ホシミ・コウセイ

登録日:2025/09/27 Sat 22:44:59
更新日:2025/11/12 Wed 21:41:41
所要時間約 8 分で読めるぞ






別にぃ? ああいうのほっといたら気になるじゃん? “なんかできたんじゃないか”って……



ホシミ・コウセイとは、円谷プロ制作の特撮番組『ウルトラマンオメガ』の登場人物である。
本項目では彼の操るメテオカイジュウについても併せて記載する。

演:吉田晴登


【概要】

物流管理会社「太陽倉庫商会」の管理人。21歳。
漢字表記は「星見光成」(『コウセイの秘密の日報』より)。
倉庫内に住み込みながら、預けられた商品の仕分けを仕事としてる。

ある日、そんな職場に迷い込んできた謎の宇宙人・ウルトラマンオメガことオオキダ・ソラトと出会い、そのソラトと怪獣グライムとの戦いに巻き込まれた事を切っ掛けに、居場所のないソラトと共同生活を送る事になる。
また、後にオメガに味方する特殊な怪獣・メテオカイジュウの封印を解いた事で彼らを使役する力に目覚め、ソラトと共に怪獣との戦いに巻き込まれていく。
さらに第16話以降は後述するウタ・サユキのスカウトもあり、ソラトやイチドウ・アユム共々「怪特隊」に入隊し、怪獣対策に奔走することになる(ただし、その任務外では引き続き倉庫の管理人も兼業している)。

なお「オオキダ・ソラト」という名前は初対面のイチドウ・アユムに対し、本名であるオメガを名乗ろうとした本人を見かねてコウセイが咄嗟に付けたものであり、表向きソラトとは従兄弟と紹介している。


【人物像】

一人称は「俺」
明朗快活で喜怒哀楽の感情表現も豊かな人物で、宇宙人故に一般常識や情緒に今ひとつ欠けているソラトや、専門機関で働く学者として生物学に秀でたアユム、その他良くも悪くも個性的でアクの強いゲストキャラなど何かと曲者揃いな本作の登場人物の中では極めて一般的と言える感性の持ち主。
ソラトとの出会いや怪獣の出現と言った非日常を経験してからというもの、目の前で起こる信じられない現象に毎度タジタジになっており、特に驚いた時はやや大げさなリアクションを取る。

お調子者めいた軽薄な面もあるが、グライムの出現後に怒号が飛び交う避難所で泣いていた女の子を見かねて大人達に注意したり、逃げ遅れた人を体を張って助けにいくなど、いざという時には勇敢かつ人を思いやれる姿も見せており、その様はソラトから「お前は“優しい”だな」と評されている。
そもそも、ほとんど無関係かつ義理もないにもかかわらず、行くあてのないソラトに自分の仕事を手伝わせつつ生活の面倒を見ている辺り、上記も相まって世話好きな性分が少なからずある模様。
また、一度決めた事には一直線な真面目な性格であり、オメガ/ソラトが迷惑系動画配信者のせいで市民から「侵略者かもしれない」というあらぬ疑いを掛けられた際には、周りに一人も味方がいないことも気にせず弁解し続け、最終的にオメガ自身の活躍も相俟ってその疑いを晴らすにまで至っている。

元々は陸上選手で、学生時代には県3位に食い込む等かなりの実力者だったらしく、オリンピックも目指していたが、高校最後の大会で結果を残せなかった事で挫折。
現在は自分探しの最中であり、今いる職場も元々はアルバイト扱いで結局しっくりこず退職も考えていたが、オーナーであるオオヤ・サブロウの厚意によって引き続き雇用される事になった。

自炊をしてたり、ソラトと2人暮らしになるまでは給料日前に金欠になることがなかった辺り、生活能力はそれなりにあるらしく、ソラトからも手製の焼きそばの味を気に入られている。
一方、仕事では指定された日時に物を送り忘れてしまうなど、まだまだ抜けている点も否めない様子。


