ホシミ・コウセイ

登録日:2025/09/27 Sat 22:44:59
更新日:2025/10/25 Sat 23:58:59NEW!
所要時間約 8 分で読めるぞ





別にぃ?ああいうのほっといたら気になるじゃん?
「なんかできたんじゃないか」って……。


ホシミ・コウセイとは、円谷プロ制作の特撮番組『ウルトラマンオメガ』の登場人物にして、もう一人の主人公的存在である。
本項目では、彼の操るメテオカイジュウについても併せて解説する。

演:吉田晴登


【概要】

物流管理会社「太陽倉庫商会」の管理人。21歳。
漢字表記は『星見光成』。(『コウセイの秘密の日報』より)
倉庫内に住み込みながら、預けられた商品の仕分けを仕事としてる。

ある日、そんな職場に迷い込んできた謎の宇宙人・ウルトラマンオメガことオオキダ・ソラトと出会い、そのソラトと怪獣グライムとの戦いに巻き込まれたのを切っ掛けに、頼る所の無いソラトと共同生活を送ることになる。
また、後にオメガに味方する特殊な怪獣・メテオカイジュウの封印を解いたことで彼らを使役する力に目覚め、ソラトと共に怪獣との戦いに巻き込まれていく。

尚、「オオキダ・ソラト」という名前は、初対面のイチドウ・アユムに対し、本名であるオメガを名乗ろうとした本人を見かね、コウセイが咄嗟に付けた物であり、表向きソラトとは従兄弟と紹介している。

【人物像】

一人称は『俺』
明朗快活で喜怒哀楽の感情表現も豊かな賑やかな人物。

宇宙人故に一般常識や情緒に今ひとつ欠けているソラトや、専門機関で働く学者として生物学に秀でたイチドウ・アユム、その他良くも悪くも個性的でアクの強いゲストキャラ等、何かと曲者揃いな本作の登場人物の中では、極めて一般的と言える感性の持ち主であり、ソラトとの出会いや怪獣の出現と言った非日常を経験してからと言うもの、目の前で起こる信じられない現象に毎度タジタジになっており、特に驚いた時はやや大袈裟なリアクションを取る。

お調子者めいた軽薄な面もあるが、グライム出現のパニックの中、怒号が飛び交う避難所で泣いていた女の子を見かねて大人達に注意したり、逃げ遅れた人を体を張って助けにいく等、いざという時には勇敢かつ人を思いやれる姿も見せており、その様はソラトから「お前は「優しい」だな」と評されている。
そもそも、殆ど無関係かつ義理も無いにも拘わらず、行く宛の無いソラトに自分の仕事を手伝わせつつ、生活の面倒を見ている辺り、上記も相まって世話好きな性分が少なからずある模様。
また、本質は一度決めたことには一直線な真面目な性格であり、オメガ/ソラトが迷惑系動画配信者のせいで市民から「侵略者かもしれない」というあらぬ疑いを掛けられた際には、周りに一人も味方がいないことも気にせず弁解し続け、最終的にオメガ自身の活躍も相俟ってその疑いを晴らすにまで至っている。

元々は陸上選手であり、学生時代には県3位に食い込む等かなりの実力者だったらしく、オリンピックも目指していたが、高校最後の大会で結果を残せなかったことで挫折。
現在は自分探しの最中であり、今居る職場も元々はアルバイト扱いで結局しっくりこず退職も考えていたが、オーナーであるオオヤ・サブロウの厚意によって引き続き雇用されることになった。

自炊をしてたり、ソラトと二人暮らしになるまでは給料日前に金欠になることが無かった辺り、生活能力はそれなりにあるらしく、ソラトからも手製の焼きそばの味を気に入られている。
一方、仕事では指定された日時に物を送り忘れてしまう等、まだまだ抜けている点も否めない様子。

