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サンキューピッチ

登録日:2026/03/08 Sun 23:08:56
更新日:2026/07/31 Fri 16:45:54
所要時間:約 10 分で読めます





憧れて……夢見て……
ずっと ずっと ずっと
もう叶わぬとあきらめかけていたはずが……
ギリギリでつながった!!
9回ウラからの───俺の高校野球!!

『サンキューピッチ』とは、漫画家・住吉九による野球漫画。
Web漫画サイト「少年ジャンプ+」にて2024年9月から隔週火曜で連載されている。

概要

作者の前作『ハイパーインフレーション』が強烈な作風で知られていたこともあり、本作も連載開始直後から注目を集めた。

最大の特徴は、天賦の才を待つ主人公が「一日3球しか全力で投げられない」という極端な制約を持つ点。
というわけでタイトルの「サンキュー」に込められた意味の一つは間違いなく「3球」なのだが、話が進むにつれ他の意味も読み取れる展開になっていく。
ちなみに単行本表紙では「sankyu pitch」表記。

題材からして特殊だった前作とは対照的な、王道にして使い古されたジャンルである野球漫画というチョイス、「誰も見たことがない野球譚」という誇大広告じみたキャッチコピーから不安視する声もあったが、
勝負の場を変えても健在な、同ジャンルならば『ワンナウツ』等に喩えられる頭脳戦と、お得意の強烈なキャラクターによるギャグ要素、
それでいて根底にあるのは「友情・努力・勝利」の少年ジャンプのお約束。奇人変人や突出した才能を持つ者も少なくないが、その裏で努力を重ねる者ばかり。
「読者の笑いとツッコミが絶えない異色な作風の野球漫画だが、物語の芯ではしっかり王道を進んでいる作品」として人気を博している。

「次にくるマンガ大賞2025 web漫画部門1位」などの好評を得てか、いくつかのエピソードで漫画のコマに声を付けたボイスコミックも公式配信。
なお連載1話でなくその一部を切り取ってが多い上(後に第1話を丸々使ったものも登場)、制作時期の違いでキャラクターごとの担当声優が複数存在する形になっている。
数回続けて担当する声優が多い中で後述の阿川先生には毎回違う声優を当てたり、女性キャラ含めて小野大輔氏が1人で9役担当した回など、こちらもネタに事欠かない状態である。

あらすじ

神奈川県の高校球児の間で、ある噂が囁かれていた。
夜な夜な現れては「3球勝負」を挑む謎の男、「野球部狩り」――。
男は驚異的な豪速球を持ち、勝負に負けたことがないという!!
県立横浜霜葩高等学校、野球部キャプテンの小堀は「野球部狩り」が学内にいると推測。
小堀は悲願の甲子園出場のため、男を勧誘しようと自ら囮となることを決めた。
そしてその夜、グラウンドに「野球部狩り」が現れる!! だが、男には野球ができない“ある秘密”があって……。

高校3年、最後の大会まで3週間、投げられる球――3球?! 9回ウラから始まる野球譚、試合開始(プレイボール)!!

主な登場人物

県立横浜霜葩(そうは)高校

神奈川県にある公立の進学校。通称「ハマソウ」。
公立高校であり、甲子園出場経験もない普通の野球部であったが、作中の代の3年生は幸運にも粒ぞろいのメンバーであり、悲願の甲子園出場のため練習に励んでいる。

策を練るブレーンが3人もいる異質なチームだが、
  • 根回しや情報操作など、裏の仕事に長けた小堀
  • 野球選手として優秀で、正統派の駆け引きに長けた広瀬
  • 試合においてルールの裏をかくような、奇策に長けた伊能
という形で差別化されており、キャラ被りを回避している。この特徴のせいで主人公チームなはずなのにどちらが悪役か分からなくなるような戦術を取りがち

◆桐山不折(ふせつ)

素晴らしい(マーベラス)!!もっと俺を苦しめてくれ!!

