プラレール

登録日:2012/03/05 Sun 16:50:35
更新日:2025/05/13 Tue 09:42:36
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プラレールとは、タカラトミーから発売されている鉄道玩具である。

▽目次

【概要】

日本各地の実在する鉄道車両をデフォルメし、電動走行可能とした玩具。
基本は3両1編成で発売されているが、機関車や路面電車など1両で走行可能、あるいは7~8両ほどの連結が可能な製品も時折発売されている。

半世紀以上にわたって愛され続けている超ロングセラー商品でもある。男の子にはとりあえずプラレールかトミカを与えておけばまず外さない。
トミカ同様、その時の最新の新幹線や特急列車、通勤電車をラインナップし、蒸気機関車といった定番の車両もラインナップ。まさに戦後の昭和から令和の現在までの日本の鉄道史と共に歩んできた存在なのである。

「プラレール」という名前自体は、1970年代頃より使われはじめていたが、商標登録されたのは1990年頃と意外と遅い。
この名前は「プラ電車だと語呂が悪いので、製品工場のパッケージ担当の人が勝手につけた」とか「営業担当の人が取引先でプラ電車をプラレールといい間違えたのがそのまま定着した」とか様々な説があるが、会社側もその辺りは「わからない」としていて、メジャーなおもちゃの割りには珍しい経歴を持つ。

なお、タカラトミーでは同じ乗りもの玩具として車型のおもちゃ「 トミカ 」も1970年代から発売しており、1990年代以降は事実上の姉妹ブランドとして展開している。
そのためトミカを積載出来る車両やトミカと一緒に遊べる踏切なども発売されている。
2013年には映画も作られた。

プラレールは派生した商品も含めて膨大な種類があり、タカラトミーさえ「数えたことがないので全く分からない」としている。

また、プラスチックの成形色を使用した青いレールも特徴で、年を追う毎に車輪や内装などがリアルになる一方、レールの基本デザインと規格は発売以来一切変わっていない。
ただし、急坂レールに限り初期の物は手転がしで遊ぶことが前提であったために非常に急な勾配となっており、現在のプラレールではモーターの出力不足で上ることが不可能となっている。もちろん手転がしであれば問題なく上ることができる。

変わった使用方法としては、JR東海など一部の鉄道会社では異常時の列車の動かし方などのシミュレーション、乗務員の訓練用としてプラレールを使用している。
Nゲージよりも安価で、普通の量販店で手に入る上に大きめのサイズで、説明する際に分かりやすいといった点で使われているのだろう。

【歴史】

1950年に米国キーストーンが発売した「TOT RAILROAD」を起源とし、その権利が米国プレイスクールに渡ってトミーの前身であるとみやま商事が生産ライセンスを得たことがプラレール前史とされている。

1959年にとみやま商事から「手転がし式プラ汽車セット」として事実上最初の玩具が発売された。
公式にアナウンスされている「プラレールのはじまり」はここから。
1961年には「電動プラ汽車セット」の名前で電動型が発売された。
ちなみにこの電動型プラ汽車は戦前から戦中にかけて南満州鉄道を走っていたダブサ型蒸気機関車がモチーフとされている…と長らく言われていたのだが、戦前のドイツ国鉄BR61型機関車がモチーフであったことが2020年に判明した*1
どうもプレイスクールのレールにドイツ製のHO製品を載せたものが源流らしい。
この時期家庭雑誌の「暮しの手帖」で紹介され知名度が上昇したという。

TOTの方はプラレールの系譜から分岐し、プレイスクールが買収したホルゲート・トイ・カンパニー名義で1960年にレール中央部に枕木の意匠が追加されて発売、さらに数年後にチャイルド・ガイダンス・プロダクツに渡り接合部が丸型に変更された*2。これは「ターンポップトレーン」の名でプラレールの派生製品として国内でも販売されていた。詳しいことは不明だが箱にとみやま商事とバンダイのロゴが書かれているのが特徴でもある。

