ブラックアリス(ちゃおホラー)

登録日:2025/03/24 Mon 12:46:34
更新日:2025/05/02 Fri 19:51:13
所要時間:約 53 分で読めます




『ブラックアリス』はちゃおで連載されているホラー漫画。
作者はなかむらさとみ。既刊11巻。

内容は端的に言うと「ちゃお版『笑ゥせぇるすまん」。対象の年齢層的に「女児向け『魔石商ラピス・ラズリ』」と言い換えてもいいかもしれない。
「不思議の国」からやってきた少女アリスが悩みや願いを抱く人間に不思議なアイテムを渡していく。
しかしアリスの目的はおろかな人間の姿を見ること
そのため大抵の場合アイテムを使いすぎれば破滅することになってしまう。その中で描かれる人間の欲望が話の主軸。
2025年現在すべてが一話完結形式で続き物の要素は薄め。

連載誌をいくつも渡り歩いている作品
最初は増刊号『ちゃおデラックス』及びホラー特集増刊号『ちゃおデラックスホラー』で連載。その後本誌『ちゃお』にて短期集中連載の形で移籍。
さらにその後『ちゃおデラックス』に戻るものの、雑誌そのものが廃刊になったためWEB版『ちゃおプラス』に移籍。4媒体で連載されたのはこれと『ショコラの魔法』くらい。


Youtubeのちゃお公式チャンネルにてボイスコミック版とWBアニメ版がアップされている。

ちなみに2024年度小学館漫画賞にてノミネートされたものの受賞は逃している。受賞した場合、2020年の『ショコラの魔法』以来ちゃおホラーが受賞したことになった。


【作風】


本作最大の特徴は各話主人公のクズ率の高さ。アリスの言葉を借りるなら「おろかな人間」。毎回主人公が何かしらクズな要素を持っている。例としては自己中心的、欲望に歯止めが利かない、嫉妬心が強いなど。

なかむらさとみ先生いわく塩梅としては『どうしようもない邪悪』よりかは『学年にひとりくらいいそう』を心がけているとか。
クラスの爪はじきものでもなく友達もいるが、その友達にすら「縁切るほどじゃないけどうざいな……」と思われるくらい。
ただアリスの目的が目的なのでそういう人間を選んでターゲットにしている節がある。


おろかな人間がアリスからもらったアイテムにより増長していくのが基本的な流れ。
この手の作品でよくある「普通の人間が不相応な力を手に入れたせいで堕ちていく」パターンより、「元々クズだった奴がアイテムを手に入れてますます悪化する」とか「悪意あるクズがアイテムを手に入れて犯罪や他人への攻撃に転用する」というパターンが多い(たまに前者もある)。
使用者の破滅が前提の地雷とかあからさまな欠陥製品もないわけではないが、作者が「使い方を間違えなければ素敵なアイテムもたくさんある」とコメントしている通り、本来の用途に沿って使えば普通に便利なだけのアイテムも少なくない。
制作者たるアリス自身、自分のつくった道具をどんな斜め下の使い方をしてくれるか期待している節がある。

物語としてはアイテムよりもそれを使う人間のおろかさを主軸に据えていると言える。
使用者本人がクズなのは前提として、家族や友人といったその周囲の人間からモブキャラに至るまで全員がクズというエピソードも少なくない。

オチはアイテムの使い方を間違えたおろかな使用者が因果応報な末路を迎えるものが大半。末路としては死ぬものから死んだ方がマシなことになるものまで多種多様。
ちゃおホラーは修羅の世界のなのでたとえ女児相手でも容赦しない。酷いものだと「自分が死ぬまでの10秒間」を20年以上にわたりループし続けるなど。

アリスの目的はおろかな人間が勝手に堕ちていく様を見て笑うこと
破滅したおろかな人間に対し皮肉な言葉を投げかけ笑いながらアリスは帰っていく。

なおこの手の作品にしては珍しくアイテムの効果が世界規模に及ぶ回が時折ある。数巻に一度くらい「実は主人公以外にも多くの人がアイテムを使っていた」オチになる。
そうしてアイテムの使用者はどんどん増えていき、結果的に世界はアイテムの力に飲み込まれそのまま話が終わってしまう。

ただ次の話になると何事もなかったかのように世界が元に戻っている。
パラレルワールドなのか、アリスがたまに使う現実改変能力か、思っていたより世界は狭いのか、詳細は不明。


こんな物語だがハッピーエンド回もある。かなり少なめだが。

ハッピーエンドの条件は主人公が人間としての強さを見せること。
自分の信念のためにアリスが取り決めたルールを破ることでも、自分を犠牲にしてでも誰かを助けることでも、真に人として大切なことに気づいて行動することでもなんでもいい。
それをきちんと示して行動できればアリスは助けてくれる(大抵は現実改変能力でアイテムをもらう前の時間まで戻す)。

アリスの目的はおろかな人間が勝手に堕ちていく様を見て笑うこと。
どん底からでも自力で這い上がろうとする強い人間には興味がないのである

まあ、そんな人間が100%ハッピーエンド迎えたかというとそうでもないのがちゃおホラーなんだが……。


【登場人物】



◆アリス
本作の主人公である不思議の国の住人。エルフ耳と、黒を基調にしたアリス系エプロン服が特徴。
外見年齢はおそらく小学校小~中学年くらい*1。年相応に幼い口調で話すが時折大人びたことを言い出すつかみどころのない少女。