3年生 ピッチャー(一塁)
cv:佐藤拓也、小林秀行、杉田智和、小野大輔

本作の主人公。
野球の神様に愛されたと称されていた程の体格とセンスを持ち、目測160km/hを超え、鉄製のストラックアウトをねじ切る剛速球と一級品の変化球を操る超高校級ピッチャー。
しかし、リトルシニア時代に右ひじを故障し、1日に3球しか全力投球できないイップスを抱えてしまう。
イップスと言ってもそもそも故障自体が致命的で「桐山の類稀な運動神経が本能的に右ひじを守っている」という性質のものであるため、実際には肉体的にも3球しか投げられず、
打撃や左投でも負担は蓄積してストッパーが働き、下手に破れば完全に壊れてしまいかねない状態。
泣く泣く高校野球を諦めるが、病的な野球愛と勝負中毒(ジャンキー)から、夜な夜な神奈川県内の高校グラウンドに現れ、野球部員に3球勝負を挑んでいた異常者。
次第に「野球部狩り」として神奈川の高校球児の中で半ば怪談のように語られていた。
小堀と広瀬が夜に自主練をすると聞きつけると2人の前に現れ、広瀬に3球勝負を仕掛けるも、それは小堀の計略であった。
2人にスカウトされるも、他の野球部員への配慮と「制約」のため辞退する。しかし、3球で確実にアウトを取るワンポイントリリーフを提案される。
諦めていた高校野球という夢を再び見る契機を得た桐山は、ハマソウの主砲・広瀬を3球3振に打ち取り、入部を決意する。

投球だけでなく打撃など他分野でも圧倒的な能力を持つ、まさしく野球に愛された大天才だが、
故障に関しては投球以外にもしっかり平等に影響してしまっているため、バットは実質的に振れないし、全力送球も不可能。
しかし打席では本人のいかにも打つぞという威圧感と小堀による世論工作により勝負を避けられるため出塁率は高い。

持ち球としては下記のボールを操る。
  • 球威そのままに凄まじい落差で落ちる「ナイアガラフォーク」
  • バックスピンによるマグヌス効果にて浮き上がりボールの下部を叩かせることによって球威と相まってフライを打たせる「ムーンインパクト」
  • ナイアガラフォークの変化量を落としムーンインパクトとは逆にボールの上部を叩かせることでゴロを打たせる「アースインパクト」
  • 全力投球と同じフォームだが、肘に負担をかけずさらに全力速球との落差による緩急のフェイントをかける「チェンジアップ」

野球愛に溢れており、1話の野球部狩りの時点から
  • 「君たちが心をこめて整備した神聖な場所であるマウンドを自分のような人間が使えない」「代わりに練習用のプルペンを借りる ここだって整備してる場所だから勝負が終わったら綺麗に戻す」と発言する(勝負後、使う前より綺麗に整備して帰る)、
  • 「最後の大会を控えている選手を何打席も勝負させると大変だから」として3球勝負を申し出る(実際は自身の投球の3球制限を隠すための言葉でもあろうが)
  • 他校でもグラウンドに入る際は一礼する、
  • 「一緒に練習してこなかった自分がのこのこ現れて1打席だけ投げさせてくれなんてエースに失礼過ぎる」と既にチームに居るエースを慮る発言をする、
  • 「坊主は高校球児の神聖な髪型」として逆に髪を伸ばす
など、とにかく野球に真摯な男。
一方で自分の専門外の細かい話は全く理解できないし、強打者やピッチャーとしての苦境、ロージンバッグの匂いでトリップする正真正銘の変態でもある。
フード付きの服と帽子とマスクで全身を覆った姿も相まって、第1話で野球部狩りとして挑戦状をぶつけた相手からは「律儀な変質者がいたものだ」と好意的に(?)評されていた。


◆小堀へいた

17人いる3年生の内たった一人だけベンチ入りできない選手がいたら
他のみんなは「その選手の分も頑張ろう」って一致団結するよね?