プラレールを一躍メジャーにしたのが、1964年に発売された「電動超特急ひかり号(東海道新幹線0系)」で、当時同じ時期に発売された鉄道模型よりも丈夫かつ安価であったため、子供たちに安全で遊ばせやすく、ヒット商品となった*3

この商品は1980年代中頃まで基本性能そのものはそのままで発売され続け、バブル景気の頃にスイッチが車両先頭部から車両上部に移され、モーターが改良されても外観は2000年頃に発売中止となるまで大きく変わらなかった*4

レイアウト構築や遊び方の面でも力を入れており、1969年には初の複線レールが発売され、後には運転の疑似体験が可能なセットや同時発車、交換が可能になる線路システムを構築する製品開発にも取り組んでいる。
また、車両面でも速度変更が可能な「2スピード」やライト付き車両が登場。更に私鉄の電車も登場する等ラインナップの充実化が図られた。

1987年、それまで摩擦ゴムを介して動輪を駆動していた所謂「旧動力」から動輪までギアで繋がっている「新動力」へ全面刷新。電源スイッチが屋根上に移動し、スイッチOFFでギアが外れて手転がしすることが可能になった。
この頃からTOMIXからのフィードバックとしてより細部のディテールが再現されるようになってくる。

近年では鉄道事業者が限定グッズとして大手私鉄の通勤電車などを製品化しており、沿線売店や一部小売店限定で発売されている。

平成期以降はキャラクター商品の充実化が図られており、「きかんしゃトーマス」シリーズが1992年から登場し、現在も定番グッズとしてラインナップされている。トーマス以外では超特急ヒカリアンシンカリオンもプラレールと規格を合わせており、いずれもレール上で遊ぶことが可能。

また、新動力化の頃からのリアル化の流れが一気に加速し、既存製品の塗装・印刷表現によるディテールアップや造形を強化した新金型への移行が続々と行われるようになった。
「歴代つばめスペシャルセット」や「サウンドC62重連セット」といったどちらかと言えばマニア向けっぽい製品が現れ始めたのもこの時期。

2000年代後半ごろから電池蓋がネジ式になったものが登場。安全面の強化に加え、台車固定用のツメが排除されてよりリアルな見た目となった。
その流れで2014年、動力車が二度目のモデルチェンジ。「新メカ」と通称されるこの新型動力台車は、ボディタイプごとに種類があった従来型と異なり車両の種類を問わず共通のシャーシを使用し、これを交換することで対応していればどの車両でも2スピード、遠隔操作、ライト付き、往復といったギミックを楽しむことができる*5
新メカ導入前後に絶版になった車両も再販時に対応するものが多いが、一方で蒸気機関車やスカート一体型のシャーシを使用している車種を中心に新動力の車両も残っている*6

上位層向けの互換ブランドも存在しており、80年代には車両やレールをより精密にしたスーパーレールという商品も出していた。
2010年代に入ってから似たようなコンセプトの「プラレールアドバンス」を発売したが、こちらは6年ほどで姿を消している。
どちらも対象がNゲージとかぶってしまうのか、あるいはプラレールがあまりに長続きしていて成長してからもまた自分の子供と一緒に遊ぶことができる=プラレールからのステップアップとプラレール卒業はイコールにならないからなのかあまり長続きしなかった。
その反省なのか、2023年からは通常のプラレールと同じサイズかつほぼ完全互換でありながらも、車両の細部のディテールをリアルにした大人向けのシリーズとして、「リアルクラス」の展開が開始。
トミカの方にある「トミカプレミアム」のプラレール版に当たる製品といった存在で、ブルートレインといった、既に退役している往年の鉄道車両がラインナップされている。

【代表的な商品・ロングセラー商品】

歴史が長いシリーズだけあって代替わりを繰り返して長くラインナップに乗り続けている商品や少々の仕様変更だけで生き残っているようなものも少なくない。

  • 0系新幹線電車一族
上記の歴史でも触れた初代新幹線。「実車をモデル化」「3両編成」「電動」という現在まで続くプラレールの基本スタイルを確立させたものであり、常にプラレールの歴史と共にあった車両。

