしても川井の目が由良から自分に向かないことに思い詰めた彼女は、「由良に近づく」ためにハサミで無理やり二重まぶたに整形するなどの奇行に走った末、勇気があることを証明しようと窓からの飛び降りを決行。
死の恐怖すら感じられないまま息絶えるのだった。
自分から忠告を破ったとはいえ暴走したのはほぼアイテムのせいだったあたり、割と同情に値するほうの使用者。
川井に振り向いてほしいという気持ちばかりで動いていたのがよくなかったのかもしれない。
◆ともだちコントローラー
5つのハートが付いたバングル。バングルに手を重ねて願いを言うと相手がその通りに動いてくれる。ただし願いは5つしか使えない。
使用者は石橋ルカ。入学初日に大熱を出して友達を作れず、いつも無愛想な由紀としかつるめていない。アイテムを貰い「私としゃべってよ」「無表情はやめて」「友だちのためならムリくらいしなさいよ」とお願いした。
由紀はアイテムで操られて以降何故か日に日に怪我が増えていった。先生もうちょっと気にしてやれよ。それを見たルカは「心配なの!! もっと大ケガしたら…もし由紀が死んじゃったら私…私…ボッチじゃん」と心配していた。
バッドエンド。
由紀の怪我を不審に感じたルカはアイテムで事情を話すようお願いする。実は由紀は両親から虐待を受けており、ルカの友だちを強要され帰りが遅くなったことで怒りを買い殴られていた。
その話に動揺している隙にアイテムを奪われ両親の殺害および口封じのための自殺をお願いされた。
例によって心までは操れないアイテムなので由紀は行動を縛られながらも策を練っていたらしい。
◆やすらぎのタネ
人のストレスを基に成長するタネ。人間にまくと相手の強いストレスに応じて芽が出る(ただし芽は使用者にしか見えない)。
芽が出ている間は怒りや悲しみなどのストレスを感じなくなり、とても穏やかになる。
喧嘩の仲裁などに有効だが、最低限感じられなければ困るような負の感情まで完全に吸い取り封じ込めてしまうため、その場を収めたあとは芽を抜いてあげなければならない。
使用者は内藤由果。争いを嫌うおせっかいな性格で、他人が喧嘩していると仲裁せずにはいられない。しかし争いを止められる力がないことに悩んでいる。
バッドエンド。
芽が生えて負の感情を無くし、揉め事を起こさなくなったクラスメイトを見た由果は「これこそ究極の平和」と感激。
芽を抜かないまま放置され、不安も悲しみも感じなくなってしまった彼らを心配するその友人たちにも次々と種を植え付け、平和な学校を作ろうとする。
だが種の発芽には強いストレスが必要であるため、ストレス耐性の高い相手にはうまく植え付けられなかった。
そこで由果は一計を案じ、朝礼の場でヘビをばら撒いてパニックを起こさせ、怯える生徒達に一気に種を植え付けた。
しかしヘビを怖がらない生徒にはやはり効き目がなく、彼らが出て行こうとするのを追いかけようとしたところ壇上から誤って転落し、大怪我を負ってしまう。
誰も不安や危機感を感じなくなっているため助けを呼んでもらうこともできず、苦痛と不安に苛まれた末、由果は自分に種を植え付けて苦痛から逃れるのだった。
なお、今回は珍しくアリスが後始末をし、由果以外の生徒は全員芽を取り除かれて正気に戻った……が、由果だけは「理想の姿のままにしてあげよう」ということで放置されて終わった。
やらかしたことの規模の大きさといい、善意100%でここまでのことをしでかしたことといい、使用者達の中でもトップクラスの狂人であった。
◆名前シール
よくあるマジックで名前を書けるタイプのシール。これに名前を書き欲しいものに貼ると自分のものになる。正確には元々の持ち主が、貼ったものが名前の書いた人物の所有物であると認識するようになるシステムで、第三者は普通に違和感を覚える。
使用者は古原つぐみという小学生。幼い頃から親友の沢城咲と比べられて「地味」などと呼ばれることに劣等感を抱いている。
アイテムを貰ったあとはその鬱憤を爆発させ、アイテムを悪用して咲に嫌がらせをするようになってしまった。
ハッピーエンド。
嫌がらせのしすぎでクラスメイトから顰蹙を買い、ますますコンプレックスをこじらせたつぐみはクラスメイト達にシールを貼って従わせるようになってしまう。
