登録日:2026/08/11 (火) 17:17:10
更新日:2026/08/20 Thu 12:26:30
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『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(Joker:Folie à Deux)』とは、2024年に公開された米映画。
2019年に公開された映画『
ジョーカー』の続編で、
DCコミックのコミックヴィラン「
ジョーカー」を題材にした映画第2弾である。
前作同様に独立した世界観の物語であり、その他のDCコミック映画のシリーズとは世界観を共有していない。
監督は前作と同じくトッド・フィリップス。
タイトルの「フォリ・ア・ドゥ」とは、フランス語で「ふたり狂い」という意味であり、「一人の妄想が親密なもう一人の人物に伝播すること」を示す精神病用語である。
概要
前作『ジョーカー』は、その衝撃的な表現や「ジョーカー」の再解釈によって瞬く間に話題になり、数々の映画賞を総なめしていった。
特に「これからジョーカーになっていくのだろう」主人公・アーサーを演じたホアキン・フェニックスの演技はアカデミー賞主演男優賞を受賞するなど、各地で絶賛されていった。
しかし、同様に映画が与えた社会的影響についても無視できなかった。
「貧困に喘いだ男性がジョーカーになってしまう危うさ」「誰しも持っている狂気」、それらを主題とした本作は社会的熱狂の受け皿となっていき、殊に米国では「ジョーカー」を模倣した犯罪も多発したのである。
そんな中、発表されたのが『ジョーカー』の続編である本作である。
しかも、明らかにジョーカーの愛人として有名なハーリーン・クインゼル/ハーレイ・クインをモデルにしたと思われる女性・リー役に世界的歌手のレディー・ガガが抜擢され、ファンの期待は最高潮に達した。
多くのファンは「今度はアーサーが正真正銘の『ジョーカー』としてどんな大暴れをするのだろうか」という期待も寄せていた。
……しかし。実際の本作はそうした期待がことごとく裏切られる。
本作は確かに「ミュージカル」調の映画としては申し分ない出来となっており、レディー・ガガだけでなく、ホアキン・フェニックスの高い歌唱力も披露されている。
そんな中で描かれる物語は、前作で限界まで高められたボルテージを終始引き下げるように陰惨であり、「アーサーがジョーカーとして悪行を重ねる」物語では断じてなく、アーサーが自分の裁判を通して自分を見つめ直した結果、彼が「ただのちっぽけな男」として幻想を引き剥がされる様子をこれでもかと描写したものだった。
リーもまた、アーサーを「ジョーカー」としてしか見ていない人間の一人であり、彼を自分の都合のいいように操ろうとする悪女である。コミックにおけるジョーカーとハーレイ・クインの関係とはかけ離れている。
そもそも、アーサーがジョーカーとして祀り上げられたのは彼を何も知らない多数の貧困層の人間達が彼に幻想を見たためであり、彼自身のことは全く知らない、自分勝手な「熱気」に過ぎない。
本作はそうした「自分勝手な熱気や幻想」を第三者から見ることで如何にそれが愚かしいことなのかを事細かに描き、さながら観客に自分達の鏡を見せるような演出がなされている。
これにはフィリップス監督なりの自戒が込められており、「まさか前作がここまで社会的に問題になるとは思わなかった」という驚きと、「やるからにはアーサー自身を徹底的に掘り下げなければ」という真摯な思いがあり、徹底して前作を「解体」する決意をしたことが一因にある。
こうした前作の「幻想」を破壊し尽くし、公開前に寄せられていたファンの期待や予想も大きく覆した本作に批評家や観客の意見は真っ二つに分かれ、絶賛か酷評かの両極端な評論が繰り広げられ、興行収入は前作から一転して大幅に下回る赤字成績となった。
また、翌年の第45回ゴールデン・ラズベリー賞(ラジー賞)は最低続編賞を受賞している。
結果的に前作がもたらした「ジョーカー」の社会現象は鳴りを潜め、製作陣の思惑通りにはなったのかもしれない。
ストーリー
ゴッサムシティで貧困に喘ぎ、悲惨な現実と心地良い妄想の狭間を生きる男、アーサー・フレック。
彼は自分に暴行を加えたサラリーマン達を射殺したことを機に心のタガを外し、次々と凶行に手を染めた挙句、最後は自分が憧れていたコメディアンのマレー・フランクリンを生放送中に射殺した。
それにより警察に逮捕されるが、彼は貧困層の間で「犯罪者のカリスマ・ジョーカー」として信仰の対象となっていた。
それから数ヶ月後。
アーサーはゴッサムシティの精神病院・アーカム・アサイラムに収監され、自分が起こした事件で一目置かれながら、裁判を待つ日々を送っていた。
精神病を理由に責任能力を免れる弁護プランを弁護士や医者と練る中で、アーサーはある日、別病棟で入院している女性・リーと出会う。
アーサーのファンだと言う彼女は、生い立ちに自分と似たものがあるとして、彼に好意を示す。
徐々に親しくなったアーサーとリーは、「狂気」を共有し合う関係になっていく。
そして、アーサーの裁判が始まった。
リーの影響を受けたアーサーは、裁判中も大袈裟なパフォーマンスを繰り広げた挙句、弁護士を解雇して自分で弁護を始める。
やがて、リーを筆頭としたジョーカーの信者達は裁判の度に連日熱狂して社会現象を巻き起こす。
当初は大衆を扇動する快楽に溺れていたアーサーだったが、自分に人生を変えられた証人達を見て自分の言動を顧みるようになる。
そして、ある日起こった出来事がアーサーの運命を大きく変えてしまう。
果たして、「ジョーカー」は本当にいたのか。アーサー・フレックが選んだ自分の進む道とは?
