本項においては、ファルトクノア共和国における差別*1を解説する。


概要

 本来的にユエスレオネ連邦に属するファルトクノア共和国は連邦憲法における差別禁止条項に従って、公的な差別はされないはずであった。しかしながら、ファルトクノア共和国では新イェスカ主義的観点からラヴィル政権による反本国的スタンスに基づいて、多様な構造的差別が構成された。特に教育において行われた差別的観念の刷り込みは激しく、現在までファルトクノア共和国民の社会的心理に影響しているものを構成してきた。つまるところ、ファルトクノア共和国における差別は器質的に構成された差別ではなく、社会的に構造的なものとして歴史的背景を伴って成立したものであると言えるのである。

各種差別

ショアン人差別

「祖国と連邦を愚弄し、卑屈で屈辱的な態度を表したショアン傀儡一味は死んで当然。共和国はやはり正義の国」
――ファルトクノア市民(共和国中央通信「犯罪国ショアン、獣人傀儡政権一味への加担に鉄血の制裁」

アンドロイド・獣人差別

「ん……お前は、ポンコツ企業のカラクリ人形か……今日は厄日だな、まったく……」
――フィラン・ド・リーリエ(すらんち仕掛けの心 ~すらんちvsナプトー~

「そうじゃないぞ。これは戦争だ。あの猫耳厚着のゴミ共はマジだ、ショアンの土人をウェールフープの棍棒で殴りつけたときとは状況が違うんだ」
――ファイリア・ドゥ・カギエ・ファイカリア(アグリェフと刃
 本来的にヴェフィス人はフィメノーウル信仰に基づいて、無機質に対しても擬人的に扱うことが多く、全ての存在に意思が宿るものであると考えていることが多かった。しかしながら、新イェスカ主義勢力であったラヴィル政権はそのような非リパラオネ教的思考を否定し、(彼らにとっての)イェスカ主義的思想を植え付けるべく急進的な教育を進めた。このため内戦以前において多くの国民は、獣人やアンドロイドに対してヴェルテール哲学において近代的国家を担う人間以下の存在として差別的意識を持つようになってしまったのである。
 ラヴィル政権の公式見解としては、「獣人」を弾圧しているのではなく、「ラッテンメ人」に対する安全保障を行っていると自称していた。戦後、「ラッテンメ人」差別の事実が連邦憲法裁判所によって認定されると、イプラジットリーヤ政権は正式に「獣人」差別があったと大宇宙諸国に喧伝したが、実際のところ同盟国のニーネン=シャプチの外交官や渡航者は手厚い待遇を受けていたことなどを加味すると、「獣人」差別の実在性はイプラジットリーヤ政権が示したものほど単純なものではなかったのかもしれない。

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最終更新:2023年02月02日 02:18

*1 本項において差別とは、特定の集団や属性に属する個人に対して、その属性を理由にして正当な理由なく不利益を生じさせるような扱いをする行為を指す。