時間をセーブ&ロードできる能力を手に入れた少年。母子家庭の模様。
その力で時間を行き来し、結果を知るが故に有利な選択を選べる順風満帆な生活をエンジョイしていたが…。
能力で手に入れた1億円を使って海外旅行へ向かう道中で飛行機事故に巻き込まれ、飛行機へ搭乗してまもなくにセーブしてしまったことにより成す術もなく詰んだ(死んだ)。
余談だが、第1話ということでナゾの宝石商のルールを読者に知らしめる役割を背負わされているため、
姿を現したラピスが助けに来てくれたと考え、もう一度ラピス・ラズリの力で助けてもらえると思い込んでいたところ、
ナゾの宝石商のルールを突きつけられてぬか喜びに過ぎなかったことを思い知らされる。
迫りくる死を回避できないという事実を前に呆然としつつも、受け入れざるを得ないと悟り半狂乱にはならず黙り込み、
巻き込んでしまった母へ謝罪した直後に墜落死という、何ともヘビィな最期を晒す羽目となった。
「セーブ&ロード」
優の両手の甲に浮き出たスイッチ。左手が
セーブで右手がロード。
左手を押せば任意でセーブでき、その後に右手でロードすればセーブした時間と場所へ戻れる。ただしセーブデータは1つのみ。
タイムベントとよく似ているがセーブ枠は1つしかないため、新しくセーブすると過去のセーブ地点には戻れなくなるのが欠点。
よってセーブするタイミングを見誤ると、取り返しのつかなくなる事態になりかねないので使用タイミングの見極めが肝心。
ちなみに、人生の分岐点をセーブポイントにしてその時間まで「リセット(ロード)」してくれるキャラが狂言回しの『リセット』なんて漫画が先行作品であるのだが、
そっちの方ではロード回数&場所が凄まじく限定される代わりに、大体半数以上は普通に生還できていたりする。
自らの
分身を作り出す魔法の鏡を手に入れた少年。
純朴そうな顔を持ちながら、やりたくないことを誰かに押し付けて自由気ままな生活を送りたいという
ゲスい願いを抱いていた。
能力によって得たドッペルと名付けた分身を好き勝手にこき使いつつ、
鏡の世界へ閉じこもり悠々自適に暮らしていたが、うつるの人生全てを気に入ったドッペルに成り代わられた挙句、魔法の鏡を海底へ投げ捨てられてしまった。
久遠回では彼の父親と思われる「鏡 われる」がちょこっと登場している。
「魔法の鏡」
もう1人の自分(うつるはドッペルと命名)を作り出すコンパクト式の鏡。分身は命令には忠実に従う。
分身が外にいる間は同じ姿を持つ2人による食い違いが発生しないよう、あらゆる食べ物や娯楽の揃った快適な鏡の中の世界で気楽に過ごせる。
俗世間と関わりを絶ちたい引きこもりから見れば理想の天国かもしれない(ただしネットなどを利用しても外界へ関わることは一切不可能と思われるが)。
鏡の中へは、鏡に姿を映した者とその分身…つまり、うつるとドッペルのみが出入りできるが体重の増減などで外観に変化が生じると分身との同一性を保てなくなるため、出入りが不可能となる。
動物が大好きなのに懐かれず、教育熱心で厳格な両親の言いつけによってペットも飼えない少年。
「何でもペットにする銃」を手に入れて動物園の動物たちと仲良くなり、1匹だけ
ライオンをこっそり持ち帰って飼育していた。
しかしペットの存在を嗅ぎつけた母親が保健所を呼ぼうとしたことに怒りを覚え、従順になる=何でも言うことを聞いてくれると思い違いをしたまま両親もろともペットガンで撃ってしまい、ラピスの指摘で両親を正真正銘のペット(愛玩動物)へと変えたことに気付いて絶望。
