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母の思い出

詳細情報

イラストレーター
東山雄勢
解説

天正から続く旧家、朔月家。
そこに生まれる女児は皆赤い瞳を持ち、
超常の力を有したという。
人の思念を受信し、無作為に現実化してしまう
子供―――神の稚児。

一人目は、冬木を飢饉から救い2歳で死亡した。
二人目は、命より先に精神が尽きた。
三人目からは、出生が秘匿された。

朔月家の女児は、人の思念を遮断する結界内にて
母親一人の手によって育てられるようになった。
それは、神を人へと堕するための儀式。
喋らず、思わず、動かずが是とされる、
正常な子育てとはおよそ正反対の
冷徹な手続きである。

―――では、この鞠は何なのだろう。

記憶もおぼろげな、母と過ごした日々。
機械的に繰り返されたであろう、
単調無味な母子二人だけの生活。
神の児は人と成り、そしてようやく気づく。
そこには確かに、母の愛があったのだと。

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