  • 「でんしゃ」系統
旧型国電を置き換えて増備が進んでいたいわゆる新性能電車をモデルにして*9製品化。プラレール初の在来線車両である。
1965年頃に「電動プラレールデラックスセット」で初登場し、69年に「電動プラ電車」という名称で単品化。
前後両方に運転台がある仕様で、茶色一色だった旧型国電から一変して路線ごとにカラフルに色分けされた姿を反映しつつもオモチャ映えを優先してかビビッドな色合いの赤・黄・緑・水色の4色をラインナップ。
1970年代には115系をイメージした「かいそくでんしゃ」とステンレス車体をイメージした銀メッキ一色の「ニューでんしゃ」が登場した。
やがて片運転台*10の新型にバトンタッチし、接着されていたシャーシがねじ止め式に改められた。この通称「電車台車」は現在でもプラレール(特に通勤電車)の基本規格として使われ続けている。
実車からかけ離れていた赤はすぐに廃盤になったが他の3色はその後も長くラインナップに残り、新動力移行を経て1993年まで生産が続いた。
その後は1999年以降「プラ電車」の復刻という体でリアルカラーのもの*11が時々セットで販売されるようになったが、最後は2005年にシリーズ45周年を記念して「電動プラ汽車」と共に赤と緑が収録され、オリジナルカラーの復刻として有終の美を飾った。
その後はリアルな造形の新たな103系へとその役目を譲った。一時期はセットでよく出ていたこっちも既に廃盤となっている。

  • EF66形電気機関車(0番台)
未だ人気衰えぬモンスター電機で、プラレールとしては同時期の車両たちが続々新金型になったり実車が全車引退してもなおしぶとく恒常ラインナップに居座っているモデル。
オリジナルは実車の製造終了後ではあるがまだ最新鋭型だった1976年の「おうふくプラレールEF66」で、その名の通り専用のレールで方向転換できる仕様だった*12
初期のものは前後にアニマルガード状のカプラーがあったが、後に一般的なものに変更。
往復機能の撤廃を経て新動力へ移行し、現在もこの仕様。
発売当初から長く紺色ベースに前後が黄色で塗り分けられているだけだったが、2001年の「貨車がいっぱい操車場セット」でJR貨物更新色がデビュー。続いて「ファーストトライセット こん」でリアルな国鉄色も再現され、2003年から単品で国鉄色の11号機とJR貨物色の12号機、3両編成でブルートレイン「あさかぜ」として51号機と新更新色の54号機がしばらく併売されていた。
その後27・51号機は廃盤となり11号機も27号機に変更されたのちこれも廃盤となったが、54号機だけはそのまま生産が続いている。

一方で100番台は登場から36年に渡って音沙汰がなかったが、続々と数を減らし運用ももはや末期段階になってきた2025年1月末に突如として通常ラインナップでの新発売が予告され、しかも置き換え元は既存の54号機…ではなくプラレール鉄道のクロスライナーでありファンに衝撃が走った。
そればかりか25年前に廃止されているはずの「ピギーバック車*13」としての発売というマニアックぶりである。
そして49号機「はやぶさ」もイベント限定品で長らく発売中、50号機「あさかぜ」もリアルクラス化と一線を追われている車両としては異様なバリエーションを誇る。

  • しんだいとっきゅう(国鉄583系電車)
プラレール、というかプラレーラー界隈を代表するというか…
初登場は上下箱時代後期の1975年頃で、当時の製品としてはスタイルやディテールの完成度が高く人気も高かった。
しかし、実車の運用が早期に縮小されたせいか新動力化されずに廃盤となり、生産期間が短かったため古いプラレールがコレクターズアイテム化し始めると高騰。
しまいには箱付きの初期製品に20万円もの高値が付き*14、プラレーラーの間では落札者のユーザーネームをもじった「ドボソ」が貨幣単位(20万円=壱ドボソ)として扱われたり、しんだいとっきゅう自体を「壱ドボソ号」と呼んだりするようになった。
その後新動力の復刻版が登場し相場は落ち着いているが、2006年にセット品で特急「つばめ」のヘッドマークを付けた国鉄色のものが出たのを最後に復刻やカラバリもリニューアルも行われておらず、洪水で金型が失われたという噂もありどうなることやら。