本人曰く悩みを抱く人間に不思議なアイテムを渡す仕事をしている。各話主人公が悩みを抱いた時にどこからともなく登場する。
そうしてアイテムの説明と禁則事項を説明するといつの間にか消えてしまう。だがしばしばアイテムの虚偽の説明・意図的な説明不足をやらかしてくる

作者曰く「無邪気で残酷」な性格で、アイテムを与えられた人間が醜い本性を剥き出しにした末に破滅する姿を「おもしろい」と評する。本性を現すと瞳孔が猫のように鋭くなるのが特徴的。
反面、堕ちた人間に突きつける言葉そのものは割と正論なことが多かったりもする。

その反面心の強い人間に対しては寛大で優しい一面を見せる。そういった人間に対しては事前にアリスと決めたルールを破っても大抵見逃す。
場合によってはアリスの持つ時間を巻き戻す能力でなかったことにするというアフターフォローをしてくれる。おろかな人間を笑うのが大好きなアリスであるが、その中で強く生きようとする人間を笑うことは決してない

こう書くと人間の可能性を信じているようにも見えるが、それはそれとして「おろかな人間」の欲望をわざわざ煽って破滅させ、時には人間社会そのものの崩壊まで引き起こして平気な顔をしているタチの悪い愉快犯なのもまた事実。
冷静に考えると相当悪辣であるものの、それ以上にアイテムを渡される側の倫理観が終わっているため外道味はやや薄くなっている。


◆うさぎ*2
アリスの相棒兼使い魔。二頭身のウサギの姿をしている。

アリスと一緒にいて彼女がアイテムを説明するときのアシスタント役をしている。それ以外ではアイテムを渡した人間の動向を見守っている。割と口調がぞんざいでありアリスにツッコミを入れることも多い。

物語的には読者目線なのか意外と作中で感情的になることが多い。アイテムを悪用したものに対し怒りを見せたり、アイテムで斜め上の惨事を起こしたものにドン引きしたりしている(逆にアリスは滅多なことがないと感情を荒げない)。

なお厳密には特定の名前を持っておらず、名無しのウサギとされているが作者は「豆大福」と呼称しており正式な本名にしようとしたがうさぎ本人に却下された

番外編を見るにアリスのことは結構大切に思っているらしい。


◆ハートの女王
アリスたちの住む不思議の国の女王。アリスがおろかな人間を苦しめるのは彼女の命令によるものらしく、時折自分からアイテムを渡すべく出向いていくこともある。
冷酷な性格でほとんど感情を表に出さないが、うさぎ曰くアリスには時々「寂しい目」を向けているとのこと。
3巻、8巻、番外編と計3回しか登場していないレアキャラ。



【アイテムリスト】



◇1巻



◆美髪さんのリボン

「A」のイニシャルがかたどられたリボン。これを装着すると、肌のただれ落ちた都市伝説上の怪異「美髪さん」に変身できる。外すと元に戻る。
後述の「妖怪キャンディー」と比較すると変身できるものは1種類だが、変身自体は手軽で回数制限もなく元に戻れなくなるリスクも皆無なところは利点と言える。

使用者は根岸雫という小学生。オカルト好きだが声が小さく友達がいない。アイテムを貰い自作自演で噂を流し人気者になった。



◆身代わり人形

ドール系の人形。望みを唱えると人形が代わりにやってくれる。

使用者は柴崎ルリ。成績のいい少女であるが実は内心クラスメイト達を見下している。



◆ビューティーペンシル

消しゴム付きの鉛筆。この鉛筆で写真の顔を加工すると本物の顔も同じように変わる。
例えばソバカスを消しゴムで消すと本人の顔からソバカスが消えたり、一方で線を顔一面に書きなぐるなどすると偶発的な事故により顔を負傷したりなどの現象が起こる。

使用者は大矢亜由。顔がコンプレックスで、クラスの美少女である芳花にいつも引き立て役に使われるためいら立ちを感じている。ちなみにこの芳花という少女、アイテムの力で美少女になった亜由にまず「整形ってつらかったでしょ」と言って周囲に悪印象を抱かせるなど性格が悪い。



◆理想ドール

目の部分にボタンがかたどられた人形。この人形の顔に相手の名前を書き、体に望むことを書くとその人格が変えられる。
文字を書くこと以外でも本人に影響を与えられるようで、人形が燃やされると本人も重度の火傷を負うなど同じ目にあう。

使用者は和泉琴葉。翼という彼氏がいるのだがいつもドタキャンでデートをサボるため不満を抱いている。アイテムを使い翼が自分だけを大切にするよう人格を改造していった。



◇2巻


◆よいこポイント

ハートを組み合わせた形のカード。欲しいものの名前を書くと必要ポイントが表示され、良いことをするとポイントがたまる。そして必要ポイント分溜まると欲しいものが手に入る。ペンケースの場合100ポイント必要で、皿洗いをすると10ポイント溜まる。

