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エルドギメラ

登録日:2025/10/04 Sat 11:55:16
更新日:2026/07/02 Thu 14:59:41
所要時間:約 5 分で読めます




推奨BGM:「予告(UO_M-59)」



巨人が負けちゃった!?

とんでもない怪獣が出てきましたね!?

いや本当に、あの怪獣町の方まで来ちゃったりしたらやばいって!!

ええ!? ちょっと怖い事言わないで下さいよ~!


という事で、次回の『ウルトラマンオメガ』は、


俺のやりたいこと


一体どうなっちゃうの~!?







けどずっと感じてたのは…あいつだ…!



画像出典:ウルトラマンオメガ 第11話「グライム再び」より
© 円谷プロ、「ウルトラマンオメガ」製作委員会・テレビ東京



エルドギメラとは、円谷プロダクション制作の特撮テレビドラマ『ウルトラマンオメガ』に登場する怪獣である。
本項目では、この怪獣から派生したメラについても併せて解説する。


【データ】

別名:爆進細胞怪獣(ばくしんさいぼうかいじゅう)
身長:65m
体重:56000t
出現地:栃木県石船山(いしふねやま)
スーツアクター:新井宏幸
デザイナー:わたべまさひこ


【概要】

第11話「グライム再び」から第12話「俺のやりたいこと」に登場。
『オメガ』では初の複数エピソードに渡って登場した怪獣であり、本作の中ボスに当たる。

個性的な見た目をしている者が多い本作オリジナルの怪獣の中でも、その風体はなかなかに異質。
体形こそ二足歩行の王道の怪獣然としているが、両肩は岩石のように丸く、表面は浅い窪みで覆われており、尻尾の先端はやや膨らんでいる。
両足には指が1本ずつ切り落とされているように見えるが、よく見るとその根本の部分はタコの吸盤になっている(余談の項も参照)。
そして特筆すべきはその頭部で、頭頂部からは王冠にも似たトサカが伸び、髪の毛状の触手を後頭部から何本も生やし、口は大きく裂けて下顎の両奥の牙は中に収まらずにはみ出して長く伸びており、その口からは黒い舌が常に飛び出している。
その両目は焦点の合っていないオッドアイで、舌を出している姿も相俟って、その表情はまるで食欲に物を言わせ、目に映るものを獲物としてしか認識せずに舌なめずりをしているかのような、何とも不気味なものになっている。

姿を現したのは第11話の終盤からだが、同話の序盤からオオキダ・ソラトが気配のみ感じただけで大きな危機感を感じるなど、どうやら並の怪獣ではないようだが……?


【能力・生態】

このエルドギメラの生態にして最大の特徴は、他の怪獣を喰らい、その能力を自分のものにする事。

尻尾の先端の正体は怪獣を捕食するための第2の口であり、普段は小さく畳まれているが、怪獣を喰らう際には一瞬で食虫植物の捕食器官を思わせる形に変わり、それと同時に数十メートルはある怪獣を覆うほどにまで巨大化。



画像出典:ウルトラマンオメガ 第11話「グライム再び」より
© 円谷プロ、「ウルトラマンオメガ」製作委員会・テレビ東京


そのまま怪獣に食らいついて瞬時に消化し、その怪獣の遺伝情報を自分に反映させて、その能力を自分が使えるようにしてしまう。
しかもこうして取り込んだ能力は上書きされずに残り続ける為、理論上は怪獣を喰らえば喰らうほど、その能力を手に入れて無限に強くなってしまう。更にタチの悪いことに吸収して得た能力は吸収元より強力になっている
また、そうして取り込んだ怪獣の特徴や器官は体に現れ、劇中ではグライムとドグリドを喰らって右肩にグライムのドリル状の角を生やして熱線の発射を、左肩にはドグリドの背中のコブを生やして毒の散布を可能にした。


画像出典:ウルトラマンオメガ 第12話「俺のやりたいこと」より
© 円谷プロ、「ウルトラマンオメガ」製作委員会・テレビ東京


このような能力に影響されてか、エルドギメラ自身の性格も非常に凶暴で、目に映る怪獣は全て餌と認識してどこまで追いかけるほど執念深い。
劇中では取り込まれたグライムやドグリドの他にも、普段は大人しい性格のリオドまでもがエルドギメラへの恐怖心から地上に姿を現して逃げようとしたほど。
食性を抜きにしたエルドギメラ自身の戦闘能力も高く、能力らしい能力は他にないが、単純な近接戦闘だけでトライガロンを圧倒したり、尻尾でオメガの首を締め上げてそのまま持ち上げてしまう怪力を誇る。本体の耐久力もグライムの熱線やドグリドの毒液を物ともしない程頑強。

