(ヤサコ)ネットのうわさによると
メタバグの中には⇒
えいぞう
時として 音や映像などの
じょうほう ふく
情報が 含まれているそうです。
それが どこから来たものなのかは
よく分かっていません。
(ガチャギリ)来た!
チェッ たったの 700メタか。
おい デンパ 聞いてんのかよ!
(デンパ)うん 聞いているよ。
波の音がする。
(ガチャギリ)まだ持っていたのかよ。
よこせ!
ああ…。
何も聞こえねえ。
たったの 50メタかよ。
せっかく いい音だったのに…。
(女子)ガチャギリ! あんた
それ 見ちゃいけないサイトよ!
じけん ま こ
前 そのサイトで 事件に巻き込まれた
子どもがいるって⇒
きんし
学校が 禁止しているじゃん!
知らねえよ。 よけいな お世話だ!
もんく
何か文句あんのかよ。
(フミエ)ハラケン。
あら フミエ。
ちが
違うクラスのやつが
入ってくるなよ。
ベエ~!
ねだん
次は もっと値段の高いの
拾ってこいよ。
今度 クラッシュしたら
しゅうり
もう修理できねえぞ。
しょうかい
紹介するわ。
生物部の部長 ハラケンよ。
わたし
ちなみに 私は
ふく
副部長をやっているの。
よろしくね。
(ハラケン)よろしく…。
ぶあいそう
無愛想なのでも有名よ。
れい
ハラケン 例のツアーに
この子を加えたいんだけど…。
うん… いいよ。
きょうみ
私 イリーガルに興味あるの。
部長さん 研究してたくらいだから
くわ
イリーガルの事 詳しいのよね。
でも 部長を紹介したのは
それだけじゃないのよ。
ハラケン 見せて。
あっ。
すがた
(フミエ)生物部 部長は 借りの姿。⇒
会員番号5番 ハラケンよ。⇒
部長としては
たよ
ちょっと頼りないけどね。
が
「夏のメタバグ狩りツアー」?
シ~ッ。
実はね ちょっとした情報を
つかんだのよ。
しゅさいしゃ
あんた 主催者なんだから
参加しなさいよ。
えっ? う… うん。
この街のどこかに まだ
こうみゃく
メタバグの大鉱脈があるらしいの。
もしかしたら この間 イサコが
掘り出したものも その一部かも。
じゃあ 駅ビルの近くなの?
それが 駅ビルには もうないのよ。
それじゃ どこに?
(ダイチ)4年 どうだ?
(アキラ)はい。
場所までは 知らないようです。
なんだよ 知らないのかよ。
もっと メタバグ集めんとな…。
で どのくらい集まった?
かんさん
今日の分 入れても お年玉換算で
半年分くらいだ。
そんがい
損害は どのくらいだ?
全員で 12年分。
全然 足りん!
おのれ 転校生!
(イサコ)大変ね 金欠?
昨日は 大変だったようね。
イサコ! てめえ!
その「イサコ」っていうの
やめてちょうだい。
か
手を貸してあげようか?
な… なんだと?
そんな クズバグを探すより
手っとり早い方法があるんだけど。
どういう意味だ?
メタバグの大鉱脈のありかを
私 知っているのよ。
え~?
明日は お休みよね。
朝の10時に 集合よ。
あいつ また何か始めるつもりね。
どうするの?
「メタバグ狩りツアー」改め
ついせき
「ヘイクー追跡ツアー」だわ。
それにしても この「4年」って
だれ
誰かしら?
(フミエ)目的地は どこだろう?
北に 鉱脈があるって
うわさは 聞いていたけど…。
うわっ!
あの子… 何で ヘイクーに…。
「4年」って あの子の
事だったんだわ。 まったく!
フミエちゃん 早いのね。
シ~ッ。
どうしたの?
かく
隠れて 隠れて。
ハラケン君は?
ちこく
遅刻よ。 本当 頼りないんだから。
だから ダイチたちを
おさ
抑えられなかったのよ。
何の話?
