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4系電車
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cdx-railway
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4系電車
(4けいでんしゃ)は、ちばドリームエクスプレス(cdx)の直流通勤形電車である。
概要
柏本線(当時)の標準型通勤車両として1995年に登場した。
多くのバリエーションがある。東日本旅客鉄道(JR東日本)209系をベースとしており、共通点も多い。同じく209系を元にした8系とも共通点が多い。
本家の209系との最大の違いは台車に車体傾斜機構を設けていたことで、カーブの多い柏本線での速達運転に大きく貢献した(その後、保守上の観点から通常の台車に交換している)。
多くのバリエーションがある。東日本旅客鉄道(JR東日本)209系をベースとしており、共通点も多い。同じく209系を元にした8系とも共通点が多い。
本家の209系との最大の違いは台車に車体傾斜機構を設けていたことで、カーブの多い柏本線での速達運転に大きく貢献した(その後、保守上の観点から通常の台車に交換している)。
- JR東日本209系電車をベースとしており、共通点も多い(ほぼ同時期に登場した8系も本系列と209系を元にしているため共通点が多い)。
- 度々マイナーチェンジが行われたため、多くのバリエーションが存在する。
- 当初は柏本線(現:大柏本線)の主力系列として使用していたが、現在は全て東湘本線に転属している。
基本構成
JR東日本209系0番台をベースとしているが、209系0番台の先頭車の車体長が中間車よりも長いのに対し、本系列はすべて20,000mm(連結面間)に統一している。
走行システムも209系をベースとしているが、1M車(Mu)が存在するなど本家には無い車種も存在する。
走行システムも209系をベースとしているが、1M車(Mu)が存在するなど本家には無い車種も存在する。
- 車種は クモハ45形 (Mc)・ モハ41形 (M)・ クハ47形 (Tc')・ サハ43形 (T)の4車種で、後に クモハ46形 (Mc')・ モハ42形 (M')・ サハ44形 (T')が加わった。また、モハ41形は、モハ42形と組む車(M)と組まない車(Mu)の2種類が存在し、後者の大半は付随車(サハ)から改造したものである。
- 設計上は電動車2両に対して付随車3両まで連結出来る構造となっている。
- 代表的な編成
6+4両 | クモハ45(Mc) - モハ42(M') - サハ44(T') - モハ41(Mu) - サハ43(T) - クハ47(T'c) + クモハ45(Mc) - モハ42(M') - サハ43(T) - クハ47(T'c) |
---|---|
10両 | クモハ45(Mc) - モハ42(M') - サハ43(T) - サハ44(T') - モハ41(Mu) - サハ43(T) - モハ41(M) - モハ42(M') - サハ43(T) - クハ47(T'c) |
2両 1500番台 |
クモハ45(Mc) - クモハ46(Mc') |
仕様
ここでは、主に0番台の登場時の仕様を記述する。
車体
車体は前述の通りJR東日本209系をベースとしているが、本家とは異なる点がある。
- 材質は軽量ステンレス製で、車体長20,000mm、幅2,880mmのストレート車体である。車体チルト機構を搭載するため、車体上部が若干傾斜している。
- 客用扉は片側に4カ所設置、全て両開き扉である。ドアエンジンは電動(スクリュ)式。209系と同じものを使用しているが、ドアチャイムの音は本家のものと異なる。
- 行先表示器を各車両の中央部に設置。表示は幕式である。種別表示器は設置されていない。
- 後に大型行先・列車種別・号車番号表示器へ交換した。表示は号車番号表示器が黄色7セグメントLED、それ以外はドットマトリクス式3色LED。
前頭部
前頭部はFRP製で、JR209系のデザインを踏襲。貫通扉を設置しているため、機器のレイアウトが209系とは異なる。
- 非常用貫通扉を車外正面から見て左側(助士席側)に設置。昇降用階段や救援機器などを扉の裏側に設置している。
- 前面窓の上部には、向かって左側から列車番号表示器、行先表示器を設置している。列車種別表示器は後に設置した。
