登録日:2019/10/16 Wed 23:08:05
更新日:2025/01/29 Wed 13:15:03
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『ジョーカー(JOKER)』とは、2019年公開の米映画。
監督は『
ハングオーバー!』シリーズなどのコメディ作品を多く手掛けてきたトッド・フィリップス。
脚本は監督のフィリップスと『ザ・ファイター』のスコット・シルバーの共同執筆。音楽は『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』のヒドゥル・グドナドッティルが担当。
更にプロデューサーにはフィリップス監督の『ハングオーバー!』シリーズを始め、『
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』『アメリカン・スナイパー』などに出演し、
『アリー/スター誕生』では主演の他に監督・脚本・プロデューサーも兼任したブラッドリー・クーパーが名を連ねている。
概要
狂気の犯罪王子としてアメコミ界でもっとも知名度の高く、カリスマ的才能のあるヴィランとして名高いジョーカー。
本作は彼が如何にして悪の道に進んだか、そのオリジンが描かれている。
そして本作には原作におけるジョーカーのエピソードを一切使用しておらず、完全な映画オリジナル作品として製作されており、原作におけるエッセンスはキャラ名と地名程度しかない。
監督も「コミックは一切参照していないので、古参のファンを怒らせるかも」(意訳)とまで言い放っている。
ブルース・ウェインの一家も登場してはいるが、かなり独自のアレンジが加えられており、原作の面影はほとんどないが、ラストには『バットマン』には外せないある場面もしっかりと描かれている。
本作は冒頭で紹介したようにDCコミックスのキャラクター、バットマンの
スピンオフ作品(どちらかと言うと前日譚の側面もある)であり、アメコミ界、そして様々なアメリカのアート・カルチャーにも大きな影響を与える最も有名なヴィラン「ジョーカー」の誕生譚である。
これだけの触れ込みを見ると普通のアメコミ映画の印象を受けるかもしれないが、本作の何よりの特徴は当初善人として登場した主人公アーサー・フレックが、矢継ぎ早に訪れる苦境に晒され続けた末、最終的に狂気の淵へと落ち、「ジョーカー」として覚醒していくシナリオである。
現代のアメリカの病理を反映した貧困にあえぐ社会的弱者、決して埋められない貧富の格差、そして精神を病み、
妄想と現実が入り混じる描写により、従来のアメコミ作品とは全く異なる、狂気的な映画として完成した。
そして、その一連の「悲劇」と「不幸」はアメリカだけではなく、日本も、そして世界中どこの国でも当てはまる「事実」であるという点も大きいだろう。
まさかの「観客と共感できる」ジョーカー像に観客は様々な反応を見せているが、逆に
ウェイン家側の人間は露骨なまでに醜悪に描かれているなど、ジョーカー対象の判官贔屓もいい所な部分があり、
さらにジョーカーへの憐憫すら、後半でひっくり返るどんでん返しの結末にはやはり古参のバットマンファンからは不快な物を抱かせるには十分であった様で、
賛否両論が寄せられた。
今作のシナリオには、マーティン・スコセッシ監督作品の『
タクシードライバー』や『キング・オブ・コメディ』がオマージュとして捧げられている。
……という事でこれまでのDC映画作品を事前に観ておく必要は無いが、上記2作品を観ておくと更に楽しめるだろう。
劇中で一部シーンが流れるチャップリンの『モダン・タイムス』も本作とテーマが似ている所があるのでこちらも観る事をオススメする。
DC映画としては『
ウォッチメン』以来となるR指定(日本では
R15+)となったが、
日本も含めた同作の国際配給はパラマウント映画が担当した関係で、日本では本作が「DCコミック映画初のR指定作品」として扱われている。
制作
監督のフィリップスは本作の企画を2016年秋頃にワーナーに持ち込んだが、彼は