復刻後の2003年に何故かとある米国企業*15のノベルティとしてオリジナル版と同じカラーリング*16&何故か銀メッキに黒帯と緑車輪のものが生産され、一部は日本にも輸入販売された(通称USA版ドボソ号寝台特急)。
オリジナル版同様にクリーム色が濃いものと薄いものがきっちり存在している。
中には「SMC 20Mll. SHIPMENT CEREBLATION(SMC 20万個出荷記念)」というステッカーが貼られた個体が確認されているが、これが何を意味するのかはよくわかっていない。

  • とうかいがたきゅうこうでんしゃ(国鉄165系)
こちらもプラレールにおいてはEF66や583系とほぼ同期。
所謂湘南電車で、プラレールとしては初めて湘南色を正しい車両が纏った形になる。ディテールも当時としては高水準で、窓枠や特徴的なヘッドライトもモールドできっちり再現していた。
しかし、側面の塗装の方法が変更されたのに伴い側面のディテールが削除され、ただの溝での表現になってしまった。そのため窓枠が凸モールドの初期製品は今でも人気が高い。
前面形状が似ているのでドア数が違うものの113系として使われたり塗り分けを変えて153系にもなったりした。
このうち113系の横須賀色と春日色をイメージした「近郊型でんしゃ」は「近郊型でんしゃ ふみきりえきセット」限定で非常に希少な品*17。特に後者はカタログにすら載っておらず、しかし車両はカタログのレイアウトに映り込んでいたため2003年に再発見されるまで長いこと謎の車両として有名だった。
そしてプラレールの165系の塗り替えバリエーションで外せないのが80年代の185系『踊り子号』『新幹線リレー号』、阪急電鉄6300系「通勤特急」で、前者はドア数と国鉄車ぐらいしか両形式に共通点は無く、後者に至っては最早国鉄型ですらないという有様だった。
なお、後年阪急電車は新規造形で作り分けられるようになり、185系はリアルクラスでようやく正しい姿で発売されている。
更に驚くべきことに細部の金型の改修や塗料のリニューアルこそ行われていたもののなんと最近まで途切れることなく恒常品として発売され続けていた。実車は2003年にJRから引退、2012年にしなの鉄道で169系(最末期以外はしなの鉄道オリジナルカラー)が引退していること*18を考えると異様なまでのロングセラー。車輪は最後まで黄色を維持し往年の雰囲気を残していた。
2020年にやっと廃盤……と思われたが2023年にJRロゴの無い国鉄仕様、グレー車輪化、方向幕・ヘッドマークシール付属のディティールアップ版がイベント限定品として発売開始され、未だに現役続行中。
113系は2025年にリアルクラス化された。まずは湘南色で登場し続いて横須賀色もアナウンスされているが、一部のプラレーラーは春日色が出るか注目しているとかいないとか

  • D51きしゃ/D51きゅうこうれっしゃ
プラレールブランド確立の頃に登場したSLの代表選手。
当初は貨物牽引の「D51きしゃ」だったが、程なく10系客車をイメージした「D51きゅうこうれっしゃ」に模様替えし、EC箱の時期にまた貨物に戻ってまた客車牽引になっている。
なお、「きゅうこう」の客車はひかり号の流用であり客車のくせにパンタグラフが付いていた(しばらくして削除された)。
これもまた長いことプラレールのSLといえばこれという感じで、様々なセットに付属していた他シールを変えたりダミーの第二動輪を付けただけでC62やC58として製品化されていたこともある。
初期の製品には何故か成形色が濃紺色のものも存在した。