その話 まだ してなかったわね。
あの連中も 去年まで
生物部だったのよ。
えっ?
おまたせ。
シ~ッ。
(ナメッチ)オヤビ~ン。
かっこう
何か 格好 悪いっすよ。
(ガチャギリ)何で あんな女に
ノコノコ ついていくんだ。
どうせ ウソに決まってるぜ。
(ダイチ)メタバグの鉱脈は
もう ほとんど残ってないはずだ。
大量にあるって どこなのか
知りたくないか?
止まれ!
何か 命令口調っすね。
(ダイチ)お前ら
駅ビルの事件 聞いただろ?
「駅ビル」? ああ 工事中の空間が
は
破たんしたやつか。
工事現場では よくあるって
言うな。
それが ただの事故じゃ
なかったらしい。
そうだよな? アキラ。
う… うん…。
何だよ アキラ どういう事だよ。
げんいん
あれは あの女が原因らしい。
なに?
(ガチャギリ)しかし 何のために?
(ダイチ)メタバグだよ。
何もない空間から 大量のメタバグが
ふ
吹き出したって話だ。
本当っすか?
そのかわり 空間は
ズタボロってわけよ。
ほれ 何年か前 どこかの空間が
こわ
ぶっ壊れて⇒
メタバグが
ザクザク 吹き出しただろう?
か
とにかく 空間と引き換えに
メタバグを引き出す技術があるんだ。
ひみつ
あの女は その秘密を
にぎ
握っているってことよ。
なるほど。
おもしろ
こりゃ 面白くなってきたぜ。
したが
あいつに 従うふりをして
さぐ
その秘密を 探るのだ。
いいな?
ラジャ!
そこ! 地図を出しなさい!
チェッ 命令してんじゃねえよ。
(フミエ)あ~ 手なづけられちゃって
格好 悪い。
ねえ さっきの話
もっと教えてよ。
ああ 生物部の?
5年の時は 上級生もいたから
今よりは おとなしくしていたの。
でも 6年になって
しゅどうけん うば
ダイチにすっかり主導権奪われてさ。
一度 ダイチが 部長になったの。
でんのう
そしたら「電脳イタズラ部」に
なっちゃってさ。
学校のサーバを ダウンさせちゃって
大目玉。
なるほどね。 想像しやすいわ。
退部になったんだけど あいつらも
ゾロゾロ ついていっちゃったわけ。
ハラケン君は?
あいつは実力無いし気が弱いから。
りっこうほ こもん
で 私 立候補したんだけど 顧問の
マイコ先生は ハラケンを指名したの。
わけ
訳分からないわ! 私なら 強力に
部を 引っぱっていけるのに…。
公約も 「私が部長になったら
ダイチたちを⇒
コテンパンに やっつけます」って
ちゃんと言ったのよ。
ハラケンなんて 「静かに
研究したいと思います」とか⇒
はっきりしない事 言ってさ。
リーダーシップ ゼロよ。 何で マイコ先生は
ハラケンにしたのか さっぱりだわ。
あっ 動きだした!
マイコ先生の気持ち 分かるわ。
たいこ ふえ
(太鼓と笛の音)
おい どこまで行くつもりだよ?
何よ 疲れたの?
そんな事 言ってねえだろ!
着いてからの お楽しみよ。
まだ半分だわ。
な なに? そんなに遠いのかよ。
バスに乗ろうぜ。 バスに。
乗るわよ バス。
着いてからだけど…。
あん?
あ~ 暑い。 あんたたちは いいわ。
暑さを感じなくて。
でも 暑そうよ。
しか
それは ペット会社の仕掛けたデモよ。
せんぷうき
どうせまた 電脳扇風機でも
売りつける気よ。 ねえ ハラケン。
知らないよ。
ハラケンのお父さんは
つと
ペットのメーカーに 勤めてんのよ。
だから ペットにもちょっと詳しいの。
へえ~。
ハラケン君のペットって どんなの?
いるんでしょ?
(ハラケン)いるよ。
今日は 連れてこないの?
おばちゃんのだから…。
あっ 動きだした。
どうしたの デンパさん?