知能も何もかも動物同然となった両親の世話に追われて精神の限界を迎え、自らをペットガンで撃って家族共々ペットと化した。
「ペットガン」
どんなに臆病な生き物でも、そしてどんなに危険な生き物でも従順な愛玩動物へ変えられる銃。
あくまで「愛玩動物に変える銃」であるため、人間に向けて撃った場合、知能も動物同然になってしまう。
ゲームの世界へ自由に出入りできるバンダナを手に入れた、ゲーム好き少年。
彼のお気に入りはモンハンっぽいオンラインゲーム「モンスターバスターバーストエラーHD」。
まさに僕たちの願望を体現した主人公。
良くも悪くも負けず嫌いな性格で
データの不正改造を施していたユーザーへ対抗するため自らも不正改造を行うが、不正なチートプレイングの虜となってしまった末にそれが原因で現実世界で
バグ発生に見舞われ、
バグに身体を侵食されて消滅した。
不正を許せぬ正義感こそまっとうだったものの、対抗心に流されて自ら不正へ手を染めたのが運命の分かれ道であった。
真っ先にすべきだったのは自力で懲らしめてやろうとすることではなく、運営に通報してBANしてもらうことだったのだが…。
ある意味、上昇志向と対抗心の強いヘビーゲーマーの性だったと言えようか。
「ゲームバンダナ」
着けたままゲームをするとそのゲームの中に入れるバンダナ。外すと現実世界へ帰れる。
ゲームの中では自分にゲームのデータが反映され、一般人でもゲームキャラのように活躍できる。
芸真は自分が操作するアクションゲームをプレイしていたが、精神的ダメージを引き起こしかねない
ホラーゲームや、
プレイヤーの行動でシナリオが変化する
RPG・
シミュレーションゲームだとどうなるのか興味は尽きない。
問題点は潜入先のゲームで発生したバグが現実世界にも侵食すること。作中では不正改造によって発生したバグが原因となっているが、プログラムに起因するバグについても同様なのかは不明。
いつも雑魚扱いされている少年。
「どんなモノでもレアアイテムに変えるスプレー」を手に入れ、
それを自身に使用して念願の人気者になれたもののスプレーの使い過ぎが原因で周囲の人間の異常な所有欲および執着心を誘発させ、
「体の一部でもいいから欲しい」という欲求に駆られ凶器を持ち出してきた級友たちと実の親、そして居合わせた人間全員から命を狙われるという恐ろしい状況に陥ってしまった。
(ラストでは後ろ手に凶器を隠し持った級友たちが描かれているため、最終的に五体をバラバラにされたと思われる)。
これを使って金儲けしようとしなかったのは意外だが、それよりも普段から雑魚扱いばかりされている自分が人気者になれることの方が遥かに重要なことだったのだろう。
名前が酷い上に、1巻のチビキャラver.&アイテム紹介では唯一ハブられた。
作者も流石にまずいと思ったか2巻ではきちんと紹介された(カバー裏だけど)。
「レアスプレー」
どんなにつまらなくゴミのような物でも、かければ使用者以外の人にはものすごく貴重な物に見えてくるスプレー。
- 雑魚カード→持っているレアカード全部とトレードしたくなる
- 石ころ→持っている宝石を落としたことに気付かないほど凄い勢いで拾っていく
- 野良犬→ニュース番組で取り上げられて話題になる
- 自分自身→周囲から耳目を集めて一躍人気者になれる