このあまりにも地球の生物離れした能力は、後に国立自然研究センターによって「ギメラ細胞」と名付けられたエルドギメラ独自の細胞によるものだが、この規格外な能力の裏にはある「落とし穴」があった……


【劇中での行動】

■第11話「グライム再び」

この時点で姿は見せていないが、既にリオドを始めとした複数の怪獣を狙って活動していたらしく、ソラトもその異様な雰囲気を感じ取っていた。

そして同話終盤、そんな自身から逃げてきたグライムとホシミ・コウセイが操るトライガロンの戦いの中、獲物が足止めされているのをいいことにその戦いが繰り広げられているNDFの作戦区域に出現。
トライガロンを軽くあしらい、変わって現れたオメガやグライムと三つ巴の戦いになるも、戦いの余波からコウセイを庇った事で既に手負いだったオメガをほぼ歯牙にも掛けず、グライムの熱線攻撃もものともせずに圧倒し、尻尾で捕食。
その熱線発射能力を我が物にすると、尻尾でオメガを締め上げ、動けない隙に熱線を至近距離から放って撃退。

NDFの作戦区域にも甚大な被害をもたらし、さらなる獲物を求めて市街地へ歩を進めるのだった。


■第12話「俺のやりたいこと」

邪魔者がいなくなった事でエルドギメラの進行は一向に止まらず、道中でドグリドと対峙。
毒を噴射されるもまるで意に介さず、尻尾で捕食してその能力をまたも取り込んでしまう。

しかし、人間側も黙ってはいなかった。
コウセイが偶然出会ったウタ・サユキと共に探し出した肉片をアユム達国立自然研究センターが解析した結果、その弱点が判明する。
実は取り込める遺伝情報には限度が存在し、その限度を超えてエネルギーや遺伝情報を取り込むとキャパオーバーを起こして細胞が自壊し、取り込んだ怪獣の弱点も同時に肉体に反映されるという2つの弱点を抱えている事が判明する。
これを参考に、NDFはグライム用に開発された麻酔薬で足止めしている最中に、過剰にエネルギーを送り込んでエルドギメラを倒す計画を立てる事に。

そして、当のエルドギメラは進行を続けていくうちにNDFの作戦区域に侵入。
麻酔弾で動きが鈍るも、エネルギーを注入するために打ち込まれたアンカーも振りほどき、グライムの熱線で反撃しようとするが、そこへ体がある程度回復したオメガが乱入し、攻撃を防がれるとそのまま激突。
怪力や今までに取り込んだ能力を振るって圧倒するが、そこへ意気消沈から復活したコウセイが駆けつけ、レキネスを召喚した事で形勢が逆転。
アンカーをレキネスネシスで再び突き立てられ、エネルギーを注入された上に今度はオメガとレキネスに押さえつけられているせいで振りほどく事もできず、そのまま大量のエネルギーを流し込まれて弱体化。
これまでに取り込んだ能力を全て失ってしまい、悪足掻きに尻尾を伸ばすもオメガ レキネスアーマーに切り落とされて捕食能力も喪失し、丸腰同然になると最期は「レキネスカリバーコンティニュアス」で滅多斬りにされて爆散した。

こうしてその脅威は去った……はずだった。


【ゾメラ】



ゾヴァラスと、エルドギメラから人間が生み出してしまった怪獣……


「ゾメラ」……!



画像出典:ウルトラマンオメガ 第24話「最後の力」より
© 円谷プロ、「ウルトラマンオメガ」製作委員会・テレビ東京


別名:殲滅細胞怪獣(せんめつさいぼうかいじゅう)
身長:66m
体重:59000t
出現地:小笠原諸島・蘇来島(そらいじま)のNDF研究施設
スーツアクター:新井宏幸
デザイナー:わたべまさひこ

後に物語も終盤を迎えた第23話、小笠原諸島にてエルドギメラとよく似た姿の謎の怪獣が暴れていた。
その正体はギメラ細胞にゾヴァラスの細胞が融合した事で『偶然』生まれてしまった人造怪獣にして、『ウルトラマンオメガ』本編におけるラスボス。
地球防衛の目的の為研究されていたゾヴァラスの細胞にギメラ細胞を近づけた結果、ギメラ細胞がゾヴァラス細胞を飲み込み爆発的に増殖、制御不能となった事でゾメラが誕生してしまった*1