2000年代に入るとリアル化の流れに乗って200号機が指定され、カラーリング強化と炭水車*19が付属するようになったが、造形が古い分C62&C57とセットになった「蒸気機関車 鉄三勇士」など並ぶと浮き気味になってしまっていた。
そして2012年、製品構成と車番指定はそのままに新金型に移行した。これもやっぱりオールインワンセットでもよく採用されている。
なお、付属する旧型客車は元々C58に付属していたものだがこっちは依然として現役である。

これとは別にまだ旧金型が現役の2005年に同じ200号機で新規造形の「サウンド・スチームD51セット」が発売されている。
パッケージの「プラレールの限界に挑んだ細かなディテール」の謳い文句通りに本体もかなりリアルに作られているのだが、本命はこれまでもセット品ではお馴染みだったサウンドシステムに加えて水を入れることで走行中に霧状に水を噴き上げて蒸気のように見せるというギミック。
子供はもちろんマニアをも唸らせた驚愕のギミックであった。

  • EH500形電気機関車
金太郎の愛称で知られる大型電気機関車がプラレールになったのは21世紀に入ってから、実車の写真がパッケージに入ったりとリアル化の流れがかなり進行した頃。
当初は2次車に分類される3号機が指定され、取り外し可能なコンテナ車が1両付いていた。
ウリはなんと言っても10両牽引可能というそれまでのプラレールとは一線を画すハイパワーモーターを搭載したこと。同期のEF210と共に貨車を大量に引く貨物列車の再現ができるということで結構な人気商品であった。

ところが2017年にリニューアルされた際にこのモーターがなぜか新幹線と同じタイプの2スピード対応タイプに変えられてしまい、大量牽引は不可能になってしまった。
さらには指定が37号機になったことで3次車の造形に……なったはいいものの結構微妙な造形になってしまった。
リニューアルしたのに踏んだり蹴ったりである。

一方で2003年に「いっぱいつなごう金太郎&貨車セット」が発売。
こちらはリニューアル後と同じ3次車の10号機が指定されており、コンテナ車とタンク車が合計10両込みという素晴らしい逸品。
が、なんといってもすごいのは早期終売になりがちなセット品にも関わらずこのセットはなんと20年以上中身は変わらずに発売中という超ロングセラー商品であるということ。
当然中身もハイパワーモーターのため、プレイバリューも抜群である。
3つほど入っている旧型の固定コンテナ車が今の目で見ると少々浮き気味になっているが…

【変わり種商品】

半世紀以上にわたって発売されているため、往復運転のできるプラレールやリモコン操作できるスーパーひかり号*20、カメラ搭載型ドクターイエロー、プラレールのレールを使った懸垂式モノレール*21といったものが過去に発売された。

現在はディズニーリゾートラインや東京モノレール*22といった跨座式モノレールが懸垂式のものとほぼ同一アイデアの元に発売されている他、スシローとのコラボ商品の「すし特急おまち」にて久々に往復機構を持つプラレールが発売された。

さらに玩具オリジナルシリーズとして「トミカハイパーレスキュー」と世界観を共有する「プラレールハイパーガーディアン」も展開している他、
ガシャポンサイズの小さなプラレールとしてカプセルプラレールが発売されている。
一回200円で、基本はゼンマイ動力だが一部モーター車、電池式のストラクチャーも存在する。しかし近年はコストアップの影響か300円に値上がった上にモーター車が廃止されている。

また海外の鉄道事業者の車両も製品化されており、香港地下鉄、中国新幹線台湾新幹線が製品化されているが、いずれも現地でしか購入する事が出来ない。
ちなみに過去にあったTGVやユーロスターの製品は日本国内でも流通していた。

きかんしゃトーマスシリーズは、当初モーター出力が悪く、一部の既存の情景レールを通過できない事態となっていたが、現在はモーターが強化したものであるため、問題はない。
最近は車両の精密さに一段落がついたためか、情景セットの方に力を入れており、グラグラ揺れる橋やジェットコースターのような山などの珍品が続出している。
基本の車両もくっついて販売されているため、すぐに遊べるが、在来のプラレールの車両、特に新幹線をハイスピードできかんしゃトーマスの情景セットに通過させた時は、脱線転覆をする場合があるので、やめていただきたい。
やはりというか一部の車両セットは期間限定商品だったりするため、入手に非常に難儀することとなる。
TVのエピソードに登場した編成を再現するのは誰しもが通る道。その場合急行車両やブレーキ車を複数買いした人もいることだろう。