登場人物
演:ホアキン・フェニックス/吹き替え:
平田広明
ご存じ、「笑うピエロ男」。
貧困と理不尽な暴力に追い詰められた結果、次々と起こした殺人事件により、貧困層の間で「カリスマ」となった男。
アーカム・アサイラムに要注意患者として入院し、やらかした犯罪が犯罪なだけあって、周囲から腫れ物のように扱われ、看守達からは「面白くないジョーク」を言う玩具として扱われていた。
当初はあまり劣悪ではなかったためか、精神状態はやや落ち着いていたものの、やはり妄想癖は健在であり、リーとの出会いによりそれが悪化し、ミュージカルさながらのパフォーマンスをするようになる。
初めての女性体験や信者からの崇拝によりすっかり調子に乗り、「ジョーカー」として尊大に振る舞い、出来もしないのに自分で弁護を行ってスターとして扱われる。
だが、ソフィーやゲイリーといった自分の「被害者」達を目の当たりにし、またリッキーに訪れた不幸を知った彼は、自分が担ぎ上げられた神輿に気づいて、ある決意を固める。
演:レディー・ガガ/吹き替え:村中知
アーカム・アサイラムのB棟(軽度の精神病患者用の病棟)の入院患者。
金髪が特徴的な美しい女性で、突拍子もない奇行を頻発する問題児。
アーサーのファンを自称し、親に恵まれなかったことやマレーを殺したがっていたことで自分と共通点があると言い、アーサーと親密な関係を築いていく。
それまで女性関係のなかったアーサーはすっかり熱を上げるが、その本性は狡猾で他人の行動を操る術に長けている悪女。
精神疾患専門の医師を志望しており、アーサーには個人的興味から接近したに過ぎず、彼を自分のいいように操ろうとする。
ジョーカー信者の先頭に立ってアーサーの無罪を応援する(あくまでパフォーマンスとして)が、その果てに待っていた「アーサー」の素顔に、彼女は何を思うのか……?
演:ブレンダン・グリーソン/吹き替え:斉藤志郎
アーカム・アサイラムの看守。
アーサーの担当看守であり、四六時中見張っている。
一見アーサーのジョークにウケて可愛がっているが、それはあくまで彼を見下していることの証左であり、「滑っているジョークを出す玩具」程度にしか思っていない。
アーサーがカリスマとして持て囃されるや否や、「生意気だ」として激しい暴行を加えるなど、ゴッサム市民の最底辺の煮凝りのような男である。
演:キャサリン・キーナー/吹き替え:塩田朋子
アーサーの顧問弁護士。
アーサーの犯行を幼い頃の虐待と劣悪な環境が原因の精神病によるものとして、責任能力不在による無罪を勝ち取るために様々な戦略を練る。
アーサーを一人の人間として尊重しようとしているが、彼女の弁護でトラウマを刺激されたアーサーや、彼を信奉するリーに散々ダメ出しされ、最終的に解雇されてしまった。
演:ハリー・ローティー/吹き替え:山田裕貴
ゴッサムの新進気鋭の検事。
アーサーの犯罪を悪質極まりないものだと断じ、彼を徹底して死刑に追い込もうと裁判で追及する。
ご存じ、DCコミックのヴィラン「
トゥーフェイス」となる人物だが、本作ではその片鱗はない。
演:ザジー・ビーツ/吹き替え:種市桃子
アーサーの元隣人のシングルマザー。
アーサーの脳内妄想で親しくなっており、彼に付きまとわれていた。
アーサーの事件が公になってからは彼の信者に悪質なストーカー被害を受け、「もう早く解放してほしい」と裁判で涙ながらに訴えた。
演:リー・ギル/吹き替え:越後屋コースケ
アーサーの元同僚の小人症のピエロ。
素のアーサー・フレックを「唯一」間近で見て、彼を理解し、そばに寄り添おうとしていたが、最終的に拒絶されていた。
裁判において証言台に立った際、「ジョーカー」になりきったアーサーに詰問され、変わり果ててしまった友人に困惑と悲嘆の声を上げた。
演:スティーブ・クーガン/吹き替え:木下浩之
有名なテレビレポーター。
時の人であるアーサーに独占取材を行い、彼の素性について質問するが、上から目線の質問に激昂したアーサーに追い返される。
ちなみに日本語吹き替えを担当した木下氏は、『
ダークナイト』版のハービー・デントを演じていた。
演:ジェイコブ・ロフランド/吹き替え:上村祐翔
アーカム・アサイラムの入院患者の青年。