3年生 二塁手
cv:杉浦那由多、代永翼、小野大輔

横浜霜葩高校野球部の主将。チームを甲子園へ導くことを目標としている。
いかにも人畜無害そうな、童顔メガネ少年。
堅実な守備が光る立派なレギュラー選手だが、良くも悪くも「粒揃いのハマソウナインの中の一人」という程度にすぎない。
しかし監督が野球素人であることから、練習メニューの決定やマネジメントも担当している選手兼監督の立ち位置。
そして実態は作中で誰よりも高校生離れした怪物。他高校との交渉、中学までの友人100人と連絡を取りその情報網を活かす、他校の監督と個人的に交流を持つ、入学前から大量に作って3年以上架空のハマソウ校生活を運用していたSNSの複垢を用いて小規模な情報操作を行うなど、闇のコンサルタント紛いのことまで手広く手掛ける生粋の謀略家(フィクサー)
どうして普通科高校に通い、どうして野球部に入って甲子園を目指そうと思ったのだろうか……
作中では
  • エース三馬の精神安定剤として桐山を充てがった上で、強打者にぶつけることで徹底的に三馬を追い込みプレッシャーへの耐久度を測る
  • ひらめきと意外性を持つ伊能の代わりに3年生の竹内を外さざるを得ない状況を利用してチームの結束を強める
などを行なっており、人畜無害かつ温厚な容姿とは裏腹に目的のためならば手段を選ばず、仲間ですら謀略の駒として使うことができる人間である。
竹内をベンチから外した際、「僕だけが残酷な決断を下せる」と自認していたが、事情を察した広瀬からは「小堀だけが頭のイカれた決断を下せる!!」と評価されている。
ただし「駒」は自分のことも含んでおり、仲間を利用した責任を常に背負っている。*1
また、これらの謀略はあくまで事前準備に依るものであるため、想定外の事態が急に発生した時は狼狽える事も多い。
1年から部活を休んだことが無く、最も早く朝練の準備を始め、最後まで残ってボールを磨く姿勢から部員からの信望も厚い。長い拘束時間があるのにフィクサーの時間をどうやって捻出しているんだ……

野球部狩りがハマソウには現れず、野球部の遠征と出没情報が被っていたことから、ハマソウ生徒と推測。
恵まれた体格を持ちながら帰宅部であった桐山に当たりをつけ、聞き込みを重ねることで正体を看破し、一計を案じて桐山を野球部にスカウトする。


◆広瀬洋二

もっと色んな正ちゃんを見せてくれ!!

3年生 キャッチャー
cv:佐藤拓也、眞對友樹也、江口拓也、小野大輔

ハマソウの主砲として4番に座る強肩強打の名捕手。色黒のイケメン。
天賦の才により相手の力量を見抜く聖テレの轟からはハマソウで一人だけ別格と評価されたが、自分ではプロにはなれないと自己分析しており、将来はスポーツ科学の研究者を目指している。
三馬とは幼馴染で正ちゃん、洋ちゃんとして呼び合う仲。
誰よりもエースである三馬の実力を信じており、プレッシャーに負けすぐ桐山を頼ろうとする三馬の姿勢を快く思っていない。
小堀は桐山を三馬のお守りとして利用しようとしているが広瀬は桐山を三馬を覚醒させるカンフル剤として見ており、桐山を過剰に褒め称えることで三馬の嫉妬心と危機感を煽り覚醒させようとしている。
ハマソウのブレーンとして小堀のよき相談相手としてサポートしつつ、エースであり一癖ある三馬を幼馴染かつ女房役として支える人格者。
小堀からは「僕より賢い決断ができる」と評価されている。
しかし、彼もただの常識人ではなく、その実、三馬に対して明らかに幼馴染の域を超えた何らかの感情を向けており、覚醒した三馬に感動のあまり冒頭のセリフとともに様々な三馬をイメージ*2する衝撃的なシーンも。
三馬がとある事件により失踪してしまった際には心配で食が細くなったのかげっそりとやせてしまっており、三馬の面倒を一方的に見ているように見えて実は両想い共依存の関係。
髪は黒と白のツートンカラーとなっているが、染めているわけではなく、ストレスから来るもので、作中でも白髪が増えると愚痴っている。

◆三馬正磨

ざっけんじゃねェェェ!! ピッチャーは俺1人で十分だッ!!