マーベル・シネマティック・ユニバース(以下「MCU」)の大成功を意識し過ぎていた当時のDCEUに不安を感じており、
DC映画自体の将来も考えた結果、
「DCはマーベルに勝てない」とはっきり宣言すると同時に、
「MCUに出来ない事がDCでは出来る」として、既存の映画シリーズと全くリンクしない独自の世界観かつ低予算での映画制作を企画し、本作の制作を実現させた。
その1年後、制作上の紆余曲折を経て公開された『ジャスティス・リーグ』の劇場公開版がDCEUの過去作を下回る批評・興行的不振に陥り、予定されていた作品の多くが企画の見直しを余儀なくされ、フィリップスの予感は的中してしまう事になる。
それどころかエズラ・ミラーやアンバー・ハードといったユニバースの主要キャストのトラブルやコロナ禍以降の作品の興行的不振、更にはワーナーの経営体制の刷新と新経営陣の意向によるDC映画の計画の更なる見直しといった事態も相次ぎ、最終的にはユニバースそのものを一度打ち切ってジェームズ・ガンとピーター・サフラン主導で「DCユニバース」としてリブートされる事になってしまった。
劇場公開に先駆けてヴェネツィア国際映画祭で世界初上映されるや否や、凄まじい高評価を与えられ、
コンペティション部門の最高賞にあたる金獅子賞を受賞。
主演のホアキン・フェニックスの演技にも絶賛の声が寄せられ、第77回ゴールデングローブ賞で
映画部門 主演男優賞 (ドラマ部門)を受賞。
そして全世界で公開されるや否や、『
デッドプール2』が持っていた
R指定作品世界累計興行収入歴代1位の記録を塗り替え、史上初となる10億ドル越えを達成。
日本でも、R15+指定というハンデを跳ね除けて初登場以降、4週連続で全国観客動員数1位を記録し、12月15日時点で興行収入成績50億円を突破している。
更に第92回アカデミー賞では、
作品賞・監督賞・主演男優賞・脚色賞・衣装デザイン賞・作曲賞・撮影賞・編集賞・音響編集賞・録音賞・メイクアップ&ヘアスタイリング賞の最多11部門にノミネートされ、このうち主演男優賞と作曲賞を受賞。
特に主演のホアキンにとっては(助演男優賞にノミネートされた『
グラディエーター』も含め)4度目のアカデミー賞ノミネートにして悲願の初オスカーとなった。
フィリップスの予測と行動は「コミック原作会社が直接製作に加わり、共通した世界観意識と従来の理想的なヒーロー像で、壮大な大河ドラマの如き作品性で魅せるMARVEL」と、
「原作のキャラクターが持つ個々の個性を尊重し、様々な製作陣の独創性や個性も最大限に発揮させ、個々で魅せるDC」というスタンスを確立させ、それが正しいことが改めて証明されたのだ。
だが高評価の一方で、本国では犯罪を誘発しかねない作品として批判も受け、一部の州では劇場を警官が警備する羽目に陥った。
劇中のウェイン家の描かれ方なども含め、「(コミックの)ジョーカーが人を扇動するために撮った映画」というジョークまで囁かれた。
なお、日本では字幕版のみの公開となり、吹替版は映像ソフト発売・デジタル配信で収録される形になった。
ワーナー側も劇場公開時には「ホアキンの台詞から息遣いに至るまでの細かい演技に注目してほしい」とアピールしており、観客からは「ホアキンが発作的に発する狂気の笑いを吹替で再現するのは困難どころか不可能なのでは?」という声も挙がっていた。
観賞後は彼の笑い声が脳裏にこびりついて離れない事だろう。
ストーリー
1980年代のアメリカの都市・ゴッサムシティ。
貧困層と富裕層の格差は大きくなる一方で、街にはゴミが溢れ悪臭と
ネズミが蔓延り陰鬱な空気が蔓延していた。
そこに暮らす母親と2人暮らしの中年男、アーサー・フレックは、コメディアンになることを夢見て大道芸人のバイトをしながら生計を立てていた。
だが、脳神経に疾患を持ち勝手に笑いだす症状に悩まされる彼は、仕事も失敗ばかりでろくな友達もおらず、一人病気の母ペニーの介護を続けていた。
二人の心を支えるものは、ペニーは街の名士トーマス・ウェインへの手紙、そしてアーサーは人気コメディアン・マレーのテレビショーだけだった。