アーサーのファンの1人であり、彼を慕っているが、同時に良く思わない看守からいじめを受けていた。
アーサーが看守達に暴行された際に彼を庇うが、その時とんでもない悲劇が起こる。
演:コナー・ストーリー/吹き替え:福西勝也
アーカム・アサイラムの入院患者。
アーサーの信者のようだが、どこか危なげな様子も見せており……?
「アインなんかいない。Wiki籠りしかいなかった。全部僕が追記・修正した」
- リアルとエンタメは違うから、当たり前をそのまま書くとこうなるよねという話…まあ「ジョーカー」を肯定したまま終われないからこうするしかなかったわけだが -- 名無しさん (2026-08-11 18:19:19)
- まあ実際これより前のシリーズのダークナイトライジング公開初日に映画館で銃乱射事件起きてるし製作陣も神経質にならざるをえなかった点もあるんだろう -- 名無しさん (2026-08-11 18:32:47)
- 幻想「ジョーカー」がぶち壊されるってストーリー自体は魅せ方次第で全然アリだったとは思うけど、舞台が大体監獄か裁判所だから絵面が超地味だし、話が遅々として進まないのに間にミュージカル挟んで各駅停車してきやがるのが本当にキツい…と演出の方にも普通に問題あるんよね -- 名無しさん (2026-08-11 20:00:39)
- シリーズ化するつもりなら“全く別の設定のジョーカー”をホアキンに演じさせれば良かったと思うけど、監督が前作のヒットに責任を感じてたってんなら仕方なかったのかな。ガガ様が意外以上に良かっただけにもったいないが。 -- 名無しさん (2026-08-11 20:32:43)
- 結局バットマンと対峙する「ジョーカー」は別にいるって感じなんだろうか -- 名無しさん (2026-08-11 20:45:41)
- 観てガッカリした作品といったら真っ先にこの映画を挙げるかもしれない -- 名無しさん (2026-08-12 01:52:13)
- PVのガラスの口紅の跡にアーサーの笑った口が重なるシーンは鳥肌が立つくらいカッコよかった…が、それしか印象に残ってない -- 名無しさん (2026-08-12 01:57:33)
- 『アーサー』という男の物語だったら100点。バッドマンという大作の『ジョーカー』と呼ばれる男を題材にした物語ならマイナスレベル。強いていえば「ジョーカー版オマツリ男爵と秘密の島」って感じ。 -- 名無しさん (2026-08-12 04:02:11)
- 題名が「ジョーカー」じゃなくて「アーサー」なら良かったと言われてた記憶。まあそれ抜きにしてもミュージカルは要らんが -- 名無しさん (2026-08-12 09:02:37)
- 冗長さ退屈さは感じた一方で、前作以上に強烈に突き刺さった一作だった。 -- 名無しさん (2026-08-12 09:13:07)
- あくまでミュージカル風にしてあるだけでミュージカルじゃないんだよねこの映画。ミュージカルってキャラの心情とか状況の変化を歌と踊りで表現してその間も物語が進行するんだけど、これはアーサーの悲鳴でしかないから歌ってる間完全に話がストップしてる。そしてそれがラストの「歌はもういい」ってセリフに繋がる -- 名無しさん (2026-08-12 09:47:21)
- 「ジョーカー」がアーサー・フレックという男の人生をジョークとして語るんじゃダメなんだろうか。「つまりな、結局みんな笑いが欲しいのさ」 -- 名無しさん (2026-08-12 09:59:02)
- 「ジョーカー」の名前さえ借りてさえいなければ期待外れとか言われなかったのかもしれないが、前作含め「ジョーカー」だからこそここまでやったのかと思えるところもある -- 名無しさん (2026-08-12 10:47:56)
- この映画は犯罪のアイコンとして神格化されたジョーカーを人間に堕とす映画だと思えたんで、製作側にもそういう意図があってなんならこの低評価 -- 名無しさん (2026-08-12 15:32:51)
- なんならこの低評価すら製作側の思惑通りなんじゃないかと想える。 -- 名無しさん (2026-08-12 15:33:38)