ただし自分自身に使用した場合、大量に使い過ぎると他人の目には使用者自身が貴重でレアな「物」に見えてしまい、見た人の所有欲・執着心を増大させてしまう。
結果、「体の一部でもいいから手に入れたい!」という欲求に飢えた人間から命を狙われることとなる(自分以外の物や人に対してだとどうなるのかは不明だが、恐らく同じだろう)。
1巻の描き下ろし漫画に登場。いつもいじめられて怪我をしている少年。
スマフォに自らの身を守れる「バリアプリ」が追加されるが、アプリの脆弱性を不満に思って全身をくまなく覆う最強のバリアへバージョンアップした結果、空気から遮断され窒息死した。
「バリアプリ」
スマフォにダウンロードされたアプリ。
「バリアー」と唱えると、どんなものも通さない無敵で不可視の壁が展開される。ダウンロード当初は両手のみだが、バージョンアップすれば効果範囲を広げられる。
しかし最強ランクのバージョンアップ版は圧縮布団袋のごとく、
バリアが全身をみっちり隙間なく覆うため空気すら遮断されてしまう。
すなわち「バージョンアップ=窒息死確定」という、とんでもない欠陥アプリであった。
ぶっちゃけ使用者を騙す気満々の詐欺アプリも同然であり、これもラピスの悪意全開の地雷アイテムの1つである。
ラピス曰く「アプリ自体を削除すればバリアも解除される」のだが、死への恐怖や混乱と苦しみの中で気付くのは難しいだろう…。
正義のヒーローに憧れる小学4年生の少年。
自身も
ヒーローになることを望んでいるが、熱心すぎるがあまり友人たちからは「いい加減卒業しろよ」な感じで半ば煙たがられている。
「正義のヒーローに
変身できるベルト」を手に入れ、毎週日曜日だけの
正義の味方として戦うことになる。
しかし、怪人と戦った場所でなぜか必ず友人たちが重傷を負い病院送りになるという怪現象へ見舞われるようになり、怪人のデザインの一部には友人たちの外見的特徴を連想させるシンボルがあったことに気付いた直後、ラピスからアイテムへ秘められた真実を知らされる。
実は彼の戦った怪人は全てアイテムの力により強制的に怪人へ仕立てられた友人たちだったこと、
そして
自身が犠牲になるかあるいは怪人役にされた友人たち全員を犠牲にするまで、この番組は終わらないことを…。
極限の二者択一を迫られた末、正義は友の命ではなく自身の命を選び、良心の呵責に苛まれながら日曜日限定のヒーローを演じ続けることを選んだ。
恰好も変身ポーズもまんま
1号。部屋には
プリティでキュアキュアなヒロインのポスターが貼られている。
なお、死亡・発狂・社会的破滅がデフォであるこの漫画の中で心を折られ孤独に生きなければならないとはいえ、五体満足かつ精神も無事な状態で物語を終えたレアケース。
まあ今回のは珍しく使い方を間違えた時ではなく、
願って変化した時点で破滅確定の超地雷アイテムだから多少はね…?
また、入店前から店のことは噂話で知っており、作中の客の中では対面したラピスの醸し出す怪しさと危険な雰囲気を察知した数少ない1人だったのだが、
客が破滅の末路を辿ったことまでは噂話だけで分からなかったらしく、結局己の欲望には勝てなかった。
「ヒーロー変身ベルト」
『宝石戦隊ジュエルマン』のジュエルレッドに変身できるベルト。
大人の背丈まで伸び、並みの大人程度なら蹴っただけで吹っ飛ばせるほどの力を得るが変身できるのは
日曜のみ。
彼が変身すれば怪人も現れて暴れ回るので、ジュエルブラスターやジュエルブレードを駆使して倒そう!
