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尊師マーチ

登録日:2011/12/06 Tue 22:06:35
更新日:2026/11/02 Mon 21:00:06
所要時間:約 3 分で読めます




尊師マーチとは、かつて都営地下鉄内でのサリンによる救いなど数多くの救済行為を為したオウム真理教が発布していた宗教音楽、通称「オウムソング」の一つ。
最聖麻原彰晃尊師(松本智津夫)を称賛する歌であり、元となった「彰晃マーチ」とともに、教団を象徴する楽曲として知られている。

本項目では「尊師マーチ」「彰晃マーチ」以外のオウムソングについても一部解説を行う。

【オウムソングの歴史】

オウム真理教は、対外的な宣伝・布教活動や、信者の修行・教学などに用いるため、多数の楽曲を制作していた。これが俗に言う「オウムソング」である。

楽曲の用途は一様ではなく、一般大衆に向けた宣伝・布教用の歌から、教団内部での修行や教義の理解を目的とした歌、尊師への帰依や教団の思想の正当性を強調する歌まで、幅広い種類が存在した。

オウムソングの大きな特徴は、尊師が自ら歌唱する楽曲が数多く存在することである*1。
どの曲も作詞・作曲は尊師によるものとされるが、教団内の音楽担当者などが制作に携わったものも存在する。

1992年10月には、教団の関連企業であるオウム出版から楽譜集『シンセ音楽をたのしもう 最聖麻原彰晃尊師のベスト26』が刊行された。全457ページの楽譜集で、26曲を収録している。
この本に収録された楽曲を、一般に「尊師26曲集」と呼ぶ。

政治的宣伝に用いられた楽曲と、教団内部の教学・修行に用いられた楽曲では、歌詞の内容や性格に違いがある。
外部向けの楽曲には尊師を称賛する比較的単純な歌詞が多い一方、内部向けの楽曲には教団独自の専門用語や教義、さらには暴力を肯定する思想が盛り込まれたものまであった。

とはいえ、この当時はまだ教団の危険性が公になっていなかったため、その独特な音楽性は一種の「ネタ」として広く知られるようになった。
オカルトや終末思想への関心が高まっていた当時の社会状況もあり、教団を信仰の対象とはせず、その活動や言動を観察・研究する人々、いわゆる「オウマー」*2の間でも関心を集めた。

また、テレビなどで繰り返し流されたことにより、特徴的なフレーズが当時の小学生の間でバカウケ。
「音楽の時間にピアニカで尊師マーチを演奏して叱られた」というどこかの誰かのエピソードも当時を知る人のあるあるネタとして広く共有されている。

現代ではインターネット上で音源や映像が共有されるようになり、MAD動画などのパロディ素材としても扱われる。

……そして今、オウム事件を知らない世代の中にはこれ関連の動画を見て教団の教えに興味を示してしまう人もいるんじゃなかろうか?
実際、今現在オウム真理教を知らない世代の信者が増えているという。
公安調査庁や警察庁は、事件を知らない若い世代を対象とした勧誘活動について注意を呼び掛けている。くれぐれも注意しよう。

【バリエーション】

◇彰晃マーチ

「尊師マーチ」の原型となった楽曲。1990年の衆議院議員総選挙において、真理党の選挙宣伝に使用された。
歌い出しから「彰晃」と繰り返す構成で、尊師の名前を強く印象付ける。
歌詞には、尊師が立候補した東京第4区(当時)の地名である「中野」「杉並」などや、「消費税廃止」といった真理党の政策に関する文言が盛り込まれていた。

歌詞には選挙公約を盛り込んだもののほか、尊師を「僕らの彰晃」「お兄ちゃんの彰晃」「お姉ちゃんの彰晃」などと呼び、親しみや崇拝を強調するものも存在する。
その他、歌詞や録音の異なる複数のバージョンが確認されている。

◇尊師マーチ

「彰晃マーチ」を宗教活動向けに改めたバージョン。
教団内で麻原を「尊師」と呼んでいたことから、歌詞中の「彰晃」が「尊師」に置き換えられている。
選挙活動を主な目的とした「彰晃マーチ」に対し、こちらは主に教団の布教活動や信者向けの宣伝に使用された。
教団制作の映像作品にも、信者がこの曲に合わせて踊る内容のものが存在する。
現在、インターネット上で「尊師マーチ」としてネタにされているのは主にこのバージョン。