- 正直なところ期待外れではあったんだけど、前作に共鳴したような犯罪者がリアルに出てたことを考えると、制作側のある種の誠実さを感じた。観客に冷や水ぶっかけて落ち着かせたみたいな感じ。 -- 名無しさん (2026-08-12 16:55:39)
- 前作でジョーカーがダンスしたブロンクスの階段通りが「ジョーカー・ステアーズ」の通称になるほど観光名所になったけど、コスプレした観光客が押しかけて周辺住民大迷惑という問題が起こってしまった。製作側もその光景に責任感じたというし今回の舞台が裁判所や監獄ばかりなのもそういう反省もあってなのかも -- 名無しさん (2026-08-12 21:16:05)
- 大失敗まで含めて一種の芸術、をやりたかったのかもしれんが、前作の四倍の製作費をかけて興収は四分の一だったんでCEOもキレてたらしいよ -- 名無しさん (2026-08-13 02:46:44)
- ブルースがジョーカーに全力で嫌がらせする為に作った映画とか言われて不覚にも笑った -- 名無しさん (2026-08-13 06:27:00)
- ↑2まあ監督始めとした制作陣の思惑は理解できるけどなら自主作成でやれ会社の金使うな使うんなら儲け出せってのは会社としては当然では有る -- 名無しさん (2026-08-13 16:55:07)
- ↑9 それまさにコミックのジョーカーの通りでカリスマを助長してしまう。そう言うことを危惧したからこの言い方は悪いが日和った内容にしたってんなら仕方ないかな。というか現実に事件は起こすな厄介勢。そんなことで創作する側が迷惑被るのは理不尽だなぁ、と。 -- 名無しさん (2026-08-13 18:35:25)
- 神のように崇めようが実際はただの犯罪者に過ぎないってのが現実 ジョーカーが語りそうな悪趣味なジョーク -- 名無しさん (2026-08-13 20:59:28)
- 正直この映画の後にバットマンが現れてジョーカーはマジで覚醒してそう -- 名無しさん (2026-08-14 00:46:09)
- 若い入院患者が演じた人を含めて、後にあのジョーカーになること仄めかす発言してるんだよな。そうなるとアーサーは実はジョーカーではなかったってだけで、別人たるジョーカー自体が否定された訳でもなく、アーサーだってジョーカーの前座を演じて、影響を与え誕生させた人って意味は持つんだよね -- 名無しさん (2026-08-14 10:49:31)
- 決して完成度が低いとかやりたいことがうまく表現できていないとかいう理由で評価が低いわけではないのがまた -- 名無しさん (2026-08-14 10:51:11)
- ジョージィ「『ナイトメア・アリー』視るわ」 -- 名無しさん (2026-08-14 11:50:19)
- ジョーカーに限らず、反権威主義のカリスマ(左派)は負け組だろうと犯罪者だろうと開き直れば手軽に社会的な強者になれて多くの信者を得られるけど、反権威主義は一度深みにハマったら麻薬のごとく何がなんでも続けなければいけないというデメリットもあると思う。アーサーの顛末や終盤で発狂した信者がデメリットを物語ってるし -- 名無しさん (2026-08-14 13:03:05)
- 言いたいことやりたいことわかるけど映画は金儲けが前提なんで… -- 名無しさん (2026-08-14 13:48:13)
- 自主制作映画なら好きにすればいいけどワーナーは見えてる地雷になんで金出したん? -- 名無しさん (2026-08-17 08:57:35)
- 個人的にはすごい好きな作品だった。結局ジョーカーは妄想の産物で、そんな漫画みたいなやつはいないここは現実なんだよ、をすっごく丁寧に描写されてて。 -- 名無しさん (2026-08-17 11:24:38)
- 前作が世情に過剰にブッ刺さりすぎたから、それに冷や水をぶっかけようという意志はビンビンに感じる しかしそれがエンタメとして面白いか?と言われると…って感じだった -- 名無しさん (2026-08-20 12:26:30)
最終更新:2026年08月20日 12:26