記憶喪失

登録日:2019/06/16 Sun 23:23:40
更新日:2024/12/25 Wed 11:09:50
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※ご自身の健康問題については、専門の医療機関に相談してください


「ここはどこ?私は誰?」


記憶喪失(きおくそうしつ)とは、認知症状の一種である。



はじめに~本当に記憶喪失になってこのページにたどり着いてしまった人に~


このアニヲタWikiはネタサイトです。
間違っても真面目な医学的知識を提供する場所ではないので、あなたがまず真っ先にすべきは身近な成人に助けを求めて病院に連絡を取ってもらうことです。

ここで助けを求めてもどうしようもありません。ネットの先の詳しい人より、現実世界の親切な素人をまず頼りましょう。


現実における「記憶喪失」の概要


医学的には「健忘(けんぼう)」と呼ばれる。
このうち、「健」は「すこやか」ではなく、「はなはだしく」の意味で用いられており、
「身体は健康なのに記憶を失っている」ではなく、「はなはだしく忘れている」または「常識を超えて忘れている」という意味合い。

また、忘れるのは一般的に「エピソード記憶」と呼ばれる「内容を文章で説明できる記憶」だけであり、
日本語の話し方」や「箸の持ち方」などの記憶は、記憶喪失に陥っても失われない。


記憶喪失を判定するには一般に次の3つの質問が鍵になると言われる。
  • 私は誰だ
  • お前は誰だ
  • ここはどこだ
この3つの質問をしてきた場合、演技でなければそれはほぼ確実に記憶喪失と判断していいだろう。

一般的には時間経過と共に失われた記憶は次第に戻っていくが、稀に戻らない場合もある。
さらに警察などが調査してもその人物の身元が全く判明しない場合、社会保障的には「孤児」などと同じように扱われ、
裁判所に仮の戸籍などを発行してもらった上で社会生活を送る場合もある。

現実では、脳に血液が行き渡らない状態が続いた結果記憶喪失になってしまったケースは多く見られる。
ほとんどは「過労死寸前まで働いていたら限界が来て倒れ、昏睡状態から目覚めたら記憶がなかった」とか、
「何らかの病気で脳細胞の一部が死んだ」のように、生死の境を彷徨った後遺症で発症するパターンだが、
う〇こしようと力み過ぎた結果、過去10年分の記憶を失くしたなんて笑っていいのか困惑するようなケースの人もいる。

また後述するが、解離性同一性障害(多重人格)の副作用で記憶を失うケースも多い。


逆向性健忘・前向性健忘


一般的に「記憶喪失」と呼称されるのは、それまでの過去を何かのきっかけで思い出せなくなった状態であり、
記憶を失ってから新たに物事を覚えることに関しては支障がないケースがほとんど。
この状態を専門用語で「逆向性健忘」とよぶ。

一方、「過去のことは思い出せるが、これから先に起こることを記憶できない」というタイプの記憶障害もあり、これを「前向性健忘」という。
作劇が難しいからか、前向性健忘をメインの題材にした作品は非常に少なく、
有名どころだと『博士の愛した数式』『パコと魔法の絵本』『50回目のファーストキス』『掟上今日子の備忘録』『メメント』『記憶破断者』ぐらいしかない。
特に『博士の愛した数式』『パコと魔法の絵本』はフィクションながらも患者への接し方として良い示唆を与えてくれる、という評価もある。
『博士の愛した数式』は「博士が推していた野球選手がそのあとどうなったか隠す」という作品当時だからこその対策が可能だった面はあるが*1
コイツの能力を食らっている状態が近いといえる。

余談だが、「大量にお酒を飲んだら次の日の記憶がなかった」状態も一時的ながら前向性健忘に分類される。
というのも、泥酔状態になって以降の事を覚えられない(+酔いが醒めたタイミングで記憶障害が治る)という状態故に、
酔いが醒めるまでの記憶が失われるのであり、当然ながらその部分以外の記憶が失われたりはしない。
酔っていても意外とまっすぐ家に帰れるのも、酔う前の段階で家の位置を覚えているからだとされる。


