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ディメトロドン(古代生物)

登録日:2025/12/13 Sat 11:39:36
更新日:2026/02/20 Fri 18:44:39
所要時間:約 3 分で読めます




ディメトロドン(学名:Dimetrodon)とは、今から約2億9500万~2億7200万年前のペルム紀前期と呼ばれる時代に生息していた単弓綱盤竜目スフェナコドン科に属する古生物である。


概要

単弓類とは現代における哺乳類の先祖で、見た目は現生のトカゲやイグアナをはじめとした爬虫類然としているが、内部構造は原始的な哺乳類に近い生物たちのことを指す。かつては哺乳型爬虫類とも呼ばれていた。*1
ディメトロドンもその一種で、その中でも初期に現れた盤竜類(ばんりゅうるい)に属する。
ペルム紀の生物としてはトップクラスの知名度があり、古生代全般で見ても三葉虫やアノマロカリスあたりと並ぶだろう。

ビジュアルは背中にクソデカい帆のようなヒレのあるトカゲ
大きさは小型の種だと100cm未満、大型の種なら3mを超えるものもいる。後述する鋭い歯と大きな顎を持つ肉食動物であり、当時の頂点捕食者だったと思われる。

同時代・同地域に生息したエダフォサウルスも同じように背中に帆がある単弓類ということで非常によく似ているが、エダフォサウルスは帆の側面からトゲトゲが生えているのでそれで見分けられる。何よりエダフォサウルスは植物食動物であり、ディメトロドンの主要な獲物でもあったと思われる。

学名はラテン語で「2種類の歯」を意味しており、その名の通り、歯の形状が全て同じだった過去の生物たちと違い、現代の哺乳類に見られるような異なる形状の歯を持っている。
これは「異歯性」と呼ばれるもので、人間で言うと肉を噛み切るのに鋭い前歯とそれを噛んで柔らかくするのに平たく大きな奥歯の二種類があるのと同じ。
ディメトロドンの歯には肉を噛み切る鋭い歯の他に犬歯が存在しており、用途によって使い分けていたと考えられている。用途によって歯が徐々に複数の種類を持つようになり、現代の哺乳類の歯へと近付いていっている証である。
まあ、ディメトロドンたち自体は子孫を残さず絶滅したが、後に哺乳類へと繋がる獣弓類(じゅうきゅうるい)はディメトロドンの属するスフェナコドン科から派生した系統という説が有力なので、異歯性は(直接では無いが)しっかりと受け継がれている。

ディメトロドンの化石の多くは北アメリカやヨーロッパで出土する。
現在では大西洋で分断されているが、ペルム紀当時はアメリカ大陸とヨーロッパは「パンゲア大陸」という一つの大陸であり、長い年月をかけて移動し、二つに分かれたという経緯がある。その際、そこに生息していたディメトロドンの化石も同じように二つの大陸に別れ、結果、化石が大陸の両方で見つかるようになった。
また、生息域は湿地帯や川辺といった水が豊富な場所だったようである。


ディメトロドンの最大の特徴といえば背中のだろう。脊椎の神経棘が発達したもので、血管が通っていた痕跡が確認されている。
このことから、帆を日光に当てることで体温を上げたり、風に当てることで逆に体温を下げたりと体温調節のために使用していたのだろうと考えられていた。
ディメトロドンは当時の頂点捕食者であり、効率的に体温を上昇させることができたからこそ機敏に動くことができ、獲物を狩ることができたのだろう。
さらにペルム紀は前半においては気温がだいぶ低く、また恒温動物もあまりいなかったらしく、「他の動物が動けない早朝に、ディメトロドンは機敏に動ける」というのは大きなアドバンテージであった。

一方、一部のディメトロドンには夜行性の種類もいたらしい
爬虫類や両生類、鳥類などには眼のところに強膜輪(きょうまくりん)と呼ばれる骨が存在している。ディメトロドンの小型種「ディメトロドン・ミレリ」の化石に、強膜輪の痕跡が発見されたのだ。
これは眼球の形を維持する機能があると同時に、眼球の水晶体、つまりレンズの部分と相関があるとされている。
水晶体は眼球に入る光の量を調整する機能を持ち、昼行性の動物と夜行性の動物とでは形状が異なることが分かっている。強膜輪はそれに比例して形状が異なり、昼行性の動物の強膜輪と夜行性の動物の強膜輪とでも形状はそれぞれ異なっている。

つまりディメトロドン・ミレリの強膜輪は夜行性の動物と似た形状だったのである。
よってこの種は活発に動く時間帯に太陽光を帆に受けることができず、帆を使って体温を上げるのは難しかったと考えられる。

さらに同じように背中に帆を持つ近縁種の中には、明らかに体温調節に使うには小さすぎるようなサイズの帆しか持っていない種も複数存在している。


ただ、あくまで「ディメトロドン・ミレリには強膜輪の痕跡が発見された」という話であり、全てのディメトロドンに発見されたという話ではない。
研究途上と言うこともあるのだが、熱交換説を維持する研究者もまだ多い。
例えば、大型種「ディメトロドン・グランディス」は帆を熱交換器として使うことで、同サイズの動物*2と比較して体温を80分で活動状態に持って行けるとされており、「ディメトロドン・リムバトゥス」は同じく一時間で活動状態になったという。
つまりティラノサウルスの羽毛説と同様、「ディメトロドンの帆」については未だ決定的な結論は出ていないという話である。

現在でも、体温調節説、バランス調整説、異性へのアピール説、外敵への威嚇説、あるいはそれらを複合した複数の用途で使用されていたなど、研究者によって諸説ある。


フィクションでの扱い

そのインパクトのある見た目から恐竜を除く古生物の中でも知名度は高め。
というか、恐竜を題材にした作品では恐竜と一緒くたにされて登場することが多い。すごく多い。厳密には恐竜の仲間どころか爬虫類でも無ければ、恐竜の栄えた中生代よりも更に古い古生代の生物なのに…。

特に子供向け作品だとそれが顕著で、T-レックストリケラトプスなどと一緒にしれっと恐竜みたいな面で混ざっていることも多い。でもプテラノドン先輩に比べればまだマシなほうではある*3


ディメトロドンをモチーフにしたキャラクター



余談

大阪府阪南市にある「わんぱく王国」という公園にはディメトロドンを象ったモニュメントが存在し、その体長は何と21m。もはや怪獣である。
同公園内の巨大すべり台と繋がっており、山の中腹から斜面を滑り降りていくと最終的に口の中に突入するというコース作りになっている。



追記・修正は背中の帆を活用しながらお願いします。

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最終更新:2026年02月20日 18:44

*1 研究が進むうちに、約3億1000万年前の石炭紀後期において両生類の段階から爬虫類含む双弓類と後の哺乳類含む単弓類に枝分かれしたことが分かっている。

*2 ディメトロドン・グランディスの大きさで帆がないと仮定して、日光だけで体温を高めると205分掛かるという。

*3 プテラノドンは恐竜ではなく翼竜という別の分類で、さらに同じ白亜紀でもプテラノドンの生息していた時代はティラノサウルスやトリケラトプスのそれとは1000万年ほど前。

*4 その名の通りディメトロドンモードとプテラノドンモードを切り替え可能