Bitwigの購入と各エディション
このページでは、Bitwig Studio購入と各エディションについて書きます。
価格やエディションごとの機能は、2025.5.4時点の情報です
購入ガイド
購入方法
- Bitwig本家以外から購入した際は、Bitwigでアカウント登録してシリアルキーを登録する必要があります
Bitwigの販売形態
Bitwigの販売形態は従来のDAWと異なり、各エディションのほかに「アップグレード権」という独自の仕組みがあります。
- 新規購入:(または8-Trackなど機能制限版からのアップグレード)
- 上位エディションへのアップグレード(例:Essentials→Producer、Producer→Studioなど)
- 12ヶ月アップグレード権の更新購入
新規購入や上位エディションへのアップグレードを行うと、購入時点から12ヶ月間の「アップグレード権」(=最新版へのアップデート権利)が付属します。
12ヶ月経過後も、その時点のバージョンを引き続き利用できますが、新しいバージョンや機能を使いたい場合は「12ヶ月アップグレード権」を任意のタイミングで追加購入できます。
アップグレード権は、12ヶ月経過を待たずにいつでも購入・延長可能です。
なお、下位エディションを購入後すぐに上位エディションへアップグレードする場合、
アップグレード権の有効期間が重複してしまい、結果的に無駄が生じる場合があるため注意が必要です。
Bitwigにおける購入の流れ(フローチャート)は以下のとおりです。
- 1. 「新規購入」または「8-Trackからのアップグレード」を行う
- → 購入時点から12ヶ月間のアップグレード権が付属
- 2. 12ヶ月経過後、必要に応じて「12ヶ月アップグレード権」を購入する
- (新機能が不要な場合は購入不要。アップグレード権は任意のタイミングで購入可能)
- 3. 上位エディションが必要になった場合は、上位エディションへのアップグレードを購入する
- (アップグレード時にも新たに12ヶ月のアップグレード権が付属)
- 4. 以降、必要に応じて2・3を繰り返す
このように、Bitwigは「買い切り+任意更新型」のライセンス体系で、常に最新版を使いたい場合は12ヶ月ごとにアップグレード権を購入する仕組みです。
どのエディションを買うべきか?
機能比較は以下のページにまとめられています。
エントリーモデルの「Essentials版」は、上位版と比べると搭載
デバイスやエフェクト、モジュレーター数などに制限がいくつかあります。
ですが、オーディオ/インストゥルメント/ハイブリッドトラックやVST/CLAPプラグインの数には制限がなく、
Audio Sidechainやプロ仕様の編集・アレンジツールも備わっています。
そのため、本格的な楽曲制作も十分可能です。
上位版の購入に不安がある場合や、初期費用を抑えたい場合は「Essentials版」から始めても良いでしょう。
後から上位エディション(Producerやフルバージョン)へのアップグレードも用意されており、差額も比較的抑えられています。
ただし、Bitwig Studioのアップグレード権(12ヶ月アップグレードプラン)は、残り期間がある状態で新たに購入・登録しても期間が加算されず、重複分は無駄になってしまいます。そのため、アップグレードのタイミングには注意し、明らかに必要な機能が上位版にしかない場合は、最初からそちらを選ぶか、アップグレードの計画を立てておくと良いでしょう。
機能比較に目を通すのが大変な人のために、各エディションの注目機能を以下の項目にまとめました。
→
各エディションの注目機能
Bitwigを安く購入する方法
Bitwig Studioを安く購入する方法の概要は以下のとおりです。
方法 |
状況・特徴 |
おすすめ度(新規購入者向け) |
8-Track入手 &アップグレード |
無料または格安で8-Trackを入手可能。 アップグレードで20%前後割引。段階的に機能拡張可能 |
★★★☆☆(8-Track入手が容易なら検討) |
セールを狙う |
20〜25%割引が定期的にある。 新規購入・アップグレードともに対象。特典もあり |
★★★★★(最も確実でお得) |
クロスグレード版購入 |
2023年6月をもって販売終了。現在は利用不可 |
❌️(現時点では選択肢にない) |
- その他、教育者向けの「エデュケーション版」があります。これは最上位版のみですが33%の割引が受けられるので、学生でお金に余裕があれば有力な選択肢になります (ただしセール対象外)
【新規購入のみ】Bitwig Studio 8-Trackを入手してアップグレードをする
新規購入時のみですが、Bitwig Studio 8-Trackからのアップグレードをすると、約10〜18%の値引きが受けられます。(価格は
サウンドハウスを参考)
エディション |
定価 |
→ |
8-Track UPD |
割引額 |
割引率 |
Essentials |
13,200円 |
→ |
10,780円 |
2,420円 |
18.3% |
Producer |
26,400円 |
→ |
22,000円 |
4,400円 |
16.6% |
full-ver (最上位版) |
52,800円 |
→ |
47,300円 |
5,500円 |
10.4% |
セール時にはさらに20%の割引が受けられることもあるので、8-Trackからのアップグレードでもセールを組み合わせた方がお得です。
- 参考:【期間限定】Bitwig Studio スプリングセール!