行先表示器は幕式、列車種別表示器はドットマトリクス式3色LED、列車番号表示器は黄色7セグメントLED式となっている。 - ヘッドランプは角形のシールドビーム灯と黄色プロジェクタ灯のコンビライトを両端に設置。中央部にバータイプのLED式テールランプを設置している。
走行機器
殆どの機器がJR209系電車と共通である。
- 制御方式はVVVFインバータ式。GTO素子で三菱製。300番台以降はドイツ・Siemens製に変更した。
- 台車はウィングゴム式で車体チルト機構の付いたCDX-DT04系だったが、2005年までに全車8系と同じCDX-DT08系に交換した。
- ローカル用の1200番台は製造当初からCDX-DT08系である。
- ブレーキは電気指令式で、T車(付随車)は遅れ込め制御を行う。
- 空気圧縮機(CP)はスクリュ式で、ドイツ製である。
- 補助電源装置はCVCFインバータ(SIV)方式。
- パンタグラフは、シングルアーム式のCDX-PS08形。
客室
客室はJR209系のものを踏襲している。
- 窓はUVカットガラス(UV96・スモーク)を使用した扉間1枚の大型窓で、固定式となっている。ただし、車端部は非常時の換気用に下方向に開閉可能となっている。
- 車内案内表示器を客用扉鴨居部に各1台(合計8台)設置。LEDドットマトリクス式で209系のものよりも幅が大きい。
- 座席はフルバケット式のロングシートで、内装材にウレタンを使用。中間部は7人掛け、先頭車最前部は6人掛け、車端部は3人掛けである。中間部の座席には3:4に分割するスタンションポールが設けられている。
- 荷物棚はステンレスパイプ製で、209系と同じもの。
- 貫通扉は後位側車端部に設置。但し、クハ47形(Tc')・クモハ46形(Mc')には設置していない。
- 車いすスペースを下り方先頭車(クモハ45形)に設置。
- トイレは未設置。
- 自動放送装置を搭載している。当初は自社線内で日本語のみの放送を行っていたが、後にソフトウェア変更により英語放送と他社線内での放送にも対応した。
- かつてはcdx以外の路線にも乗り入れていた。
伝送装置
4系には伝送装置としてJR209系と同じMON-8形が搭載された。これにより、前世代の車両と比べて電気配線や機器類の大幅な削減に成功している。
- 制御装置の制御、ブレーキ制御をはじめ、空調機、行き先表示器、車内案内表示器などのサービス機器の制御も行う。
- 運転席にタッチパネル式の液晶パネルを設置。この液晶パネルで各車両の状態や各種装置の操作を乗務員が行う。
- 1999年度に2000年問題対策と信頼性向上のために、全車両のMON-8形を新開発のTIMS-LIGHTに更新した。TIMS-LIGHTは、JR東日本と古川電工が開発したTIMSの機能の一部を省略したものである。
製造年次による変化と番台区分
0番台(一次車)
- 1998年度から前面に列車種別表示器(3色LED式)を設置、側面には行先・列車種別表示器と号車番号表示器を一体にした大型表示器を改造取り付けした。
- 同年 - 増結用として300番台の中間車を製造し、全て5両編成となった。
- 2004年度 - 全車が東湘車両センター(浜トシ)に転属した。
1200→1500番台(二次車)(現存せず)
1997年に登場した。ローカル線向けで、あいづ線(2000年に廃止)用として2両編成2本のみが製造された。外観が他のグループとは全く異なるので、全く別の形式に見える。
山間の豪雪地帯を通るという過酷な環境を走るため、足回りや耐寒・耐雪性能を特に強化している。また、閑散路線であるため、4系で唯一ワンマン運転に対応している。
山間の豪雪地帯を通るという過酷な環境を走るため、足回りや耐寒・耐雪性能を特に強化している。また、閑散路線であるため、4系で唯一ワンマン運転に対応している。
- 積雪時の視界確保と観光客へのサービス向上として、大型のパノラミックウィンドウを採用した。単独編成での運用が前提のため、前面に貫通扉は無い。
- ヘッドランプはcdxの一般型車両で初めてHID灯を採用した。積雪時を考慮し、ランプは車体上部の前面窓内に2灯ずつ配置、下部にはサブランプ(黄色プロジェクタ灯)とLED式テールランプを設置している。
- 客用扉を4カ所から2カ所に変更。気密性を高めるためドアエンジンは敢えて空気式とし、半自動(押しボタン式)モードにも対応した。
- 座席は転換クロスシート(扉寄りの座席は固定クロス)に変更、クモハ45形の車端部はロングシートのままとした。
- 車いす対応の大型トイレをクモハ46形の車端に設置した。床下に設置スペースが無いため、関連機器は全て車内に設置している。
- ワンマン運転に対応するため、整理券発行機・運賃箱・運賃表示器をはじめ、運転台に各種機器を設置した。