《弱点とコンプレックス》

普段は明るくまっすぐな性格のコウセイだが、内心では「自分が普通である事」に少なからずコンプレックスを抱いている節が物語中で見受けられる。

というのも、先述の通り本作では色々な意味で非凡な人物が多く、特に同じメインキャラであるソラトはその記憶喪失も相俟って常に純真かつヒーロー的な思考で物事を見ている上に身体能力も常人離れしており、
いざとなればウルトラマンオメガとして「大きくなる」事で怪獣と正面切って戦える唯一無二の能力の持ち主であり、アユムはスペックこそ常人ながらも学者として専門分野のエキスパートであり、怪獣についての細かい分析や予測が立てられる才女である。
そんな中でコウセイはメテオカイジュウを操れるという能力こそありながらも、それ以外は至って普通かつ平均的な一般人そのものであり、その事について当初は多少なりとも劣等感があったせいで、
危険から遠ざけなおかつ私生活を優先するよう発したソラトなりの思いやりの言葉を素直に受け取れず、怪獣事案について自分だけ仲間外れにされたと思い込んでへそを曲げてしまう一幕もあった。

それについてはサブロウの言葉もあって「自分はサポート役である」と割り切って前向きに捉えられるようになったものの、「怪獣にまともに対抗できるのは自分とソラトだけ」という彼なりの責任感を背負うあまり視野狭窄に陥り、
自分の考えと違うように周りが動くと露骨にすねるなど、今まで普通に生きてきた以上ある意味仕方ないとはいえ一般的なものの見方から脱せないという弱点も徐々に分かっていく。
加えて、ソラトとは「浮世離れした超人」「常識的な一般人」とでお互い持ちつ持たれつの関係だが、先述の通りコウセイは至って普通の人間であり、発揮される正義感もあくまでも自分達が背負える範疇に止まっている関係で時には限界を感じる事もあり、
いついかなる時でも無意識にヒーロー的思考で動き、自分を犠牲にする事も厭わないソラトと意見やものの見方が噛み合わずに衝突する事もあるなど、「一般人としての感性」「メテオカイジュウという超常的な力」という自分に宿る正反対の要素と折り合いをつけられず、ソラトという超人との付き合い方も常に手探りな現状故に苦慮したり、時には責任感故の不満が爆発してしまう事も多い。

そして第11話ではそんなコウセイの弱点が最悪の形で発揮されてしまう。
既に自分達が戦い始めて相応に時間が経ったが、依然としてオメガを訝しんだり、そもそも怪獣やその関連事項について無関心な人も少なくなく、自分達の活躍を認めてくれない世間に苛立ちを募らせていたコウセイは、グライムの別個体が現れると信用を高めるべくその退治に躍起になってしまう。
何か別の大きな気配も感じ、深入りしないよう忠告するソラトも無視した結果、新設された防衛チームであるNDFの作戦を妨害*1した上、そんなグライムを追って来た強大な怪獣にして、ソラトが感じていた気配の正体であるエルドギメラの介入を許してしまう。
結果、戦闘の余波から自分を庇ったソラトは手負いのままエルドギメラと戦う羽目になり、そのエルドギメラもグライムを喰らったことでパワーアップした末にオメガを撃破。
NDFにも作戦失敗という被害をもたらしてしまい、その惨状を目にしたコウセイは焦燥に苛まれながら、倒れたソラトの名前を叫ぶ事しかできなかった。

続く第12話では、満身創痍のソラトの姿を見てその警告に耳を貸さなかった自分の愚かさを改めて痛感すると同時に、
目を覚ましたソラトからは一切責められなかったどころか「自分のせいでコウセイに無理をさせていた」とこの件すらも自分事として受け取るソラトの姿勢で逆に大きな罪悪感を覚え、完全に戦意喪失。
茫然自失になってしまい、ほとんど無自覚に惨状が広がるNDFの野営跡地に足を運ぶが、そこで関係者と思われる謎の女性科学者(第14話にてアユムの師匠であるウタ・サユキと判明)と遭遇。
訳も分からず彼女のサンプル収集に付き合わされ、最初は困惑するばかりだったが、その女性との何気ないやりとりの中で少しずつ元の調子を取り戻していく。
落ち着きを取り戻すと、「自分のやりたいことが分からなくなった」と本音を吐露するが、それに対する女性の「本当にしたい事は、状況や自信に関係なく、したくて仕方がなくなるもの」という助言を受け、
今まで自分の戦ってきた理由が「単純に、自分を認めてくれたソラトや周りの人々の役に立ちたかったから」という事に改めて気づいて戦意を取り戻すと同時に、初戦では心の乱れから呼びかけに応じなかったレキネスも再び実体化できるようになり、ドグリドも取り込んでさらなるパワーアップを果たしたエルドギメラに対峙するオメガやNDFに加勢。
初戦とは反対にNDFの作戦を援助してエルドギメラの無力化に貢献し、そのままレキネスアーマーを発動させてその撃破に成功した。