【余談】

  • プラレールの起源は長らく、プラ汽車セット以前に発売された同じレールを用いる「ハイウェーセット」という車で遊ぶおもちゃだとされてきたが、現在ではこのセットはとみやま商事がプレイスクールと同じく生産していた別の米メーカーの木の車と合わせて販売したものとみられている。
    なお、上述の通り最初期の製品から現在に至るまで互換性は一切切れていないので現行のレールでハイウェーセットの車も使えるし、プレイスクールはおろかキーストーンのレールとも未だ繋がることになる。また、レールの接続部が要石の形状なのは元が「キーストーン社」の製品だったからなのだろう。
  • プラレールでは分岐器は「ポイントレール」、もしくは「ターンアウトレール」(アメリカ英語での分岐器の正式名称に準拠)という名前になっているが、かつて販売された1線から4線に分岐する分岐器(1線からY字に2線になり更に分岐し4線になる形状)に限って「ぶんきき」という名前であった。
  • プラレールの分岐器は一部の特殊な物を除いて必ず分岐器の外側に黄色の進路設定用の物があるが、かつては分岐器の内側に進路設定用の物が設置されていたこともあった。
  • プラレールは曲線レールを8つ繋げると円ができるが、この円の大きさはちょうどプラレールの発売された時期に主流であったちゃぶ台の大きさとほぼ同じである。
    これは国内導入時にちゃぶ台に合わせて曲線の寸法を変更したもの。
  • プラレールの踏切には必ず遮断機と連動するプレートが線路上にあり列車が通過すると遮断機が降りるようになっているが、かつて販売された「ぜんじどうふみきり」に限りプレートが無く、踏切手前で線路側に伸びた棒に列車が接触すると電池で遮断機が降りるようになっていた。
  • 雑誌限定通販ではあるが、『ウルトラQ』の異次元列車が発売された事がある。
    ネタを明かせば小田急ロマンスカーNSEをモノクロにしただけだが、しっかり万城目と由里子と一平の人形がついている。芸が細かい。
    …といってもそもそも撮影用のプロップもNSE車をほぼそのまま造形していたため*23これで正しいのだが。
    モノクロ彩色による「当時の映像を再現」という試みは後に0系の商品*24でも試みられている。
  • 昔は大らかな時代だったのか、シールや塗装を替えただけで別の電車として発売することも多かった。
    中でも80年代はムチャクチャで、前述の185系?や阪急?をはじめ非貫通顔のEF65をEF64としたものなど変なリペイント品販売していたが、流石に評判が悪かったのか短期間で販売中止になっている。
    他にも営団地下鉄(現:東京メトロ)6000系のシールだけ変えて福岡市交通局1000系や京都市交通局10系に仕立て上げたなんてことも。しかも営団地下鉄のマークがモールドなので営団マークがそのまま付いている。なお、185系は後にリアルクラスで41年振りに正しい姿になったほか、阪急電鉄の商品も現在では定番品となっている。
  • 一時期、「乗り物王国ブーブーカンカン」内にてプラレールとトミカを利用した「冒険アスファル島」という番組をやっていた。
    登場するオリジナル車両の製品化もなされたがその中に出てくる283系オーシャンアローとE351系スーパーあずさは、一両以外*25は元の車両とほぼ同じ塗装である。この二形式は「冒険アスファル島」のキャラクターとしてしか製品化されていない。でも前者は近鉄21000系の色違いだから両方の先頭車両がイルカ顔で後者は651系の色違い。
    番組放送期間しか販売されなかったため、今では超プレミア商品として知られている。
  • また、1983年から数年間、東京ディズニーランドで走っているウエスタンリバー鉄道の蒸気機関車を模した車両も発売されたが、モーター出力が悪く、高架線に上がれないという致命的な不具合があり、モーターが焼けるトラブルが続出したため、この車両だけは「黒歴史」扱いされている。(一時期ディズニーランド内で再販したものはモーターの構造やスイッチを見直した新規金型でパワーアップしている)
  • プラレールはその対象年齢が主に子供に設定されていることから、現役の車両や新幹線、特急車両など子供人気が強いor馴染みの深い車両が製品化されることが多い。欲しい車両がなかなか製品化されないからと改造やフルスクラッチ、3Dプリンターで自作しちゃう人も少なくない。
  • 実在路線の線路配置、1日の運行ダイヤを再現してその通りに走らせる「ダイヤ運転」という遊び方がある。YouTube等で「プラレール ダイヤ運転」と検索するとその模様を紹介した動画が上がっており、起工式の実施や連絡用電話網の構築など大人の本気の遊び方を見る事が出来る。
    その反面、あくまでも玩具であることからか、こういった場でこそ「日用品で見立てる」文化も強く、大人のファンでもたとえば雪山は布団や家電梱包用の発泡スチロール、果ては外にレールを敷いて実際の雪を盛りつけて使うことも。




