姫宮千歌音

登録日: 2011/01/29(土) 22:31:15
更新日:2020/02/29 Sat 14:47:03
所要時間:約 7 分で読めます




神無月の巫女のもう一人の主人公。
CV:川澄綾子
主にアニメ版について記述。


乙橘学園に通う高校2年生。
生徒会副会長を務め、弓道部など複数のクラブに所属する才色兼備な令嬢。
生徒達からは宮様と敬愛され絶対的な人気と支持を得ている。
来栖川姫子とは子犬をキッカケに知り合い、密かな交友を築いていった。
実は出逢った時から姫子に親友以上の想いを抱いている。

姫子への愛は無限大で彼女の幸せを最優先に考えて行動し、自分を卑下しがちな彼女を決して否定せずどんな時でも優しく寄り添う。
一方で、姫子を傷つける者は誰であろうと絶対に許さない。
姫子を階段から突き落とした上、さらなる嫌がらせを企む女生徒達を殺気のこもった眼で震え上がらせた。


彼女もまた16歳の誕生日にその悲壮な運命が動き始める。
暴走した大神ソウマの破壊活動に巻き込まれた姫子を救う為、愛馬サンジェストを駆り現場に駆けつけたものの、月の巫女として覚醒し、気を失った姫子に思わず口づけしてしまう。
姫子が人知れず村を出て行こうとした際には自分が月の巫女であることを明かした上で、彼女の苦しみを見抜き優しく支えた。
直後に姫子を性的な意味で狙うギロチが出現し、姫子を守ろうと立ち向かうが為す術なく痛めつけられる。
結局姫子を救ったのは同じく姫子に想いを寄せるソウマであり、この悔しさが尾を引くことに。

共に天群雲剣(アメノムラクモノツルギ)復活の儀式に挑むが失敗し、沈む姫子を海に誘い、二枚貝の例え話を聞かせる。

「いつかただ一人の人と出逢うその時まで…それまで、私……私が姫子を守るから」

その相手が自分でありたいと願っていても言えず、それでも笑顔で彼女を励ます。
しかし、来襲したオロチ衆ネココから必死に姫子を守ろうとするも、守り抜いたのはまたしてもソウマだった。

天群雲剣が甦らない以上戦闘は彼に頼らざるを得ない状況になり、また姫子の幸せを思い自分の心を必死に押し殺して二人の仲を後押しする。
恋敵であるソウマのことはある程度信頼していたが、その胸中には常に激しい嫉妬と苛立ちが渦巻いていた。

ツバサに敗北し姫子が負傷した際はそれまでの鬱憤も相まってソウマを糾弾するも、ツバサとの一件でナーバスになっていた彼から思わぬ反論を喰らい、珍しく取り乱すなど次第に精神的に追い詰められていく。
その不安定さに目を付けたミヤコが作り出した幻影に誘い込まれ、秘めた欲望を暴かれた上で恋が叶わない残酷な現実を突きつけられる。

「だって……あなた、女の子ですものね」

かろうじて幻惑を打ち破るものの、精神的に摩耗した千歌音はすがるように姫子を捜し求める。
ようやく見つけた彼女の目に飛び込んできたのは、姫子とソウマがキスするという最悪の光景だった
呆然とする千歌音の脳裏に前世の記憶が甦り、全てを理解した彼女はある決意を固める。










以下ネタバレ








千歌音が急に身辺整理をし始めたある日。
ソウマに送られ姫宮邸に戻った姫子が異様な雰囲気の中で見つけたのは、陽の巫女の衣装を着て暗い居間でピアノを弾く千歌音だった。

取り憑かれたような顔で姫子の差し出した月のペンダントさえ捨てると、彼女に無理やり口づける。

「私、オロチになったの。私のしたいことをする為にね」

千歌音は抵抗する姫子の頬を叩き、泣き叫ぶ彼女を押し倒して容赦なく凌辱した。
漫画版では短刀の鞘を使っていたが、アニメ版は指で膜を破いた可能性がある。
駆けつけたソウマを爆発する矢で攻撃し、武夜御鳴神を強奪すると、オロチ衆の前に姿を現しツバサ以外を石化させてしまう。

姫子が天群雲剣の復活に成功すると姫宮邸に舞い戻り、戸惑う彼女を余所に以前と変わらぬ優しい態度で接した。
翌朝、少し外に出ていた自分をいなくなったと思い、泣きついてくる彼女を優しく抱きしめ尋ねる。

