登録日:2011/08/19 (金) 20:36:20
更新日:2025/04/27 Sun 13:32:35
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「破烈の人形」とは、永野護著『
ファイブスター物語』に登場する
MHである。
正式名称は
「ショルティ・スーパー・イモータル・クバルカン」=永久不滅のクバルカン。
通称は
「バング(バング・ドール)」で、名称の由来はサー・アーサー・コナン・ドイル著『
シャーロック・ホームズ』の短編の一つ「踊る人形」に登場してくる暗号から。
【MH版】
全身グレー中心の騎士甲冑のような外観のクバルカン法国の旗機MHであり、フィルモア帝国の
サイレン、ハスハのA・トールと共に星団3大MHに数えられる。
全身に刻まれた楔文字はルーン文字。
特殊な変型機構を有する「ティーガー・フレーム」を持つ。
身長分はあるんじゃないかという頭頂部の兜の尖塔が特徴。
尚、本編には未登場だが“慈悲のノンナ”こと、ノンナ・ストラウス法国神官長(お嬢様)は本国仕様とは別のストラウス公国所属のカーディナル・バング(真紅のバング)を持つ。
これはカラーリング以外にはルーン騎士の操る本国騎と変化は無いらしい。
【基本データ】
◆名称:S.S.I.クバルカン(バング)
◆全長:15.3m
◆装甲材質:ネオキチン
◆重量:121t(非武装時)
◆動力:イレーザーエンジン
◆最大出力:1兆3500億馬力以上
◆武装:エネルギーソード、スパッド(光剣)、スパイド(実剣)、対人対物レーザー、Sマイン、モーターカノン、その他オプションとして量産型MHとしては唯一バスターランチャーを持つ。
本機はストーイ・ワーナー博士が基本設計、チューニングをルミラン・クロスビン博士、ファティマコントロールをクローム・バランシェ博士が作成という星団最高峰のマイト(技師)がよってたかって開発した反則的な機体である。
その能力から星団3大MHの中でも単体性能は明らかに大量装備型の他の二機(サイレン、A・トール)を上回っており(カスタム機は知らん)、一世代に5機しか配備されないレアさから星団中の子供の憧れとなっている。
尚、本騎の開発には建国したばかりのクバルカンが早急に同星の超大国であるサイレンを有するフィルモアに対抗し得るMHを所持せねばならないと云う理由があり、その為にクバルカンの建国とバングの開発の裏には「シオの門番」の存在があるとの事。
開発の中心となったストーイ・ワーナー博士はシステム・カリギュラ=「シオのチーフティンズ」の一員である。
星団中のあらゆる兵器の性能(スペック)を知る恐るべき人物であったらしいが……(後述)。
さらに本機はMHの中で初めて変形機能を有した機体である。本機はクバルカン法国の最高機密であるため普段はいわゆる待機形態で本来の姿を秘匿しキャリアに搭載されており、キャリア内で武装を選択してから外に出て戦闘形態へ変形するものである。
しかし待機形態はお世辞にもカッコイイと呼べるものではなく、イレーザー音(エンジン音)もブボボボボだのボイボイボイボイだの聞くにたえたものではない。冒頭の台詞は待機形態を見たシケルブ・雪乃丞(預かり屋のオヤジ)の一言である。
【作中での活躍】
「トラフィックス1」の主役騎として初登場。
ミューズ・ヴァン・レイバック枢機卿がクバルカン法王から修業に出されたカステポーにおいて新型の
テストとして壊し屋を行っていたイラー・ビショップの駆るアシュラ・テンプルと戦闘、数多のMHを葬ってきたドラゴントゥースを持ち前のパワーで振り払い、エネルギーソードでアシュラの超重装甲をものともせず叩き斬った。
また、破烈の人形は前任パイロット(アルテン・サヤステ=剣聖ヘリデ・サヤステの子孫)の時代に
バッシュ・ザ・ブラックナイト(※言うまでも無く、バッシュがルミラン・クロスビンの最高傑作であったのは皮肉である)を破るという大金星をあげている。
これは、
天照曰わく
クローム・バランシェがファティマ・コントロールを担当した事により、バングが当時最高のファティマ・コントロールシステムを有していた事が大きかった為との事であり、現在はその技術差も解消されている為に現時点での勝敗は不明との事。
最終的に本機は天照に捕獲されコレクションにされたようである。
※……尚、現在は事実上の設定変更が為されており、ミューズの駆っていた「破烈の人形」はクバルカン法国の皇帝騎であり、
一時代に数騎しか配備されない「バング」の中でも、オリジナルにして特別なカスタマイズを施された騎体と云う事になった。
そして、その「バング」の中でも「破烈の人形」の名を冠するのは「踊る人形」の紋章を付け、初代黒騎士を破ったこのオリジナルのみとのことで、クバルカンにとっても国家としての象徴となる重要な意味を持つ機体の様である。
……何故に修行中の若造にそんな機体が貸し出されるか……それはミューズが次期法王であるからに他ならない。
そして、その時はもう間近である。
【弱点】
バングを象徴する変型システムと「ティーガー・フレーム」は元々、上記の開発経緯からバングをフィルモアの監視から逃れた状態で試験運用する目的で開発されていた。
……この目論見は見事に成功し、神出鬼没のバングが星団中に出現。
実戦を繰り返す中で3大MHとしての名声を得る。
……しかし、このバングには構造上なんとも出来ない弱点があり、それはエネルギー消費が異様に悪いと云うもの(※本編参照)。