追記・修正はプラレール20両編成を走らせてからお願いします。

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最終更新:2025年05月13日 09:42

*1 上述したプラレールの「真の前身」にまつわる調査の中で判明した。

*2 チャイルド・ガイダンス製品の中にはプラレールゆうえんちシリーズと酷似したものが確認できるが今のところ詳細不明。

*3 このひかり号の先頭車はチャイルド・ガイダンス向けに輸出されていたのが確認されている。

*4 ただし途中で電動超特急ひかり号→新幹線ひかり号→ニュー(→ライト付き)ひかり号とモデルチェンジしている。

*5 当初は「のせかえOK!」のアイコンが記載されていたが、普及してくると削除された。

*6 SLは物理的に新メカシャーシが入らない。スカート一体型の場合は新メカ対応の完全新金型に置き換えられたものもある(EH500やEF66は新動力型と新メカ型が並行して販売されている)。

*7 余談だがこの中間車はさらに151系と10系客車に流用され、0系が代替わりした後も長くラインナップに残っていた。最終生産はなんと2002年の復刻版151系である。

*8 実は改修後の先代モデルではウエストひかりは出ていない

*9 101系と103系を混ぜたようなデフォルメになっている。

*10 2両目と3両目の区別が存在しない

*11 最初に復刻された際はプラ電車と銘打った上で赤に代わってオレンジバーミリオンが収録された。

*12 現在のH5系に採用されているいわゆる「おまちシャーシ」とは機構が異なる。

*13 荷物を積んだ貨物トラックをそのまま鉄道貨車に搭載して輸送する形態

*14 ただし回線落ち対策で(当時はダイヤルアップ)とりあえず多めに入札しておいたところ本当にそこまで吊り上がってしまった一種の事故であった模様

*15 米国トミーが取引先に配ったという説もある

*16 青白赤なので星条旗カラーとして選ばれたとも

*17 横須賀色は後にファーストトライセットで再登場している

*18 富士急行では2016年まで塗装と形状が大きく異なる改造車が運転されていたが。

*19 元は先述のC58に付いていたもの

*20 300系新幹線の開発時の初期デザイン。100系新幹線に似たハイデッカー車両で、モックアップ(実物大モデル)も制作された。つまり実際には実現しなかった車両である。モックアップモデルで止まったことから「スーパーひかりモデル」とも

*21 架空の路線のものの他、実在する路線でも湘南モノレールが発売された

*22 こちらは東京モノレール側のイベント・売店限定商品。

*23 当時、円谷プロの本社は小田急沿線にあり(祖師ヶ谷大蔵駅近くの初代本社、いわゆる砧社屋)、公式に撮影依頼を出すことも多かった。他には『ウルトラセブン』より「緑の恐怖」車内のシーンなど。

*24 モチーフは1番列車出発式の記録写真

*25 オーシャンアローはボートの積載車両、スーパーあずさは救急車両が連結されている。