見た目はエルドギメラの右目にゾヴァラスの顔の発光器官、左肩に胸部の発光器官が(発光部を囲むように睫毛が生えている)変化した「第3の目」、さらに左腕に鉤爪状の剣が生えており、誕生経緯もあってゾヴァラスを吸収して蘇ったエルドギメラとでも呼ぶべき姿となっている。

【能力・生態(ゾメラ)】


恐るべき事にエルドギメラの特性・知性はそのままにゾヴァラスの怪獣洗脳能力や右目からの光線及びバリア能力を獲得。
怪獣を呼び出した上でその怪獣を能力で無力化して吸収するという恐るべきコンボ技を可能としてしまった。
しかも能力の発現の仕方もより無頓着となっており、デマーガを吸収した際は右腕が付け根となったデマーガの頭部から尻尾が生えた溶鉄弾を放てる鞭となりゴモラを吸収した際は背中から超振動波を放てるゴモラの頭部(と背鰭)が直接生成されるというおぞましい姿へ変貌していった。またタイミングは不明ながらガイリュウガも吸収しており胸部が装甲、内側にカエン102の貯蔵器官となっており、口から光波ビームを放っている。見逃され命拾いしたと言うのに映らぬ所で退場したガイリュウガに多くの視聴者が涙したとか

ここまででも充分脅威なのだが元のギメラ細胞には無かった軽度の傷なら短時間で消えてしまう再生能力、そして元の弱点を受けても克服してしまう自己進化能力まで獲得してしまった。
活動可能範囲も海を泳ぐことが可能な為、事実上地球全土と言って良い。

ゾヴァラスが持っていたゲネス復興の意志、言語・擬態能力、操った怪獣を手駒として利用する以上の高度な知性までは反映され無かったが、底無しの食欲と狡猾さを見せ、世界中の怪獣達を目覚めさせて支配し、更なる捕食を目論む人類最大の脅威となってしまった。泣きっ面に蜂と言わんばかりにオメガが宇宙観測隊としての自我を取り戻してしまい人類の守護者不在という最悪の状況の中、怪特隊は調査の末ゾメラを倒せる『ある可能性』を見つける……。

【劇中での行動(ゾメラ)】

■第23話「宇宙観測隊」第24話「最後の力」

ソラト(オメガ)が記憶を完全に取り戻し、ガイリュウガを見逃して姿を消した日の夜、小笠原諸島・蘇来島にあるNDFの研究施設を壊滅させて出現。
ソラトが観測隊としてただ見続けるだけの中、洗脳波動でデマーガを呼び寄せると、鉤爪と洗脳波動で無力化させて捕食し、右腕をムチ状に変化させて灼熱の能力を獲得。

そこにオメガが出現して交戦する………がオメガはゾメラの能力を『観測』するために本気で戦おうとはせず、一通り戦闘して戦闘能力や再生能力を確認した後でヴァルジェネスアーマー&ハルバードの能力で凍結させようとするも、デマーガ由来の放熱能力ですぐに解凍。洗脳波動でヴァルジェネスを操ろうとしたことでオメガはすぐさまアーマーを解除&回収し、そのまま戦いを止めて去ってしまう。
その後は更に怪獣を捕食するべく本州へ泳いで上陸。それぞれの細胞元の弱点であった大量のエネルギーとカラスの鳴き声で撃破を試みるが、当初はそれらの作戦に効果があったものの、レーザービートルから放たれたトドメのレーザー攻撃を受けてもなお胸部の装甲が損壊するだけで留まり、逆に口から放つ光波ビームと熔鉄弾でビートルを全機返り討ちにし、胸のダメージを再生させると共に弱点を克服する進化を遂げてしまった。
そのまま市街地に侵攻後、怪特隊の観察下にあったゴモラと交戦し、それすらも捕食して背中にゴモラの顔(と背鰭)を出現させて超振動波を獲得。そして更なる捕食を目論み、世界中の怪獣を支配せんと今まで以上に強い脳波を放ち始める…………。

■第25話「重なる未来」

人類側は万策尽きたかに見えたがアユムは胸部に発現していたカエン102の貯蔵器官にゾメラ撃破の可能性を見出す。カエン102には同じエネルギーで刺激すると連鎖的に内部暴走を引き起こすという特性があり弱点を克服する自己進化能力を持ってしてもそれは無視出来ないと考えられたのだ。

ゾメラが脳波を活性化させ世界中の怪獣達を呼び起こそうとする中、NDFはレーザービートルを急ピッチで修復。ビートルから以前より出力を高めたカエン102を用いたレーザーを貯蔵器官に命中させるも、ゾメラは突如脳波を急激に高めることで電波障害を引き起こし、光波ビームでビートルを撃墜してしまう。