4系1200番台は、それまで103系ばかりだったあいづ線待望の新車として、導入時は沿線利用者や観光客だけでなく、現場関係者の間でも歓迎された。しかし、不幸にも冬季の車両故障や窓ガラス破損などのトラブルが相次ぎ、地元の新聞でも
「軟弱電車」
と批判された。
2000年のあいづ線廃止後、1200番台は印西牧の原総合車両所(現:印西牧の原総合車両センター(印マキ))にて改造工事を受け、 1500番台 となって水上線営業所(浦ミナ→前ミナ)に転属した。
2000年のあいづ線廃止後、1200番台は印西牧の原総合車両所(現:印西牧の原総合車両センター(印マキ))にて改造工事を受け、 1500番台 となって水上線営業所(浦ミナ→前ミナ)に転属した。
- あいづ線時代に特に故障が多かった床下機器をカバーで覆い、耐寒・耐雪性能を徹底的に強化した。配管類も凍結防止対策を施した。
- 行先・列車種別表示器をLED式に変更した。
- 2005年にVVVFインバータをIGBT素子のものに交換、粘着性能が大幅に向上した。
- 2012年6月、相模湖線および水上線の気動車化のため定期運用を離脱。転用先が無いため、2012年度中に廃車となった。
300・500番台(三次車)
1998年に登場したマイナーチェンジ車。柏本線の列車増発および旧型車(103系)置き換えのため、印西牧の原総合車両所(現:印西牧の原総合車両センター)(印マキ)に投入した。
10両編成のうち5本の4号車に連結しているサハ41形は、6扉仕様の500番台である。また、一次車の増結用としてサハ43形300番台がバラで製造された。
一次車との変更点は以下の通り;
10両編成のうち5本の4号車に連結しているサハ41形は、6扉仕様の500番台である。また、一次車の増結用としてサハ43形300番台がバラで製造された。
一次車との変更点は以下の通り;
- ヘッドランプを角形から丸形に変更。
- 前面および側面に列車種別表示器を設置し、行先表示を幕式からドットマトリクス式3色LEDに変更、一次車もこれに倣って改造取り付けした。
- 側面のものは、各表示器が並んだユニット式としている。
- 座席のクッションの硬さを見直し、座り心地を改善した。
- 扉間に3カ所ずつ設置している窓のうち2カ所を開閉式に変更、一次車では開閉式だった車端部の窓は固定式となった。
- VVVFインバータをSiemens製のものに変更。
2004年度に一次車と共に東湘車両センター(浜トシ)に転属した。
スペックシート
4系 | |||
---|---|---|---|
0番台 | 300・500番台 | 1500(←1200)番台 | |
起動加速度 | 3.5 km/h/s | ||
営業最高速度 | 110 km/h (東湘本線転属前は100km/h) | 95→120 km/h | |
設計最高速度 | 120 km/h | ||
減速度 (常用最大) |
3.5 km/h/s | ||
減速度(非常) | 4.0 km/h/s | ||
車両定員 | 先頭車141名・中間車156名 | ||
最大寸法 (長×幅×高) |
20,000×2,800×4,067mm | ||
車両質量 | 22〜34 t | ||
軌間 | 1,067 mm | ||
電気方式 | 直流 1,500V | ||
歯車比 | 1:7.07 | ||
駆動装置 | TD継手平行カルダン駆動方式 | ||
電動機 | CDX-MT08形(180kW) | ||
制御装置 | VVVFインバータ制御 (GTO素子・三菱製) |
VVVFインバータ制御 (GTO素子・Siemens製) |
VVVFインバータ制御 (IGBT素子・日立製) |
ブレーキ方式 | 電気指令式空気ブレーキ・回生ブレーキ | ||
保安装置 | Digital-ATC・ATS-G (ATC10・ATS-P・ATS-SN・OM-ATS)(*1) |
(自社用)Digital-ATC,ATS-G (JR用)ATS-P,ATS-SN | |
製造メーカ | 東急車輛製造(現:総合車両製作所) 川崎重工業 東日本旅客鉄道 新津車両製作所 |
東急車輛製造 (現:総合車両製作所) |
姉妹車・派生系列
東湘本線大移動
2012年7月現在、本系列の1500番台をのぞく全車が2005年に東湘急行電鉄から転換した東湘本線で運用している。これには次のような経緯がある。