《弱点とコンプレックス》

普段は明るく真っ直ぐな性格のコウセイだが、内心では「自分が普通であること」に少なからずコンプレックスを抱いている節が物語中で見受けられる。

というのも、先述の通り本作では色々な意味で非凡な人物が多く、特に同じメインキャラであるソラトはその記憶喪失も相俟って常に純真かつヒーロー的な思考で物事を見ている上身体能力も常人離れしており、いざとなればウルトラマンオメガとして「大きくなる」ことで怪獣と正面切って戦える唯一無二の能力の持ち主であり、アユムはスペックこそ常人なみながらも、学者として専門分野のエキスパートであり、怪獣についての細かい分析や予測が立てられる才女である。
そんな中でコウセイはメテオカイジュウを操れるという能力こそありながらも、それ以外は至って普通かつ平均的な一般人そのものであり、そのことについて当初は多少なりとも劣等感があったせいで、危険から遠ざけ尚且つ私生活を優先するよう発したソラトなりの思いやりの言葉を素直に受け取れず、怪獣事案について自分だけ仲間外れにされたと思い込んで臍を曲げてしまう一幕もあった。

それについてはサブロウの言葉もあって「自分はサポート役である」と割り切って前向きに捉えられるようになったものの、「怪獣にまともに対抗できるのは自分とソラトだけ」という彼なりの責任感を背負うあまり視野狭窄になってしまい、自分の考えと違うように周りが動くと露骨に拗ねる等、今まで普通に生きてきた以上ある意味仕方ないとは言え、一般的な物の見方から脱せないという弱点も徐々に分かっていく。
加えて、ソラトとは"浮世離れした超人""常識的な一般人"とでお互い持ちつ持たれつであるが、先述の通りコウセイは至って普通の人間であり、発揮される正義感もあくまでも自分達が背負える範疇に止まっている為、時には限界を感じることもあり、いついかなる時でも無意識にヒーロー的思考で動き、自分を犠牲にすることも厭わないソラトと意見や見方が噛み合わず、衝突してしまうこともある等、「一般人としての感性」「メテオカイジュウという超常的な力」という自分に宿る真反対の要素と折り合いを付けられず、ソラトという超人との付き合い方も常に手探りな現状故に苦慮したり、時には責任感故の不満が爆発してしまうことも多い。

そして、中盤の山場と言える第11話では、そんなコウセイの弱点が最悪の形で発揮されてしまう。
既に自分達が戦い始めて相応に時間が経ったが、依然としてオメガを訝しんだり、そもそも怪獣やその関連事項について無関心な人も少なくなく、自分達の活躍を認めてくれない世間に苛立ちを募らせていたコウセイは、グライムの別個体が現れると、信用を高めるべくその退治に躍起になってしまう。
何か別の大きな気配も感じ、深入りしないよう忠告するソラトも無視した結果、新設された防衛チームであるNDFの作戦を妨害*1した上、そんなグライムを追って来た強大な怪獣にして、ソラトが感じていた気配の正体であるエルドギメラの介入を許してしまう。
結果、戦闘の余波から自分を庇ったソラトは手負いのままエルドギメラと戦う羽目になり、そのエルドギメラもグライムを喰らったことでパワーアップした末にオメガを撃破。
NDFにも作戦失敗という被害をもたらしてしまい、その惨状を目にしたコウセイは焦燥に苛まれながら、倒れたソラトの名前を叫ぶことしかできなかった。

続く第12話では、満身創痍のソラトの姿を見てその警告に耳を貸さなかった自分の愚かさを改めて痛感すると同時に、目を覚ましたソラトからは一切責められなかったどころか、「自分のせいでコウセイに無理をさせていた」とこの件すらも自分事として受け取るソラトの姿勢で逆に大きな罪悪感を覚え、完全に戦意喪失。
茫然自失になってしまい、殆ど無自覚に惨状が広がるNDFの野営跡地に足を運ぶが、そこで関係者と思われる謎の女性科学者と遭遇。
訳も分からず彼女のサンプル収集に付き合わされ、最初は困惑するばかりだったが、その女性との何気ないやりとりの中で少しずつ元の調子を取り戻していく。
落ち着きを取り戻すと、"自分のやりたいことが分からなくなった"と本音を吐露するが、それに対する女性の「本当にしたいことは、状況や自信に関係なく、したくて仕方が無くなるもの」という助言を受け、今まで自分の戦ってきた理由が、"単純に、自分を認めてくれたソラトや周りの人々の役に立ちたかったから"ということに改めて気づいて戦意を取り戻すと同時に、初戦では心の乱れから呼びかけに応じなかったレキネスも再び実体化できるようになり、ドグリドも取り込んで更なるパワーアップを果たしたエルドギメラに対峙するオメガやNDFに加勢。
初戦とは反対にNDFの作戦を援助してエルドギメラの無力化に貢献し、そのままレキネスアーマーを発動させてその撃破に成功した。

