Spectralデバイス

Spectralデバイス

Spectralデバイスは「音のどの側面にフォーカスして分割・処理するか」によって4つのデバイスが用意されており、ミックスやサウンドデザインの自由度を大きく広げるツール群です。


概要

各Spectralデバイスの特徴と違い

デバイス名 画像 分割の基準 主な用途・特徴
Freq Split
周波数
(スペクトル)
入力信号を多数の周波数バンドに分割し、バンドごとに独立処理や
モジュレーション、リミッター等を適用可能。
現代的なサウンドデザインや細かなミックス調整に最適
Harmonic Split
倍音
(ハーモニクス)
音の基音(ファンダメンタル)を検出し、倍音成分と非倍音成分に分割。
楽器やボーカルなどの音色コントロール、倍音ごとのエフェクト適用が可能
Loud Split
音量
(ラウドネス)
信号を「静かな部分」「中間」「大きい部分」の3つに分割。
各ラウドネス帯域に個別のエフェクトやボリューム調整を適用でき、
従来のコンプレッサーとは異なる柔軟な音量コントロールが可能
Transient Split
トランジェント
(アタック)
サウンドのアタック成分(瞬間的な変化)とトーン成分(持続音)を分離。
アタックだけ、またはトーンだけにエフェクトをかけたり、
ドラムループから打楽器成分だけを抽出して加工するなどができる
デバイスごとの主な違い
分割基準が異なる
用途や得意な処理が異なる
  • Freq Splitは、細かな周波数ごとのエフェクトやスペクトラル・リミッターなど、現代的なサウンドデザインに適しています
  • Harmonic Splitは、楽器の音色や倍音バランスの調整、倍音ごとのエフェクト付与に向いています
  • Loud Splitは、音量ダイナミクスの細分化や、特定のラウドネス帯域だけを加工したい場合に最適です
  • Transient Splitは、リズムの強調やアタック感の調整、打楽器と持続音の分離・個別処理に活用できます
共通点
  • すべてのデバイスは、スペクトル領域で信号を分解し、分割された各成分(チャンネル)に個別のエフェクトチェーンやミックス調整を適用できる共通構造を持っています

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最終更新:2025年05月18日 06:09