そのことを咲に咎められてさらに意固地になり、自分にもクラスメイトの名前を書いたシールを貼ったところ、暴走した彼らに全身をバラバラにされそうになってしまう。
そんな中必死に自分を守ろうとする咲の姿を見たつぐみはようやく改心し、彼女に謝罪。それを見たアリスがシールを受け取る前まで時間を巻き戻したことで丸く収まった。
「取り換え仮面」以来3巻ぶり(2年ぶり)のハッピーエンド。
◆透明キャンディ
丸形のキャンディ。これを食べると衣服含めて透明人間になれる。ただし1日1回1時間しか使えない。
使用者は自称新聞部の斎藤多恵。「えらそうにしてるやつが落ちる様を見るのってほんっと楽しい」と豪語し、好き放題に他人のゴシップをばらまくわかりやすいクズ。
生徒会に注意を受けたことで逆恨みしアイテムの力で弱みを見つけようとする。
バッドエンド。
弱みを見せないことに業を煮やし事件の捏造を考える。具体的には透明状態で副会長の彼女の頭を何度も踏みつけ重傷を負わせた。
だが証拠隠滅が甘かったことで警察から追われ、アリスのいいつけを破りキャンディを2度舐めてしまう。その結果右半身だけが骸骨の姿になるという化け物と化した。
ついでにモブたちがブラックアリスの民度を見せ、彼女の姿に怯えることなく写真撮って呟き始めた。
◇11巻
◆まき戻しカメラ
デジカメ型のアイテム。このカメラで写したものは10秒前の姿に戻る。物を壊しても10秒以内なら元の形に戻せる。
使用者は松浦リリア。極端に自制心が弱く、気に入らないことがあるとすぐに暴力を振るったり、お金がないのに買い食いをしようとして友達にタカったりするかなりの問題児。
友人のあゆみからも度々その振る舞いを咎められているが一切顧みる様子はない。
バッドエンド。
カメラを手に入れてますます傍若無人になったリリアは、見かねて制止してきたあゆみをハサミで突き刺して殺害。さらに「まだまだ気がすまない」と言ってカメラで元に戻し、何度も繰り返し殺そうとする。
だがあゆみは一瞬の隙を突き、カメラを奪って逃走。すぐに追いついて殺しにかかるリリアだったが、バランスを崩して転倒し、持っていたハサミで自分の喉を突いて死んでしまう。
その直後に宙を舞ったカメラが地面に落ち、そのはずみでシャッターが切れ、事切れたリリアをレンズに収めた。
瞬時にカメラ共々元に戻る彼女だったが、その時点で既に転びかけている状態だったため再び喉を突いて死亡。そしてまたカメラが落下し元に戻る。
……死ぬまでの10秒間を繰り返すループにはまった彼女は、死の恐怖を永遠に我慢し続ける羽目になってしまった。
使用者たちの中でもトップクラスに悲惨な末路だが、元々我慢する必要がなければ殺人も平気でやらかすような狂人なので、正直なところ同情はしがたい。
◆ともだちの糸
ソーイングセット一式が入っている。これを使いぬいぐるみなど無機物に自分の名前を縫うと、命が宿り友だちになってくれる。
使用者は谷本ココ。極端な人見知りで友達がいない。心を許せるのは小さい時に買ってもらったぬいぐるみのちゃ太郎だけ。アイテムの力でちゃ太郎に命が宿り、念願のちゃ太郎との会話ができるようになったことを喜んでいた。
バッドエンド。
ちゃ太郎のおかげで勇気が出たことで学校でも友達ができるように。その反面自分に執着し続けるちゃ太郎を疎むようになる。
そんな生活が続き怒りが頂点に達したことでちゃ太郎を破壊し捨ててしまった。それでもちゃ太郎は執念で彼女のもとに戻りココを絞殺した。
そしてちゃ太郎は死体となったココにアイテムを使い自分の理想通りの友達とした。
◆エンジョイカチューシャ
花飾りのついたカチューシャ。やらなければならないことを念じながらつけると、その作業が楽しくてたまらなくなる。
ただし1日3時間までという時間制限がある。1時間ごとに花飾りが1つ落ち、タイムリミットを知らせてくれる。
使用者は高松恵。自制心が弱く、自分が楽しいと感じること以外には集中できないタイプ。
バッドエンド。
制限時間を超えてカチューシャを使い続けた場合、その作業が度を越して「楽しい」と感じられるようになり、楽しみのためならどんなことでもするようになってしまう。
一応カチューシャを外すと元の状態には戻るが、「楽しかった」という強烈な感覚が心に焼き付くため、結局自分からカチューシャを付け直してしまう。