こうして、様々な苦難に遭いながらも、コウセイはソラトの相棒として大きく成長。
改めて、これからも怪獣の脅威に立ち向かうことを心に決めたのだった。


【メテオカイジュウ】

コウセイが使役する特別な怪獣達。
普段は手足を畳んだ「スリープモード」という姿で手のひらサイズだが、コウセイが空にかざすことで巨大化し、本来の姿「カイジュウモード」になる。
尚、これは現状コウセイにしかできず、試しにソラトがレキネスを呼び出そうとした際は全く反応しなかった。
また、巨大化はできずとも小さいまま元の姿に戻ることもでき、それはメテオカイジュウだけで可能な模様。
姿形は千差万別で、どれも個性が強く方向性はほぼ完全に異なるが、全員胸にウルトラメテオを思わせる五角形型の結晶が埋め込まれている。

本来の姿になると、コウセイの意思に従って戦闘を行うが、その間コウセイ自身も体力を消耗する上、彼らもオメガと同様に戦える時間に限りがあり、1体につき最大で10分までしか巨大化を維持できない。
また、一度に操れるのは1体だけかつ、コウセイ自身の精神面が不安定だとそもそも巨大化させられないという制約もある。

彼らだけでも十分他の怪獣と戦える力があるが、その真価はコウセイの意思によってアーマーに変化してオメガと合体することであり、様々な武器や能力をオメガに付与し、戦闘をサポートする。

その特性上、オメガと何らかの関係があることは間違いないのだが、当のオメガことソラトが記憶喪失で詳しいことは何も覚えておらず、直感的に敵ではないと分かるだけで、現状その正体や出自は謎に包まれてるのだが、第15話での過去回想にて、以前からオメガと共に戦っていた仲間ということは判明し、その際は現在と違ってオメガ自身が自由に実体化できていた模様。

レキネス

身長:ミクロ~60m
体重:0~55,000t
スーツアクター:岡部暁

第3話から登場した記念すべき1体目のメテオカイジュウ。
青い体の典型的な怪獣の姿をしており、体中には先端が赤く染まった白い牙のような形の刃が生えており、頭部には剣を思わせる水色の角がある。胸の結晶の色は水色。
地球に落下してきたソラトが初めて降り立った場所の近くに石化した状態で埋まっていた所をコウセイに掘り起こされ、ペグノスとの戦いの最中にコウセイを助けようとするかのような形で復活を果たす。

屈強な見た目だが、その主な戦闘スタイルは念動力「レキネスネシス」による特殊攻撃であり、相手の動きを直接封じることや、周囲の石や木を動かして障壁を作り、攻撃を防ぐと言ったサポートが主。
封印を解いた影響なのかコウセイによく懐いている他、他のメテオカイジュウの気配を察知することができる。

オメガとの合体ではレキネスアーマーと長剣レキネスカリバーに変形し、レキネスカリバーを介してレキネシスも再度使用可能になる。


トライガロン

身長:ミクロ~45m
体重:0~30,000t
スーツアクター:岡部暁

第7話から登場。
四足歩行体形で金属質な体の持ち主で、体中に黄色いブレード状のパーツが取り付けられた肉食獣を思わせる姿をしており、首元には毛が生えている。結晶の色は黄色。
三日月状の石の姿で宇宙から飛来し、町中を浮遊して人々から未確認飛行物体として騒がれていたところをコウセイに発見され、オメガ/ソラトを信じようとする強い意志に呼応して復活した。

