グロスクロイツ・ベリオン戦争
年月日:1684年13月~1689年10月
場所:ゲルデン宙域、バデラム星系、メヒテオン星系、惑星ゾラック、惑星イェッジガワーディカ
結果:ベリオン側の勝利
ダヴラムイ終戦協定
交戦勢力
ベリオン軍 アバローン連盟軍
ベリオン共和国
タプナパキ義勇軍
グロスクロイツ社会主義共和国
マーカス連邦
指導者・指揮官
ベリオン軍 アバローン連盟軍
バラチェ・ダムラク
ゲスター・ブレシュケール・セルベント
メシュトル・マーデンクロッツ
モッシュ・ジュラウェント・ツェアー
バシャ・プコンギンタンタ・ニコパキ・プトマカプシャ・ヌポラ(ヌポラ三世)
ウシャファ・ンクナ・ムバロ
セント・カディーン・イェッジガワード
オイヤー・スレドゲール・スクローフェン
ベルテル・ハウアーシュベート
キュシュテン・フェアデ
ゼクルース・ウォーラー・ニッテン
カサール・グリーサン・ポーロス
ゴンター・ネルゼン・クファールストレクター
戦力
ベリオン軍 アバローン連盟軍
総戦力 280万人
戦艦 38隻
中小宇宙艦艇 80隻
宇宙戦闘機 1400機
地上軍 180万人
総戦力 455万人
戦艦 44隻
中小宇宙艦艇 200隻
宇宙戦闘機 1100機
地上軍 259万人
損害
ベリオン軍 アバローン連盟軍
138万人 191万人
【戦争名】
【各地の戦場】

 グロスクロイツ・ベリオン戦争はシンテーア暦1684年から1689年に起こったゲルデン宙域での戦争である。惑星ゾラックの領有権を巡る争いが原因となって引き起こされ、当時グロスクロイツ領だったバデラム星系、メヒテオン星系などが主戦場となった他、大宇宙連合会議旧ボルガード宙域委任統治領モンタク代理政府ダクラーシュ民族評議会の監視宙域で大規模艦隊戦が行われた。
 ダヴラムイ終戦協定の中でベリオン共和国はグロスクロイツ領バデラム星系とメヒテオン星系を獲得することに成功し、また当時建設中だったゲルデン航宙公社のゲルデン周辺路線を譲渡した。なお、ダクラーシュ・旧ボルガード宙域の権益については一切の要求を承認されることはなかった。


レーウス・バブル

 ゴルギアの時代後、さらに領土問題が複雑怪奇と化したゲルデン宙域であったが、一時は小康状態を保っていた。1670年から続くヴァルエルク好景気はゲルデン諸国にも伝播し、1672年にグロスクロイツ政府主導の元、ゲルデン宙域初の星系間航宙産業としてゲルデン航宙公社が設立された。好景気のため、これに続々とエルミアとドルムントの民間企業が援助、資金提供を行い、さらには共同開発に参加。ゲルデン航宙公社は公社としては異例の国際産業として注目を浴びた。ゲルデン航宙公社は次々に路線の設定、航宙機の開発を進めていた。

ダーケフオス危機

 しかし、1679年にダーケフオス危機が発生。経済不況の煽りを受けゲルデン諸国の国際情勢は再び悪化し始めた。ゲルデン航宙公社に参入していたエルミア・ドルムント企業の相次ぐ撤退やベリオン・ダクラシェート支部の閉鎖など、窮地に立たされた。危機感を抱いたグロスクロイツ社会主義共和国セント・カディーン・イェッジガワード書記長はゲルデン航宙公社を純粋国有化するように命じ、公的資金援助で経営破綻を阻止した。
 このことが決定打となりベリオン経済は元々の外交的孤立も相まって失業率が増加するなど深刻な打撃を受け、危機的な状況にあった。これを立て直すべく当時のダムラク首相は旧ボルガード宙域の領土問題を解決すべく設立されたダクラーシュ民族評議会の外縁部の中立惑星ゾラックへの介入を実行し、経済開発を行った。これには、公共事業によって失業者を減らす目的と自国の景気回復、そしてゾラックを自国領土に組み込み、ベリオン経済に刺激を与える狙いがあった。
 しかし、領土問題の続くこれらの地域で大規模な介入をするのは国際社会の目はこれを快く思わなかった。1680年に大宇宙連合会議ゲルデン宙域安全保障理事理事会エドガー・フィッツジェラルド最高理事によって制止通告を受けた。これに続いてゴルギアの時代が終わってからゾラック星代表政府の自治を支援していたグロスクロイツ社会主義共和国政府はベリオン共和国に対し、「不当な支配」と非難した。