使用者は村上果林という小学生。いつも三人組で遊んでいるが、自分だけお金がなくグッズをお揃いに出来ず悩んでいる。
そんな中「よいこポイント」を貰いこれの効力でグッズを手に入れるようになった。



◆真実の香り

香水型のアイテム。かけられた相手は思っている本音をすべて口に出してしまう。

使用者は川本亜美。正義感の強い中学生で、親友の千景がクラスメイトの鮎莉にいつもからかわれていることを気にしている。千景が気弱で本音を言えていないのだと考えアイテムの使用を決意した。



◆交換イヤリング

白と黒で対になるイヤリング。2人でつけるとお互いの体が入れ替わる。お互いが強く「元に戻りたい」と考えると元の体に戻る。

使用者は白石愛梨。キラキラした美人の姉の姫花と対照的に外見も内面も地味な自分を疎み、姉を憎んでいる。
体を入れ替えた後、姫花の彼氏である佑について「近づくな」と言ったり、佑から貰ったぬいぐるみを破壊したりと、姫花の様子がおかしくなるが……。



◆よみがえりスイッチ

片切スイッチの形をしている。生物の背中に着けスイッチをオンにすることで一時的にその生物をよみがえらせる。

ただし用途は最後のお別れを言うためのもの。よみがえるものの死んだ直前までしか戻せず、スイッチを切らなければ苦しみが増していく。飽くまで不慮の事故で突然の別れを迎えた相手に対しきちんと区切りをつけるためのアイテム。

使用者は生田一希という病気がちの小学生。学校に行っている間に愛犬のチビがなくなってしまいこのアイテムを使った。どうしてもスイッチを切る覚悟が出来ず悩んでしまうが……。



◇3巻


◆あやつりバサミ

クラシカルな形をしたハサミ。これを持つと自分と相手の間に糸が見え、それを切ると相手は何でもいいなりになってしまう。

使用者は宮下杏奈というワガママ女子。親のつくった夕食に文句を言う・先生にタメ口・掃除中にケータイいじる・それら注意されると逆切れとものの見事にワガママ。少しでも自分に逆らう人間全員にこれを使った。



◆チャンスのリップ

想い人の名前が刻まれたリップ。塗るたびに名前が刻まれた相手と近づくチャンスが生まれる。ただしリップが壊れると名前を刻まれた相手が死んでしまう効果の割にリスクがデカすぎる。

使用者は水野絵麻。篠田くんという男子が気になっているのだが、彼が親友の小春とばかり話していることに嫉妬心を抱いている。そんな時にアリスからリップを貰い、彼とお近づきになろうとする。



◆消滅チケット

トランプの形をした1枚のチケット。貼り付けた相手を消滅させるというシンプルに物騒な能力を持つ。

使用者はありさという子役の少女。子役になってから親が金目当てで厳しくなったことに心を痛めている。子役仲間の友人に励まされつつ、また親と仲良くなりたいと考えている。そんな中赤の女王からチケットを貰った。



◆夢幻アプリ

カメラ用途のアプリ。頭にかざして理想のシーンを想像することで、その想像通りの写真を撮ることが出来る。

使用者は戸田未久。SNSが好きだが映える写真を撮ることが苦手であり、イイネ数が多い友人たちを憧れている。



◆命の天秤

両端に黒と白のハートの付いた天秤。黒の天秤を下に下げることで、対象の相手と家族を入れ替えることが出来る。ただし元の家族に接すると黒の天秤が崩れていき、*3すべて消えると使用者が消滅する。

使用者は平山小夜。家が貧乏で母がほとんど家事も仕事もしないので苛立っている。対照的に友人の由奈は家が金持ちであり、羨ましがっているところでアリスからアイテムを貰った。



◇4巻


◆早送りリング

宝石とリボンのついたブレスレット。宝石の部分はボタンとなっており早送りしたい時間を思い浮かべてボタンを押すとその時間が早送りできる。例えば宿題を思い浮かべてボタンを押すと一瞬で宿題が終わる。

使用者は遠藤ほのか。何をやってものろまで周囲からバカにされている。アイテムを貰った後はその力で陸上部に入った。努力家のエースの月島さんを「必死に頑張っちゃてバカみたい」と言うなど傲慢になっていった。



◆聞き耳かざり

ハートのイヤリングの形をしている。気になる人の方に意識を傾けるとその人の話している言葉が距離関係なく聞こえる。アリス曰くこのアイテムで聞いたことは絶対に人に話してはいけないらしい。ただし、紙に書いて見せることで他人に伝えることは問題ない模様。

使用者は天野詩織といううわさ好きの少女。バスケ部の白石くんに片思いしており、彼がマネージャーの涼花と仲がいいため情報を集めたがっている。



◆時をかける時計

懐中時計の形をしている。使うことで時間を巻き戻すことが出来る。その代わりアリスに人生で大切だと思う時間を対価を支払わわなければならない。

使用者は珍しく不明。物語は岸本雪菜というバレエ少女の目線で進む。親友のひまりと共にオーディションに参加するがいきなり彼女に背中を押され大けがをしてしまう。彼女を恨んでいる中いきなり時が戻った



