Containerデバイス

Containerデバイス

Containerデバイスは、他のデバイスを内包し、複雑なシグナルルーティングやレイヤリングを可能にするユーティリティ的な役割を持つデバイス群です。


各Containerデバイスの特徴

カテゴリ デバイス名 概要 一言説明 用途 IN OUT
インストゥルメントコンテナ
機能比較
Instrument Layer 複数インストゥルメントを同時にレイヤー 重ねて同時発音 複数の音色を重ねて厚みのある
サウンドを作る際に使用
MIDI Audio
Instrument Selector 複数インストゥルメントから1つを選択 音色の切替 (1つのみ) 複数の音色を切り替えて使いたい場合に便利
XY Instrument 最大4つのインストゥルメントを
XYクロスフェード
動的な音色モーフィング サウンドのモーフィングや動的な
音色変化を作るのに最適
Drum Machine 複数のドラム音源の管理 ドラムマシン よく使うドラム音源の管理。Stepwise
組み合わせてドラムシーケンサーにするなど
Note FXコンテナ Note FX Layer 複数のNote FXを同時適用 複数Note FXのレイヤー 複数のNote FXを同時に適用したい時に使用 MID MIDI
Note FX Selector 複数Note FXから1つを選択 Note FXの切替
(1つのみ)
複数のNote FX
切り替えて使いたい場合に便利
FXコンテナ Chain シリアル (直列) エフェクトチェーン。
ドライ/ウェット調整可能
エフェクトチェーンの収納 横に長くなりがちなエフェクト
チェーンの保存や管理に使われる
Audio Audio
FX Layer 複数エフェクトチェーンを並列にミックス 複数エフェクトを同時適用 複数のエフェクトを同時にかけて
ミックスしたい場合に使用
FX Selector 複数エフェクトチェーンから1つを選択 エフェクトの切替
(1つのみ)
エフェクトの切り替えに便利
XY FX 複数エフェクトチェーンをXYクロスフェード エフェクトの
動的モーフィング
エフェクトのモーフィングや動的な
効果変化に最適
周波数スプリッター Multiband FX-2 2バンドのマルチバンドエフェクト 周波数帯別で
エフェクトを適用
周波数帯ごとに異なるエフェクトを
かけたい場合に使用
Multiband FX-3 3バンドのマルチバンドエフェクト
ステレオイメージ Mid-Side Split ミッド/サイドに分割し独立処理 ステレオイメージ操作 ステレオイメージの加工や空間系エフェクトの
細かなコントロールに便利
Stereo Split ステレオ左右に分割し独立処理 パンの左右で別々の処理 左右の音に異なる処理をかけたい場合に便利
その他 Replacer 条件に応じて音を置き換え ドラムリプレイスなど ドラムリプレイスや特定の音を
条件付きで差し替えたい場合に使用
イントゥルメント系コンテナの違い
Bitwigのインストゥルメントコンテナの違いをまとめると以下のようになります。
デバイス名 最大同時数 発音数の説明 音色切替方法・特徴 主な用途・特徴
Instrument Layer 無制限 複数のインストゥルメントを
同時に重ねて発音
複数のインストゥルメントを並列に格納し、すべて同時に鳴らす。
各レイヤーは独立したミキサーコントロールを持つ
音色を重ねて厚みや複雑さを出したい時に使用。
厚みのあるサウンド作りに最適。
Instrument Selector 1つのみ 1つのインストゥルメントのみを
選択して発音
複数のインストゥルメントを格納し、ノブやオートメーション、
MIDIコントローラーなどで切り替え可能。
モードも多彩(マニュアル、ランダム、ラウンドロビン、キー切替など)
音色を切り替えたい場合に使用。
ライブパフォーマンスや制作時の音色切替に便利。
XY Instrument 最大4つ インストゥルメントの合成率を
指定して同時に発音
最大4つのインストゥルメントを並列に配置し、
XYパッドで動的にミックス比をクロスフェード可能。
LFO等で自動制御も可能
音色のモーフィングや動的なサウンド変化を作るのに最適。
直感的なXYパッド操作で滑らかな音色変化を実現。
Drum Machine 最大16つ 複数のドラム音色を
パッド形式で管理
ドラムキット形式で複数のドラム音色を個別に割り当て、
各パッドに異なるサンプルや音源をロード可能。
各音色に対して独立したパラメータ調整が可能
ドラムトラックの制作に特化。多彩なドラム音色の管理と演奏に最適。
モジュラー的な拡張性も持ち、サンプルやプラグインと組み合わせ可能
Instrument Layer
  • 複数のインストゥルメントを同時に重ねて鳴らすため、厚みのある複雑なサウンド作りに向いています
  • 各レイヤーは独立したミキサーコントロールを持ち、細かいバランス調整が可能です
Instrument Selector
  • 複数のインストゥルメントを格納し、1つだけを選択して鳴らします
  • 切替はノブ操作やオートメーション、MIDIコントローラーで行え、ライブや制作での音色切替に便利です
  • 切替モードも複数あり、多彩な使い方ができます
XY Instrument
  • 最大4つのインストゥルメントを並列に配置し、XYパッドでクロスフェードしながらミックス比を動的に変化させられます
  • LFOなどで自動制御も可能で、音色のモーフィングや動的なサウンド変化を直感的に作れます
  • 各インストゥルメントにはエフェクトも追加可能です
Drum Machine
  • ドラム音色専用のコンテナで、複数のドラムパッドに異なるサンプルや音源を割り当てられます
  • 各パッドは独立して調整可能で、Bitwigのモジュラー的な設計思想を活かし、サンプルやプラグイン、Gridパッチと組み合わせて柔軟なドラム制作が可能です
  • 909やデジタル系など多彩なドラムファミリーがプリセットとして提供されています

Replacerによるドラムリプレイスとは
Replacer」でのドラムリプレイスとは、入力されたドラム音(例:キックやスネアなど)のアタックやピークを自動検出し、そのタイミングで別のサンプルやインストゥルメントをトリガーして差し替える処理を指します。
入力信号の解析とトリガー検出
  • Replacerは、オーディオ信号(例:録音済みのドラムトラック)をリアルタイムで解析し、アタックやピークを検出します
サンプルやインストゥルメントの差し替え
  • 検出されたタイミングで、任意のドラムサンプルやVSTインストゥルメントを自動的にトリガーします
  • これにより、元のドラム音を新しいサウンドに置き換えたり、重ねたりすることができます
用途の例
  • 生ドラム録音のキックやスネアを、よりパンチのあるサンプルに差し替える
  • 元のドラムにサブベースやレイヤーを追加する
  • ドラムトラックの一部だけを選択的に差し替える
ワークフローのイメージ
  1. Replacerにオーディオトラック(例:ドラム録音)を入力
  2. 検出感度やスレッショルドを調整し、置き換えたいドラムヒットを検出
  3. 差し替えたいサンプルやインストゥルメントをReplacer内にロード
  4. 検出されたタイミングで新しいサウンドが自動的に鳴る
特徴
  • 元の演奏ニュアンスやタイミングを活かしつつ、サウンドだけを自由に差し替え可能
  • ドラムの置き換えだけでなく、レイヤー追加やサブベースの重ねなども容易
  • 検出精度やトリガータイミング、ベロシティ感度など細かく調整可能

ContainerデバイスのTips

Instrument Selector

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最終更新:2025年05月17日 15:09