そしてある日、社会福祉のサービスを打ち切られ、挙句同僚のランドルから渡された
拳銃が原因で仕事を解雇されてしまった彼は、帰りの地下鉄で3人のガラの悪い商社マンに絡まれ、所持していた銃で彼らを撃ち殺してしまう。
それが、彼の真の解放の始まりだった。
やがて、ペニーとトーマス・ウェインの関係が明かされ、憧れのマレーのショーにゲストとして招待されたことを機に、彼の中の何かが変わり始める。
そして、「金持ちを殺す殺人ピエロ」の噂はゴッサム中に広まり、貧困層の中でピエロの格好をするなど彼を崇める運動が加速していった。
その狂乱は、一人の男をひとつの「悪の権化」―――「ジョーカー」へと仕立て上げていく……。
登場人物
※吹替キャストは映像ソフト版を記載。
演:ホアキン・フェニックス/吹替:
平田広明
ゴッサムシティに暮らす、コメディアンになることを夢見る中年男。
しかしコントのセンスはゼロに等しく、しがないピエロとして小銭を稼ぐしか出来ない貧困層の住人。
しかも仕事中は失敗ばかりで客から暴行を受け、上司に理不尽に怒られることもザラ。
おまけに生まれつき脳に神経性の病気を患っており、突然笑い出してしまう特異な症状に悩まされ、7種類の薬を服用している。
物語後半のある描写から記憶障害や人格障害も患っている可能性がある。
かつて精神病院に入院していた件もあって福祉カウンセラーに日常的に罹っているが、ろくに相談に乗ってくれず、
基本的に善良な人間ながら精神疾患と過去の経歴から彼をまともな目で見てくれる人間も存在しない。
要するに、他人から見るととにかく悲惨な人生を送っている。
そんな悲惨な暮らしを少しでも和らげるために妄想の世界に浸ることがあり、特に憧れのコメディアン・マレーに褒められる妄想に浸るのがお気に入り。
だが、同僚から強引に持たされた拳銃をきっかけとして、内に秘めていた狂気が増長していき、仕事を失うことになったり殺人者となってしまう反面、その狂気の世界へと安住の地を見出すようになっていってしまう。
やがて、母の手紙から自分がトーマス・ウェインの隠し子ではないかという期待に胸を膨らませるが、
ウェイン家からは残酷な仕打ちを受け、そして自らの出生の真実を知り、絶望と憎悪を募らせ真の狂人として覚醒していく。
そして、彼の与り知らぬところで
貧困層の「救世主」として祀り上げられていき…。
ちなみにリアルでの亡兄は生前青春映画に出演しており、別の世界では狂気を目の当たりにする側だった。
演:ロバート・デ・ニーロ/吹替:野島昭生
ゴッサムシティの間で人気のベテランコメディアン。
週に一度のトークショーはお茶の間で話題沸騰中であり、アーサーが最も尊敬しているコメディアンである。
ゴッサムの近況を風刺として皮肉るのが持ちネタの様子。人格者ぶってはいるが所詮はゴッサムの上流階級であり、アーサーの居る「外の世界」を知らない。
アーサーはいずれは彼に認められるという妄想を抱いており、妄想の中では人格者として振る舞っている。
そして、ステージに立ったアーサーを「冗談屋・ジョーカー」としてテレビで紹介し、話題に上ったため彼を自分のショーに招待するが、
それは「笑えないジョークを言うスベリコメディアン」として晒し者にするためだった。
だが、初めて対面したアーサーは、彼が名付けた「ジョーカー」を名乗り、彼の狂気に引きずり込んでいく。
演:フランセス・コンロイ/吹替:滝沢ロコ
アーサーの母。
現在病気を患い、ベッドに寝たきりの老女。
いつも虚ろな笑みを浮かべ息子におんぶに抱っこの生活を続けており、自分たち親子の暮らしを良くしてもらおうと、地元の有力者トーマス・ウェインに手紙を書き続けている。
しかしある日、アーサーに手紙を読まれたことを機に、かつてウェイン家の使用人として働いていた際にトーマスと関係を持ち、そこでアーサーを妊娠したと告白。
それを真に受けたアーサーはトーマスに固執するようになるのだが、その裏には残酷な真実が隠されていた。
重度の自己愛性人格障害を患っており、極度の
妄想癖がある。つまり、