◆不思議の国のスマートフォン

トランプを模したスマートフォン。話しかけると持ち主が行くべき場所を教えてくれる。例えば「お金が欲しい」と言うと地図アプリが起動し落ちている場所を示す。

使用者は菊田のどか。優柔不断であり片思いの蒔人くんとどうすれば仲良くなれるかいつも悩んでいる。ちなみに「お金が欲しい」とアイテムに言ったところ、母親のヘソクリを見つけたので迷わずスッた。



◆平等の鐘

小さなベルの形をしている。鳴らすことで世の中を平等な世界に変える。作中では国民の貯蓄や服装が全て平等な同じものになる世界へ変貌した。

使用者は宇佐美リナ。家でウサギを買っているためお小遣いがほとんどなく、お金に余裕のあるクラスメイト達を羨んでいる。ムシャクシャしてウサギに八つ当たりしていたところでこのアイテムを貰った。すべてが平等で何も心配のない世界をリナは楽しんでいくが……。



◇5巻


◆ビューティーキャンディー

宝石型の3つのキャンディー。食べると本人の思う理想の姿に少しずつ近づいていく。ただし食べるごとに「運動神経」「知力」「人間性」と内面の能力を失っていく。

使用者は松村文乃という地味な外見の少女。一見人のいい少女で周囲からの人気は高いが実際は「ブスでも目立つために努力しているだけ」と考えている。実際迷い犬を見かけた際周囲に誰もいなかったので見捨てようとした。楽して人気者になりたいと考えているときにアリスからアイテムを貰った。



◆ライフフィルム

映写機型のアイテム。このフィルムには対象の人生すべてが刻まれている。そのためこのフィルムを早送りすることで人生を好きな地点までスキップできる。ただしスキップした間の時間の記憶も失われる。逆再生しようとするとフィルムが破れ人生が終わってしまう。

使用者は岸本仁奈という小学生。常に母にお小言を受けており束縛されない大人になりたいと考えアイテムを使った。その力で高校生なりバイトを始めるなど小学生の時よりも自由な時間を楽しんでいく。



◆無限BOX

宝箱の形をしたアイテム。これを持って自分の持ち物の名前を言うと、大きさ関係なく箱の中に収納することが出来る。逆に箱の中に手を入れて取り出したいものを思い浮かべると取り出せる。

使用者は菅原梓。片付けが苦手で母に小言を言われることが多くこれを使い部屋の収納に役立てた。だが徐々に増長していき「嫌われ者なんてこの世に必要ない」と嫌いなクラスメイトを無限BOXに閉じ込めようとする。



◆スーパー委員長バッジ

「学級委員」と書かれたバッジ。これをつけて命令すると相手は逆らえなくなる。ただし相手の心は操れずあくまで逆らえなくするだけ。

使用者は津山優里。学級委員長であるが誰も言うことを聞いてくれず「無能」と言われている。ブラックアリス主人公の中では比較的まともな人格の持ち主。だが道具の力におぼれ逆らう相手に罰則を命じるなど考えがゆがんでいった。



◆自分みがき人形

使用者と同じ姿をした蝋の人形。使用者の体と連動しており、表面を磨くと使用者の肌が輝き、人形を削ると体型が変わる。

使用者は西原桃花。ぽっちゃり体型で肌荒れがひどいことがコンプレックス。やせたことでクラスメイトの美恵と文化祭のシンデレラの役を争っていく。なお両者同じくらい性格が悪く、いちいちスタイルのことでマウントを取り合っていた。



◇6巻


◆あやつりネイル

毒々しい色のネイル。これを指につけると、使用者の思った通りに指が動いてくれる。「宿題をやりたい」と考えると手が勝手に宿題をやるなど。ただし一度ネイルを落とすともう使えなくなる。

使用者は永野明音。目立ちたくて新入生歓迎会のピアノ伴奏を引き受けたが元来の努力嫌いのせいで全くうまくならない。そんなときにアリスからアイテムを貰った。



◆子どもクレジットカード

使用者の名前と支払方法が書かれた黒いカード。お金以外で使用者が持っているもので支払いをすることが出来る。対価は学力・体力・美貌と何でもいい。

使用者は金田友恵という小学生。気前良く周囲に物をあげて人気を稼いでいる。そのためカードの支払方法も「人望」にした。

なおカードの付随品で人間ウェブショッピングが使えるようになる。なにそれ怖い。例えばこの店で売られているきれいなお母さんを購入すると使用者の本物のお母さんと入れ替わる。これで友恵はためらうことなく両親を美人に変えた。



◆おいしいスパイス

瓶に入ったスパイス。これをかけた食べ物はなんでも美味しく食べることが出来る。

使用者は成瀬千沙。食べ物に好き嫌いが多く給食ではいつもこっそりトイレに捨てている。クラス全体で好き嫌いが多いため千沙はこれをみんなで使うようになった。



◆真実のマスク

小さなリボンのついたマスク。*5このマスクをつけて言った言葉は全て事実になる。ただし5回しか使えずマスクを外すとリセットされる。

使用者は生徒会役員の塚本柚月。追いつめられると咄嗟に嘘をついてしまう癖がある。ただし幼馴染の陸だけは彼女のどんな嘘でも見破ってしまう。ブラックアリスでは相当貴重なラブコメ成分。陸に片思いしているが仲が進まないことに焦りアイテムで「自分たちは付き合っている」という事実を作った。