その実態は「爆発が起きればバラバラに吹っ飛び、武器の一太刀で相手に物理的ダメージを与えられるようになるリアルヒーローごっこ演出装置」とでもいうべきもので、ヒーロー役の人間の友人など近しい人間を強制的に怪人役へ仕立てあげてしまう。
悲劇の連鎖を食い止めるためには自身がやられる(=死ぬ)か、友人たちを全て犠牲にして番組を終わらせるかのどちらかを選ぶしかない。
つまり「
究極の選択を迫られたヒーローの苦悩を地で味わわせてくれる」という、何とも素晴らしい一品なのであった。
クラスで一番足が速い少年。
年に一度、自慢の速さを発揮して自身が最も輝ける日である運動会を心待ちにしていたが、自分よりも速い転校生に負けてリレーのアンカーの座を奪われたことで嫉妬の念を抱き、彼を見返すため「倍速の速さで動けるブレスレット」を手に入れる。
しかし、短時間で睡眠を摂ろうとして
際限なく加速するのを望んだ末に全身が老化してしまい、運動会当日までそのことを気付けぬまま体操服姿で登校。
ラピスから「早回しにしていたのは時間ではなく人生」という衝撃的な事実を聞かされ絶望の中、小学生の体操服を盗んだ変態ジジイとして逮捕された。
ちなみにアニメの『
ドラえもん』でも倍速ブレスレットと似たような原理を持つ「自分だけ早回し時計」が登場している。
こちらは早くするだけでなく遅くする機能もついており、また隼人が陥った破滅もドラえもんが将来像として提示するのみで実現はしない。これが作風の違いか。
2年前に街へ引っ越してきた少年。
超能力に憧れており、「どんな場所でも
瞬間移動できるペンダント」を手に入れる。
彼もまた、
僕たちの願望を体現した主人公。というか実際に悪用して女湯を覗いたりしていた。
映画ジャンパーといいテレポーテーション能力者はどうしてこうもそろってゲスいんだ。
引越しで離れ離れになった友人たちにテレポートで再開し能力を見せびらかすが、死んだいとこ経由でラピスのことを知っていた1人から「いとこの二の舞になるから二度と力は使うな」と警告されるものの、それを自らの力を妬んでの嘘だと決めつけテレポートで立ち去る。
そして無意識に以前住んでいた自宅まで移動した後、大好きだったヘブンタワーの頂上階にテレポートで行こうとするもとっくに建物は取り壊されていたため更地となっていた場所の上空へテレポートしてしまい、テレポート直後の5秒間の発動制限が足かせとなってそのまま墜落死した。
法太を思いやっての警告が仇となってしまった友人だが、たとえ彼に再会せずともヘブンズタワーに行きたいと思い立った時点で死亡は確定してたので、彼に責任はないだろう…。
ちなみにそのいとこは第1話のラストに登場している。一体彼に何があったのか…?
「テレポートストーン」
行きたい場所を念じればその場所へ瞬間移動できる。ただし、次の移動の間まで5秒間を要するのが欠点。
写真で見ただけの場所にも行けるが、具体的な風景を確認してからジャンプしている点もジャンパーに似ている。
見た目は
エンジェルストーンや
ブルーウォーターみたいな感じ。
19世紀のスイスで煙突掃除として勤めていた真面目な青年。
稼ぎは芳しくなく、ボロ屋で数少ない食べ物を唯一の家族である
ネズミと分け合う
貧乏暮らしをしていた。
魔石商となったラピスの初めての客で、「入れると何でも増える壺」を手に入れる。
ツボの力を利用して
金持ちとなった後、欲張って金貨を極限まで増やそうとして一晩中ツボを稼働させ続けた結果、
増殖した金貨で天井まで押し上げられた挙句に天井と金貨から挟まれ圧死した。
「魔法の宝石で願いを叶える一族」のおとぎ話を知っており、ラピスを見ておとぎ話は本当だったのかも…程度に思っていたが、
死へ追い詰められた際にそのおとぎ話の結末が不吉だったことを思い出し、そしてその不吉な結末を呼び込んだ一族の掟を破った子供がラピス当人であったことに思い至り、恐怖と絶望の内に死んでいった。
「無限増殖の壺」
任意の物を入れると、次々と増殖する壺。
パンや懐中時計はもちろん金貨の増殖も容易いが、放置すると見る見る増えて部屋を埋め尽くしていくため取っ手を引っ張って止める必要がある。
任意で止められるだけまだ良心的だが、欲をかいて稼働させっぱなしにすれば当然危険な事態となってしまう。
おまじない・占いが好きな少年だが、男なのにおまじない好きなのを恥ずかしがって同級生には隠している。
「幸運が上がる絵の具」を手に入れて次々と幸運が舞い込んでくるも、欲張って全ての色を一度に塗ったことで「一生暗黒に包まれた人生を送ることになる色」になってしまい、
生きながらにして両方の眼球を抉り取られ失明するというエグすぎる末路を辿った。
この回のヒロインは可愛い。
「幸運の絵の具」
赤(恋愛運)・
青(仕事・勉強)・
黄(金運)・
