イルニア人 - アルカナアリアwiki

地政学的な民族の概念、並びにとあるナショナリズムを示す言葉。
本来なら南北イルニア半島に住まう全ての知的種族を示す言葉であった。
だが、テネブル=イルニアス軍団国の成立に伴い南イルニアの大半から知的種族の居住地は消滅。これによりイルニア人とは北イルニアの知的種族を示す言葉になった。

しかし、アルルメイヤ山脈と海によりグルムニィ王領やリトゥーネ王領と切り離されていた北イルニア地域ではうっすらと「イルニア人」の概念がエリート達によって産み出されて一つのアイデンティティとなる。

そして花達の革命と共にイルニア人の概念は北イルニア全域に拡散、共和主義や権利の獲得に合わせてイルニア人ナショナリズムもプロパガンダとして利用され急速に浸透する。
そうして独立した共和国同盟は軍隊や郵便、農業組合等を通してイルニア人ナショナリズムを浸透させつつある。

独立から半世紀以上かけて大衆に浸透しつつあるこの地政学的概念を払拭するためには、また別のナショナリズムを同じかそれ以上の時間をかけて育成する他ない。

また、イルニア人の概念が急速に浸透したのには歴史的な背景も存在する。
北イルニアはエルニア帝国の最初期の征服地域であり、エルニア帝国に積極的に恭順してその経済的恩恵を受けた都市や部族も多かった。
その為にエルニア帝国側もエルフに次ぐ二等市民として北イルニアの部族の大半を扱い、奴隷以外の北イルニア諸部族はエルニア帝国の官僚や知識人層として帝国を支えた。(例:北イルニアの天空人官僚一族ディ・ロベルト家)
これによりグルムニィやリトゥーネ等の他地域と比べて北イルニア地域は大規模な都市が増え、エルニア帝国の事実上の本土として取り込まれた。

その上でテネブル=イルニアス軍団国の成立により南イルニアから逃げ出した知的種族は北イルニアに土着した者も多く、北イルニア側も南イルニアからの難民を受け入れたことにより「イルニア半島ナショナリズム」が産まれる土壌になった。

つまりはイルニア人のナショナリズムは外圧と内部の団結により長い時間をかけて産み出されたものである。