◆ヒロインのしおり

ハートの付いたしおり。このしおりに物語の題名を書くと、その物語の主人公に変身して話に入ることが出来る。

使用者は岡田結芽。ものぐさな少女でいつも部屋を散らかして母に怒られている。絵本が好きで憧れていたところアリスにアイテムを貰った。


◆どこでもパスandペン

「ちゃお」2020年5月号で開催された読者参加型企画「アリスからもらいたいアイテム」として読者から募集したオリジナルアイテムでグランプリに輝いた読者考案のアイテム。「真実のマスク」の表紙でイラスト化されている。
リングで留められた6枚綴りのハート型のメモ帳で、「行きたい場所」を書けばそこに30分だけ行けるようになる。ただし、同時に「帰りたい場所」も書かないと帰れなくなってしまう。
歩いたりなどして自力で帰れる場合でも適用されるかは不明。また、「帰りたい場所」に本来自分がいた場所でない場所を記入したら実質1枚で2箇所に行けるようにも見える。
イラストにはなったものの、このアイテム自体が登場するエピソードは残念ながら描かれていない。


◇7巻


◆封印のメモ

カギ型のアクセサリーが付けられたメモ帳。これに消したい記憶と消したい相手の名前を書くと記憶が消えてしまう。ただしカギが壊れるとすべての記憶が戻る。

使用者は高山日菜子というプライドが高い少女。片思いの空に告白したところもう彼女がいる上にその相手がクラスメイトの利美であると知ってしまう。フラれたことを無かったことにするためにアイテムを使った。その後はアイテムを悪用し2人が付き合っているという記憶を無かったことにしてしまう。



◆お友だちアンドロイドゲーム

リアル育成ゲーム。小さな人形の形をしていて背中のボタンを押すと人間の姿に変化する。ただアンドロイド故に最初は感情がなく使用者がきちんと教育しなければ徐々に歪んだ人格になってしまう。もう一度背中のボタンを押すとリセットされ人形の形に戻る。

使用者は森崎久美。このアイテムを使い「アン」という友達を作った。アンは素直な子だが倫理観をまだ理解しておらず、久美が「お金が欲しい」と言った時には彼女の母の財布をスッていた。それに対し久美は「バッカじゃないの!? 財布ごと盗んだらすぐバレるんだから中身だけ取らないと!と教育した。



◆注目スマホ

ピンク色のスマートフォン。これで撮った写真をSNSに挙げると注目が何倍にも膨れ上がっていく。

使用者は砂山千晴。SNSが好きだがイイネを集めることが苦手。前にも似たようなキャラがいたような……。最初は地道にやっていたものの人の陰口を扱った投稿の方が伸びやすいと気が付いていく。そのため虚偽の情報を流してでもイイネを集めるようになっていった*6



◆もしもミラー

手鏡型のアイテム。鏡にもしもの未来について語りかけると、その場合の映像を見せてくれる。

使用者はサッカー部のマネージャーである田崎絵未。部活仲間の慧に片思いしているが優柔不断なこともあり話しかけられていない。彼は同じマネージャーの美咲と仲がいいためモヤモヤしている。



◆取り換え仮面

古風なデザインがされた仮面。自分の顔がいらない人間からアリスがもらったものであり、身に着けると顔が変わる。仮面は一度外すことは可能だがもう一度装着すると二度と外せなくなる。

使用者は桜野千景。自分の顔がコンプレックスで母にキツく当たっている(言った後に後悔したが)。美少女の仮面を貰い家出をしてアイドルとして生活を始める。



◇8巻


◆見返りチャーム

ハート型のアクセサリー。これを身に着けて誰かの手助けをするとその相手からお礼としてほしいものがもらえる。先に欲しいものについてアクセサリーに唱えなければならない。「ケチがお母さんがお小遣いをくれる」という描写があるのである程度行動を操る力がある模様。

使用者は戸塚愛莉という小学生。クラスメイトの和馬の誕生日プレゼントとしてゲームを買ってあげるためにチャームにお金を願った。なおクラスメイトの佐和子を助けた後、彼女が財布を落とすのを見かけたが、「これが今回の報酬なんだ」と解釈し黙ってもらっていった



◆女王様のヘアピン

王冠の形をしたヘアピン。これをつけると周囲の人間は使用者を「女王様」と呼び何でも従ってくれる。アリスの精神操作系のアイテムでは珍しく心まで操れる。

使用者は葉月結乃。文化祭のクラスリーダーになったが内申点目的なので実力が伴っておらず、クラスメイトにも見抜かれているため嫌われている。アイテムを得た後は、文化祭のために親の金を盗むクラスメイトを見てご満悦であった。



◆自由への手帳

「A」とかたどられた手帳。これに自分の望むルールを書くと学校の校則を強制的に変えさせる。ルール上OKになるだけで生徒たちがそのルールをどう感じるかはまた別の話。

使用者は倉持由羽。自由が大好きであり校則を守らせようとする先生たちに疑問を抱いている。このアイテムを使い「服装自由」「髪型自由」「タメ口OK」とルールを好きなように変えていった。