緑(健康運)の4色が存在し、左手の薬指に塗ればそれに対応する運勢が上がる。
某エージェントと色のバリエーションが同じだが、あちらは運勢ではなく精神に作用するため差別化はできている。
通りすがりの人から何の理由もなく
お金を貰う、虫歯やケガが即座に治るなど明らかに運勢を上げているというよりも
何か歪んだ力が働いているような気も…。
ただし一色につき一日一回しか塗れず、
黒を塗ったら
一日どころか一生、暗黒に包まれた人生を送ることになる。
ちなみに重ね塗りをすると効果が追加される。更に珍しいことにフタの裏には説明文が載っている。
ただし、「黒を塗るな」と謳っておきながら肝心の黒は入っておらず「黒はないから大丈夫」という、言わば心理トラップが仕掛けられている点が地味に狡猾。
「色の混ぜ方次第で黒ができる」という、絵の具を扱う上での基本的な知識を忘れていなければ気付けたのだが…。
月コロの付録『ホラコロコミック』に収録された番外編(単行本では2巻収録)に登場。
宇宙人と友達になることを願った少年。
愛読書にあったペンダントを手に入れ、
UFOを呼び出そうと試みるが失敗。事故で地球へ漂着後、迎えのUFOを待つため人間のふりをして学校に通っていたエイリアンたちに「UFOを呼べる」と期待させた罰としてぶん殴られ、
更には気絶していた隙にエイリアンの1人である美少女・アンに拘束され、エイリアンへ
改造されて仲間に引き込まれてしまった。
改造後の肉体には人間への擬態能力も備わっているようで、その後も普通に日常生活を送れているようだ。アンと一緒にゲスト出演している13話では、友達になってとアンに頼んでいる望樹の姿を見て友達認定された結果自身に起きた一連のことを思い出したのか心配そうな表情を見せている。
「UFOペンダント」
トオルの愛読書にて宇宙人と遭遇した人物が身に付けていたペンダント。
結論から言うとUFOは呼び出せなかったが、すぐ傍に実在していたエイリアンと出会うことには成功した。
「客の望んだ通りの形で願いが叶うとは限らない」ことを端的に示したアイテムである。
2巻の描き下ろし漫画に登場。欲深い性格の少年で一つの願いを叶えるだけでは満足できず、言ったことが全て現実になる力を手に入れる。
過去の契約者たちの願いもラピスから聞いており、彼らのかつて叶えた願いも次々と実現させ、たった一つしか叶えなかった彼らのことをマヌケ呼ばわりすらしていた。
しかし不用意に「笑いが止まらない」と言ったことで本当に笑いが止まらなくなり、笑いを止めるための言霊を行使することもままならなくなってしまい笑い疲れて死亡した。
ページの都合上、1コマ目で契約成立された。
「言霊」
理夫の右手の甲に浮き出たエンブレムで、口にしたことをそのまま現実化できる。
どんなに無茶苦茶な内容でも言えばその通りになるため、普通なら絶望するしかない状況でもあっさり元に戻せたり他の能力を使って回避できたりと、その自由度の高さとリスクの少なさはまさに
神にも悪魔にもなれるチート能力。
調子に乗ってあっさり自滅するバカだったので世界は救われたが、彼が本物の天才だったら
新世界の神になっていたかもしれない…。
ただし劇中の描写から察せるように、何気無く口にしただけの言葉でも即座に実現してしまうので考えようによっては非常に危険である。
実際、能力を手に入れた直後にものは試しとイケメンの顔になったりお金を手に入れたりしているが、「お金が欲しい」「イケメンの顔になりたい」などと願望を口にした訳ではなく、「お金が手に入る」「イケメンの顔になる」としか言っていない。
死んだ原因からも分かるように、あくまで文字通り「口にしたことをそのまま実現化する」のであって、 「願望を実現する」訳ではないのである。
余談だが、コメディ番組を視聴中に笑いが止まらなくなったまま死んでしまった事例が海外に実在している。
ゲーム好きな少年で、ゲームクリエイターになるのを夢見ていた。
攻略法の分かっているゲームのように人生を楽に送りたいと願い、「人生の攻略本」を手に入れる。その結果自らが描いた通りの人生を送ってゲームクリエイターとして大成し、家庭も何もかも恵まれた大人になった。
しかし我慢できずに攻略本の全ページを読破してしまい、遥か先の未来と果てには死因までネタバレしたことが原因で既に人生に対して張り合いを失っており、
攻略本から逸れた生き方をすることへの不安から攻略本を手放せなくなるという、ある意味死ぬよりも過酷な生き地獄を味わう羽目になった。
6話に続いて身体は無事のまま終わった2人目(心も生きているとは言っていない)…しかし後日、芝留が執行した罰に巻き込まれ本当に死んでしまった。
この回は背景を要チェック。1994年(過去)~2014年(現在)の変化に気付けるかな?
