天空都市学園カエルム。天空大陸と呼ばれるダンジョンの最下層で設立された魔法・学術等の研究に盛んな中立国家。小規模ながらも最新の研究が行われていることから常に才能あふれる若者を受け入れているため学問の扉を叩こうとする者たちが集い、または拍付と将来貴族としての地位継承のための教育を施すために各国から貴族や王族の子息女が在籍している。
そんな天空都市学園カエルムであるがアルキミア王国王女フォルトゥナ・グロリア・トルペ・アルキミアにとってはとても退屈な場所であった。彼女にとってこの場所で教えられる事柄が難しく理解が追い付かない。そのため学問に魅力が感じられずとてもつまらなく退屈な物に分類されてしまった。周囲の者たちはそれを有り難いものと捉えていたが怠け者のフォルトゥナにとってはそうでなかったのだ。またカエルムで制定されている教育過程によって自由に過ごせる時間が限られていることも彼女の退屈を助長させるものであったのだ。アルキミアの王であり父であるイェーソン二世の言いつけで在籍しているが退屈とつまらなさが日々募る一方であった。
そんな天空都市学園カエルムであるがアルキミア王国王女フォルトゥナ・グロリア・トルペ・アルキミアにとってはとても退屈な場所であった。彼女にとってこの場所で教えられる事柄が難しく理解が追い付かない。そのため学問に魅力が感じられずとてもつまらなく退屈な物に分類されてしまった。周囲の者たちはそれを有り難いものと捉えていたが怠け者のフォルトゥナにとってはそうでなかったのだ。またカエルムで制定されている教育過程によって自由に過ごせる時間が限られていることも彼女の退屈を助長させるものであったのだ。アルキミアの王であり父であるイェーソン二世の言いつけで在籍しているが退屈とつまらなさが日々募る一方であった。
ある日のことだった。大事な講義を受ける日であり遅刻の類は厳禁であるとされていたがフォルトゥナは寝坊した。講義が始まる三十分前であり朝食を食べていては確実に遅刻する時間に起床してしまったのだ。フォルトゥナは焦っていた。遅刻しては教師の厳しい叱責が待っているからだ。怒られるのも嫌な彼女は遅刻だけは避けねばならないと学園内を走っていた。その時だった。廊下の曲がり角から人が飛び出してくる。それを見たフォルトゥナは驚き止まろうとするも急に止まることなど難しく曲がり角から出てきた人も急な出来事に驚き動きが止まってしまう。その結果、フォルトゥナとぶつかり互いに尻もちをついて転んでしまった。尻もちをついた衝撃からか二人とも痛みにうめいていたが先に復活したのはフォルトゥナの方だった。すっと立ち上がりぶつかった人物の元へ近寄る。
「え、えっと……ご、ごめん! 大丈夫?!」
若干どもりながら今も尻もちをついている人物――――――外見から自身と同年代であろう男子――――――にフォルトゥナは謝罪する。男子の方はフォルトゥナの方を見上げ固まる。その様子にフォルトゥナは
「ご、ごめんなさい! どこか怪我したの?! 立てる?」
怪我をさせてしまったかと誤解し謝罪する。その謝罪を受けた男子はハッと我に返りすっと立ち上がる。
「大丈夫だよ。ちょっと驚いただけだから」
その返事にフォルトゥナは安心する。男子の方はきょろきょろと周りを見回し
「職員室ってどこかな? 君、場所分かる?」
と尋ねる。
「職員室ならあっちだよ」
「あっち?」
フォルトゥナが職員室の場所を指さすも男子の方は首を傾げている。
「……どこにあるか分からないや。案内してもらえないかな?」
とフォルトゥナに男子は頼み込む。それを受けたフォルトゥナは首を大きく縦に振り「いいよ、こっち」と男子の手を握って職員室まで連れていくことにした。自身は講義に遅刻しそうなことを忘れて。手を握られた男子が顔を赤くしていることに気づかないまま。
「え、えっと……ご、ごめん! 大丈夫?!」
若干どもりながら今も尻もちをついている人物――――――外見から自身と同年代であろう男子――――――にフォルトゥナは謝罪する。男子の方はフォルトゥナの方を見上げ固まる。その様子にフォルトゥナは
「ご、ごめんなさい! どこか怪我したの?! 立てる?」
怪我をさせてしまったかと誤解し謝罪する。その謝罪を受けた男子はハッと我に返りすっと立ち上がる。
「大丈夫だよ。ちょっと驚いただけだから」
その返事にフォルトゥナは安心する。男子の方はきょろきょろと周りを見回し
「職員室ってどこかな? 君、場所分かる?」
と尋ねる。
「職員室ならあっちだよ」
「あっち?」
フォルトゥナが職員室の場所を指さすも男子の方は首を傾げている。
「……どこにあるか分からないや。案内してもらえないかな?」
とフォルトゥナに男子は頼み込む。それを受けたフォルトゥナは首を大きく縦に振り「いいよ、こっち」と男子の手を握って職員室まで連れていくことにした。自身は講義に遅刻しそうなことを忘れて。手を握られた男子が顔を赤くしていることに気づかないまま。
「ここが職員室だよ」と職員室までたどり着いたフォルトゥナはそう言って扉を開けようとして、その直前で勝手に扉が開く。中から教師が出てきたのだ。
「あれ、フォルトゥナ君に……ああ、今日編入してきたマコト君か。フォルトゥナ君が案内してくれたんだね」
「はい! キミ、マコト君っていうんだ」
教師の反応に元気よく返事を返してからマコト君と呼ばれた男子の方を興味深そうに見つめる。
「……フォルトゥナ君、君は今日大事な講義があるんじゃなかったかな? ゆっくりしていると遅刻するよ」
との教師の言葉にハッと我に返りフォルトゥナは頭を抱えだし「そうだった……」とぼやく。
「今すぐ行ってきます! じゃあね、マコト君!」
そう言って走って去っていく。それをマコトと教師はあっけにとられたように見届けた。
結論から言ってフォルトゥナはその日の講義に遅刻し教師から盛大にお叱りを受けることとなった。その代わりに自身にとって重大な転機となる出会いがあったのだがそのことを彼女は知らないでいたのだった。
「あれ、フォルトゥナ君に……ああ、今日編入してきたマコト君か。フォルトゥナ君が案内してくれたんだね」
「はい! キミ、マコト君っていうんだ」
教師の反応に元気よく返事を返してからマコト君と呼ばれた男子の方を興味深そうに見つめる。
「……フォルトゥナ君、君は今日大事な講義があるんじゃなかったかな? ゆっくりしていると遅刻するよ」
との教師の言葉にハッと我に返りフォルトゥナは頭を抱えだし「そうだった……」とぼやく。
「今すぐ行ってきます! じゃあね、マコト君!」
そう言って走って去っていく。それをマコトと教師はあっけにとられたように見届けた。
結論から言ってフォルトゥナはその日の講義に遅刻し教師から盛大にお叱りを受けることとなった。その代わりに自身にとって重大な転機となる出会いがあったのだがそのことを彼女は知らないでいたのだった。