◆幻惑の首輪

リボンのついた首輪。これをつけると相手に幻覚を見せることが出来る。

使用者は不明。物語は盛岡咲花とレオの2人のデートの様子が描かれる。なお咲花はデートの前に猫を自転車でひき殺しそのまま逃げた。



◇9巻


◆理想のペン

このペンで絵を描くとその中に入ることが出来る。絵の中に入ると描いたものと自分しかいない世界が形成される。逆に絵の中の存在が現実に抜け出すこともできる。

使用者は美術部員の桐谷満里恵。朝陽という少年に片思いして美術部に入ったがあまり仲良くなれていない。そんな時にアリスからアイテムを貰い絵の中の理想のアサヒと遊ぶようになった。

アサヒは本物とは似ていないが満里恵が大好きで彼女の理想通りの存在になろうとしている。特に「いつも君のそばにいるよ」と言ってくれることが満里恵の理想と聞きそれに近づこうとしている。



◆ミニチュアフレグランス

香水型のアイテム。これを振りかけたものはミニチュアになってしまう。ミニチュアになっている間は対象の時間が止まる(花が枯れなくなるなど)。香水なので水で流すと元の大きさに戻る。

使用者は高瀬花蓮という美少女。自分と父は美人であるが、母と妹はブサイクなためいるもバカにしている。中盤では彼女たちにイラつき2人をミニチュアに変えてしまった(その場に放置するなど普通に殺す気だった)。



◆ヘルプナビ

スマートウォッチ型のナビ。近くにいる助けを求める人の居場所・名前・レベルが表示される。

ここで表示されるレベルは助けた際の注目度のこと。言い換えると対象を「助かってほしい」と思う人がどれだけいるかになる。助けを求める相手が今にも死にそうであったとしても注目度が低ければレベルも低い。

使用者は星川泉。表向きは親切な少女だが実際は周囲にちやほやされるために人助けをしている。不良生徒を相手にしたときは(相手にも非があるとはいえ)冤罪をかけて退学にさせた。



◆妖怪キャンディー

ハートと丸形の2種類のキャンディー。ハート形を食べると妖怪に変身でき、丸形を食べると人間に戻る。

使用者は七瀬加栄という小学生。友達の気を引くためにいつも怪談のホラ話をしている。クラスメイトの里緒奈にバレそうになった時にこのキャンディーを貰った。



◆チェンジクリスタル

丸形の宝石。これを相手に向け欲しい体の部分を唱えると、自分と相手でそのパーツが入れ替わる。ただし一度交換した人とは二度と交換できず、クリスタルが壊れるとすべてリセットされる。

使用者は芦名遥花というぽっちゃり女子。モデルのシオンに憧れているときにこのアイテムを貰った。その力で自分とシオンの全身を入れ替える。



◇10巻


◆勇気のカケラ

瓶に入ったガラスのような透明のカケラ。食べると勇気が出てくる。ただし一度にたくさん食べてはいけない。

使用者は田崎望乃。クジ引きで風紀委員に選ばれたものの、臆病なせいで他人に注意ができずに悩んでいた。
そこで役に立てないぶん休み時間返上で書類仕事をするなど、この漫画では割と珍しく責任感があって善良だった使用者。
同じく風紀委員の川井に想いを寄せているが、彼は物怖じしない性格の草野由良に惹かれており、複雑な胸中を抱えていた。




◆ともだちコントローラー

5つのハートが付いたバングル。バングルに手を重ねて願いを言うと相手がその通りに動いてくれる。ただし願いは5つしか使えない。

使用者は石橋ルカ。入学初日に大熱を出して友達を作れず、いつも無愛想な由紀としかつるめていない。アイテムを貰い「私としゃべってよ」「無表情はやめて」「友だちのためならムリくらいしなさいよ」とお願いした。

由紀はアイテムで操られて以降何故か日に日に怪我が増えていった。先生もうちょっと気にしてやれよ。それを見たルカは「心配なの!! もっと大ケガしたら…もし由紀が死んじゃったら私…私…ボッチじゃんと心配していた。



◆やすらぎのタネ

人のストレスを基に成長するタネ。人間にまくと相手の強いストレスに応じて芽が出る(ただし芽は使用者にしか見えない)。
芽が出ている間は怒りや悲しみなどのストレスを感じなくなり、とても穏やかになる。
喧嘩の仲裁などに有効だが、最低限感じられなければ困るような負の感情*8まで完全に吸い取り封じ込めてしまうため、その場を収めたあとは芽を抜いてあげなければならない。

使用者は内藤由果。争いを嫌うおせっかいな性格で、他人が喧嘩していると仲裁せずにはいられない。しかし争いを止められる力がないことに悩んでいる。



◆名前シール

よくあるマジックで名前を書けるタイプのシール。これに名前を書き欲しいものに貼ると自分のものになる。正確には元々の持ち主が、貼ったものが名前の書いた人物の所有物であると認識するようになるシステムで、第三者は普通に違和感を覚える。

使用者は古原つぐみという小学生。幼い頃から親友の沢城咲と比べられて「地味」などと呼ばれることに劣等感を抱いている。
アイテムを貰ったあとはその鬱憤を爆発させ、アイテムを悪用して咲に嫌がらせをするようになってしまった。