東湘本線は1970年4月の開業時から使われている車両がほとんどで、製造から既に35年が経過していたため、新型車両による置き換えを検討していた。ところが、東湘急行の車両限界が他のcdxの路線よりも小さいため、当時の最新系列であった2系が入線出来ないという問題が発生した。一方、4系の大半が運用されていた柏本線(現:大柏本線)は朝夕の混雑が激しく、その後製造された車両にくらべ車体幅が狭い4系は特に混雑した。そこで、柏本線を受け持つ印西牧の原総合車両所(現:印西牧の原総合車両センター)に4系と同数の2系を新製投入し、ここで捻出した4系を全て東湘本線に転用、東湘本線の旧型車を置き換えた。
東湘本線への転属にあたり、10両編成の付随車1両を電動車化している(サハ43-300→モハ41-2500)。
東湘本線は1970年4月の開業時から使われている車両がほとんどで、製造から既に35年が経過していたため、新型車両による置き換えを検討していた。ところが、東湘急行の車両限界が他のcdxの路線よりも小さいため、当時の最新系列であった2系が入線出来ないという問題が発生した。一方、4系の大半が運用されていた柏本線(現:大柏本線)は朝夕の混雑が激しく、その後製造された車両にくらべ車体幅が狭い4系は特に混雑した。そこで、柏本線を受け持つ印西牧の原総合車両所(現:印西牧の原総合車両センター)に4系と同数の2系を新製投入し、ここで捻出した4系を全て東湘本線に転用、東湘本線の旧型車を置き換えた。
東湘本線への転属にあたり、10両編成の付随車1両を電動車化している(サハ43-300→モハ41-2500)。
所属・運用
現在所属・運用している線区
東湘車両センター(浜トシ)
東湘本線用として、柏本線(現:大柏本線)から転属した0・300番台・500番台が在籍。10両編成と8両編成が存在し、前者には途中に先頭車を組み込んだ編成も存在する。転入時に列車種別・行先表示器をフルカラーLED化し、パンタグラフをCDX-PS8N形に換装しているが、8系の様に制御装置の交換は行われていない。
主に東湘本線系統の運用で使用。松見坂線経由でゆめみや線へ乗り入れる運用も受け持っている。かつては宮が瀬線にも乗り入れていた。
主に東湘本線系統の運用で使用。松見坂線経由でゆめみや線へ乗り入れる運用も受け持っている。かつては宮が瀬線にも乗り入れていた。
- 初期車は電子機器の老朽化が進んでいるため、2014年度から新形式車両に置き換える予定。
2012年7月現在の運用線区は以下の通り。
かつて所属・運用していた線区
見沼電車区(浦ミヌ)→印西牧の原総合車両所(見沼出張所)(印マキ))
本系列が初めて投入された車両基地で、2004年度まで1200(→1500)番台をのぞく全車が在籍していた。沼印・柏本線(当時)内のほか、他社路線の乗り入れ運用にも使用していた。晩年はJR常磐線(快速・緩行)に乗り入れていた。
- カラーパターンは、無地(前頭部は白地)に片栗色の帯(カラーテープ)というシンプルなものであった。
- 2004年度に全ての車が東湘車両センター(浜トシ)に転属している。
晩年における当区での走行実績は以下の通り。
- cdx
-
東日本旅客鉄道(JR東日本)
- 常磐線(快速) 上野駅~取手駅間
- 常磐線(緩行) 綾瀬駅~取手駅間
- 成田線 成田駅~我孫子駅間、根古屋信号場~成田空港駅間
-
帝都高速度交通営団(営団地下鉄)→東京地下鉄(東京メトロ)
- 千代田線 綾瀬駅~代々木上原駅間
-
小田急電鉄
- 小田原線 代々木上原駅~小田原駅間
-
箱根登山鉄道
- 鉄道線 小田原駅~箱根湯本駅間
水上線営業所(前ミナ)
水上線用として、1500番台が在籍していた。転属時から水上線内で運用しており、2005年からは相模湖線でも使用していた。しかし、水上線と相模湖線の気動車化により、2012年6月に定期運用を離脱。2012年度中に全車廃車となった。
運用離脱時点での運用線区は、以下の通り。
あいづ線営業所(北アイ)
ローカル仕様の1200番台が在籍していた。
2000年3月31日付であいづ線廃止に伴い、営業所が閉所した。
在籍していた4系1200番台は2編成全てが印西牧の原総合車両所(現:印西牧の原総合車両センター(印マキ))に転属して整備を受けたのち、11月1日付けで水上線営業所(群ミナ→前ミナ)に転属している。
2000年3月31日付であいづ線廃止に伴い、営業所が閉所した。
在籍していた4系1200番台は2編成全てが印西牧の原総合車両所(現:印西牧の原総合車両センター(印マキ))に転属して整備を受けたのち、11月1日付けで水上線営業所(群ミナ→前ミナ)に転属している。
晩年における当営業所内での運用実績は以下の通り。
- あいづ線 片岡駅~南新潟駅間
今後の計画
電子機器の老朽化が進んでいるため、2014年度から新形式の28系に順次置き換わる予定。