登録日:2025/08/06 Wed 13:17:34
更新日:2025/10/11 Sat 16:59:59
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東武10000系電車は、
東武鉄道の保有する通勤型電車である。
本項目では1988年から登場したマイナーチェンジ車である10030型(10050型)・10080型についても解説する。
概要
1963年から長らく増備されていた
8000系の後継車種として、老朽化した吊りかけ駆動車の置き換えを目的に導入された。
先に
営団有楽町線直通用として導入された9000系をベースとして開発され、2連から10連までのバリエーションが総勢486両増備された。
制御方式は9000系のAFEチョッパ制御から界磁チョッパ制御に変更されており、自在に編成が組めるよう動力車はMMユニットおよび独立M車の2種類が存在している。
形式は東武初の5桁であり、大手私鉄では近鉄以外では長らく存在しなかった5桁形式となった。
本形式から車両番号の付番方式が一新されており、万の位で形式、千の位では連結位置、百の位では組成両数、残り二桁が車両番号という法則となっており、以降の東武通勤形の車両番号は全てこの法則を踏襲している。
また、配電盤を設置する関係上運転台後方にあった仕切り窓が廃止されており、以降この構造は70000系まで承継された。
決して労組の圧力で廃止されたわけではない。
形式は東武初の5桁であり、大手私鉄では近鉄以外では長らく存在しなかった5桁形式となった。
本形式から車両番号の付番方式が一新されており、万の位で形式、千の位では連結位置、百の位では組成両数、残り二桁が車両番号という法則となっており、以降の東武通勤形の車両番号は全てこの法則を踏襲している。
各型式とも併結が可能で、後年
半蔵門線直通用として登場した30000系との併結運転も行われていた。尤も制御方式の違いから30000系との併結は難点があったらしく、30000系も東上線に転出&10固定化されたため現在異車種併結は行われていない。
形式別解説
1983年から導入。
2・6・8両編成で落成し、8両編成は1989年に4編成が中間車2両を組み込む形で10両化された。
9000系に引き続きステンレス車体とマルーン帯を採用し、前面は連結・通り抜けが可能なように中央部に貫通扉が設けられており、周囲の部分をFRPの飾り枠で覆ったデザインとなった。
そのため、全体の印象は9000系よりも柔和なものとなっている。
内装はクリーム色の化粧板にオレンジ色のモケットが使用されていたが、1986年の増備車から緑色のモケットに変更。この意匠は以降の10030型や5000系列の内装に承継され、初期車も後年変更された。
2両編成は昭和末期まで大師線・亀戸線でも使用されていたが、西新井駅での車止め衝突事故がきっかけでしばらく支線運用からは外れることとなった。
1988年から導入。こちらは2・4・6・10両編成が導入された。
車体がビッグマイナーチェンジされ、同じステンレスながらビード付き・ダルフィニッシュ仕上げのスッキリした外観となった。
前面形状は快速用の6050系や8000系修繕工事車(1987年以降)にも似たものとなり、平成期の東武通勤車と言えばこれを思い浮かべる人も多いだろう。
車体の帯は10000型と同じロイヤルマルーンだが、側扉にも帯が入るようになった。
この形式から東武では初めてボルスタレス台車を採用したほか、補助電源もブラシレスMGからSIVに変更されている。
車内では客用ドアが無塗装から化粧板仕上げに変更されたほか、車端部の座席が4人掛けから3人掛けに変更されている。
1992年以降の増備車は車いすスペースの設置やクーラーカバーの変更など更なるマイナーチェンジを実施。
そのため車両番号の下二桁が50番台に振りなおされており、これらを「50番台」や「10050型」と分ける場合もある。
1993年の増備車からは、増解結の省力化を図るため連結器が旧来の自動式から電気式へと変更。従来車も1994年までに全て電気式に交換されており、快速用の6050系も後年同様の交換を実施している。
1995年に増備された11267Fは東武では初となるシングルアームパンタを試験装備して登場した。