記憶喪失の原因

多大なストレスがかかった時、そのストレスごと全ての記憶を失ってしまうこともある。
全てとは行かずとも、大きなトラウマで記憶を部分的に封じ込めるパターンはフィクション・現実双方にあり、
フィクション、特にミステリーやサスペンスでは、その失われた記憶が物語の謎を解く鍵になっている場合が多い。

  • 外傷性
フィクションだと定番。頭に強い衝撃を受けて記憶を失う。
ギャグ色の強い作品だと頻繁に登場する*2が、実際には非常に稀な事象
そのため、リアルに他人の記憶を奪おうとして頭を殴ったら、記憶ではなく命を奪ってしまう可能性が高いので注意。
手術によって脳(海馬)をいじくって、意図的に記憶を失わせるというオーバーテクノロジーなパターンもフィクションではしばしば見られる。
いわゆるパンチドランカーもある意味ではこれと言える。

  • 薬剤性
特定の薬品で記憶が飛ぶ。現実世界だと酒の飲みすぎやいわゆるドラッグとかで記憶喪失になることが多い。
「外傷性」と同様、フィクションだと無理矢理記憶を奪うためのツールとして使われることが多い。

  • 症候性
アルツハイマー型認知症など、病気が理由の記憶喪失。
フィクションだと悲劇系の作品に比較的多いだろうか(『私の頭の中の消しゴム』など)。

「つらい現実から逃避したい」「寂しい」などの負の感情から、第二、第三の人格が生まれたタイプの多重人格者に多い。
具体的には、新しく誕生した人格が記憶のアクセス権を持っていってしまい、本来の人格はしょっちゅう記憶を無くすようになる、など。
こうした人々はそもそも「逃げたい」「自分以外の他人が身近に欲しい」といった動機で人格が生まれるので、
新しい人格にはつらい記憶を担わせるだとか本来の人格に物事を教えてくれるだとかそうした役割が求められると考えれば、当然と言えば当然か。

  • その他
フィクション限定であるが、記憶操作系の特殊能力により記憶を失うというパターンも非常に多い。
また、『ジョジョの奇妙な冒険』では、「時間を数秒間吹き飛ばす」という特殊能力を持つ者が登場しているが、
当の能力者以外の人物は「吹き飛ばされた数秒間」のことを記憶していないが、その身体はその間も普通に動いている*3とされるため、
「横断歩道を渡り始めたと思った次の瞬間には渡り終えていた」というような、一時的な前向性健忘に近い感覚を味わうこととなる。


記憶喪失を扱ったフィクション


テーマとしては非常に多いが、その多くが「逆行性健忘」…つまり、「自分の過去を忘れている」パターンである。
「前向性健忘」という「これから先のことを覚えられない」障害をメインにした作品は非常に少ない。

シリアスでもギャグでも非常に使い勝手の良い設定なのが頻繁に使われる理由だろう。
シリアス寄りの作品では、
  • 自分が何者なのか、自身のルーツを探るための旅に出る
  • 行き倒れている所を保護される
  • 自身に身に覚えのない罪を問われる
  • 記憶喪失のまま洗脳されて本来の味方と敵対する
  • 親しかった相手が、記憶を取り戻したことで敵(仇)だったと知る
  • 「失われた記憶」それ自体が物語の根幹に関わるカギになっている
  • 友人や恋人が「記憶を取り戻したら自分の前からいなくなるのでは」と不安になる
  • 実は最初から「取り戻すべき記憶」自体が存在しない(自分がロボットや人造人間であることを自覚していなかった、十数年間ずっと寝ていた、など)
  • 終盤に主要人物が記憶を失い、クライマックスで記憶が戻りめでたしめでたし
などの設定が定番。

一方ギャグ系の作品では、「メインキャラクターが頭打って記憶なくなりました」で、今までの設定や人間関係を一時リセットしてシナリオを一つ作れるため非常に便利。
  • 適当な記憶を吹き込まれて玩具にされる(お前俺に金借りていたよな?とか)
  • 本来の性格では絶対やらないような事をやらかす
  • 「自分が恋人だ」と吹き込む(ラブコメ系作品の定番)
  • そのまま♡♡♡な展開に持ち込む(エロマンガの定番)
ギャグ系作品だと、記憶が戻った後に仕返しされたりするのも定番である(逆に「記憶喪失の間の記憶がない」パターンも多いが)。