3年生 エースピッチャー
cv:天﨑滉平、宇田川かいと(kayto)、湯浅悟朗、小野大輔

160cmと投手として非常に小柄な体格から球威十分なストレートを精密なコントロールで投げ込むハマソウのエース。住吉九作品でお馴染みのかわいいショタ。
短気で気が強く、幼い容姿から部内でお嬢呼ばわりされるも非常に仲間思いな性格で3年生で唯一ベンチを外れる竹内を慮って小堀に食って掛かる場面も。
小堀からは「僕よりも仲間思いの決断ができる」と評価されている。
1,2年生にも慕われており、三馬軍団としてこき使っている。
子供っぽすぎる面がある程度で等身大の男子高校生であり、ハマソウのメインキャラの中では比較的マトモな人物。そのためかは不明だが阿川先生に対するツッコミも随分と辛辣。

調子に乗っているときは素晴らしいパフォーマンスを発揮するが、プレッシャーに非常に弱いという致命的な欠点を持つ。
そのため、桐山の勧誘には「三馬を後がないプレッシャーから解放して精神を安定させれば、桐山のリリーフ能力以上のメリットがある」という打算があった。
しかし、三馬自身、プレッシャーに弱いくせに投手としてのプライドが高いため、(そしてエースの座を奪われることを恐れ)桐山に噛み付き、ストラックアウト勝負を挑む。
圧倒的な野球センスに敗れたこと、制約を聞かされたことからしぶしぶといった態度だったが、内心、プレッシャーから解放されたことを喜んだ。
実際、「ま いーかァ!!桐山がいるし!!」と伸び伸びと投げられるようになっている。
幼馴染の広瀬には、小学生時代にピンチを救われ、野球を誘ってくれたことから絶大な親愛と信頼を寄せるが、広瀬から向けられる激重な感情には気付いていない。

なお弱っている時はイマジナリーフレンドの幼い自分がネガティブな言葉で追い詰めてくる高校野球漫画で合法的にショタ*3を描くための設定。
聖テレとの試合において「桐山に丸投げして逃げようとする自分」や「投手としての原点」に立ち戻った結果、投手としてのパフォーマンスを冷静にフルスペックで発揮できるように覚醒。
覚醒後はイマジナリーフレンドの昔の自分に対しても強気に反論できるようになっている。

◆伊能商人(あきんど)

人生は死ぬまでの暇つぶし
それなら全力で暇をつぶしたいだけです!!

1年生 補欠
cv:天﨑滉平、鈴木将之、小野大輔

野球歴2か月の素人。
4話から登場。桐山の秘密を独自で掴み、それを材料にスタメン入りさせるという条件で小堀・広瀬に脅迫まがいの野球勝負を申し込んだ危険人物野球部員。
何か難しい目標を立て、それを攻略する過程を楽しむことを生きがいとしており、ハマソウ野球部に入ったのも、甲子園を目指せる実力者の3年生たちを擁し、なおかつ素人の自分でも試合に出場できそうな選手層というチーム事情が理由。
甲子園を「攻略」し、その経験を活かして本を出版することが目的で、野球そのものへの愛着は全く無い。
凄まじく捻くれた性格で共感性も皆無な鼻つまみ者だが、自分の目標のための努力には全力を出せるタイプで結果も出すので、なんだかんだ周囲から認められている。
日頃より自分に必要な能力を考えてトレーニングをしており、スタメン入りをかけて桐山に勝負を挑んだ際には、制約を事前に耳にしていたことから、対策としてバッティングセンターで6時間ぶっ通しで速球をカットする練習を重ねている。
こうした面から、現在の時点でもある程度実戦で通用する程度の野球能力を真っ当に備えている。
しかし桐山との勝負で「不要」と切り捨てていた能力不足がモロに出たため、それ以降は隠れながらも走り込みも行っている。

