面接
個別、集団、討論、圧迫、和やか、短時間、長時間、お泊り…
大学によって、各種・組み合わせも有り。
また、居残り面接の場合もある。
(補足:泊まり込みの入試は「学校の金で酒を飲ますのはどうだろうか」などの批判で消えつつある。
というのも医学部の教授たるもの、酒もない泊まり込みの催しに参加したくないという理由のため。
面倒くさいし。)
医学部の教授は「平均的・優秀・従順・問題を起こさない」ような人を求めている。
就活マニュアル本で最低限のルールを知ることは有効。
はっきり言って面接はどこもヌルい。
厳しい就職面接を乗り越えてきた人なら軽く感じることだろう。
集団討論などで、司会の争奪戦なんてのはみっともない。
予備校で指導されるらしいけど、その辺は空気を読みつつ。
発言回数は合格の可能性と関係ないことが多い。
「人の役に立ちたくて…」「医者しかないと思うように…」
みたいなひとりよがりな(視野の狭い)発言は印象が悪い。
面接官もその辺は察してくれるだろうから、失礼のない範囲で正直に。
僻地医療にも基礎研究にも興味がなくても十分受かる。
面接官は立ち振る舞いや身だしなみを割と見ている。
髪型から靴の先までスキがないようにしたい。
常識中の常識だけど、推薦書などがあったら本人にコピーをもらっておくこと。
面接官はそれを手元に持っているわけだから。
なお、面接の順番と合否との相関が全く無いとは言い切れない。
面接官も人間であるから、「面接にダレる(飽きる)」場合がある。
おそらくは面接室の空気が微妙に違うし、面接官から受ける印象も「?」。
この順番に当たったら…ある意味不運としか言えない。
面接には、質疑応答以外の要素もあることを頭の片隅に留めておこう。
高齢者向け個人面接対策
一般入試向け参考書や学部卒の受験生から聞いた話に比べ、傾向が違うと思われたので、別項目として記す。
いずれも、実際の面接での質疑応答や、面接会場で出会った受験生たちとの会話などを踏まえて推測している。
全体の傾向
とにかく経歴や今後の目標など個人事情に終始して、医学一般の質問はほとんど飛ばない。
中でも、経歴は長さ故に突っ込みどころの宝庫なので、万全の回答を準備しておきたい。
転向理由
これまでの経歴や生活基盤を投げ出して医師を目指すのだから、中途半端な転向理由では納得してもらえないようだ。
行き詰まりなどを下手に隠して具体性を欠くくらいなら、ある程度正直に話した方がいい。
向こうも「順調なのに医者になろうとしている」とは思っていないので。
各大学の志望理由
「創設者の思想に共鳴」「教育目標が素晴らしい」などは、「医者になれればどこでもいい」という人生一発逆転狙いを疑われそう。
時間のない高齢者だからこそ、「私の目指す○○科が優れているから」「○○関連で最先端の研究をしているから」などと絞り込むべき。
具体的に複数の医師や研究者の名前を出してもいいだろう。一人だと絞りすぎかも。
臨床狙いなら病院のランキング本、研究狙いなら
21COEや
GCOEなど大型研究のテーマを調べよう。
入学後の目標
目標を大きく掲げても「年齢を考えろ」と内心呆れられるのがオチ。
人生経験豊富な高齢者らしく、堅実かつ具体的な将来設計を考えておくべき。
研究志向の大学でも、敢えて研究ではなく研究者の教育を押し出すのもありだろう。
自己推薦理由
学力系を強調してもあまり評価されない。
筆記試験で確認可能な上、特に地方の大学は「卒業に支障がなければおk」なので。
高齢者に期待されるのは、人生経験に基づいた協調性やリーダーシップなどの人間性。
人脈のアピールも有効のようだ。
失敗経験を生かしたサポートをアピールしてもよさそう。
財政面
よく聞かれるのが学費だが、高齢者の親は定年が近いはずだ。
貯金があるにしても、万一の備えとして他の金策を提示出来ればなおいいだろう。
併願校
高齢者ほど、無計画な複数校受験や無謀な一校受験は疑問や突っ込みの的になりやすい。
目指す診療科や研究分野が有名で、かつ格下ないしは同格の大学一校との併願だと主張するといい。
「他にも受けているはずだ」などと突っ込まれることはないので。
小論文
ちゃんとした日本語が書けるだろうか。
文法に誤りがなく、論理構成がしっかりしているという意味である。
特に海外組の人は注意した方が良い。
日本では作文の教育が徹底されていない場合が多い。
自信がない人は友達でも親でもいいので見てもらおう。
その際、なるべく厳しい評価をしてもらう。