周囲の者なり敵対者なりが、自分達にとって都合の悪い記憶を取り戻させるまいと妨害に動くのもよくあるパターン。
時には敵味方入り乱れる騒動に発展し、時には本人を衝撃的な出来事や記憶を取り戻しそうな要因に触れさせないよう周囲がてんてこ舞いしたりする。

また、記憶喪失という訳ではないが、「太古または未来の世界から蘇って現代に関する知識がない」、「宇宙からやってきて地上に関する(ry」、
「人間化したばかり/人間のふりを始めたばかりで人間に関する(ry」という場合、
正直に言ってしまった時のリスクを考えて「実は記憶喪失で常識がないんです」と誤魔化す事もある。


直接関係はないが、例えば叙述トリックなど、初見だからこそ驚くギミックが施されている作品で、
さらにそのギミックが作品の面白さに直結している場合、「記憶喪失になってもう一度鑑賞したい」等と形容されることがある。


代表的な記憶喪失をテーマにしたフィクション

漫画

ヒロインであるエリーが記憶喪失であり、物語の目的の一つが「彼女の出自を知ること」であった。ちなみに「エリー」も本名ではない。

メイン登場人物の一人であるウェザー・リポートは記憶を失っており、彼の記憶を取り戻すことも目的の一つになっている。
また、敵キャラの一人・ミューミューのスタンド能力「ジェイル・ハウス・ロック」は、術中に落とした相手を、新しい物事を三つまでしか覚えられなくするという嫌らしい効果を発揮する。

主人公である「睾丸が4つある男」は記憶を失っており、仮の名前として「東方定助」を名乗っている。

主人公ガッシュ・ベルは魔界時代の記憶を失っている。

ライバルキャラである「怪盗X」は自分のルーツに関わる全ての記憶を失っており、自分の正体を取り戻すために様々な人間を観察している(美術品集めはその一環)。
……と設定だけは悲劇的なのだが、そのための方法が様々な人をバラバラに解体してはガラスの箱に詰めて「観察」するというサイコ極まりない手法。当然ながら指名手配中。
また、体細胞を変化させて別人になりきることのできる特異体質の持ち主でもあり、この変身能力によって殺した人間に成り代ることもできる。
が、耐えず体細胞が変化する体質が災いして多くの記憶を保持することはできず、生きている限り常に記憶を失い続ける……とされる。
記憶が失われた原因は終盤で明らかとなる。

  • 信長のシェフ
現代からやって来た主人公はほとんどの記憶を失っていた。
しかし、料理に関する知識と歴史に関する知識はそのままだったので、彼の存在が歴史に大きく関わっていくことになる。

  • シャアの日常
シャア・アズナブルがなぜか記憶喪失になって現代日本でアパート暮らしをするギャグマンガ。

とあるエピソードで記憶喪失になったおじさんが登場したことがある。
ひみつ道具「わすれとんかち(殴ると忘れた記憶がランダムで目から投射される物騒な大金槌)」で彼の記憶を辿ろうとしたのだが、
それによって投射された彼の断片的な記憶が元で大騒動に……


小説

ヒロインであるインデックスが「完全記憶能力で大量の魔導書を記憶した過負荷で、1年ごとに記憶を失わないと死ぬ」という状態で人為的に記憶を抹消されていた。
+ 以下、ネタバレに付き注意!
実は記憶を消さないと死ぬというのは嘘。さらにそのインデックスを助けるための戦いで、主人公である上条当麻が記憶を脳の一部ごと破壊されることになった。
但しインデックス・当麻共に喪失したのは思い出にあたる「エピソード記憶」だけで、喪失後も最低限の知識は現存している。
また当麻に関しては後に「ある人物の事を記憶出来ない」という別な記憶障害(原因は過去の負傷とそれの治療の後遺症)を抱えている事が判明。
その人物に何度直接遭遇しても当麻は「噂に聞いた人」以上の感覚を持てず、その人物に関する記憶障害の自覚すらないが、こちらに関してはその人物とある医師だけの秘密となっている。