あっ メタバグだ。
ふうりん
うん 風鈴みたいな音がする。
きれいな音だよ。
何も聞こえないよ。
あげる。 ダイチには ないしょだよ。
ありがとう。
ねえ 何で フミエちゃんは
ダイチと仲が悪いの?
「仲が悪い」って
わけじゃないけど…。
ようちえん
あいつとは 幼稚園から
いっしょ
一緒なんだけど。
あのさ 誰にも言わないでよ。
あいつ 3年のころ しつこく
スカートめくりしてきたの。
それがさ 私だけにするのよ。
うん。
もう バカか こいつって思って。
仕返しに パンツ下げてやったわ。
それに 私 メガネ始めたら あいつも
まねして すぐ買ってもらって。
それで?
ハッキングしてくるのよ。
顔に電脳いたずら書きしてきたり。
それも フミエちゃんばかりに
ちょっかい かけてくるのね。
よく分かったわね。
そうなの。 私にばっかやるのよ。
で どうしたの?
もちろん ハッキングで仕返ししたわ。
うで
おかげで ハッキングの腕が上がった。
なに? なに ニヤニヤしてんの?
どんかん
フミエちゃんって 鈍感なのね。
何のこと?
見て。
こ… これは…。
はかば
バスの墓場だ。
ぎり
(ダイチ)これは 電脳霧だよな。
駅ビルや はざま交差点に出る…。
「はざま」って 都市伝説の?
じゃあ ミチコさん出るんすか?
バカ言え。
めいしん
くだらない迷信 持ち出すな。
デンパさん どうしたの?
いた
頭 痛い。
あんたたち
足もと 見てみなさいよ。
うん?
メ… メタバグだ!
そんな チンケなもの
拾ってんじゃないわよ。
こっちよ。
あ~ん?
ねえ これ どのくらいもつの?
(フミエ)2~3時間ね。
それ以内なら 霧の中でも
体は こわれないわ。
クズバグとはいえ
まだ こんなに あったとは…。
ねえ この霧って 何なの?
空間が 不安定な時に出る
そんしつ
画像の損失なのよ。
ひどくなると 黒い穴が
開くんだけど⇒
ここは なぜか 安定しているわね。
(ハラケン)はざまみたいだね。
ちょっと 気味の悪いこと
言わないでよ。
どうかしたの?
いや… なんでもない。
(ダイチ)まだ こんなに
あったとはな。
おおつぶ
(アキラ)探せば 大粒のも
ありそうですね。
(ガチャギリ)だが クズバグが
こうも多いとかえって探しにくい。
(ダイチ)それで
放置されてたのかもな。
こんな所 メタバグ目当ての子どもも
めったに来ないぜ。
子どもは ともかく サッチーは?
入ったら?
おっ…。
こわ
どうしたの? 怖いの?
う… うるせえ! 女のくせに
いちいち なめたこと!
うわ~っ!
ゲッ!
ダイチさん メガネとって見て!
(アキラ)情報が 古いままなんだ。
(ガチャギリ)誰も来ない場所だから
こうしん
データが いつまでも更新されずに。
ていし
データの更新を 停止に
せってい
設定しなさい。
ゆか
床が無くなって
メタバグも 消えてしまうわよ。
なに? メタバグは 空間の壊れや
ズレに たまるものよ。
この床の下とかね。
それにしても イサコは 何で
かつ
ダイチたちを 担ぎ出したのかしら?
さあ 力仕事でも
させる気なんでしょ。
何だ こりゃ?
ほ
床を掘りなさい。
う
メタバグが ザクザク埋まってるわ。
うわ~!
何だって!
たぶんね…。
あいつら 何しているのかしら?
バスの中を 掘ってるみたい。
くそっ 何も出ないじゃねえか!
まちが
悪い 間違えた。
あっちのバスだ。
なに?
はあ~ はあ~。
ここも 違うわね。
次 行きましょう。
はあ~。
ここも 違うようね。 次!
やってられっか!
かんたん
ちょっと。 簡単に見つかるとでも
思っていたの?