「人生の攻略本」
久遠の人生の攻略法が書かれている本。日常生活で起きる細かい物事への対処法、他人からの好感度をアップする方法、テストやいじめっ子などの人生における難関をどうやって攻略すべきかなどが分かる他、
就職・結婚など人生の大きな節目となるイベントの攻略法についても詳細に書かれている。
さらには人生のエンディング(=死)がいつどのようにして来るのかまで分かるという、地味に恐ろしい代物。
近所に住む面倒見のいい青年・
妖戯と一緒に遊ぶのが好きな少年。妖戯のことは兄のように慕っている。
しかし「恋人ができた妖戯の迷惑になるからもう会いに行くな」と母親から咎められ、妖戯の本心が知りたいという願望から
人の心を見る力を手に入れる。
メガネの力を使った結果、実の弟のように思われていることが判明し喜ぶ望樹だったが、その直後に妖戯が恋人の浮気を許せず殺害していたことまで「見えて」しまう。真実を知られたことに気付き豹変した妖戯によって襲われる羽目に…。
妖戯のフルネームが最大のフラグかつネタバレ要素である。苗字は作中では呼ばれないが表札に書かれている。
「ココロメガネ」
一見何の変哲もない眼鏡だが、かけると眼鏡越しに見た相手の考えていることを漫画の吹き出しを読むような形で見られるようになる。吹き出しの内容は考えていることを文字や数字に書き起こした状態で表現されるが、頭の中に思い浮かべている映像が表示される場合もある。眼鏡をかけた人だけが吹き出しを見ることができ、眼鏡を外すと吹き出しは消える。また、誰でも着用すれば望樹と同様に使うことができる。
今回のアイテムは効果が無難でリスクもほぼ無く、また使用者である望樹本人の目的や使い方も特に大きな問題は無いように思われたのだが…結果として最悪のタイミングで一番使ってはいけない相手に力を使う形になった上、誰でもこの眼鏡を使えてしまうことがさらに仇となってしまった。
なお、ピンチの際に見え透いた嘘で煽ってきたラピスの心を望樹が見たところ、その心は無数の魔眼を持つ異形の怪物そのものだった。
また今回は妖戯兄ちゃんが既に大暴れしていることもあってか、ラピスの顔芸は普段より大人しめで基本シリアスなイケメンモードである。
ちなみにメガネの存在がバレる直前、ラピスが望樹を一時的に異空間らしき場所へ匿っているのだが、会話を交わした直後で元の部屋に戻された時点でなぜかメガネが妖戯の手に渡ってしまっている。ラピスの目的から、恐らく彼が妖戯の手にメガネが渡るよう仕向けた可能性が高いだろう。
兄と同じ部屋なのを嫌がり、自分だけの部屋が欲しいと願った少年。愛称は「ヤッホー」。
望み通りの部屋を作れる力を手に入れたことで友達2人(羽呂 和亜句と地椅子 宇太郎)を招いて「自分たちだけの秘密基地」を作るが、何も考えず部屋を乱造したため迷宮と化した家の中で遭難してしまう。
そして手持ちの僅かな食料を独り占めしたのがバレて友人と仲違いし、押し倒されたことで足を挫き歩けなくなる。
更に、最後まで残っていた1枚のシールに気付けたものの「出口へ繋がる部屋を作れば助かる」ことに思い至れず食料のある部屋を作ったため脱出の手段を失い、永遠に出られなくなってしまった(ちなみにラピスによれば椎那に巻き込まれて遭難した友達2人は、2日近くかけてなんとか脱出に成功するらしい)。
道具の用途を間違えた時点では生き残れた可能性があるのに、己の醜い心のせいで死亡確定した珍しいタイプ。
「ドアノブシール」
望む部屋を思い浮かべながらシールを貼ると、その通りに内装の完備された部屋へのドアが作られる。サッカーグラウンドや遊園地など、部屋の範疇を通り越した施設まで思いのまま。