課題作文はPCでの下書き・校正が可能だが、試験場では手書き。
普段から、手書きで1000文字程度の文章を書き慣れておくと良い。
医学系の時事ネタについて、自分の意見をまとめることも効果があろう。
論理構成例
- PREP法
- P=Point(結論); R=Reason(理由); E=Example(事例、具体例); P=Point(結論を繰り返す). の頭文字である。その順序で、構成する方法。詳しくはネットで調べると良い。
- “だろうか、たしなよ”法
- 〜だろうか。たしかに〜。なぜならば、(理由)。よって、(結論)。でまとめる方法。
- ホールパート法
- プレゼンや面接で使える手法。Whole(全体)とPart(部分)を使う構成法です。正確にはWhole→Part→Wholeという構成で説明する。
面接・小論文のタネ本
ネタ帳の作り方/ネタの熟成方法
- 面接に関しては、Excelを利用してまとめて、pdf化して、iPodなどに入れておけば、直前の見直しが楽。小論文は、wordでまとめておいてpdf化しても良いと思う。
- 面接は、面接本などから抽出した質問に対して短い解答と長めの解答の2種類を作ったほうがいい。そうすれば、「簡潔に答えてください/詳しく説明してください」の両方に対応できる。
- 小論文は、テーマに対して、反対意見/賛成意見の両方とそれに対する根拠、理由をひも付けしてして考えを整理しておくとよい。テーマは、面接本や小論文対策本から抽出しておく。回答例は、そういう考えもあるのかと自分のストックに追加していく。このような対策をすれば、小論だけでなく、グループディスカッションでも意見が出てきやすくなるだろう。また、多面的な考えかたを身につけることができる。本に書かれている回答例に対しては、さらに批判的な視線で見て意見を考えてさらにそのテーマについて深めると良い。
面接
- 入試対策 医学部面接ノート(代々木ライブラリー)毎年更新される
- 面接の質問と解答例が、面接というより小論文の参考になる。面接体験記は、一般入試のものだが、学士編入とスタイルがほぼ同じである事に気づく。大学全体で、一貫したスタイルをとっているのだろうと思われる。
- 医学部入試 適性検査・集団討論集中講義(エール出版社)
- 集団面接にも少し触れられている。ややマニアックとの評あり。
小論文
- 医学部入試小論文集中講義 改訂4版(エール出版社)ややマニアックとの評あり
書店に行くと、院試対策コーナーにも何気に論文対策本があったりする。
志望趣意書で悩んだときなどは、ヒントが転がっているかもしれない。
※最近では、「医学部 面接」で検索すると個人サイトやwikiが引っ掛かるようになってきた。
医療倫理など
インフォームドコンセントなど一般入試対策でも問われる基本的な考え方は、当然知っておく事。それと、大学の講義でも扱われる医療倫理に眼を通しておくとなおよい。
- 医療倫理学の方法 原則・ナラティブ・手順、医学書院
- ホントは誰にも教えたくなかった!医学部学士編入成功の秘訣、YELL
医療現場を知るため
医者になって人生バラ色というわけではない。現場で起こる問題、大変さなど事前に知っておいた方がよく、いくつかの出版物がある。それらの問題についていままでの経験を踏まえて自分がどのような解決策や考えを出せるか整理しておくとそれ自体が面接、小論文対策になる。以下の図書はあくまで一例であり、本屋やAmazonでもいろいろ見つかるだろう。
- マンガ:ブラックジャックによろしく
- 医療問題についていろいろ扱っている。研修医目線で書かれているが、わかりやすい。
- 著者により、著作権フリー化されている。
- 続編として、新ブラックジャックによろしく 移植編
- 中村正志、医師・医学部のウラとオモテ
- 医師になったあとのメンタル面での弱さについていろいろ書かれている
- 面接において、そのメンタル面の強弱を計る質問などが考えられるため、該当事項がないか確認したほうがよい(自己適正診断にもなる)
- 榎木英介、医者ムラの真実
- 著者は、医学部学士編入経験者であり、その視点からいろいろな問題提起をしている。
- 織田、精神医療に葬られた人びと
- 精神医療に内在する問題点がいろいろ書かれており、参考になる。
- 小松、医療崩壊、「立ち去り型サボタージュとは何か」
時事問題対策
その他
最終更新:2018年03月16日 10:10