あきんど *4という桐山や轟と比べても珍妙過ぎる名前を持つが、桐山の秘密に限らず自身が優位に立つための情報収集*5に長けており、その名前通りに各所で取引を持ち掛ける曲者。
一方で、所属チームのハマソウが勝ち進んだほうが自分の出番が増える点では利害が一致しており、最序盤こそ桐山の秘密を賭けた悪どい取引を持ち掛けたものの、以降は自分の出番を増やそうと策を練りつつもなんだかんだでチームのために分析・貢献を続けている。
こんな人物が「 野球は一人じゃできない 」と言い出すシーンは色々な意味で本作を象徴する名場面の一つ。

神奈川県予選スタート後は桐山を4球以上投げられるピッチャーとして運用できるようにある能力を解放した。
それ以降は広瀬が本性を見せてバッテリーを組むのを拒否したこともあり桐山には伊能がキャッチャーを担当するようになり、ハマソウ内でも三馬・広瀬と桐山・伊能のバッテリーの争いが繰り広げられることになった。
野球歴が短いかつ急造キャッチャーという事もあり、桐山が投げる本気の投球をキャッチする能力はなく、打者との駆け引きに負けて桐山の全力投球をキャッチしなければならなくなった回には変なタイトルが付けられることに…



◆阿川美奈子

ちょッ小堀ッおま!!ダブルプレイって!!
先生は下ネタ苦手なんだゾ!?

こんな大人にも選挙権あるってマジかよ……
監督/教師(担当教科は古典)
CV:上坂すみれ・雨宮天・上田瞳・小林ゆう・日笠陽子・小野大輔

身長190cm 体重100kgというとんでもない恵体の女性教師。きたないモモカン

現実の高校部活動でも時折見かける、「部活動を成立させるために数合わせ的に顧問教師にさせられた先生」枠の人。
当然ながら野球については基本も知らない素人のため指導やマネジメントができようはずもなく、その辺は全部小堀に任せている。
また、素人の阿川先生に対して野球部員が説明する、という形で野球に詳しくない読者を物語に引き込む聞き手役でもある*6

人間としてもかなりいい加減な部類であり、教師でありながら酒飲みで慢性的な赤ら顔であり、下ネタとスロットが大好きで、ふざけてるとしか思えないほど野球知識がなく、素っ頓狂な発言をしては部員にツッコまれるぶっ飛んだ人物(先述の説明シーンを見る限り、教わったうえでならば理解力はそれなりに持ち合わせている様子)。
酒が入っていれば納得できそうなハジケ具合なのに、本人のポリシーとして勤務中は飲んでいないため、「これでシラフかよ!」と三馬に嘆かれる。
しかしながら、祝勝会としてサイゼっぽいお店で部員に奢ったり、背番号(=メンバー)決めに悩む小堀に「私が決めたことにしてもいいんだぞ」と助け舟を出す、思い悩んで実力が出せない部員に事情を知らないながらも適切な褒め言葉を贈って自信を取り戻させる、桐山と三馬が交互に登板する場合は必然的に試合を降りる事になる一塁手の左近寺にも目を向けている等、こと「大人として子供を見守る責任感」という点に限っては立派な人物。年長者としての役割を果たしていない性格破綻者も多いスポーツ漫画の世界において、「顧問としての役割は全く果たしていないが教師としての役割は果たしている」貴重な人物。
なお野球は知らないが悪役女子プロレスラーを尊敬しているなどプロレスには造詣が深く、桐山が勝負欲から暴走状態に陥った際にはオクトパスホールドからのフォール3カウントで食い止めた。

オクトパスホールドだッ!!
高野連が黙ってねェぞ!!