トーマスとの関係は全て彼女の妄想だった可能性が高い。
さらにアーサーも、騒ぎを大きくしないために養子縁組でトーマスが引き取った孤児であり、彼女と血縁関係はない。
ただし、そのような扱いを受けたのはトーマスとの肉体関係があったことは事実でありそれを隠蔽するための工作だったことの裏付けになっているとも解釈出来、
実際、トーマスが撮ったと思われる彼女のプライベート写真(裏に直筆で彼女へのメッセージ入り)が劇中で確認出来る(トーマス達が言うように本当に何もなかったのであればプライベートを写真に写す必要はない)など、真相はどちらともとれるようになっている。
おまけに、昔の恋人がアーサーや自分に殴るなどの激しい虐待を加えていたにもかかわらずアーサーが笑っているから、とそれを傍観していた。
即ち、
彼の精神疾患すらペニーが原因である可能性が高い。
全てを知ったアーサーは絶望…もとい、全てを捨て、全てを賭ける覚悟を決めて完全に開き直り、病床に伏せた彼女を窒息死させるのだった……。
演:ザジー・ビーツ/吹替:種市桃子
アーサーのマンションで同じ階に住むシングルマザー。
超ラッキーなヒーローではない。
エレベーターで偶然一緒だったことをきっかけに親しくなり、アーサーの数少ない心の拠り所となる。
初めて立ったステージでも唯一笑ってくれて、病院に駆け込まれたペニーのお見舞いにも来てくれるよく出来た女性。
アーサーが自分の出生の秘密を知った直後、まるで初対面であるかのように振る舞う。
そう、彼女と親しくなっていたのはアーサーの妄想だったのだ……。
演:ブレット・カレン/吹替:菅生隆之
次期大統領候補と称される、大財閥ウェイン産業の社長。
今度の市長選に立候補しており公明正大な人格者として市民の憧れの的であり、貧富の格差を失くし、住みよい街づくりを進めることをマニフェストとしている。
しかし、ピエロの殺人者を崇める貧困層の住民を「自分たちより恵まれた者を妬んでる」「落伍者」「ピエロ」と見下す発言をし、現代社会を我々(富裕層の人間達)が作ったと嘯く等本性は傲慢な成金そのもの。
ペニーがかつて働いていた恩で慕っており、自分と息子のアーサーを認知して救うように手紙を書き続けているが、悉く無視されている。
それどころか、ペニーを「イカレ女」とみなし気味悪がり、自分にわざわざ会いに来た息子のアーサーすらも不審人物扱いしており、完全に二人を見放している。
監督曰く、モデルはニューヨークの不動産王だった時代のドナルド・トランプ氏。
だからなのか、大富豪でありながら決して驕らず無償で人々に助けの手を伸ばしていた従来作品とはまるで異なる人物像として描かれている。
最初にキャスティングした俳優が「トランプ過ぎた」ため、トランプ要素を抑えるために急遽配役が変更された。
そして、『怪傑ゾロ』の舞台を家族で見に行った直後、今までの傲慢さへの「報い」が訪れる……。
演:ダンテ・ペレイラ=オルソン
トーマスの幼い息子。
まだあどけない、外の世界の恐怖を知らない少年である。
当初は自分の異母兄弟と思っていたアーサーがフェンス越しに彼に手品を披露して笑わせていた。
しかし直後、アルフレッドと諍いを起こした彼の姿を見て恐怖する。
演:キャリー・ルイーズ・プテレッロ
トーマスの妻。
今作では夫同様成金妻の印象が強いが、ぶっちゃけ台詞が殆ど無いので人となりに関しては良くわからない。真珠のネックレスがトレードマークなのは変わらず。
演:ダグラス・ホッジ/吹替:田中美央
ウェイン家の執事。
今までの作品では年老いた執事として出てくる事が多かったが、今作では執事というよりガードマン的なひげを生やしたガタイの良い中年の大男として登場。
御曹司に話しかける一見不審者のアーサーを脅すが、逆上した彼に掴みかかられると怯むというガタイとは裏腹にどこか小心者のきらいがある。
演:グレン・フレシュラー/吹替:ボルケーノ太田
アーサーの同僚のピエロ。