- 2025年3月の割引では、8-Trackアップグレードを組み合わせることで、合計30〜38%近い割引となっていました
"Bitwig Studio 8-Track" は雑誌 (例えばサンレコ) の付録であったり、MIDIコントローラーの付属品だったり、Plugin Boutiqueのおまけでもらえたりします。
場合によって、無料配布していることもあります。
タイミングにもよりますが、運良く8-Trackを入手することができれば、割引を受けられます。
なお、Bitwig Studio 8-Trackは使用期限のない体験版のようなもので、制限がかなり大きくBitwigの一部の機能しか使えません。
そのため、本格的な楽曲制作には向きません。
セールを狙う
新規購入、アップグレードを含めセール時には 20~25%の割引が行われるので、通常はセールを狙って購入します。
セールタイミングは「春休み」「サマーセール」「ブラックフライデー」「ウィンターセール」などによく行われます。
またセール時とは限りませんが、購入 or アップグレードするとプラグインがもらえることもあり、気になっているプラグインがあればそのタイミングで購入・アップグレードするのも良いと思います。
各エディションの注目機能について
Bitwigの特徴的な機能で、高く評価されやすいものには「👍」をつけています。
Essentials版でも利用可能な注目機能
- 👍DAWの安定性
- Bitwigはプラグインクラッシュを局所化する設計により、非常に高い安定性を実現していると多くのユーザーが評価しています
- ただし、プラグインの品質や環境によっては例外もあります
- 👍Bounce in Place
- クリップやトラックのオーディオを即座にレンダリングして置き換える機能 ([CTRL+B]を押すだけで変換) で、Essentials版でも利用可能です
- 新規トラックなしで直接置き換えられる手軽さが高く評価されている機能です
- トラック数無制限
- 8-Trackと異なりトラック数に制限はありません
- 👍クリップランチャー
- 曲のスケッチやライブ演奏に役立つクリップランチャーも制限なく使えます
- ストレッチアルゴリズム "Stretch HD"
- 異なるテンポにしても違和感なくストレッチ可能な "Stretch HD" が利用可能です
- 👍一部のModulatorsが利用可能
- Polymer
- ハイブリッドモジュラーシンセサイザーで幅広い音作りが可能なインストゥルメントです
- Dynamics
- Delay+
- Stepwise
- ドラムパターン作成に役立つステップシーケンサー…なのですが、アルペジオやコード演奏にも使えるクレイジーなNote FX
Producer版で利用可能な主な機能・デバイス
- 👍複数プロジェクトの同時オープン
- 複数のプロジェクトファイルをタブ形式で同時に開ける機能が搭載されており、異なるプロジェクト間での素材のコピー&ペーストが容易になります
- 例えばボーカルのハモリパートを作りたいときに、別プロジェクトをタブで作成して必要なクリップをコピーすると、現在のプロジェクト構成を崩さずに特定のパートの制作に集中できます
- ワークフローの効率化に寄与するため、この機能を重視するユーザーにとってはProducer版を選ぶ理由の一つとなります
- オーディオ・コンピング
- 複数テイクから良い部分を選択・編集して1つのテイクにまとめる機能で、生演奏やボーカル録音の編集に役立ちます
- Bitwig Studio 4以降で導入され、クリップ単位でのコンピングが可能です
- タイムストレッチ(Elastique Proアルゴリズム含む)
- 8種類のタイムストレッチアルゴリズムが利用可能で、特にElastique Proはフォルマントの変更も可能な高品質なストレッチを実現します
- 素材や用途に応じて最適なアルゴリズムを選択できるため、音質の劣化を抑えたテンポ変更が可能です
- ピアノロール (イベントエディタ) のレイヤー編集
- 複数トラック (クリップ) を比較して編集するモード
- 他のトラックで入力したコード進行と比較しながらメロディを打ち込むといった場合に便利です (→レイヤーモード)
- テンプレートプロジェクトの保存
- Containerデバイス
- 複数のインストゥルメントやエフェクトを1つにまとめられるデバイス。ルーティングの手間が削減できるのでトラックの管理にかなり役立ちます。
- エフェクトデバイス
フルバージョン(最上位版)で追加される主な機能・デバイス
- 👍The Grid
- モジュラー音響設計環境で、Poly GridやFX Gridを用いた自由度の高い音作りが可能です
- ユーザーが独自のシンセサイザーやエフェクトを構築できるため、サウンドデザインの幅が大きく広がります
- Samplerのマルチサンプル機能
- ボーカルチョップや複雑なマルチサンプル音源の作成に適しています
- Compressor+(マルチバンド風コンプレッサー)
- 複数の周波数帯域に分割して圧縮処理が可能で、より詳細なダイナミクスコントロールを実現します
- EQ+
- 多機能かつ使いやすいイコライザーで、精密な周波数調整が可能です
- 👍ModulatorsのSegments、Curvesが使える
- モジュレーションの動きを細かく制御でき、複雑な変化を付けたい場合に有用です
総評
Bitwig Studioは3つのエディション(Essentials、Producer、フルバージョン)で構成されており、用途や予算に応じて選択可能です。
Producer版はEssentialsよりも多くのインストゥルメントやエフェクト、拡張されたモジュレーションシステムを備え、複数プロジェクトの同時オープンやオーディオ・コンピング、豊富なタイムストレッチアルゴリズムなど、制作効率と表現力を高める機能が追加されています。フルバージョンはさらに高度な音響設計環境や多彩なデバイスを提供し、プロフェッショナルな音楽制作に対応しています。
ユーザーは自身の制作スタイルや必要な機能を検討し、各エディションの特徴を踏まえて選択することが推奨されます。
関連ページ
最終更新:2025年05月11日 13:12