レキネスとは対照的に、ブレードに囲まれている強固な体と素早い動きから繰り出す斬撃を主な武器とするパワーファイターであり、その威力は一撃で怪獣の部位を破壊するほど。
オメガに怪獣の追跡を押し付け任され、煮えたぎるマグマに入るよう促された際は強めに嫌がるなど、戦闘スタイルも相俟ってやや気は荒め。

オメガとの合体ではトライガロンアーマーと右腕に装着される大型クロートライガロンクローに変形し、引き続き高速移動能力を与える他、トライガロンクローから光の刃を放つ。

ヴァルジェネス

身長:ミクロ〜65m
体重:0〜4万t
スーツアクター:岡部暁

第14話から登場。
鎧を纏った赤い鳥のような姿をしており、目元を西洋甲冑の兜のような物で覆っているのが特徴。結晶の色は赤。
他のメテオカイジュウと同様、元々はオメガの仲間だったのだが、物語開始前のゾヴァラスとの戦闘の最中、その能力で操られてしまい、結晶が黒く染まったダークヴァルジェネスに変貌し、初登場時点ではオメガの敵として彼らの前に立ちはだかった。
その後、第15話では人類側の作戦によって一時的にゾヴァラスの支配から解放されるも、洗脳が中途半端に解けたせいで混乱して暴走。
無差別破壊を始めてしまうが、メテオカイジュウ達との連携で自身に飛び移ってきたコウセイの必死の説得と、メテオカイジュウ達の呼びかけによって自我を完全に取り戻し、彼を真の使い手として認めると、ゾヴァラスから離反し、再びオメガの仲間となった。

の4つのエレメントを自在に操ることができ、羽ばたきによって竜巻と衝撃波を引き起こすヴァルジェネスツイスター、地面を隆起させ、土石の柱で敵を拘束するヴァルジェネスピンサーロック、巨大な水の球を作って相手をそこに閉じ込め、更に火球で熱して水蒸気爆発でヴァルジェネスブローアップといった多彩な技を駆使した幅広い戦法を誇り、接近戦でも翼を刃のように振るって敵を斬り付ける。

オメガとの合体では、ヴァルジェネスアーマーと三つ叉の長槍ヴァルジェネスハルバードに変形し、引き続き属性操作能力を発揮する。

このように、他のメテオカイジュウと比べても一際ハイスペックな万能型だが、その分使い手にかかる負担も他の種類とは比べものにならない程大きく、コウセイは元の姿に戻しただけでまともに立っていられない程にまで体力を消耗していた。

【余談】

  • 演じる吉田氏は子役時代に『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』や『ドライブサーガ 仮面ライダーチェイサー』に出演しており、ウルトラシリーズには『ウルトラゾーン』での端役以来の出演となった。
    コウセイ役への合格を事務所からのサプライズで知らされた時は、一般ドラマでのオーディションの最終選考で落ちた経験を数回した反動から思わず号泣してしまったという。
    • コウセイの役柄については『視聴者に目線が近いキャラクター』と評しており、『彼がやりたい事を模索しながら自分を見つめ直すのが作品のテーマの1つと感じながら演じました。』とコメントしている。

  • 番組公式Xではコウセイの視点から本編の内容を振り返る『コウセイの秘密の日報』が投稿されており、吉田氏本人も引用で触れる事がある。



人前で追記するの禁止!修正するのも!

もし見られたら、カレーライス作ってやらないからな!焼きそばも!

それは困る……

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2025年10月25日 23:58

*1 この時、NDFは麻酔薬でグライムを眠らせて生け捕りにするつもりであったが、それを知らないコウセイが動きが鈍りつつあるグライムをトライガロンで追撃し、刺激して戦闘態勢にさせたことで効き始めていた麻酔薬を無駄にしてしまった。