とある事故以来、数十分おきに記憶が事故直後までリセットされる「前向性健忘症」になってしまった主人公の話。
そしてそんな主人公に「記憶改竄能力」を持った殺人鬼の魔の手が迫る。

原因不明の異変で、全人類が10分しか記憶を維持出来ない前向性健忘体質になってしまった世界の物語。
異変から時が経った未来にて、人の脳から喪われた「長期記憶の維持機能」を補える外付けのメモリが開発され普及したのだが…。

仮面契約者(ライダー)の一人、北岡秀一TVシリーズ同様に不治の病を患っているが、
死病だったTVシリーズと異なり「症候性の記憶障害」という設定になっている。
ミラーワールドでの戦いに身を投じたのも病を治すためであったが、やがて病状が悪化してゆき……

  • シンデレラの罠
フレンチサスペンスの帝王となるセバスチアン・ジャプリゾの代表作。フランス推理小説大賞受賞。
主人公が探偵で犯人で被害者で証人の一人四役を務める驚異のプロットで大ヒット。日本でもミステリ好きの間ではカルト的な人気を誇る衝撃作。
借金返済のため短期間で書いたらしいが、発売の48時間後には映画化権が買われたという。
ある朝目覚めると顔に包帯を巻かれている<私>こと「ミ」。
火事で大火傷を負ったものの一命はとりとめたが、記憶は失っていた。はたして私は本当に「ミ」なのだろうか?

  • 掟上今日子の備忘録
「前向性健忘」をメインテーマにした珍しい作品の一つ。
主人公であり探偵役である「掟上今日子」は「1日しか記憶を保持できない」(正確には起きてから寝るまでの間の記憶しか保持できない)という特性を持っており、
「1日で事件を解決する最速の探偵」という触れ込みで探偵活動を行っている。
この特性から探偵にとって非常に重要になる機密保持義務による問題が発生しないこともあり、警察機関のお得意様でもある模様。
ちなみに1日の間であればかなり高い記憶力を発揮することが可能であり、機密保持の観点からメモを取らないことを信条としている。
また、名前などの重要な情報は体にメモをしている。
なお、1日で解決できない場合は解決できるまで眠らないし犯人が捜査妨害に眠らせれられたことを知ればさらに苛烈な捜査が待つ。
今日子さんには、今日しかない。


アニメ

主人公である「かばん」はなぜか一切の記憶を持たずにさばんなちほーにいた。
彼女がなぜ記憶を持っていないのかが物語の焦点になっている。

主人公のDボウイ(相羽タカヤ)は、スペースナイツの面々と出会った当初記憶喪失を装っており、本名を言わなかった。しかし...

事件に巻き込まれた時のショックでが記憶を失ってしまい、コナン達は彼女を守りながら犯人の行方を追うことになる。

ストレンジャーの少年・ユウマは過去の記憶を失くしている。
本名も不明で、ユウマという名もポトリス・プラネットに自生する木の実「ユウマの実」から取られた。

主人公の少年・音無は名前以外の記憶を失った状態で死後の世界にやってくる。
物語後半にて彼の死はとある少女を(結果的に)救ったことが発覚し、またそれがある意味この作品の根幹に関わっていた。

仲間の一人ブルーノが記憶喪失で保護され、メカニックの腕を買われて仲間入りする。
中盤に記憶が戻るが、実はラスボスに記憶の一部を思い出せないようにされていた。
終盤に真の記憶が戻り遊星と対峙することになる。
記憶喪失+記憶操作という複雑なキャラクター。

相棒のアストラルが主人公遊馬と出会った時に記憶喪失になった。
そして彼の記憶が100枚のナンバーズカードとなり散らばってしまったため、それを回収するのが物語の目的となる。

主人公の響裕太がそれまでの記憶を失ってしまったところから物語が始まる。
裕太は、記憶喪失前の自分を知っているヒロイン・宝多六花と友人の内海将等に支えられつつ、
六花の家にあったジャンクPCから「使命を思い出してくれ」と語り掛けてきた謎の存在・グリッドマンと一体化し、町に出現する怪獣と戦っていく。
そして、物語後半、裕太が記憶を失っていた原因が、彼自身のある秘密と共に明かされることとなる。