顧問時はユニフォームかジャージかつ裸眼(コンタクトか)だが普段は眼鏡にノースリーブニット(と恐らく緩い系のパンツ)と女性らしい服装をしている。でもゴツい
本編前にあたる番外編では4月の監督就任時に(野球を教わる立場だからか)女子制服で縦ロールのお嬢様のコスプレで登場してお嬢様キャラを押し通そうとしていた。

YouTubeで公開された原作のコマに声を当てたボイスドラマではサムネに採用されたり、それぞれの回で複数の声優が割り当てられるなどの特別待遇を受けており、名実ともに本作を象徴するキャラクターといっても過言ではない。

受賞コメントで作者が作品人気を押し上げた阿川先生への感謝とともに明かした所によると、監督をどういう人物にするか悩んでいた折に自身が落書きとして描いたキャラを見返した際に着想を得たとのこと。
作者の前作であるハイパーインフレーションにもヒロイン格として巨女のダウーが登場している。どうやらムチムチで無知のクソデカ女がショタと並ぶ作者の性癖らしい

私立伊勢原聖テレーズ学園

同じく神奈川県内にある私立学園。通称「聖テレ」。
野球部のレベルとしてはそこそこレベルだが、プロ注目度ナンバーワンの天才轟が入部したことで一人で投げ一人で打つ究極のワンマンチームとなった。
三馬の耐久性と桐山の有用性を測るために小堀の手により練習試合が組まれた。

のちに正規レギュラーの3年生は轟との才能の差、それ以上に轟本人の態度が原因でボイコットされていたことが判明。

◆轟大愚(たいぐ)

俺が野球を団体競技から個人競技に変えてやる

1年生 ピッチャー
cv:小野大輔

日本で一番才能があるという噂が流れ、「千年に一度の高校球児」との呼び声高い天才。
強豪校にいい選手が集まることに疑問を感じて、あえてそこそこの学校に進学したという強豪校に抗う英雄。

――というのは聖テレ野球部のメディア戦略による表向きのもの。
本性は傲岸不遜で自分の才能だけを信じ、自分以外は全て見下す高慢で努力しないどクズ(正確には最初は努力自体はするものの、すぐに追い越してしまう)。
聖テレに入ったのも野球が一人でできることを証明し、団体競技から個人競技に変えるためという傲慢な目的を掲げてのことだった。
野球以前にも様々なスポーツで同じようにワンマンチームで賞を取っているが、本人の性格も相まって周囲から人が離れてしまっており、無自覚なコンプレックスとなっている。
メディア戦略と世間の評価にもうんざりしており*7周囲に悪態をつくも、甲子園に出たという肩書きが欲しい野球部員たちにより事実を歪められ世間のイメージを作られている。

しかし才能は口だけでなく、打ってはホームラン予告をした上で実際にホームランを打ち、投げてはマウンドが近く見える程の圧倒的な威圧感から剛速球を投げ込み三振の山を築く等、野球の実力も本物。
周囲を見下してこそいるが、「無駄な努力」などと見下すようなことはなく、真澄の家の貧乏さに対しても馬鹿にはしない一面もあるが、普段の態度と行いが原因で余計に反感を買っている。

覚醒した三馬を打ち崩すなど言葉の通りほぼ1人でハマソウとの試合を優位に進めるが、努力する天才桐山に天狗っ鼻を完全にへし折られ、一人で野球をやろうとした事が仇となり冷静さを欠き連携ミスも重なりハマソウに敗れる。
野球は一人じゃできないんだ!!
しかしその敗戦までの過程で、いよいよ自分の酷い態度に見限られたチームメイトに土下座で助力を請う等「天才としてのプライド」を確固たるものとし、傲慢な部分は変わらないものの成長した。
試合中も聖テレのメンバーを「俺を天才と信じてくれる仲間」と呼ぶなど、意識は大きく変わっている。