 1682年までにベリオン政府はジエール帝国連邦に接近し、同盟軍を結成した。ジエール・サーヴァリア戦争が勃発すると、グロスクロイツも同盟関係を模索し始め、ヴァルエルク・サーヴァリア両国と連合軍を結成した。ここでついに、両国の関係悪化は決定的なものになった。

8月クーデター

 1683年、ベリオン政府はグロスクロイツとゾラック星代表政府との結びつきを断つために、ゾラックの一部の将校に支援しクーデターを起こさせた。8月クーデターの発生である。
 ゾラックの将校たちはベリオン製の高性能な武器を持っていたため、ゾラック星政府はこれを鎮圧できず政治機能を失った。1682年、軍政ゾラックを樹立する。
 この話を聞いたグロスクロイツ社会主義共和国セント・カディーン・イェッジガワード書記長は大宇宙連合臨時総会を開催しベリオンを公然と非難する演説を行った。その後14月には再三の非難、改善要求等に関わらずベリオンがゾラックの開発を進めたとして有名な「14月禁輸」を発表。グロスクロイツ政府はベリオンに対する食料輸出を全面的に禁止するとの方針を打ち出した。

宣戦布告

 ベリオン政府にとって、この14月禁輸は戦争を不可避なものにした。
 そしてついにシンテーア暦1684年、ダムラク首相の発表によりベリオン共和国はグロスクロイツ社会主義共和国に宣戦布告した。間もなくベリオン宙軍がバデラム星系に突入し、バデラム宙域会戦が引き起こされた。

バデラム宙域会戦

 ベリオン宙軍ゲスター・ブレシュケール・セルベント元帥は航宙打撃群を主力に構成されたスヴォリキ方面艦隊を率いてグロスクロイツ領バデラム宙域に侵入。惑星パルンザントの防衛艦隊を撃破して軌道に進出した。グロスクロイツ宙軍は敵艦隊を撃退するため、ベルテル・ハウアーシュベート提督が宇宙戦艦14隻を含む赤星艦隊を率いてバデラム宙域で大規模な会戦が起こった。
 ハウアーシュベート提督はまず宇宙戦艦を7隻ごとの集団を2つに分け、1つを敵艦隊にぶつけ、もう1つを後方に回した。セルベント元帥はこれを罠と判断し防御陣形を固めつつ、艦載機の発進をせずに砲撃を開始し、警戒状態を維持した。しかし、ハウアーシュベート提督は後方からステルス戦艦7隻で梯状の包囲陣形を作り、一斉にに砲撃を開始。電波妨害衛星など惑星の防衛構造物のおかげもあってこの奇襲は大成功し、慌ててセルベント元帥は艦載機を発進させるも、被害の増大を恐れて撤退した。結果的にベリオン軍は宇宙母艦3隻、宇宙巡洋艦3隻、宇宙駆逐艦11隻、艦載機約3000機の大損害を受けたのに対し、グロスクロイツ軍はわずか巡洋艦1隻、駆逐艦6隻の損害に留まった。

第一次ダヴラムイ会戦

 しかしながら、ベリオン軍はセルベント元帥によるD作戦の実行中であった。D作戦ではバデラム宙域会戦で被害を受けたスヴォリキ方面艦隊だったが、他方ダヴラムイ方面艦隊がメヒテオン星系を迂回してダヴラムイ星系に向かいっていた。グロスクロイツ軍の最も近い艦隊を率いていたキュシュテン・フェアデ将軍は初動に遅れ、ベリオン軍艦隊のダヴラムイ占領を許した。これを迎え撃つべくフェアデ将軍は1664年1月2日未明にダヴラムイ星系に到達し、ワームホール至近空間での艦隊戦が行われた。この戦いではグロスクロイツ軍はワームホールから艦隊がダヴラムイ星系の重力井戸内に突入する際に集中砲火を受けることを嫌ってベリオン艦隊を包囲すべく円弧状に散開して出現する奇策を実行したが、ベリオン艦隊の外側に出現してしまい、散開したグロスクロイツ軍第一艦隊はベリオン軍特有の航空打撃群によって飽和爆撃を受け各個撃破される事態となった。しかし、グロスクロイツ軍は対空戦艦4隻を擁していたためベリオンの宇宙攻撃機を300機あまりを打ち落とすなど一定の戦果を挙げた。ベリオン軍のダヴラムイ方面艦隊のメシュトル・マーデンクロッツ将軍はある程度の反撃を受けたものの、敵艦隊がワームホールドライブのクールダウンでダヴラムイ星系から脱出できないことを見抜いて攻撃を続行し、グロスクロイツ軍を混乱状態に陥れたが、グロスクロイツ軍も背水の陣を敷いたために消耗戦の様相を呈した。結局、効果的な迎撃を行ったベリオン軍に軍配が上がった。グロスクロイツ軍艦隊は撤退し、ダヴラムイ星系を明け渡した。

関連項目