ゲーム

「ファミコン探偵倶楽部」シリーズ第1弾。ファミコンディスクシステム用アドベンチャーゲーム。
物語は記憶を失った主人公から始まる。本作の謎であるとともにメタ的に言えばプレイヤーと同じく真っ白な状態。ゲームを含めてしばしば見られる手法である。

  • ディジャブ 悪夢は本当にやって来た
ケムコのFCアドベンチャーゲーム第1弾の主人公。
トイレの個室で目が覚めた彼は記憶を失っていた。そして、少し調べていくうちに殺人犯の濡れ衣を着せられていることに気付く。
ちなみに、第2弾があの『シャドウゲイト』であり、第3弾の『悪魔の招待状』では小ネタとしてちょっとだけ出ている。

ジーク、ディアドラエーヴェルソティスが該当。
ジークとエーヴェルはで死亡したはずの人物が記憶を失うも生きていたパターン。
エーヴェルは明言こそされてないが、ジークはバレバレってレベルじゃない

ディアドラは特殊であり、シグルドの妻であった彼女をアルヴィスの妻として寝取らせるために記憶を消された

ソティスはさらに特殊であり、主人公の心の中にのみに居続ける存在
自分が何者かもわからぬまま主人公の内で眠っていたが、ある時、自身が「はじまりのもの、ソティス」ということだけ思い出す。
プレイヤーは平穏の先の戦乱の末、主人公とソティスの正体を知ることができるのか?

本作の主人公は、ジムのトレーナーである岡本に拾われた時から記憶を失っていた。
岡本からは「ホーク」と名付けられ、コロシアムの戦士として訓練を積む生活を送る。
仮想空間でスティーブンから悪魔召喚プログラムを授けられ、そしてコロシアムに出場したことをきっかけに、少しずつ真相が明かされていくことになる。

記憶喪失である主人公の青年は、ある日地上に開いた穴に落ちたのだが、傷一つないことから不死身であることに気付く。
そこから、自分を知るために旅立つことを決める。その先に待ち構えている運命と真実とは…。

何故か外せない仮面を被った記憶喪失の青年・ハクオロの英雄譚。
己の正体や見知らぬ世界に戸惑いながらも一介の村人から一国の皇へと登り詰めてゆく中で
自分自身、そしてこの世界の真実へと辿り着く様を描く。

記憶喪失の登場人物は結構な頻度で登場しているが、『11』ではプレイヤーの任意で記憶喪失になれるイベントが存在する。
このようなゲームはちょっと珍しいかもしれない。
特定のイベントの記憶を失うと一部のサブイベントが再発生するようになる。
ちなみにそのイベント関連の死者もなぜか平然と蘇生するので、記憶喪失というか時間が巻き戻っているのかもしれない。

ファンからはお家芸扱いされるくらい、記憶喪失のオリジナルキャラが良く出てくる
代表的なキャラだけでもシュウ・シラカワアクセル・アルマーαでの主人公のパートナー、イルイ・ガンエデンクォヴレー・ゴードンアルフィミィファルセイバーなど。
関連も含めればこのもそうなのでむしろバンプレストのお家芸なのかもしれない。
作ってる側も自覚があるのか、時にはたった一話の内に記憶喪失→記憶回復の両方が起きた事も。
また、ミスト・レックスは異星人であることを隠すために記憶喪失を装った。

記憶喪失のままアッシュフォード学園を彷徨っていた主人公・ライが保護された所から物語が始まる。
自分の記憶を探しながら様々な人物・組織と関わり、やがて、記憶を取り戻した彼がどのような未来を選ぶかはプレイヤー次第。

目覚めたら記憶喪失になっていた主人公がガイド役を名乗る少女・コッコロと合流し、そこから物語が展開されていくのだが、
主人公は自分や関係者についての記憶だけでなく、所謂一般常識まで失っているという、記憶喪失の度合いが他の同じような作品に比べるとかなりひどい状態で*4
渡されたお金をかじる小学生くらいの年代の子に勉強を教えてもらうなど、高校生男子くらいの外見に反して中身は幼児に近い。
そのため、上述したコッコロからはまるで過保護な姉か母親かのように世話を焼かれており、外見は10歳と少しくらいの少女なのにプレイヤーからは『コッコロママ』とあだ名されている。