「まだ私を好きでいてくれる?」
「うん……大好き」

答えを聞いた千歌音は冷たく笑い、姫子を殺すことを宣言すると最終決戦の招待状を差し出して再び姿を消した。

最終決戦ではオロチ衆ロボット軍団を従え、姫子を月の社で待ち構える。
姫子がソウマの切り開いた突破口で到着すると、恍惚の表情で愛を語りながら彼女を斬りつけた。
人呼んでハァハァ斬り
なおも自分を信じてすがりつく姫子に微笑み、千歌音は弓矢一発で地球を滅ぼして狂ったように高笑いする。
これにはさすがの姫子も激昂し、無我夢中で攻撃を始め二人は激しい斬り合いに。
しかし、姫子が勝てる筈もなく、千歌音は軽々と回避して再び斬りつける。
その攻撃が巫女装束を切り裂いた拍子に、千切れた二枚貝のペンダントが宙を舞い、思わずそれに目を奪われた彼女の表情はせつなげだった。



姫子、貝合わせって知ってる?

二枚貝ってね、互いにぴったり合うのは一つしかないの

私は人と人もそうじゃないかって思ってるわ

姫子にもいるのよ。世界のどこかに、姫子だけを待ってる人が

ただ一人の人が……必ず─────










以下さらなるネタバレ








千歌音が見せた一瞬の隙は、姫子の闇雲に振るった剣でも体を貫かせるのに十分だった。
ショックで自殺を図る姫子を止め、彼女の前世の記憶を完全に甦らせる。


オロチを封じ世界を元に戻す為に、神無月の巫女はどちらか片方の巫女がもう一人を殺さなければならない。


その結果、前世では静かに運命を受け入れた姫子を千歌音は泣きながら手にかけていた。
天群雲剣が復活しなかったのも、彼女が天群雲剣を心のどこかで憎んでいたからである。

真実を知った千歌音は、姫子の優しさを誰よりも知っているゆえ、自分を徹底的に憎ませることで彼女の心を守ろうとしていた。
姫子の為なら命を捧げることさえ苦にならないが、彼女が自分を信じる度により残虐に振る舞わねばならなかったのである。

再生する世界でのソウマに姫子を託し、ただ彼女の幸せだけを願いながら逝こうとする千歌音。
だが、姫子は「愛している」と言った言葉も嘘だったのかと尋ねる。
いまわの際の観念ゆえか、千歌音はずっと秘めてきた想い……情欲も含めた姫子への恋心を全て打ち明けた。
その深く強い想いに、自分の本当の想いで応える姫子。

「私、千歌音ちゃんの姫子になりたい」

千歌音は、姫子の腕に抱かれながらただ号泣した。

そして幾多の苦難を越えようやく心を通じ合わせたのも束の間、二人を別つ時が来る。
再会を誓いながら、想いのたけをこめて絶叫する二人。
永遠に別れを繰り返すより、無を望むか。天群雲剣にそう問われた千歌音は穏やかに答える。

「私はまた姫子に逢えました。だから幸せです…誰よりも」

それでも一筋の涙を流し愛する少女の名を呟いた瞬間、社の扉は硬く閉ざされた。

再生された世界に千歌音の存在はなく、誰も彼女を知らない。
姫子でさえも………。








そして

どこかの街の交差点。
二枚貝のペンダントを身につけた一人の女性は、“誰か”を待ち続けていた女性と、また、恋に落ちる─────。





前半は禁断の恋に苦悩し、後半は愛する人の為に滅びの道を歩むと、本作の重いドラマ性を象徴したキャラクターぶりは高い評価を得た。
その反面、姫子の為とはいえ暴虐の限りを尽くしたり、レイプしたり、それらを演技としたことに対しては批判の声も少なくない。


実は、“神無月の巫女”も彼女たちの宿命の一端に過ぎない。

絶対天使と絵描きの少女
互いに殺し合う御神娘
記憶喪失の少女と見習いシスター

様々な姿と形で惹かれ合いながら、姫子と共に輪廻の輪を巡り続けた。
介錯によると、絶対少女聖域アムネシアンにて完全に過酷な運命から解放され、今後二人を描く機会があれば楽しい方向の話になるらしい。




「幾千幾万…いいえ、例えその数が満天の星を凌ごうと、私があなたを見失う筈がない。 必ず私はあなたを追記修正してみせる」

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