◆透明キャンディ

丸形のキャンディ。これを食べると衣服含めて透明人間になれる。ただし1日1回1時間しか使えない。

使用者は自称新聞部の斎藤多恵「えらそうにしてるやつが落ちる様を見るのってほんっと楽しい」と豪語し、好き放題に他人のゴシップをばらまくわかりやすいクズ。
生徒会に注意を受けたことで逆恨みしアイテムの力で弱みを見つけようとする。



◇11巻


◆まき戻しカメラ

デジカメ型のアイテム。このカメラで写したものは10秒前の姿に戻る。物を壊しても10秒以内なら元の形に戻せる。

使用者は松浦リリア。極端に自制心が弱く、気に入らないことがあるとすぐに暴力を振るったり、お金がないのに買い食いをしようとして友達にタカったりするかなりの問題児。
友人のあゆみからも度々その振る舞いを咎められているが一切顧みる様子はない。



◆ともだちの糸

ソーイングセット一式が入っている。これを使いぬいぐるみなど無機物に自分の名前を縫うと、命が宿り友だちになってくれる。

使用者は谷本ココ。極端な人見知りで友達がいない。心を許せるのは小さい時に買ってもらったぬいぐるみのちゃ太郎だけ。アイテムの力でちゃ太郎に命が宿り、念願のちゃ太郎との会話ができるようになったことを喜んでいた。



◆エンジョイカチューシャ

花飾りのついたカチューシャ。やらなければならないことを念じながらつけると、その作業が楽しくてたまらなくなる。
ただし1日3時間までという時間制限がある。1時間ごとに花飾りが1つ落ち、タイムリミットを知らせてくれる。

使用者は高松恵。自制心が弱く、自分が楽しいと感じること以外には集中できないタイプ。



◆お見通しメガネ

メガネ型のアイテムでこれをつけると相手の心の中が見えるようになる。

使用者は横山心涼。陰口を言われることが何より嫌いでありいつも周囲の顔色をうかがっている。自分とは正反対に率直にものをいう一恵が苦手。



◆年齢のベル

数字の書かれたベル。このベルの音を聞いた人間は数字の年齢まで肉体・精神共に若返ってしまう(数字は自由に変えられる)。ベルが壊れるとすべてが戻る。年齢を変えられた本人はそのことを自覚しておらず元の年齢だった頃の記憶もある様子がない。

使用者は杉山麻央という小学生。大人たちがルールで自分を縛るのを嫌っている。ベルを使い自分に逆らう大人をすべて子供に変えていった。



◇番外編


◆シャドウアシスタント

紙で出来た小さな人形。これを影に吹き付けると使用者のドッペルゲンガーが現れる。このドッペルゲンガーは使用者の命令を何でも聞く。ただしダメージがフィードバックするというデメリットがある。

使用者は川居ユウというYoutuber。学生でありながら登録者数1万越えという何気にすごい人だがその分高飛車。アイテムを使いドッペルゲンガーに無茶な企画をやらせるようになった。



◇WEBアニメ版


◆人生コントローラー

ピンク色のゲームコントローラー。リアル人生でセーブ&ロードが出来る。〇がセーブで△がロード。ただし×ボタンを押すとデータが全て消えてしまう。□ボタン「俺の存在意義は?」

使用者は橘すず。クラスメイトの綾瀬くんに片思いしている。アリスからアイテムを貰いセーブとロードを繰り返し仲良くなっていった。



◆痛みをなくすボディクリーム

ピンク色のクリーム。これを塗るとあらゆる痛みが消えてしまう。腹痛でも腹の上から塗れば痛みが消えるという優れもの。ただし体内に入れてはいけない。

使用者は有田美月。バレー部に所属しているが痛いのが嫌いで我慢できずよくサボっている。アイテムを貰った後は痛みを気にしなくていいので活躍するように。




【ボイスコミック版】


ちゃおが時折行っているボイスコミック企画として登場。扱われたのは第1話『美髪さんのリボン』。
2018年に前後編で配信される。その後前後編をまとめた完全版が配信された。

アリス役は田村奈央。ロリロリした外見に反してアリスの声がお姉さんっぽいのが特徴。


【WEBアニメ版】


2021年に公式チャンネルから配信された。フルカラーの静止画(たまに動く)に声を付けたもの。

サブタイトルは以下の通り。
  • 「ブスすぎw」と笑われていたJKが、ある日突然学校1の美人になった結果(ビューティーペンシル)
  • 「お前のこと以外考えられない…!」彼氏を禁断の方法で依存させたJKの末路(理想ドール)
  • 学校1美人の姉とブサイクな陰キャ妹が入れ替わったらどうなるのか(交換イヤリング)
  • セーブとリセットができるようになるとどうなるのか?(人生コントローラー)
  • 地味JKが磨けば磨くほどキレイになれる魔法の人形を手に入れ、シンデレラ役に抜擢!?と思いきや…衝撃の結末に!(自分みがき人形)
  • 貧乏な家庭を捨て、お金持ちを選んだ娘が泣いて後悔した衝撃の理由とは…!(命の天秤)
  • 痛みを感じなくなるボディクリームを使い過ぎたJCの末路(痛みをなくすクリーム)