また、物語第二部では、主人公同様に記憶を失って幼児退行したドラゴン族の少女・シェフィが登場。
主人公たちのギルド『美食殿』に保護された彼女は、やはり主にコッコロママにお世話してもらうことになるが、あるきっかけで記憶が戻って以降は理知的な振る舞いに。
ただし、それまでお世話してもらっていた影響で、コッコロを「ママ」、主人公を「おにーたん」とそれぞれ幼児退行していた時の呼び方でつい呼んでしまったり、
あまりにもショックな事態に直面すると一時的に幼児退行してしまう悪癖が付いてしまい、その度に赤面する羽目になっている。

  • アルナムの翼~焼塵の空の彼方に~
前作『アルナムの牙』のラストで、地底の人々はテラフォーミングを起こした新たな太陽神マリエーンによって、
みな5万年後に目覚められるよう冷凍睡眠(物理)され、十二神将は不老不死となって世界を見守る役割を与えられた。
しかし2万年後の大災害で一部の人々が目覚めてしまった上に記憶喪失になっていることが判明したため、
十二神将のヒエンとリョウスイは地底世界以前の古代機械技術を復活させて人々に伝えることで不自由ない豊かな生活を送れるようにした。
古代機械技術は環境汚染も招いたため封印せざるを得なくなったものの目覚めた人々の子孫は繁栄し、
その後3万年が経過し冷凍睡眠されていた地底の人々も多くが記憶喪失となりながらも目覚め始めた。

しかしその時代には封印された古代機械技術を復活させ世界の覇権を握らんとする軍事国家マヤ公国が興っており、世界規模で深刻な環境汚染が引き起こされてしまっていた。
そんな世界で十二神将という身分を隠しているトバリとスズメが運営する孤児院で育った少年・クスミダはスズメの気を引くためシブくキメようと弟分のクコと共に家出をする。
そしてなし崩し的にマヤ公国と環境汚染を止めようとする十二神将の争いに巻き込まれ、自らの出自の謎も知ることになる。

『BW』シリーズに登場したサブウェイマスターの片割れ・ノボリが該当。
本作ではシンジュ団の一人として登場するが、ひょんなことからヒスイ地方に転移し、名前以外の記憶を全て失くしてしまったという衝撃的な背景が明かされる。
しかし記憶を失っていても所々サブウェイマスター時代の言動が見られ、バトルの腕も健在。

主人公は記憶喪失というのがシリーズの伝統になっている。
その原因は、何者かに記憶を奪われていたり、強いショックによるものだったり、特に説明されなかったりと作品により様々で、
記憶の行方も断片的にしか思い出さなかったり、最後まで戻らなかったり、新しい記憶を優先して過去に決別したりとやはり作品によって異なる。
ちなみに、記憶を取り戻した2の第一部主人公は妻子を置き去りにして失踪している。ひでぇ。

喋る本・プラフタは名前以外の記憶を失っており、主人公のソフィーがレシピを書き込む事で記憶を取り戻していく。
中盤では取り戻せる記憶の量に限界が生じるが、人形のボディに魂を移し替える事で解決している。


実写

このページの中でもっとも有名な記憶喪失物。
監督はクリストファー・ノーラン。氏の初期の代表作。原作は弟で脚本家のジョナサン・ノーラン。
シックス・センス』『ユージュアル・サスペクツ』等とともにネタバレなしで観たい映画としても有名。
記憶が10分間しか保たない男レナードの物語。時間軸がころころ変わる。

主人公は記憶喪失の仮面ライダー津上翔一。だが能天気な性格の為それを気にせずマイペースに生活し、バイクの免許まで取っている。
ちなみに作中で前述の「記憶喪失者の保護」について軽く触れている。
「記憶喪失でバイクに乗るのは無免許運転じゃないのか」というクレームに対して作中で答えを出すシーンは直前の豆腐崩すシーンと合わせて非常に有名*5