相手の才能をMMORPGのプレイヤーのように見極める観察眼を持ち、
  • 桐山:魔王(右肘を棘が貫く形で故障も表現されており、後に轟も気づく)
  • 小堀:少し武装した村人
  • 広瀬:重厚な鎧を纏った屈強な戦士
  • 三馬:たまに妖精とおしゃべりしてる泣き顔と笑い顔二つの顔を持つ魔術師(覚醒後は冷静な顔を覗かせる)
  • 真澄:汚らしい山賊なボロボロな姿
  • 聖テレモブ:無課金のしょぼいツギハギ装備
というふうに見えているが、伊能に関しては別ゲー(マインクラフトぽい何か)に見えている。
桐山が投げる前から肘に爆弾を抱えていることに一目で気づいており、その観察眼は広瀬からも警戒されている。
小堀の本質を見極められていないことから、あくまで「スポーツに関する観察眼」でしかないのだろうか……

◆真澄賢悟


俺に指図していいのは俺より野球が上手い奴と妹だけだ
1年生 キャッチャー
cv:小野大輔

強肩強打を誇る聖テレの正捕手で、轟の女房役。貧乏な家庭で育ったハングリー精神あふれる選手。
「聖テレは轟のワンマンチーム」というメディア戦略の立役者であり、普段は自分を隠すために地味なプレイに徹していたが、
ハマソウとの練習試合では小堀により無観客かつ無記録の約定の上で組まれていたため、実力を隠す必要がなくなり本領発揮。
剛速球だが荒れ球の轟の暴投を難なくダイビングキャッチし、さらに盗塁を試みた広瀬を座り送球で刺しかける*8*9など、捕手としてのレベルの高さを遺憾なく発揮した。
バッティングでも轟に次ぐ能力を持っているが、轟に1番を打たせるチーム方針のため、轟の前にランナーを溜める役割として9番に座っている。

高度な捕手能力を持つが、かつてはピッチャーを務めており、公立中でプロになる夢を持つエースであった。
しかし中3のとき、急にチームに乱入してきた轟にエースの座を引きずり降ろされ、さらに轟の球を捕れる者が他にいないため捕手をやらされることになった過去を持つ。
このような経緯から当然傲慢かつクズな轟を嫌っているが、その轟の才能を誰よりも高く評価しているのも真澄である。
常日頃から口論をしているが冒頭のセリフの通り真澄自身も大概傲慢な性格をしており(そのくせ実家の貧しさもあって周囲にコンプレックスを抱いており、被害妄想気味に周りを敵視してしまっている)、お似合いバッテリーである。
単行本のおまけでは修学旅行で普段の行いが原因で互いに孤立した挙句、轟と2人で意気投合して楽しんでいる姿も描かれている。

その打棒と捕手能力でハマソウナインを苦しめるが、三馬の覚醒と桐山に敗北。さらに伊能の揺さぶりによって轟が暴走した結果、逆転を許してしまう。
天才である驕りと自信を完全にへし折られた轟はチームに謝罪し、「野球は一人じゃできないんだ!!」と改心するが…
は!?できるだろ?やれよ
こんなの轟じゃねぇ!!偽物だァ!
本物は謝らねェェ!!

と逆に罵倒し、今までの言動を素直に謝る轟に対しても逆ギレする始末。
その本音は普段は表に出さないが、自分を打ち負かし夢を諦めさせるほどの才能を持つ轟に対して重い感情を持っており、「最強の天才であってほしい」と願っているため。
俺に夢をあきらめさせた男よ どうか─── 天才であってくれ!!