1996年に増備された11461Fは、前面窓回りの縁取りを黒く塗装した状態で落成している(2005年頃に他車と同様のものに変更)。
野田線(東武アーバンパークライン)に転属した編成はイメージカラーである
ファミマ水色と黄緑の帯に変更されている。
本形式は導入当初、8000系と同じ帯色も検討されていたためそれが形を変えて実現したといえよう。
なお、同時期に増備された9000系の9108Fと9050型は10030型の意匠が一部反映されており、側面はほぼ同一構造となっている。
1988年に4両編成1本が製造された、東武鉄道では初となるVVVFインバータ制御車である。
所謂VVVFの試作編成だが、他の10000系とも併結可能だった。
本形式で導入されたGTO式のVVVFインバータは後に登場する
100系スペーシアで採用された。
試作車ゆえにVVVFの不調が目立ち始めた2005年から運用を離脱。明らかな廃車フラグが立ちまくりだったが50000系と同じVVVFに交換され2007年に運用復帰し、リニューアルも実施されたが2023年に廃車となった。
リニューアル工事
2007年から10000型を皮切りに内外装のリニューアルが開始され、当時の新車である50000系と同等のレベルに合わせられた。
内容は以下の通り
- 内装を白い化粧板、座席モケットを青系統に変更
- 車内案内表示器およびドアチャイムの設置
- 座席間のスタンションポール設置
- 前照灯のHID化
- 行先方向幕のフルカラーLED化
- スカートの設置
なお。2両編成はリニューアルと同時にワンマン運転対応工事を実施している。
また、2010年以降の施工車では前照尾灯の位置が逆転しているほか、車内案内表示器が液晶ディスプレイに交換、4+6両編成は先頭車を中間車化改造し10両固定化されたほか、一部の編成は制御装置が60000系と同等のVVVFインバータに換装されている…等の変更点がある。
運用
地下鉄直通以外の全線。
…と言いたいところだが、本線の優等列車系統がメイン運用となり、野田線に導入されたのは2013年とかなり遅かった。
支線区は初期に亀戸線・大師線で使用されていたことを除けばかなりご無沙汰で、再度使用されるようになったのは2020年代以降のこと。
2000年代以降はワンマン運転対応車の8000系・20400型の導入に伴い徐々に運用を縮小しており、2020年代に入ると余剰に伴い一部では廃車も発生している。
追記・修正は野田線カラーの10000型が見たかった人にお願いします。
- 本日6時8分ごろの更新で、大幅な編集が行われたようですが、10000型に4両編成で落成した編成がいた、というミスを確認したので修正。 -- 名無しさん (2025-08-15 12:15:28)
- 無断での記述大幅削除を確認しました。荒らし報告ページにもこの件を報告させていただきます。 -- Blackboshi3700 (2025-08-24 19:26:41)
- 不当な削除及び、目次削除に伴う可読性の低下を理由とし、8月15日の版に差し戻しました。 -- blackboshi3700 (2025-08-24 20:21:18)
- ↑8月24日13:15の版において、9000系および20000系の記述が削除されたことを確認しました。この削除は不当と考えます。その理由は、10000系、9000系、20000系が1980年代から1990年代にかけて並行して増備され、設計上の共通点が多いため、関連性が高いと客観的に判断できるためです。 もしこれらの記述を削除する場合は、9000系や20000系の独立した項目が作成された後に行うようお願いします。項目の分割自体には異論はありませんが、同様の不当な削除が今後発生した場合、荒らし報告ページにて再度報告いたします。 -- blackboshi3700 (2025-08-25 08:45:28)
- 113.40.252.250氏へ。「車内のご案内」目次は編集者が鉄道車両項目としての形式に合わせて書いたものであり、特に問題ある記述とは思えません。 -- 名無しさん (2025-10-11 16:59:59)
最終更新:2025年10月11日 16:59