◇シヴァ大神マーチ

尊師が帰依の対象としていたシヴァ大神を称える内容の楽曲。
前述の「彰晃マーチ」「尊師マーチ」と比べると知名度は低い。こちらのほうが少し音程が高い。

【その他のオウムソング】

◇真理教、魔を祓う尊師の唄

尊師を称賛し、教団の思想を広めることを目的とした楽曲。
1990年の第39回衆議院議員総選挙に際して制作された宣伝用楽曲の一つ。
「彰晃マーチ」と同様、覚えやすく軽快なメロディーが特徴。選挙宣伝に使用されたバージョンでは、麻原を「彰晃」と呼んでいるが、宗教活動向けのバージョンでは「尊師」に改められている。
歌い出しの「しょしょしょしょ……」と「そそそそ……」という違いも、このバージョンの違いに由来する。

鉄道ファンによる駅での迷惑行為、いわゆる「罵声大会」などの場面で、何者かがこの曲を発車メロディーのごとく流す事例が報告されている。やめようね!

◇エンマの数え歌

「尊師26曲集」の22番にあたる。
「私はやってない、潔白だ」という印象的なフレーズで知られ、オウム関連の報道でも取り上げられたことから、オウムソングの中でも比較的知名度が高い。
原辰徳や安倍晋三はこの歌を覚えてしまったという。
松井秀喜はこの曲が頭から離れなくなり、バッターサークルに立っている時、常に口ずさんでしまっていたという。

ただし、これは尊師が教団の起こした数々の事件に関わっていないことをアピールする曲ではなく、地獄に落ちた罪人が閻魔の前で自らの罪を否定して弁明するものの、最終的には裁きを受けるという内容。
その後、歌詞は功徳を積んだ者への労いや、罪人が送られる地獄の描写へと展開する。割と真面目な宗教歌なのである。

なお、この楽曲がロシア向けのオウム真理教放送の最後に流されたという噂があるが、放送終了時の記録では別の楽曲「シャンバラ・シャンバラ」が使用されていたともされる。
詳細を知っている関係者の方がおられたら追記・修正をお願いします。

◇ガネーシャ体操

「ガネーシャ」とはヒンドゥー教の神、サンスクリットで「群衆(ガナ)の主(イーシャ)」を意味する。
太った人間の体に象の頭、4本の腕を持つ神である。
1990年の衆議院議員総選挙に際して使用され、選挙活動では象の頭を模した被り物を着用した信者たちがこの曲に合わせて踊っていた。
歌詞には「みんなで楽しく」「僕らの日本を作ろうよ」といった、比較的平易で親しみやすい表現が用いられている。
関連する楽曲・バージョンとして、歌詞が異なる「修行者の歌」、熊本県・波野村(現在の阿蘇市波野地区)の「オウム真理教進出反対」に抗議する歌*3、リズムを変えた「極厳修行者音頭」も存在する。

余談

言うまでもないが不謹慎ネタであり、嫌悪感を抱く人も多数居るので、使い所には気をつけること。
YouTubeでもこのネタを把握しており、この音楽や歌詞が見えたら「不謹慎」としてBANされるというシステムがある。
…一方で、「転載対策」と称してわざとこの音楽の一節を動画内に組み込んだり、悪質なリプライゾンビに対するカウンターとして、返信ツイート一発目にこれを載せたりする人間も存在する。
『天安門事件』と書き込んでおけば中国からの悪質なスパムが届かなくなるというジンクスと同じである。




追記 追記 追記追記追記 追記修正
追記 追記 追記追記追記 追記修正
籠りの追記 ヲタクの追記 どうでもいい追記
追記 修正

この項目が面白かったなら……\帰依しよう/

最終更新:2026年11月02日 21:00

*1 村井秀夫や青山吉伸など、教団幹部が歌唱に参加した楽曲もある。

*2 不謹慎ゲーム『上九一色村物語』や『スーパーメトロイド』(こちらはオウム関係ない普通のメトロイドシリーズ)等のRTA動画を投稿しているつるポン氏が有名。

*3 正式名称は不明。