いいのよ ここで帰っても。
痛っ。
はあ~。
おれ
お前 俺たちを からかうための
そうだい
壮大な いたずらじゃなかろうな。
そこ。
うん?
うわ~!
これは…。
クズバグって サイズじゃないぞ!
待ちな!
何だよ!
うわっ。
モジャ モジョ。
うわ~!
ばくはつせい
こいつは 爆発性のやつなのよ。
つうはん
あんたたちが 通販で買った
カンシャクの原料よ。
足もとに たっぷり
埋まっているから気をつけなさい。
ちょっと待てよ。
きやく
買い取りの規約にあった。
爆発性のメタバグは引き取れないって。
なに?
やっぱり だましたな?
よく見なさい。
ま
これは…。 混ざっているのよ。
爆発しないものもね。
本当だ。
たし
数は少ないが 確かにある。
はな あぶ
離れたら危ないよ。
もど
戻ろう。
ひい 暑い。
じょうたい
まずいぞ 電波状態が悪すぎる。
えいきょう
霧の影響だ。 みんな
電波状態のいい所に集まれ!
うっ。
みな
皆さん それは 一体
なんの おまじないで…?
ゆうでんぱ たいしつ
デンパは 誘電波体質と言って
電波の受信感度が高いのだ。
だから あれ… デンパだけ
体 こわれてないだろ?
暑いよ…。
それで デンパって あだ名なんだ。
はりつくと おこぼれで文字化けが
なお
治るんだ。 お前も こっち来い!
けっこう
いえ… 結構です。
よし 治ったぞ。
あれ? イサコ どこ行ったんですか?
トンズラしたのか?
メタバグのありかが 分かったら
もう用は ねえ!
次を 探そうぜ!
この頭痛 うっとうしいな。
モジョ モジョ モジョ。
やつらに掘らせたバスは
これで15台。
こ
1個も見つからない。 やはり
つうじょう そんざい
通常には存在しない物質なのか?
待てよ。 もし これだけのエネルギーを
一気に放出したら… あるいは…。
やっぱり なかなか
集まらないみたいね。
うまい話は 無いってことか。
あら そういえば デンスケは?
あっ…。
ボク サッチー。
≪うわ~!
あいつら…。
≪出た~!
何だ?
出た~!
うわ~!
あっ そんな…。
あっ メガネ メガネ。
あった!
うわ~! いや~!
早く!
ここと ここを やれば…。
れんさはんのう
連鎖反応が起こせるわ。
あ… ありがとう。
えへ…。 うわっ!
あんた ダイチに 駅ビルの事
ちくったろ!
ゆる
許してよ お姉ちゃん。
「お姉ちゃん」?
わ ぐてい
そう。 我が愚弟 アキラよ。
まったく こんな年で
そ
悪事に 手を染めて!
ここだ。
ボク サッチー。
今後は ダイチたちの動きを
ちくいちほうこく
逐一報告するのよ。 いいわね?
かんべん
え~ 勘弁してよ。
いや
スパイなんて 嫌だよ。
なに?
急いで。
ボク サッ… サッチー。
これだけのエネルギーが あっても
ダメなのか?
オヤビン 助けて!
ダメだ。 残金が足りねえ。
大変ね。
てめえ!
これ 分けてやろうか?
ほしい?
本当か?
そのかわり 私の子分になれ。
なんだと?
嫌なら いいんだぞ。
(ナメッチ)オヤビン どうするんすか?
おめえ 最初から
こうするつもりで…。
こっちに来れば すぐに 体は
治してやる。 さあ どうする?
イサコオヤビ~ン!
ナメッチ!
かせ
金を稼がせてくれるなら
かまわない。
ガチャギリ…。
ひどいよ ガチャギリ。
ダイチ 僕は ダイチについていくよ。
教えてくれ。 お前の
使っている技って もしかして…。
もしかして 暗号屋の技なのか?
そうよ。
イサコさん。 僕 暗号屋に
あこがれてるんです。
弟子にしてください。
ガ~ン!
今から 私は