ショートカットキーが動作しない現象の検証
たまにショートカットキーが動作しない問題が発生するので、それについての動作検証を行い、その原因と対処法をまとめるページです。
外部デバイスにフォーカスしているときの動作を検証する
ショートカットキーの動作しない問題のわかりやすい問題として、外部
デバイスにフォーカスしているときの挙動を検証してみます。
外部デバイスを表示して、プラグインウィンドウ表示ボタンでプラグインを表示します。
そして表示されたプラグインウィンドウで何らかのパラメータを操作します。
そうすると「フォーカスが外部プラグインに移動」することで、[B]キー (プリセット選択やデバイス追加) などのショートカットキーが動作しなくなります。
この状態になると [D]キーといったデバイスパネルへのフォーカスのキーも動作せず、ショートカットキーを動作させるにはマウス操作でBitiwig本体をクリックする必要があります。
なお、ここでは外部デバイスで検証を行いましたが、
FM-4など標準デバイスでも同様の問題が発生します。
プラグインウィンドウへのフォーカスの対処法1
対処法としてはMIDIコントローラーに操作を割り当てます。
例えば「挿入 - ライブラリから...」を割り当てます。
するとプラグインへのフォーカス状態であっても、プリセット選択が可能となります。
これはMIDIコントローラーはウィンドウのフォーカス状態に依存せずに、Bitwigに信号を送れるためです。
また、「切替 - 選択デバイスの拡張デバイスビュー」をMIDIコントローラーに割り当てるのも有効です。
これは、選択しているデバイスのウィンドウを表示・非表示するショートカットキーです。
プラグインウィンドウは非表示になりますが、デバイスパネルにフォーカスが移動するため、[B]キーなどが正常に動作するようになります。
プラグインウィンドウへのフォーカスの対処法2
もう1つの対処法として、macOSでの対処法となるかもしれませんが、[Cmd+Tab]で別のアプリケーションに切り替え、もう一度[Cmd+Tab]を押してBitwigにフォーカスを戻します。
(Windowsであれば [ALT+Tab]?)
するとプラグインウィンドウのフォーカスが解除され、ショートカットキーが使用可能となります。
不要なウィンドウ切り替えを行う必要があるため、やや不便ですが、MIDIコントローラーがないときに役立つかもしれません。
その他の留意事項
プラグインウィンドウでは正常に機能しませんが、[F10] などのファンクションキーに操作を割り当てると、フォーカス状態によっては優先される場合があります。
例えば後述する「テキスト入力」にフォーカスしている場合は、ファンクションキー以外はテキスト入力として扱われてしまいます。
その他、プラグインウィンドウへのフォーカス時には、[Space]/[P]キーなどトランスポート再生機能が優先して処理されるようです。
フォーカスの仕組みを理解する
ショートカットキーの動作を理解するため、フォーカスの挙動を説明します。
Bitwigでは、どのパネルがアクティブかどうかは「インスペクタ」から確認できます。
例えば[T]キーで、トラックを選択するとインスペクタにはトラックの種類が表示されます。
選択しているパネルに対する表示名の一覧は以下のとおりです。
パネル |
ショートカット |
インスペクタでの表示名 |
トラック |
T |
インストゥルメントトラック、オーディオトラック、 ハイブリッドトラック、エフェクトトラック |
クリップランチャー |
L |
スロット |
アレンジャー |
O |
アレンジャークリップ、選択アイテムなし |
デバイス |
D |
デバイス |
詳細編集 |
E |
TIME RANGE |
また、アクティブになった各パネルの縁は少し明るくなります。
[B]キーの挙動を検証する
例えば [B]キーの「挿入 - ライブラリから...」は選んでいるパネルによって挙動が変化します。
選択しているパネルに対する表示名の一覧は以下のとおりです。
パネル |
表示されるライブラリダイアログ |
トラック |
デバイス追加ダイアログ |
クリップランチャー |
ノートクリップダイアログ |
アレンジャー |
なし (反応しない) |
デバイス |
デバイス追加 or プリセット選択 |
詳細編集 |
なし (反応なし) |
[B]キーの「挿入 - ライブラリから...」は、「アレンジャー」と「詳細編集」にフォーカスしている場合、ライブラリダイアログが表示されません。
これにより、特定のフォーカス状態では「特定のショートカットキーが反応しない」といった挙動となります。
ポップアップブラウザの初期状態
[B]キーで表示されるポップアップブラウザは、初期状態では検索欄にフォーカスがあります。そしてこの状態では文字入力が優先されます。
ブラウザでは以下の検索絞り込みのショートカットキーが用意されていますが、検索欄にフォーカスしている場合は文字入力が行われます。
- T: タグ
- D: デバイス
- F: ファイル種類
- L: ロケーション
そのため、検索欄にフォーカスしている場合でもこれらの絞り込みを有効にするには、ファンクションキーなど文字入力を行わないキーに割り当てる必要があります。
(※F2〜F9がブラウザのクイックソースに割り当てられていますが、パネル操作や録音と競合するキーなので、カスタマイズする際はどちらかを優先することになります)
もう1つの対処法としては、MIDIコントローラーに操作を割り当てるのも良いかもしれません。
アレンジャータイムラインにおける「オブジェクト選択」と「時間選択」
アレンジャータイムラインでは「オブジェクト選択」と「時間選択」という2つのモードがあり、選択しているモードによって使用可能なショートカットキーが変化します。
2つのモードの違いについては以下のページにまとめています。
関連ページ
最終更新:2025年08月15日 07:36