こうして様々な苦難に遭いながらも、コウセイはソラトの相棒として大きく成長。
改めてこれからもソラトのサポートに徹するという形で怪獣の脅威に立ち向かう事を心に決めたのだった。


【メテオカイジュウ】

コウセイが使役する特別な怪獣達。
普段は手足を畳んだ「スリープモード」という姿で手のひらサイズだが、コウセイが空にかざす事で巨大化し、本来の姿「カイジュウモード」になる。
なお、これは現状コウセイにしかできず、試しにソラトがレキネスを呼び出そうとした際は全く反応しなかった。
また、巨大化はできずとも小さいまま元の姿に戻る事もできる。
姿形は千差万別で、どれも個性が強く方向性はほぼ完全に異なるが、全員胸にウルトラメテオを思わせる五角形型の結晶が埋め込まれている。

本来の姿になるとコウセイの意思に従って戦闘を行うが、その間コウセイ自身も体力を消耗する上、彼らもオメガと同様に戦える時間に限りがあり、最大で10分までしか巨大化を維持できない。
また、一度に操れるのは1体だけかつ、コウセイ自身の精神面が不安定だとそもそも巨大化させられないという制約もある。
一方でコウセイに余力があるうちは交代可能であり、タイプチェンジの要領で1体を途中で戻してもう1体を繰り出す事により戦術の幅を広げる事ができる。

彼らだけでも十分他の怪獣と戦える力があるが、その真価はコウセイの意思によってアーマーに変化してオメガと合体する事であり、様々な武器や能力をオメガに付与し、戦闘をサポートする。

その特性上、オメガと何らかの関係がある事は間違いないのだが、当のオメガことソラトが記憶喪失で詳しい事は何も覚えておらず、直感的に敵ではないと分かるだけで現状その正体や出自は謎に包まれている。
第15話での過去回想にて、以前からオメガと共に戦っていた仲間という事が判明。その際は現在と違ってオメガ自身が自由かつ複数同時に実体化できていた模様。


レキネス




画像出典:ウルトラマンオメガ 第10話「密着! 2人の素顔」より
© 円谷プロ、「ウルトラマンオメガ」製作委員会・テレビ東京


身長:ミクロ~60m
体重:0~55,000t
スーツアクター:岡部暁

第3話から登場した1体目のメテオカイジュウ。
青い体の典型的な怪獣の姿をしており、体中には先端が赤く染まった白い牙のような形の刃が生え、頭部には剣を思わせる水色の角がある。胸の結晶の色は水色。
地球に落下してきたソラトが初めて降り立った場所の近くに石化した状態で埋まっていたところをコウセイに掘り起こされ、ペグノスとの戦いの最中にコウセイを助けようとするかのような形で復活を果たした。

屈強な見た目だが、その主な戦闘スタイルは念動力「レキネスネシス」による特殊攻撃であり、相手の動きを直接封じたり、周囲の石や木を動かして障壁を作って攻撃を防ぐといったサポートが主。
封印を解いた影響なのかコウセイによく懐いており、他のメテオカイジュウの気配を察知する事ができる。
念動力は汎用性が高く、相手の攻撃を跳ね返す、物体を遠隔操作するなど様々な形でサポートしており、全体的な活躍は多めとなっている。

オメガとの合体ではレキネスアーマーと長剣「レキネスカリバー」に変形し、レキネスカリバーを介してオメガもレキネスネシスを使用可能になる。


トライガロン




画像出典:ウルトラマンオメガ 第9話「カネナリ怪獣パーク」より
© 円谷プロ、「ウルトラマンオメガ」製作委員会・テレビ東京


身長:ミクロ~45m
体重:0~30,000t
スーツアクター:岡部暁

第7話から登場。
四足歩行体形で金属質な体のメテオカイジュウで、体中に黄色いブレード状のパーツが取り付けられた肉食獣を思わせる姿をしており、首元には毛が生えている。結晶の色は黄色。
三日月状の石の姿で宇宙から飛来し、町中を浮遊して人々から未確認飛行物体として騒がれていたところをコウセイに発見され、オメガ/ソラトを信じようとする強い意志に呼応して復活した。