恵の場合は宿題の交通安全ポスターを完成させるためにカチューシャを使った結果、いい構図を求めて通りすがりの男性を蹴り飛ばし、走行中のトラックの前で大怪我を負わせるという凶行に及ぶ。
さらに完成間近でリアルな血しぶきの表現を求めた結果、自傷して出た血を絵にぶちまけまくる。
痛々しい姿になりながらも、恵は心底楽しそうな笑みを浮かべるのだった。
◆お見通しメガネ
メガネ型のアイテムでこれをつけると相手の心の中が見えるようになる。
使用者は横山心涼。陰口を言われることが何より嫌いでありいつも周囲の顔色をうかがっている。自分とは正反対に率直にものをいう一恵が苦手。
バッドエンド。
心を覗いたところ一恵に顔色をうかがう本性をバレかけていることを知る。それにより陰口を言われることを恐れ、アイテムを利用し一恵の弱みをバラしいじめるように。
一度は上手く行くものの一恵が立ち直り、執拗にいじめたため逆に心涼がクラスからバッシングを受ける。その上クラス中が「もうこんなやつのことを考えたくない」と考えたため心を覗いても許してもらう方法が分からず発狂した。
アリスたちの言葉をまとめると「受け身で人の顔色うかがっている暇があったら自分から謝りに行った方がいい」。
◆年齢のベル
数字の書かれたベル。このベルの音を聞いた人間は数字の年齢まで肉体・精神共に若返ってしまう(数字は自由に変えられる)。ベルが壊れるとすべてが戻る。年齢を変えられた本人はそのことを自覚しておらず元の年齢だった頃の記憶もある様子がない。
使用者は杉山麻央という小学生。大人たちがルールで自分を縛るのを嫌っている。ベルを使い自分に逆らう大人をすべて子供に変えていった。
バッドエンド。
ブラックアリス主人公特有の行動力でアイテムを使い続けた結果、街中の人間が子どもになり街が世紀末と化してしまう。
流石に危機感を覚えてベルを壊すことを考えるも、二度と今の自由を楽しめなくなると考えて取りやめる。それどころか別の街にはまだ大人がいると聞いて「よかった!まだまだ楽しめる!」と瞳を輝かせる。
が、そうは問屋が卸さず、お腹を空かせた子供達から無邪気さ故の加減のない暴力を喰らった末に逃げようとしてエスカレーターから転落。
集まってきた医療関係者も既に子供になっていたために治療という名の暴行を受ける羽目になってしまった。
最終的には暴行に巻き込まれてベルが壊れ、医者たちも大人に戻ったためとりあえず診てもらえはしたようだが、その後の生死等は不明。
これ以上被害が広がらなくてよかったというかなんというか。
◇番外編
◆シャドウアシスタント
紙で出来た小さな人形。これを影に吹き付けると使用者のドッペルゲンガーが現れる。このドッペルゲンガーは使用者の命令を何でも聞く。ただしダメージがフィードバックするというデメリットがある。
使用者は川居ユウというYoutuber。学生でありながら登録者数1万越えという何気にすごい人だがその分高飛車。アイテムを使いドッペルゲンガーに無茶な企画をやらせるようになった。
バッドエンド。
ライブ配信で大食い企画をやらせるが「ここにあるもの全部食べてね」と命令したため皿まで食べだしてしまう。その痛みが自分に返ってきて死亡。
放送事故と言う形で話題になり登録者数が1億人越えした。すごい。
◇WEBアニメ版
◆人生コントローラー
ピンク色のゲームコントローラー。リアル人生でセーブ&ロードが出来る。〇がセーブで△がロード。ただし×ボタンを押すとデータが全て消えてしまう。□ボタン「俺の存在意義は?」
使用者は橘すず。クラスメイトの綾瀬くんに片思いしている。アリスからアイテムを貰いセーブとロードを繰り返し仲良くなっていった。
バッドエンド。
順調に綾瀬くんと仲を深め彼に告白したすずだが、水島という彼女がいることを伝えられ振られてしまう。
だがそれでも彼のことを諦められなかったすずは水島の殺害を画策。
彼女を呼び出して屋上から突き落とし、セーブ&ロードを繰り返して目撃されることなく現場を後にした。
……だが彼女は殺害の実行後にセーブを書くというとんでもない大ポカをやらかしていた。
案の定というか証拠が揃っていたためどう足掻いても自分が犯人だとバレる状況になり、焦るすずは「データを消す=アイテムを貰った時まで戻れる」と解釈して×ボタンを押してしまう。
しかし当然そんな都合のいい話はなく、全てのデータ=自分の存在そのものを消してしまった彼女は「無の空間」で永遠に過ごす羽目になったのだった。
