本ページでは、主にシェロースレセナンヴァルエルクエルトリアなどに居住する民族であるハロン人の命名規則について記述する。

名前の構造

一般的に、ハロン人のフルネームは「個人名・氏族名・家名」の形式である。

例)
人物 個人名 氏族名 家名
ツァーニャフ Zagaq Wènèlènxkèq'ah Röqrëx
アドウィオルオン Adviol'on Ectalkehan Lerwarmwos
※ヴァルエルク名

個人名

個人名の種類

考え中

自然にまつわる雅称

Zagaq(ツァーニャフ、火焔)、Atvelal(アートウェラル、蒼海)、Elmonx(ウルモーント、雨露)など。エルトリア・ヴァルエルク語由来のものが多く、人名や詩歌によく使われる。家族が信仰する守護神や身体的特徴などに因んで選ばられる。男女の区別はないが、エルトリアおよびヴァルエルク領内のハロン人コミュニティでは他民族の言語・文化の影響を受けて、男子には 、女子には花の雅称などが名付けられる傾向がある。メタいことを言うと既存の単語をハロン語化させて作れるので現状採用しがち

氏族名

五大氏族と総称される氏族名のうちいずれかが該当する。Èctàlkèq'ah(エシタルケハン)、Èktàlkèq'ah(エクタルケハン)、Wènèlènxkèq'ah(フェネレントケハン)、Olohgèx(オーロンニェト)、(ルクトゥラハン)、(エタールムシュ)の七氏。慣例的に「五大」だが7ある。ハロン人の個人名と家名の間には、基本的にこれらの氏族名が入る。氏族名はかつて同族関係を表していたが、現在では家名の上位カテゴリくらいの扱い。バリエーションが少なすぎるので個人や家族を識別する役割はなく、普段のハロン人は「個人名」あるいは「個人名+家名」だけで呼び合うことが多い。同姓でも氏族名が違えば血縁関係は遠く、別姓でも氏族名が同じなら血縁関係は近いことになる。現代では、血縁が「近い」といっても一氏族に何万人もいるので、「ご先祖様が同じだったんだな」くらいの認識で、氏族単位の強い同族意識は存在せず、居住地の社会で一般的な家族・親戚付き合いによる同族意識の方がはるかに強い。
異なる氏族名の二人が夫婦になっても、夫婦が氏族名を変更することはない。子がいた場合、息子には父親の氏族名が、娘には母親の氏族名が受け継がれる。きょうだいが男子のみ、女子のみの場合はいずれかの子が異性の親の氏族名を受け継ぐこともある。

家名

親と子からなる家族を示す名である。様々な形態がある。

伝統的な家名

ハロン人の慣習では基本的に夫婦別姓である。氏族名と同じく、夫の家名は息子に、妻の家名は娘に継がれる。きょうだいが男子のみ、女子のみの場合はいずれかの子が異性の親の家名を受け継ぐこともある。

家名の新設

現代では、二人が結婚して夫婦になった際に互いの家名とは全く異なる家名を名乗り始めることもある。この場合は夫婦同姓で、子がいた場合はきょうだい全員に同じ家名が受け継がれる。
かつては家名で示される親子関係よりも氏族の結束の方が重要であったため、現代でも家名に関する束縛は比較的緩い。

その他

他言語による命名・表記

19世紀前半までは、ヴァルエルク領内のハロン人はヴァルエルク名を公的に名乗ることが普通であった。戸籍などでもヴァルエルク名が使用されていた。独立したシェロースレセナンでは、ハロン人の公的な氏名の表記はハロン名のみとなった。
例)アドウィオルオン
ハロン名:Atvèlal Èctàlkèq'ah Lrèwràm
覇名:Adviol'on Ectalkehan Lerwarmwos

16~19世紀前半までのエルトリア・ヴァルエルク領内のハロン人コミュニティでは、ハロン名の個人名にエルトリア語・ヴァルエルク語がそのまま使用される場合も少なくなかった。ハロン語で名付けられたハロン名の個人名であっても、エルトリア語・ヴァルエルク語との対応関係が存在する語(自然にまつわる雅称など)が使用されることも多かった。
例)エルムンタール
Élmountaille(襟・個人名) Olohgèx(ハロン・氏族名) Ramezk(ハロン・家名)
ただしエルムンタールの戸籍上の個人名はハロン語のElmonx(ウルモーント)である。

氏族名の変更

家名と違い、氏族名は生まれた時から基本的には変更されない。しかし、18世紀のディギネオンスムルトス「下町」地域のような、戸籍や族譜などによる住民の管理が行われず、住民が流動的であった場所では、家名と同じように氏族名も個人の裁量で変更されていた場合があるとみられる。

夫婦同姓

シェロースレセナン以外の地域では、現地の慣習やそれに基づいた行政の管理方式に基づき、結婚時に夫婦の片方が氏族名・家名をもう片方と同じものにするという形で夫婦同姓になる場合がある。

守護神名

クラエン教徒の一部は、典礼で名を名乗る必要がある際に、家名の後に自分の守護神名をつけることがある。典礼以外で守護神名つきの名が名乗られることはまずない。

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最終更新:2023年01月28日 11:03