何があったんだと思うサブタイトルだが、同じく小学館の児童誌『コロコロコミック』のWEBアニメ版のサブタイトルのつけ方と同じなので合わせたのだと思われる。ちなみに同じくWEBアニメ化したちゃおホラー作品『人間回収車』も同じようなサブタイトル。*10

『人生コントローラー』と『痛みをなくすクリーム』はアニメオリジナル。7話中2話アニオリ回なので意外と豪華。

こちらのアリスの声はノンクレジットなので不明。ボイスコミック版とは対照的に幼い声色になっている。


【余談】


なかむらさとみ先生は『ブラックアリス』以外にも時折短編ホラー描いている。それらについて紹介。大体が「おろかな人間」か「不思議なアイテム」が登場する。


◆ビューティーサプリ(ちゃおデラックス2015年7月号/ブラックアリス1巻)
主人公は姫宮美麗という周りからブス扱いされている少女。自分の外見を疎む中謎の男によって2種類のサプリメントを渡される。外見をキレイにするサプリと内面をキレイにするアプリだがどちらかしか使ってはいけないらしい。外見サプリを選んだ美麗は美人になり周囲からちやほやされていく。

◆いつでも一緒(ちゃおデラックスホラー2016年3月号/ブラックアリス1巻)
岡野玲花は小さい時から友人の丸山静奈に執着されており他の友達を作れていなかった。静奈が転校したので新しい友達を作ろうとするが、静奈は転校先からでも自分に対し独占欲を見せる。
見どころは話のタネにとりあえず静奈の陰口で盛り上がろうとする玲花。

◆リサイクルアプリ(ちゃおデラックス2015年11月号/ブラックアリス2巻)
いつも金欠の彩月はある日『リサイクルアプリ』という謎のアプリを手に入れる。それは写真に撮ったものをその場で換金できる不思議なアプリだった。
見どころは飼い猫を換金したら割と高価でテンションが上がる彩月。

◆クサリ女(ちゃおデラックスホラー&ミステリー7月号/ブラックアリス2巻)
キレイな服が好きな小学生の紬は洋服好きの女性と出会い、特別な服を作ってもらうことに。そんななか学校では『クサリ女』という怖い話が流行していく。

◆みがわりアプリ(ちゃおデラックスホラー2014年3月号/ブラックアリス3巻)
モデルの少女美由はある日『身代わりアプリ』という謎のアプリを手に入れる。このアプリを使用すると自分の分身が代わりに生活をしてくれ、その間自分はアプリの中の豪華な部屋で休むことが出来る。いつも気苦労が絶えない美由は分身に生活を変わってもらう。
見どころはライバルモデルの因縁付けを「しょせん負け犬の遠吠え」と切り捨てる美由。

◆欲しがり石像(ちゃおプラス2024年8月2日/単行本未収録)
小学生の池崎みちるは夏休みなのに親にどこにも連れて行ってもらえず不満を抱えていた。仕方がなく友人の奈々と過ごす日々。そんな中近所に「お供えものと引き換えにひとつだけ願いをかなえてくれる石像がある」という話を聞く。
見どころは自分のせいで奈々の両親が死にかけているのに「もし奈々の親が死んだら…一生罪悪感に苛まれるかも…」と考えだすみちる。

◆コイカツ!幽霊!!(ちゃおデラックスホラー&ミステリー2014年10月号/単行本未収録)
病弱な押原杏は学校に行くことを夢見ていたが叶わず無くなってしまった少女。そんなこともありギャル系幽霊になっていたが誰にも自分が見えず青春出来なかった。ある日霊感少女の奈津と出会い彼女の恋を応援しようとする。


このように大体が「おろかな人間」または「不思議なアイテム」要素がどこかにある。最新作「欲しがり石像」でもおろかな人間を登場させたため作風として貫いていくのかもしれない。

この中で例外的なのが「コイカツ!幽霊!!」。ちゃおホラーに偶にあるオカルト要素はあるがホラー要素はない箸休め的な作品。おろかな人間は特に登場せず爽やかなオチを迎えるなど今の目で見ると、なかむらさとみホラーの中では異端の存在。そのためかそれなりに古い(この中では時系列的に2番目)にも関わらず、未だに単行本に収録されていない


追記・修正はアイテムを正しく使える方がお願いします。

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最終更新:2025年05月02日 19:51

*1 人間のフリをする際に、小学校高学年の少女に「お姉ちゃん」と呼びかけることから

*2 物語中では基本的にひらがな表記。稀にカタカナの「ウサギ」と表記される

*3 道端ですれ違うくらいならセーフ

*4 遺失物横領罪と詐欺罪に問われる立派な犯罪である

*5 掲載されたのは「ちゃお」2020年8月号。狙ったかは不明だが当時コロナ禍でマスクの使用が広まり世の話題になっていた時期である

*6 先生がビール缶のゴミを拾った写真を「先生が仕事中に飲酒」と書くなど

*7 満里恵と本物の朝陽の中に嫉妬するなど直前からおかしくなっていた

*8 「成績が下がったことへの不安」や「ペットが死んでしまったことへの悲しみ」等

*9 この理屈なら意識を失った患者もまともに治療できないことになる

*10 恐らく制作会社が同じであるため動画の構成も似通ったものとなっている。