十字コントローラー「よく考えたら俺の存在意義もないぜ!」
◆痛みをなくすボディクリーム
ピンク色のクリーム。これを塗るとあらゆる痛みが消えてしまう。腹痛でも腹の上から塗れば痛みが消えるという優れもの。ただし体内に入れてはいけない。
使用者は有田美月。バレー部に所属しているが痛いのが嫌いで我慢できずよくサボっている。アイテムを貰った後は痛みを気にしなくていいので活躍するように。
バッドエンド。
今回はアリスも「体内に入れちゃダメ」とはっきり伝えていたにもかかわらず、虫歯になった彼女は「体内って言っても歯だし大丈夫か」と意味不明なことを言い歯にクリームを塗ってしまう。
当然大丈夫なわけはなく、それが原因で痛覚はおろか全身の感覚を完全に喪失。両手足を骨折しても痛みひとつ感じないことにパニックを起こしていたところ、泣きっ面に蜂とばかりに車にはねられて病院送りになってしまった。
運の悪いことに運び込まれた先も「痛みも感じないようじゃこのケガでどこから処置したものやら」などと宣うヤブ医者だったため、恐らくその後にもあまり希望は持てないと思われる。
アイテムを悪用するような真似はしていなかったので気の毒と言えば気の毒だが、それにしてもシンプルにアホすぎて微妙に同情しづらい使用者。体の痛みより頭をどうにかすべきだった
アリスの「口の中に入ったら体内にも入るでしょ」という渾身のマジレスは必聴。
【ボイスコミック版】
ちゃおが時折行っているボイスコミック企画として登場。扱われたのは第1話『美髪さんのリボン』。
2018年に前後編で配信される。その後前後編をまとめた完全版が配信された。
アリス役は田村奈央。ロリロリした外見に反してアリスの声がお姉さんっぽいのが特徴。
【WEBアニメ版】
2021年に公式チャンネルから配信された。フルカラーの静止画(たまに動く)に声を付けたもの。
サブタイトルは以下の通り。
- 「ブスすぎw」と笑われていたJKが、ある日突然学校1の美人になった結果(ビューティーペンシル)
- 「お前のこと以外考えられない…!」彼氏を禁断の方法で依存させたJKの末路(理想ドール)
- 学校1美人の姉とブサイクな陰キャ妹が入れ替わったらどうなるのか(交換イヤリング)
- セーブとリセットができるようになるとどうなるのか?(人生コントローラー)
- 地味JKが磨けば磨くほどキレイになれる魔法の人形を手に入れ、シンデレラ役に抜擢!?と思いきや…衝撃の結末に!(自分みがき人形)
- 貧乏な家庭を捨て、お金持ちを選んだ娘が泣いて後悔した衝撃の理由とは…!(命の天秤)
- 痛みを感じなくなるボディクリームを使い過ぎたJCの末路(痛みをなくすクリーム)
何があったんだと思うサブタイトルだが、同じく小学館の児童誌『コロコロコミック』のWEBアニメ版のサブタイトルのつけ方と同じなので合わせたのだと思われる。ちなみに同じくWEBアニメ化したちゃおホラー作品『人間回収車』も同じようなサブタイトル。
『人生コントローラー』と『痛みをなくすクリーム』はアニメオリジナル。7話中2話アニオリ回なので意外と豪華。
こちらのアリスの声はノンクレジットなので不明。ボイスコミック版とは対照的に幼い声色になっている。
【余談】
なかむらさとみ先生は『ブラックアリス』以外にも時折短編ホラー描いている。それらについて紹介。大体が「おろかな人間」か「不思議なアイテム」が登場する。
◆ビューティーサプリ(ちゃおデラックス2015年7月号/ブラックアリス1巻)
主人公は姫宮美麗という周りからブス扱いされている少女。自分の外見を疎む中謎の男によって2種類のサプリメントを渡される。外見をキレイにするサプリと内面をキレイにするアプリだがどちらかしか使ってはいけないらしい。外見サプリを選んだ美麗は美人になり周囲からちやほやされていく。
◆いつでも一緒(ちゃおデラックスホラー2016年3月号/ブラックアリス1巻)
岡野玲花は小さい時から友人の丸山静奈に執着されており他の友達を作れていなかった。静奈が転校したので新しい友達を作ろうとするが、静奈は転校先からでも自分に対し独占欲を見せる。
見どころは話のタネにとりあえず静奈の陰口で盛り上がろうとする玲花。
◆リサイクルアプリ(ちゃおデラックス2015年11月号/ブラックアリス2巻)