レキネスとは対照的に、ブレードに囲まれた強固な体と素早い動きから繰り出す斬撃を主な武器とするパワーファイターであり、その威力は一撃で怪獣の部位を破壊するほど。
オメガに怪獣の追跡を押し付け任され、煮えたぎるマグマに入るよう促された際は強めに嫌がりオメガに謝られるなど、戦闘スタイルも相俟ってやや気性は荒め。
一方、異空間に幽閉されていたモンスアーガーが現実世界に出て行きそうになった際には、オメガ共々大慌てでその体を引っ張って阻止したり、
オメガを背中に乗せてキングアリゲトータスを追いかけたかと思えば、海に逃げた相手に対して水が苦手で泳げないせいで驚いて急停止した拍子にオメガを海中に放り出してしまい、救い出すようコウセイに言われても怯え半分に嫌がって勝手に戻るなど、その無機質な見た目に反してコメディリリーフ的な存在でもある。
登場頻度はレキネスとどっこいどっこいだが、勝利へ貢献した回数以上にコミカルな場面が目立つという形でレキネスと大きく差別化されている。

オメガとの合体ではトライガロンアーマーと右腕に装着される大型クロー「トライガロンクロー」に変形し、引き続き高速移動能力を与える他、トライガロンクローから光の刃を放つ。


ヴァルジェネス




画像出典:ウルトラマンオメガ 第15話「守る者たち」より
© 円谷プロ、「ウルトラマンオメガ」製作委員会・テレビ東京


身長:ミクロ〜65m
体重:0〜4万t
スーツアクター:岡部暁

第14話から登場。
鎧を纏った赤い鳥のような姿をしており、目元が西洋甲冑の兜のようなもので覆われている点が特徴。結晶の色は赤。
他のメテオカイジュウと同じく元々はオメガの仲間だったのだが、物語開始前のゾヴァラスとの戦闘の最中にその能力で操られてしまい、結晶が黒く染まったダークヴァルジェネスに変貌し、初登場時点ではオメガの敵として彼らの前に立ちはだかった。
その後、第15話では人類側の作戦によって一時的にゾヴァラスの支配から解放されるも、洗脳が中途半端に解けたせいで混乱して暴走。
無差別破壊を始めてしまうが、メテオカイジュウ達との連携で自身に飛び移ってきたコウセイの必死の説得と、メテオカイジュウ達の呼びかけによって自我を完全に取り戻し、彼を真の使い手として認めるとゾヴァラスから離反し、再びオメガの仲間となった。

火・水・風・土の4つのエレメントを自在に操る事ができ、羽ばたきによって竜巻と衝撃波を引き起こす「ヴァルジェネスツイスター」、地面を隆起させ、土石の柱で敵を拘束する「ヴァルジェネスピンサーロック」
巨大な水の球を作って相手をそこに閉じ込め、さらに火球で熱して水蒸気爆発で「ヴァルジェネスブローアップ」といった多彩な技を駆使した幅広い戦法が持ち味で、接近戦でも翼を刃のように振るって敵を斬り付ける。

オメガとの合体では、ヴァルジェネスアーマーと三つ叉の長槍「ヴァルジェネスハルバード」に変形し、引き続き属性操作能力を発揮する。

このように、他のメテオカイジュウと比べても一際ハイスペックな万能型だが、その分使い手にかかる負担も他の種類とは比べものにならない程大きく、コウセイは繰り出した瞬間から既に倒れそうになるほど体力を消耗していた。


【余談】

  • 演じる吉田氏は子役時代に映画『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』やVシネマ『ドライブサーガ 仮面ライダーチェイサー』に出演しており、ウルトラシリーズには『ウルトラゾーン』での端役以来の出演となった。
    コウセイ役への合格を事務所からのサプライズで知らされた時は、一般ドラマでのオーディションの最終選考で落ちた経験を数回した反動から思わず号泣してしまったという。
    • コウセイの役柄については「視聴者に目線が近いキャラクター」と評しており、「彼がやりたい事を模索しながら自分を見つめ直すのが作品のテーマの1つと感じながら演じました」とコメントしている。

  • 『オメガ』公式Xではコウセイの視点から本編の内容を振り返る『コウセイの秘密の日報』が投稿されており、吉田氏本人も引用で触れる事がある。



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もし見られたら、カレーライス作ってやらないからな! 焼きそばも!

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最終更新:2025年11月12日 21:41

*1 この時、NDFは麻酔薬でグライムを眠らせて生け捕りにするつもりだったが、それを知らないコウセイが動きが鈍りつつあるグライムをトライガロンで追撃し、刺激して戦闘態勢にさせた事で効き始めていた麻酔薬を無駄にしてしまった。