そのまま暴れ続けるもそこに宇宙観測隊員としての使命との葛藤を断ち切ったソラトが変身したウルトラマンオメガが現れ、格闘戦の末レティクリュート光線を長時間・至近距離で放たれ弱点の貯蔵器官が再び露出させられる。
そこに墜落したビートルのレーザー砲をコウセイが手動で起動・発射したレーザーを貯蔵器官にモロに喰らい、それでも必死の抵抗と言わんばかりに光波ビームを発射するもオメガに阻止されながら、オメガやコウセイを巻き込む程の大爆発を引き起こした……かに見えたがそれでもゾメラは生きていた

だがそこにコウセイと一体化したウルトラマンオメガが再臨
最初は格闘戦で一進一退であったが左肩の第3の目に突き立てられようとしたオメガスラッガーをバリアで防ごうとするも押し切られてしまい損壊、ゾヴァラス由来の能力を喪失してしまう
能力を失った怒りからか超振動波を放つも操られる恐れが無くなったことで3体同時召喚されたメテオカイジュウレキネスのレキネスキネシスで防がれ同時に召喚されたトライガロンによる爪撃からレキネスカリバーで斬撃はすぐに再生するも念動力で動けなくされた所にトライガロンクローを背中に受け、更にヴァルジェネスアーマーウイングを胸部に受けてしまう。
悪あがきと言わんばかりに放った光波ビームはハルバードでかき消され、直後カラータイマーが点滅しながらもオメガが撃った渾身のレティクリュート光線が胸部の貯蔵器官に直撃し爆散。世界中で目覚めかけていた怪獣達も沈静化し、事態は難を逃れたのだった。


【余談】

  • デザイン担当は過去に『ザ☆ウルトラマン』や『ウルトラマン80』に参加していたわたべまさひこ(旧名:渡部昌彦)氏で、ウルトラシリーズへの参加は実に45年ぶり(ただし、その間もお蔵入りとなった『劇場版ウルトラQ』の企画用の怪獣デザインを描き下ろしていた)、特撮作品そのものの参加も『巨獣特捜ジャスピオン』のバドルゲス以来約40年ぶりとなる。「人間換算の歳はきかないでね」とはXでの本人談。
    • 両足のタコの吸盤の意匠は、わたべ氏が無類のタコ好き*2である事から取り入れたもの。
      一方で太もものナメクジのような体表は武居正能監督のリクエストとのこと(本人のXより)。
    • ゾメラのデザインも引き続きわたべ氏が担当。また、着ぐるみはエルドギメラの改造ではなく新造である事がXにて明かされている。

  • エルドギメラという名前は第11話の時点では着ぐるみクレジットのみで、第12話にてギメラ細胞共々政府側で命名されており、テロップ表記もドグリドを捕食した段階で初めて挿入されている。ゾメラも第23話では表示されず第24話でサユキの説明後、デマーガを吸収した場面で挿入された。

  • そのあまりにも地球怪獣離れした能力から視聴者からは『実は宇宙怪獣なのでは?』と予測されていたが、最終章直前の武居正能監督と主演の近藤頌利氏の対談において、「ソラト(オメガ)がエルドギメラを知らなかったのは、ソラトが観測している間には出てきていない太古の怪獣だから」と語られ、(少なくともオメガの宇宙の地球では)純地球産の怪獣であると明言されたここの地球魔境過ぎませんかね……

  • ゾメラは放送前から公開されていたソフビの説明文からデストルドスを思い出したファンが多かった模様。もっとも、元になった怪獣の尊厳を冒涜する姿(しかもよりにもよって初代に登場した怪獣が背中の部位になる)、誕生に人間が関わる上その経緯、別名に『殲滅』という字が入るといった共通点は有ったものの、そこに黒幕がいないという点あと取り込んだ怪獣の能力を有効活用出来るだけの知恵が違っていた。

  • ゾメラは登場こそ終盤であり、物語の本筋からは蚊帳の外であったものの、ルーゴサイト以来となる主要メンバー(しかも主役であるウルトラマンとその相棒)を殺害した怪獣である

追記・修正は、食べ過ぎない方にお願いします。


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最終更新:2026年07月02日 14:59

*1 一応、サユキは「危険なことはやめておけ」と警告したのだが……

*2 過去の参加作品においても、『科学戦隊ダイナマン』のタコシンカなどのタコ系怪人を手掛けたほど。