概略
荒月本線(現:京東本線)の高速化を目指して作られたトンネルである。
当初、碓氷峠に迫る勾配をたくさん擁しており、補機が必要な列車がほとんどであった。
そのため、見鹿駅と
荒月駅にはたくさんの補機が留置して、その区間に来る列車の登頂を補助していた。
しかし、かなり時間を要していた。40kmに近い距離に1~2時間近くも掛かっていた。そのうえ当時は
平野北冬島連絡線の開業で
東方高速鉄道との相互乗り入れが控えており、それに補機も過度な使用で老朽化が進んでいた。そして、2009年に荒月山トンネルの着工が始まった。意外にもスムーズに工事は進み、2009年末に貫通。2010年に開業された。これにより元々の荒月本線は
荒月山線として分離され、荒月本線はトンネルを通るルートとなり、列車の増発と高速化が実現された。
2012年に複々線化に伴う事業で第二荒月山トンネルが工事された。
また、道路用トンネルも存在しており、これまでに3本存在している。
トンネルデータ(鉄道用)
荒月山トンネル
| トンネル全長 |
11,127m |
| 軌間 |
三線軌条 |
| 電化 |
有(直流1,500V) |
第二荒月山トンネル
| トンネル全長 |
11,094m |
| 軌間 |
三線軌条 |
| 電化 |
有(直流1,500V) |
小荒月山トンネル
緩行線に使用する予定のトンネル。前2トンネルよりも若干標高が高くなってる。
| トンネル全長 |
9,447m |
| 軌間 |
1,435mm |
| 電化 |
有(直流1,500V) |
大荒月山トンネル
| トンネル全長 |
27,148m |
| 軌間 |
1,435mm |
| 電化 |
有(交流25,000V 50Hz) |
トンネルデータ(道路用)
荒月山トンネル(道路)
1970年代に開通した道路用トンネル
京東と荒月を一番短く結べるようになったが、標高が高めだったために冬季閉鎖もあった。
2015年に高速道路が開業されたものの、根本的な改良とはならなかったために新たに新荒月山トンネルの建設を決定した。
| トンネル全長 |
4,115m |
| 車線数 |
対面2車線 |
| 設計速度 |
50km/h |
荒月山トンネル(京東自動車道)
京東自動車道では最も開通が遅れた区間である。標高は一般道用よりも低いがやや高め。
鉄道の荒月山トンネルよりもやや南寄りに存在する。
5km以上の長大トンネルため危険物を積んだ自動車は通行できない。
| トンネル全長 |
12,247m |
| 車線数 |
両側4車線 |
| 設計速度 |
100km/h |
新荒月山トンネル
2020年度に開業される荒月山を長く貫く初めての道路用トンネル。
荒月山トンネルとは違い、高速道路の荒月山トンネルと同様、自動車専用道となっている。
旧来の荒月山トンネルよりも標高が低くなったため、関越トンネルや山手トンネルよりも長いトンネルとなった。
高速道路の荒月山トンネルと同様、5km以上の長大トンネルため危険物を積んだ自動車は通行できないが、これにより冬季閉鎖も無くなることとなる。
| トンネル全長 |
22,225m |
| 車線数 |
両側4車線 |
| 設計速度 |
100km/h |
最終更新:2020年07月19日 03:28