『アギト』同様、主人公は記憶喪失の仮面ライダー・門矢士
といっても本人は記憶喪失を大して気にしておらず、さらに訪れる世界で役割が与えられ、それに合わせて職業がコロコロ変わる設定上、
そもそも彼に「本来の記憶」というものがあるのかすら定かではない*6
特にTVシリーズの事件が解決して以降の客演ではほぼ「本来の自分」にこだわっておらず、どちらかと言えば後輩ライダーへの助言者や助太刀としての立ち位置が強い。

主人公の片割れ・フィリップは自身の名前と家族に関する記憶を実の家族で構成された敵組織により消されており、終ぞ記憶は取り戻せずに作品が終了している。
代わりに、特殊能力である地球の本棚で自身や家族の経歴を検索することは可能ではあり、実際それが敵幹部撃破の鍵になったこともあったものの、
あくまで客観的に過去の自分を知っただけなので、視聴者からすれば「記憶を取り戻した」とは言い難い。
…が、少なくとも該当する敵幹部のその後*7、他の敵幹部の正体や自分との関係を確かめてからの接し方については、
情報ではなく記憶として取り戻しているようにも見える描写がある。

こちらも主人公は記憶喪失の仮面ライダーの桐生戦兎
天才物理学者で飄々としている一方で、記憶喪失の不安からか、理想のヒーローを演じることで自己のアイデンティティを保とうとしている節がある。

本作では主人公である城戸真司を含め、集められた者達の大半が、
自分の名前以外の殆どの記憶を失った状態で生き残りをかけたライダーバトルに参加させられる。
また、『仮面ライダー龍騎』本編でも、ライダーバトル中に大きな支障が生じた場合に神崎士郎仮面ライダーオーディンを利用してタイムベントで時間を戻している為、
そのタイムベントが使用される度に、登場人物達の記憶はリセットされている。

こちらも主人公は記憶喪失の仮面ライダーの五十嵐一輝
幼少時に交わした自身の身に宿る悪魔・バイスとの契約により、家族を守るためにバイスの力を行使する度、家族に関連する一輝の思い出が少しずつ消滅していたが、
最終回では家族の記憶を取り戻した代わりに彼の記憶を失ってしまうこととなった。
なお、後日談ではバイスの記憶も取り戻すことが出来ている。忘れたままだと客演の時に困るし…


  • 記憶にございません!
中井貴一主演のコメディ映画。
少年期以降の記憶を失った総理大臣の黒田啓介が、事情を知った側近のサポートと自分の思いつきを頼りに、これからどう行動するべきかを探っていく。
周囲が記憶喪失とは気づかないことによるシュールな演出にクスッとさせられる。


その他

  • 茗荷宿
客から大金を預けられた宿屋の夫婦が、預けた事を忘れさせようと、物忘れの効果があるとされる「茗荷(みょうが)」尽くしの料理でその客をもてなして…という古典落語。




追記・修正ってどうやるんだっけ?方法忘れたので覚えている人お願いします。

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最終更新:2024年12月25日 11:09

*1 現在は本人がカープOB企画に参加することが多い、ゲーム作品に南海時代以降の江夏が収録されるのが宣伝される場合があると、そもそもルートが工夫できない場所で博士が江夏豊の阪神退団や引退を知ってしまうリスクがそれなりにある。

*2 SCP財団の「記憶処理」としてバットや金槌で殴るのが描写されるなど。さすがに本当にシリアスにしたい場合は下記の薬剤性や記憶操作能力で起こすように描写する人が多い

*3 例えばチョコを食べようと手を伸ばしてから実際に口に含むまでの数秒間をこの能力で吹き飛ばされた場合、口に含んだ記憶はないが、口の中には確かにチョコがあるという状態になる。

*4 実際の症例だとこのレベルで失ったケースも存在するため一応リアルではある

*5 厳密には「仮戸籍を取ることで教習所に通ったり免許試験を受けたりできる」なので、この場合喪失後に改めて免許を取る必要はある

*6 パラレル色の強かった小説版でのみこのあたりが明確に存在した

*7 特に『風都探偵』初のこの幹部の主役回