真澄の本心の言葉により天才としての自負と誇りを取り戻した轟は、涙を流しながら「心の底から桐山に勝ちたい」という思いをチームメイトに吐露し、「天才とそれを支えるチームメイト」として団結。
轟が桐山を超え、本物の天才であることを証明するため、轟が気づいていた桐山の弱点を突く作戦を立て逆襲を図る。

なお冒頭のセリフの通り、中学2年生の美人妹「真澄純」がいる。まごうことなきシスコンであり、初登場の試合では無観客約束のため妹が応援に来られないことに憤っていた。
しかし年頃のためか、幼少期から貧乏な家庭事情により兄から無茶苦茶な教育を受けていたためか、聖テレに入ってからは姿を見せておらず他の部員からは存在を疑問視されるほど。
一応、幼少期にはおやつ代わりに桑の実などの無料のおやつをともに食べたり、タイヤ引きをしながら純を乗せて遊ばせたりするなど、兄に懐いていた模様。

その他

◆桐山夫人(???)


夫の浮気調査をお願いしたいのですが…

高級そうなホテルの一室に居座って桐山を監視し続ける、登場からずっと顔面が黒く塗りつぶされており素顔も名前も不明の謎の男。神奈川県予選が始まってからの登場。
私立探偵の飯降と組んで桐山を監視しており、探偵への依頼の際の上述の台詞や「バッテリーを夫婦と位置づけて自らを女房役と位置づけている」などの言動から「 桐山夫人 」という通称が定着。
恐らく怪我する前後に桐山とバッテリーを組んでいたのではないかと思われるが、現時点では謎である。
夫人は通称だけでもちろん男である。

桐山に偏執的なクソデカ感情を注いでおり、普段は桐山の等身大人形と組み合わせた 桐山の人格を再現した生成AI と会話している上に気に入らない回答をしたらPCを破壊するというDVを働くという男なのに夫人と名乗っているのもあってこの漫画でも最強レベルの異常者。これ以上が出てこないか心配である
桐山とは怪我して以降は野球をしないという約束をしていたようで、約束を反故にされたことに憤慨し妨害行為なども仕掛けているが、
相手がキレ者が多いハマソウなので桐山の秘密を暴かれたり何かと出し抜かれては焦ることも多い。


追記・修正は、3球で打者を打ち取ってからお願いします。

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最終更新:2026年07月31日 16:45

*1 レギュラー落ちとそれを利用したチームの団結という思惑を三年の竹内に明かした際、甲子園出場を果たしたら自ら利き腕を骨折し竹内にレギュラーを譲る腹積もりであると語り戦慄させている

*2 浴衣でりんご飴を舐める夏祭りの正ちゃん。ハロウィンにヴァンパイアのコスプレをしている正ちゃん。ぶかぶかの制服を着る入学式の正ちゃん。蜘蛛に慌て泣きわめく正ちゃん。水泳の授業中の正ちゃん。おこでぷくってしてる正ちゃん。

*3 現在の三馬も一見では十分ショタっぽくはあるが、体型は球児相応にしっかりしていたりと描き分けられている。

*4 野球のことを歌詞にしており「商人(あきんど)」というフレーズも登場する、group_inouの9という楽曲が存在している。

*5 例えば顧問の阿川先生を自身の思うように動いてもらうために「生産中止になった地酒の入手ルート」の情報を握っていた。

*6 そのためか、基本ルールや応用的なジャッジングのみならず「打順を決める際のセオリー」といった戦術の話や「配球を読み、『待つ』ことの意義」といった具体的なプレイの話にもこの説明会の流れが使われている。

*7 轟本人は猫を被ることをむしろ苦痛に思っている

*8 送球動作が速くなるが、当然立ち送球よりも勢いが無くなるため、高度な技術と強肩が無いと不可能な高等技術。元メジャーリーガー捕手の城島健司が有名

*9 轟が避けなかった為アウトにはできなかったが、タイミングはアウトだった