登録日:
更新日:2026/08/22 Sat 12:18:29NEW!
所要時間:
「仕掛け」とは仕掛け人・藤枝梅安シリーズをはじめとした池波正太郎作品で出てくる暗殺である。
主に取り扱われるのは
必殺仕掛人(時代劇)をはじめとした梅安シリーズだが、時間軸設定を共有している剣客商売シリーズ・
鬼平犯科帳シリーズ・単独長編の闇の狩人や様々な書下ろし短編でも出てくる。
【概要】
まず、様々な事情(跡を継がせたい子息がいるのに邪魔な存在・長年連れ添った妻が不貞を働いた・大名の隠し子なのをいいことの狼藉し放題・表向きには刺客を差し向けられないため口封じをしたいetc)を抱えた人が”起こり”と呼ばれる依頼者として”蔓”と呼ばれる仲介人に殺しと口止め料を兼ねて一定量の金額を払う。蔓は大抵は香具師の元締がこなすが、漫画版オリジナルの藤岡屋由蔵のように表むきは古本屋である情報屋ではあるが元締めかどうかは不明な者もいる。
起こりがあまりに貧乏な場合は20両なんてこともあるが、大抵は100両ぐらいは支払われる。時には相場と比べて少ない場合もあるが、無論そういう場合は後述の仕掛人のやる気にも響く。
そしてその金を元手に蔓が暗殺者を選別し、仕掛け人と呼ばれる殺し屋に事情を説明したうえで支払われた依頼料の四分の一を前金として手渡す。
こうして仕掛けを請け負った仕掛け人はその依頼に対して責任を持ち、夜襲とか料亭などで一人になった隙をついて下手人が分からないように標的を暗殺せねばならない。
一方で「報酬が見合わない」とか「前の仕掛けからそれほど時間が経過していない」という理由で断った場合はお金は支払われず、その仕掛け人に責任は発生しない。無論その場合、蔓は別の仕掛人を見繕わなければならない。
仕掛け人となるのは香具師の部下などの関係者や浪人や訳アリで土地を追われたものなど、脛に傷を持つ者。浪人でない者は鍼医者や爪楊枝職人など表の家業を持つ者もいる。
主に仕掛けで使われるのは針や吹き矢、あるいは刀といった類。相手が無力な場合は匕首とか包丁というケースもある。
当時は今ほど科学捜査は発達していないので指紋が手掛かりという方法は捜査には使えず、街灯なんて気の利いたものはないため手持ちの提灯ぐらいしか光源がなく町はずれなどで仕留められてしまえば意外に足が付かないなんてこともしばしばあった。更に刀傷や絞殺跡まだしも針などでの急所への細かい刺し傷は当時の医学の限界では見落とされてしまいがちであり、うまくいけば巷では迷宮入り扱いとなる。
そして誰にも現場を見られないまま標的を仕留めれば仕掛け成功となり、成功報酬として更に依頼料の四分の一すなわち合計して起こりからの依頼金の半分が支払われ、余ったお金は蔓の取り分となる。
なお、仕掛け人が仕事を放り出したり失敗したうえに顔を見られてしまった場合は、ペナルティーとしてその仕掛人が蔓からの殺害対象となってしまう。お金の恨みは怖いのだ。
- 前者は鬼平犯科帳で鬼平の剣術の弟弟子の井関録之助が一度は金の誘惑に負けて仕掛けを受けるも心変わりして放り出した結果連絡者が殺され江戸に逃げた自身も危うく殺されかけるも平蔵ととある野良犬の連携で何とか助かる
- 後者は剣客商売にて商家の後妻が子供を跡を継がせたいがために前妻の息子を殺そうとしたらその現場をたまたま通りかかった秋山小兵衛に見とがめられボコられたあげく顔を見られたその仕掛人が自宅で後遺症でうなっていたところ口封じで殺される。
また、相手も腕利きの場合は逆に仕掛け人が返り討ちに遭うというケースもある。
無論これらの場合は別の仕掛人を探して改めて仕掛けを依頼せねばならないので、手間とかを考慮すれば蔓も損することになってしまう。
一方で作中の主要人物である梅安や彦次郎レベルの腕利きともなると、「蔓が欲目にくらみ邪な起こりの仕掛けを引き受けさせるも仕掛け人が腑に落ちずに吟味してみたら依頼内容とは逆に其の標的が善人だったことがばれ、『話が違うぞゴルァ!』と蔓と起こりが暗殺される」なんていうケースもあったりする。
【特殊なケース】
□義憤を感じてとある老婆の敵討ち代行で或る侍を仕留めたら、実はその男はたまたま札掛の吉兵衛が仕掛けを依頼しようとするも断られていたとある藩主の狼藉者の隠し子であった。予想外の展開のため結局真相を話すか否か決めあぐねている間に元締めが規定額を支払って去ってしまったため借りを作る形となってしまった梅安は、別の仕掛けも行うことに。
□二件受けて片方を仕掛けたらそいつがもう一方の仕掛けの起りだった。そのためもう一方の仕掛けはキャンセルされ半金が手に入ったが、そのために邪魔ものが消えたもう一人によって仕掛け人だったパラレルの彦次郎が殺されてしまう。
□親を殺されて敵討ちの旅に出るも仇が見つからず長い年月が経過した為縁者からの支援を打ち切られ仕掛け人にやつした浪人が、火盗改めの長の長谷川平蔵の殺しを引き受けるも、平蔵が親友の岸井左馬之助と共に晩酌を取っていた料亭の主が実はその浪人の敵であり、仕掛け人の方は忘れていたが主の方はしっかり覚えていたため隙を突かれ包丁で捨て身の奇襲を受け返り討ちに遭う。晴れて追われる身から解放された主とその妻は平蔵の計らいで別の場所に逃され、後に残った料亭は盗みの罪を赦され密偵になった小房の粂八が受け継ぐことになった。
□さいとうプロの手掛けた漫画版藤枝梅安のオリジナルエピソードだが、一家を斬殺されたとある商家生き残りの娘が自分を身売りして絞り出した金で一家を斬殺した盗賊への仕掛け依頼をした後自殺。その標的は巷では評判のいい店の旦那となっており梅安も正当性を疑っていたが、ある晩その旦那の盗賊時代の仲間がひそかに彼を呼び出し物陰で強請ったので旦那はその男を思わず殺害。旦那は強盗殺人をした過去そのものは悔いているようだが裁きを受けずのうのうとしていると判明した以上梅安もちゃんとした依頼と判断し、仏壇で祈っていた旦那を気まずい思いをしながら急所への針の一突きで殺害。なお蔓となった由蔵は契約違いが逆鱗に触れた梅安に自分が仕掛けられる悪夢を見ていた。
追記修正の残りは仕掛けを成し遂げてからお願いします。
- 特殊なケースは人物関係や出来事のつながりが一読では掴みにくくて、全体的に説明が少し足りないように感じるな -- 名無しさん (2026-08-22 06:09:22)
最終更新:2026年08月22日 12:18