ただし、シールは最初に手に入れた枚数分しか使えない。またラピスの台詞から察するに、その部屋のベストの状態が常に維持されるわけではなく部屋の中の物(食べ物など)はちゃんと経年劣化する模様。
昆虫採集が好きな少年。どんな昆虫でも簡単に手に入れられる力を得て、自身も昆虫に変身することで虫の世界を満喫していた。
セミに変身している時に
幼馴染を見かけ、大切な標本を壊されたことを思い出し、おしっこをひっかけて仕返ししてやろうと軽い気持ちで近づくも逆に網で捕まってしまう。
昆虫サイズで現れたラピスに虫嫌いの彼女が自分と仲直りするために頑張って標本を作ろうとしている最中だったと教えられ、自分も彼女と仲直りしようと決意したものの、セミの姿になっている自分自身が標本の材料にされようとしていることも知らされて狂乱の内に幼馴染の手によって殺され標本にされてしまった。
ただでさえ惨い話であるが、その後標本を渡しに行こうとしている幼馴染の「これで絶対仲直りできる」という台詞や、標本作りに慣れていないため失敗して何本も針を刺してしまったという独白が更に容赦なく読者の心を抉って来るトラウマ度の高い話である。
「虫化の杖」
物体・生物問わず、どんなものでも望んだ昆虫に変えられる魔法の杖。使用者自身も昆虫へ変身できる。
鏡に映ると元の姿に戻れる。
得意なことがこれといってなく、何をやっても平均以下で将来の夢もない少年。
あらゆる才能を身に付けられる「才能笛」を得て芸能界デビュー。天才子役にまでのし上がるがアイテムの力に頼りすぎたことで、道半ばで死んだ才能豊かな悪霊たちに身体を乗っ取られてしまった。
「才能笛」
見た目はただのリコーダーだが、欲しい才能を考えながら吹くとその才能を手に入れられる。
吹いた時にフワフワした何かが笛を介して口へ入ってくるが、正体は「悪霊」。
類稀な才能を持ちながらも死に現世へ未練タラタラな悪霊たちを取り込み、その才能を借り受けるというアイテムだった。所謂「口寄せ」という奴である。数回程度なら意識を失うこともなく才能を発揮できるのだが、あまりに大量の才能を取り込んでしまうと肉体を欲した無数の悪霊たちによって身体を乗っ取られる。
ヒーロー変身ベルトと並んで、ラピスの悪意全開な超地雷アイテム。
3巻の描き下ろし漫画に登場。空を飛ぶことに憧れていた少年。
その憧れの通り、
空を自由自在に飛び回る力を手に入れるも鳥のように飛ぶにはまだ浮力が足りないという理由で、いっぺんにひと瓶あけて身体を羽毛のように軽くした結果台風に巻き込まれて
南極まで吹き飛ばされ、極寒の中で何もできず凍死した。
「とりあえず寒いので」という何とも酷い理由で、巻き巻きで絶望を回収された。
「カルクナールキャンディ」
1粒舐める度に身体が軽くなる不思議なキャンディ。
壁を走ったり、忍者のように屋根より高くジャンプできる。
一度に全部食べると、羽ばたくだけで空高く飛べるようになる。
夢のようなキャンディだが、劇中で描かれた通り外出中に天候不良へ見舞われると大きな危険が伴う。
厳しい母親に悩み、自由が欲しいと願った少年。
どんなわがままも親に叶えてもらえる力を手に入れるが、その力に頼り切った末に
ニートまで落ちぶれた。
後悔の念に苛まれ「小学生時代からやり直したい」と何気なく口にすると契約書の力で過去に
タイムスリップし、小学生時代の自分と遭遇。
力ずくでラピスの店へ行くのを食い止めようとしたために契約書が破損してしまい、それでもめげず忠告しに行こうとしたところで交通事故に巻き込まれ死亡。