いつも金欠の彩月はある日『リサイクルアプリ』という謎のアプリを手に入れる。それは写真に撮ったものをその場で換金できる不思議なアプリだった。
見どころは飼い猫を換金したら割と高価でテンションが上がる彩月。
◆クサリ女(ちゃおデラックスホラー&ミステリー7月号/ブラックアリス2巻)
キレイな服が好きな小学生の紬は洋服好きの女性と出会い、特別な服を作ってもらうことに。そんななか学校では『クサリ女』という怖い話が流行していく。
◆みがわりアプリ(ちゃおデラックスホラー2014年3月号/ブラックアリス3巻)
モデルの少女美由はある日『身代わりアプリ』という謎のアプリを手に入れる。このアプリを使用すると自分の分身が代わりに生活をしてくれ、その間自分はアプリの中の豪華な部屋で休むことが出来る。いつも気苦労が絶えない美由は分身に生活を変わってもらう。
見どころはライバルモデルの因縁付けを「しょせん負け犬の遠吠え」と切り捨てる美由。
◆欲しがり石像(ちゃおプラス2024年8月2日/単行本未収録)
小学生の池崎みちるは夏休みなのに親にどこにも連れて行ってもらえず不満を抱えていた。仕方がなく友人の奈々と過ごす日々。そんな中近所に「お供えものと引き換えにひとつだけ願いをかなえてくれる石像がある」という話を聞く。
見どころは自分のせいで奈々の両親が死にかけているのに「もし奈々の親が死んだら…一生罪悪感に苛まれるかも…」と考えだすみちる。
◆コイカツ!幽霊!!(ちゃおデラックスホラー&ミステリー2014年10月号/単行本未収録)
病弱な押原杏は学校に行くことを夢見ていたが叶わず無くなってしまった少女。そんなこともありギャル系幽霊になっていたが誰にも自分が見えず青春出来なかった。ある日霊感少女の奈津と出会い彼女の恋を応援しようとする。
このように大体が「おろかな人間」または「不思議なアイテム」要素がどこかにある。最新作「欲しがり石像」でもおろかな人間を登場させたため作風として貫いていくのかもしれない。
この中で例外的なのが「コイカツ!幽霊!!」。ちゃおホラーに偶にあるオカルト要素はあるがホラー要素はない箸休め的な作品。おろかな人間は特に登場せず爽やかなオチを迎えるなど今の目で見ると、なかむらさとみホラーの中では異端の存在。そのためかそれなりに古い(この中では時系列的に2番目)にも関わらず、未だに単行本に収録されていない。
追記・修正はアイテムを正しく使える方がお願いします。
- アリスちゃんもタチ悪いんだけどそれ以上に被害者がカスだらけっていうのが独特の味 -- 名無しさん (2025-03-24 13:39:47)
- ちゃおにたまによく出る笑うセールスマン系漫画の中でもショコラの魔法と並んでなかなか面白い。ショコラさんとコラボしたらいろいろカオスになりそうだな… -- 名無しさん (2025-03-24 19:35:17)
- 定期的に湧くちゃおホラー自信ニキやんけ -- 名無しさん (2025-03-25 11:35:13)
- まき戻しカメラって、「アウターゾーン」って漫画にも似たような展開があったね。時を戻せる時計を悪用→事故ってその時計が故障し、事故る前に戻る→また事故るの繰り返し -- 名無しさん (2025-03-25 12:56:44)
- ヘルプナビは....あの不良の方が悪いのに...少し理不尽すぎる....。 -- 名無しさん (2025-03-25 20:18:02)
- ↑主人公も不良に冤罪かけて退学に追い込んでるのは事実だし、そもそも生きてる人間見殺しにして平然としてるような奴なんでまあ因果応報じゃないかな……不良1人に問題絞ったらまあ不良が悪いっていうのはその通りだけど -- 名無しさん (2025-03-26 13:11:46)
- なかよしの蜘蛛女とどっちがマシ? -- 名無しさん (2025-03-26 17:09:53)
- ↑ごめん、セールスマン的なキャラとしてって意味ね -- 名無しさん (2025-03-26 17:10:16)
- それで比べるならアリスの方がまだマシ。蜘蛛女は相手が善人だったら堕ちるように修正かけていくってタイプだし。 -- 名無しさん (2025-03-26 17:34:34)
最終更新:2025年05月02日 19:51