本来MHは半永久的に稼働出来る機動兵器なのだが、バングに関してのみはそれが当てはまらず、また、その事による撤退の早さもまた、バングの秘密を保持するのに一役買っていたのかも知れない。
……どうにかならなかったんすか……ストーイ博士。
【GTM版】
設定改変後もクバルカン法国の皇帝騎・旗騎GTMとして登場。
正式名称はリッタージェットMk.3 ナンバー5
クバルカン法国に譲渡後の正式名称がザ・ダルマス〜S.S.I.クバルカン「破烈の人形」
ミラージュ騎士団に譲渡されたゲートシオンMk.2(旧設定:スピードミラージュ)の発展型。
Mk.2よりも騎体が大型化しており、
モーフィングを利用した全く異なる変形システムを持っており、大型の鳥を思わせる飛行形態に変形可能。
他のGTMよりも一回り大きく、出力は他の3大GTMを含む一般GTMをも軽く凌駕する。
反面、超高発熱機となっており、超短期決戦型の仕様となっている。
2989年頃に
前述の通りにメヨーヨのGTMホウライ(旧設定:MHアシュラテンプル)の試験騎を撃破したが、その時は飛行形態では無い形状から人型に変形していて、複数の変形機能を持つのでは?と言われており、旧設定の偽装変形と新設定の飛行形態への変形の矛盾点を解消した形となっている。
フォルムはMH版から大きく変えられており、MH版では作中でも一二を争う超カッコいいロボットだっただけに残念……だがGTMになっても一二を争う超カッコいいロボットなので、この辺は慣れとかお好みとか。
設計は改変後も変わらずにストーイ・ワーナー博士。
━━そのために、改変後に明らかになった博士の正体からシステム・カリギュラ製のGTMという面が強化されており、元々は博士自身が搭乗していた。例の劇場版で。
モーフィング装甲は同じくシステム・カリギュラのギルフィー・ビリジアン博士が開発したもので、便利な反面物凄く重くなるとのことで、騎体の大型化と大出力化の理由となっている模様。
主武装はディストーション・ブレード・ブロウ(略称D・B・B)で、恐らくは旧設定のエネルギーソードからの名称変更であろうが、旧設定時はクバルカンが開発した新兵器扱いだったのが、新設定では「破烈の人形」の固有装備となっており、その破壊力は一部の(超腕利きの)騎士には広まっている模様。
説明としては余剰エネルギーを刀身に乗せ、一秒間の間発生するプラズマでGTMの装甲を電磁崩壊させる機能を持つ刀剣型近接兵器。
……まともに食らえばどんなGTMであろうと戦闘不能となる。
また、プラズマを帯びた刀身が受け流されたとしても放電の余波で短時間ながら敵機の各部スイングが機能停止する可能性もあり、その間に追撃が可能となっている。ただし放電のチャージには0.3秒を必要とする上、一秒間以上能力を開放すると刀身が自己熔融、GTM本体もオーバーフローにより停止する“弱点”があるようで、より短期決戦用の騎体という趣が強くなった。
本騎の量産型がザ・ルッセンフリード”フラウ・ワイツ”で、3大GTMに数えられているのはこっち。
……更に後の設定追加で、何と星団歴2770年には
剣聖ダグラス・カイエンがスタント遊星攻防戦に本騎に乗って出撃していた事実が明らかになった。(そのせいで初登場時には元は自分が乗ってた騎体の情報を掴んで売ろうとしていたという変なことになってるが。)
【オマケ】
●ファティマコントロール担当。
……クローム・バランシェ博士
●最終チューニング担当。
……ルミラン・クロスビン博士
●基本設計。
……ストーイ・ワーナー博士
……誰コイツ?
実は錚々たるバングの開発陣の中でも一人だけ正体不明なのがストーイ・ワーナー博士(フェイドラ作ってるけどね)。
……齢4000歳にお達しになられるAD世紀からの生き残りであらせられました。
……不死かどうかは不明ですが不老ではあり、現在はグリース王宮内宮高等学校にてストーイ“エルディ”ワーナーを名乗りJKライフを送ってらっしゃるそうです。
……現在のお気に入りは白い靴下。
……現在のお楽しみは明日の昼食(お弁当)の献立作り。
騎士でもあり、戦闘時には162㎝から207㎝までアップなされ、全身に武器を内蔵してもいらっしゃいます。
ミラージュ騎士でもあり、コードネームは“スペック”。
※スイートは誤植だったが、今じゃそっちのが合ってたと言われる始末である。
追記修正はクバルカンの法の下、徳を持ってお願いします。
- ふと待機形態見てて思ったけど。上半身の装甲とっかえてバスター砲つければ飛行形態にできそうだな。 -- 名無しさん (2015-08-19 16:24:12)
- 初登場シーンがファッキンかっこよかった・・・ -- 名無しさん (2022-03-18 16:48:26)
- メヨーヨのエアドーリーに逃げられそうになったシーンに「その辺の岩でも投げつければよくね?」と思ってしまったあの時。MHのパワーで岩なり盾なり投げつければバリア叩き割って撃沈できたのでは -- 名無しさん (2022-08-12 11:52:07)
- バングは決闘用特化であって、戦争にはとことん向かない機体よね。稼働時間が極めて短いのは兵器として致命的過ぎる。クバルカンの旗機だからクリスみたいに磯野ー!決闘しようぜ!って挑戦されない限りは後ろでずっと突っ立ってりゃいいのかもしれんが… -- 名無しさん (2023-06-20 02:18:18)
- ストーイ博士もどこぞの神と同じで「欠点のないメカなんてつまらない」ってスタンスなのかも -- 名無しさん (2024-12-10 12:29:02)
最終更新:2025年04月27日 13:32