「わがまま契約書」
持っている限り、自分のわがままを"何でも"親が叶えてくれる契約書。
その触れ込み通り現実的に不可能な事象まで実現できる、何気に凄いアイテム。
ただし、破損すれば二度とその力は使えなくなる(破損してもそれまで契約書によって発生した効果はなくならない)。
何をしても平均レベルな少年。ついたあだ名は「ミスター普通」。
ゲームのように自身の能力を振り分けられる装置を手に入れ、いじめっ子に対抗すべく体力の項目へ全メモリを割り振って撃退した。
だが知能が赤ちゃんレベルまで低下し、運まで0にしていたことで元に戻れる可能性すらも失ってしまった。
「パラメーターふりわけ機(パラフリ)」
ブレスレット型の装置。
画面には体力・知力・美・運の4つのパラメーターが表示されており、それぞれ3メモリ(合計12メモリ)ずつ振り分けられている。
メモリはその12メモリ分を自由に振り分けられ、必要に応じて自身の能力を上げることができる(逆に言うと上げた分だけ他を下げる必要がある)。
しかしメモリの減少したパラメーターの能力は他に振り分けた分だけ著しく低下するためメモリを0にするのは危険が伴う(特に運と知性)。
「運以外のパラメーターを1~2メモリずつ残すように振り分けてレアカードを確実に引き当てる」など使い方を間違えさえしなければ最も優秀なアイテムかもしれない。
ちなみに
ドラえもんでも、パラメーターふりわけ機と似た原理を持つ「いいとこ選択しボード」が登場している。
こちらは体力・かっこよさ・知能の3つのパラメーターを操作できる道具で、訳留が陥った破滅も
「のび太がかっこよさと知能を極端に下げて、体力を最大にした結果」と同じだったりする。
好奇心旺盛な少年。飯八 卓という心優しい親友がいる。
嫌いなものだらけの世の中にウンザリしており、嫌いなものを何でも消せる力を手に入れるが、
誤解から卓と仲違いした際に卓を一瞬だけ「嫌いだ」と思ったため消滅させてしまい、ショックと自己嫌悪から自らも消滅した。
「キエテナクナール」
飲むことで、自らの心に念じた嫌いなものを消せる薬。
まるでどっかの魔女の発明品のようなネーミング。
効果範囲拡大&本当に実行する
どくさいスイッチみたいなものか。アレは時間経過で戻ってくる分まだマシだが…。
なお、これのせいでめちゃくちゃになった世界だがその次の話ではごく普通だったことから、滅矢の破滅と共にある程度の修正力が働いたと思われる。
滅矢は一度この力でラピスを消し去ろうとしたが…。
母親想いの少年。自身を「いい子」と信じて疑わず、
間違ったことは許せない。
世界平和のためルールを自由に設けられる力を手に入れるが、世界中の人間のみならず最愛の母までルールの被害に巻き込んでしまい、それをラピスに指摘されて悪い子だと言葉攻めを受け精神崩壊。
破ると罰として死ぬルールを大量に書き込み、人類滅亡という皮肉な事態を引き起こした。
「ルールブック 罪と罰」
ページを開けば何も書かれていない書物。
しかしそこにルールと罰を書き込めば、ルールを破った対象者へ罰が執行される。
他作品で例えるなら全人類に一律に適用される
ヘブンズ・ドアー、あるいはルールの数と罰の内容に制限のなくなった
十戒石板や
デスノート。
メタ的に最終回に向けてのデウス・エクス・マキナの役割があったと言えど、加減を知らない小学生には明らかに過ぎた力だった。
結果的に「
人類さえいなくなれば世界は平和になる」という皮肉な理論を現実のものにしてしまった。