表面上はアーサーに同情し、気にかけてはいるが、裏では上司に告げ口をし見下している。更にアーサーの解雇に疑問を抱く一部同僚に対してアーサー自身が彼のことを言及すると、「何のことだ」と言わんばかりにすっとぼけるなど裏表の激しい、自分さえ良ければ他人のことなど気にもしない
偽善者。
何を思ってか、悪ガキ共に襲撃されたアーサーに拳銃をプレゼントしたが、それがアーサーの狂気を増長させていくこととなり、そのことが様々な歯車を狂わせていく切っ掛けとなった。
物語の後半、刑事が殺人ピエロの犯人としてアーサーを追っていることを察知し、自分が拳銃を渡したのだということを黙っていて貰うべくアーサーの部屋を訪れたのだが、
もはや狂気が抑えられなくなっていたアーサーに報復として
ハサミで滅多刺しにされた挙句、頭を何度も打ち付けられて殺害される。
演:リー・ギル/吹替:越後屋コースケ
アーサーの同僚の小人芸人。
同僚からはしょっちゅう体格のことでイジられている。
唯一アーサーを心から気にかけていたが、彼の狂気にはついていけなくなっている。
演:ジョシュ・パイス/吹替:志村知幸
アーサーの上司であるピエロ派遣会社社長。
日頃からトラブルを起こすアーサーを苦々しく思っており、序盤で彼が仕事中に不良達に襲われた際にはケアどころか、襲われた事実すら信用することなく、全てアーサーのせいだと一方的に決めつけたうえに責め立て、
挙句の果てには「お前のためを思って言ってやっているんだ」とさえ言い放つ、今で言う自己責任論者やパワハラ上司にあたる人物。
演:シャロン・ワシントン/吹替:伊沢磨紀
精神疾患を抱えるアーサーと面談している福祉士。
しかし、毎回するのは義務的な同じ質問ばかりで、やる気があるのかないのかわからない。アーサーの治療にも内心諦めているようにも見える。
市の福祉が終了したことを理由にアーサーのカウンセリングも打ち切ると淡々と宣言した。
演:シェー・ウィガム/吹替:山岸治雄
演:ビル・キャンプ/吹替:高岡瓶々
ゴッサム市警の刑事。
ピエロによる殺人事件を捜査する中で、不審な行動が相次ぐアーサーをマークしている。
ウェイン産業に務めるエリート社員……なのだが、その言動がいかにもな「パリピ」で「ジョック(日本で言う体育会系)」そのものの、
オタクの敵と言える連中。
女を落とすことしか考えていない、下半身でモノを考えているクズの集まりである。
電車内でも女性をナンパしていた所で突然笑い出したアーサーが気に障り暴行を加えるが、拳銃を手に反撃したアーサーにより全員撃ち殺された。
この事件を機に、ピエロの殺人者は「金持ちを殺す救世主」として崇拝されることとなる。
ぶっちゃけるとアーサーが発砲したのは正当防衛な部分があり、殺されたのは自業自得としか言えない。
余談
- アーサー役のホアキン・フェニックスは役作りのために24キロも減量していた。
元々は小太り気味の体型だったこともあって、過去の出演作からの見た目の変化が凄まじいことになっており、寧ろ本作からホアキンを知った層にもショックを与えることにもなった。
- 本作におけるジョーカーのメイクは、リアル殺人ピエロで有名なジョン・ゲイシーを参考にしたとの事。
ちなみに劇中でアーサーが立ったコメディクラブの名前はジョン・ゲイシーがピエロの芸名として名乗っていた『ポゴ』である。
- 非常に印象的な“ダンス”は脚本、演出段階では指示されておらず、撮影の中でホアキンの完全なインスピレーションの中で生まれたアドリブである。アーサーの時にはぎこちなかったダンスがやがて……。
- 製作を開始した当初はレオナルド・ディカプリオがジョーカー役の候補に挙がっていた。
- 本作の劇場パンフレットは詳細な設定解説に始まり、監督・ホアキンのロングインタビュー、散りばめられたオマージュの解説、ジョーカーというキャラの歴史、ガチの評論家によるコラムなど、内容盛りだくさんであり、考察勢は必読である。
ただし、盛りだくさん過ぎて冒頭のあらすじで内容を95%くらいネタバレしているので、くれぐれも鑑賞前に読んではいけない。
何がおかしいの?
項目を思いついて…
どんな項目を?
……誰にも理解できないことさ。
最終更新:2025年01月29日 13:15