89式小銃

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89式小銃 - (2018/01/14 (日) 21:29:30) の編集履歴(バックアップ)



日本国陸海空自衛隊海上保安庁、警視庁が使用する小銃。実在する。

※出典:第6師団ホームページ (http://www.mod.go.jp/gsdf/neae/6d/equipment/89_rifle.html
製造国 日本
設計・製造 豊和工業
仕様
口径 5.56mm
銃身長 420mm
ライフリング 6条右転(178mm/1回転)
使用弾薬 89式5.56mm普通弾
装弾数 20発/30発(箱型弾倉)
作動方式 ガス圧利用(ロングストロークピストン式)
ロータリーボルト式
全長 916mm(固定銃床式)
916mm/670mm(折曲銃床式)
重量 3,500g(弾倉を除く)
発射速度 650-850発/分
銃口初速 920m/秒
有効射程 500m
歴史
製造期間 1989年~現在
配備期間 1989年~現在
製造数 約120,000丁

概要


愛称はバディで日本語訳は相棒。例によって隊員の間にそう呼ぶものはおらず、「ハチキュー」と呼ばれる。
近年では魔法少女まどか☆マギカの暁美ほむらが使用していた銃の一つといえば一部の層にはわかるのではないだろうか。11話ね。

固定式ストックのほか折曲銃床式などのバリエーションが存在する。
64式7.62mm小銃の後継として自衛隊が1989年に制式採用した自動小銃。90年代以降の陸上自衛隊の主力火器である。

89式多用途銃剣(鋸・ワイヤーカッター・栓抜き・缶切り機能付き)が着剣可能。

歩兵用小銃は1970年代の後半から有効射程よりも携行弾数が重視され、小口径高速弾を使用するものが主流となった。
日本でもこの流れに追従し、1974年に「将来戦を想定した小口径小銃」として研究が始まる。
基本的に西洋のは日本人の体格に合わない場合が多い。

研究当初はAR-18を基としていたが技術的発展性が無いとされ、新規設計が始まった。
78年に試作第一号の「HR-10」の完成に始まり、最終試作型の「HR-16」が「89式5.56mm小銃」として採用された。
弾薬は5.56mmNATO弾開発と同時期に研究が行われ「89式5.56mm普通弾」が開発。

64式から引き続き二脚が標準装備。伏せ撃ちや依託射撃での命中率はかなり優秀。
頬当て部がへこんでいる左右非対称のストックは視線を銃の中心に近付けて照準出来きるので狙いが定めやすい。
『距離300mの場合、単射で直径19cmの円に収まり、6発連射で高さ2m幅2mの範囲に収束する』と、旧防衛庁の正式要項には書いてあった。
多くの突撃銃が単射で23cmである事を考えると比較的命中精度が高いと思って良い。
イラク派兵直前にアメリカ国内で行われた、砂漠地帯での実動訓練で米軍兵士から高く評価された事からも他と見劣りしない命中精度ではなかろうか。

もう一つ引き継がれてるのが、他国の小銃とは似ても似つかない運用思想の安全装置。
それが有名なアタレである。ア(安全)タ(単発)レ(連発)。
前式のはこれ左側から確認できなかったのである。
これの何が問題なのかよくわからない人は長身の銃を構える振りをしてみると良いだろう。右利き想定でね。視界に入るのはどちらでしょう。
AKとかこういうのがないこともないんだけどね。他国からは不思議に思われてます。

これが左側からでも確認できるようになった。
あと「レ」の次に「3」が追加。これは三点バーストモードである。
これ、アからタにするのにセレクターを270度も回さねばならんのです。
イラク派遣を期に開発された左側セレクターも、最近になってようやく正式パーツとして取り付けられるようになりました。自衛隊らしいね。
これは匍匐時に銃を引きずったときにせれくたーが切り替わるのを防ぐためらしいが、匍匐移動は第五匍匐が基本なのだろうか……?

上の左側からの以外は特に改良らしい改良はされてない。
ちなみに上の左からというのはイラク派遣時に現場で見つかった物。
部隊帰還時に元に戻すよう指示があったようだが、現在自衛隊ではCQBに大変力を入れており、コレ用の改造が順次進められている。
他、光学照準器、CQBに便利な前方握把が取り付けられているのが軍事系雑誌での訓練風景写真の中で見受けられる。
CQBは近年世界各国軍にはおいても大変重要視されてまして、構えを左右に機敏に切り替えられる能力が要求される。
だが日本人が右手で構えることに特化した形状をしている89式は、左手では構えづらく、操作もやりにくい。
セレクターを左側にも取り付けることでしのいでいるが、銃床の形状だけはどうにもならない。


で……実はこういった追加装備品の購入は一部を除いて部隊隊員の自費である。自費である。大事なことなので二度書きました。
隊員達が自腹、あるいは金を出し合って部隊単位でミリタリーショップや海外のショップから購入して改造していたらしい。
いいのかそれで……というか上層部よ……もうちょっとこう……

さすがに防衛省の偉い人が制式装備品を勝手に改造するなと激怒してこの手の改造ブームはナリを潜めたらしく最近は軍事系雑誌にもあまり載ることはないが、実際は継続しているとかしないとか。

とはいえ、さすがに現場の声を無視できず光学照準器については国内装備品が配備されるようになった。


「先進個人装備システム技術の研究」の一環として完全な試作品ではあるけど89式ベースの発展型が研究されてます。
個人装備システムが部隊での試験可能なレベルまで進めば、もしかしたら自衛隊小火器初の改良型が見られるやもしれない。
射撃時の反動抑制によるコントロール性の高さ、64式と比べ少なくなった部品点数、イラク派遣時でも少なかった動作不良など、性能面で見ればかなり優秀な中である。


整備面での利便性向上の為、部品点数の削減がされている。
64式150点に対して89式100点。コレでも多い方なんだが減ったのは良いこと。
64式のストック・グリップが木だったのに対し、本銃は強化プラスチックを採。スチール板プレス加工で軽量化を図り64式より1kg減とダイエットに成功。

弾薬はM16等の5.56mmNATO弾を使える。
弾倉もM16、L85、FA-MASなどと共有可能で、さらにMINIMI軽機関銃にも使える。

日本人の体格に合っており、分解はとても簡単。汚れにも強いし反動も少ない。
極めて良い、傑作と言っても過言ではない小銃である。



が……価格面での不幸要素がこれらを全部覆い隠してる。

だいたい64式が1984年度で一挺あたり約17万円に対して、89式は2008年度で約28万円である。今でも24万ぐらいする。高い時は30万オーバー。
コレはかなり高価な部類にはいる。同クラスのはスイスの「SIG SG550」なんか。
ちなみに弾丸も一発150円である。フルオートで一分あたり127,500円を一人あたりで撃ち放つことになる。こんなの訓練でやれるわけがない。各国の銃とくらべて抜きん出て高いというわけではないんだが……
ただ、東京マルイからトイガンが販売されてまして、閉所戦闘訓練用教材として自衛隊仕様の電動エアガンが存在。
口径は6mmBB弾で8万円。開発に当たっては訓練機材として採用のために詳細なデータを提供したとの話もあるが真偽不明。
ストックとグリップがオリーブ色、弾倉下部が橙色、銃身が白と実銃と見分けるため派手。重量とかほとんど同じに作ってあります。
本当かどうなんだか……本物より命中率良いのではなんて話も……BB弾なのに。ただ整備が大変面倒らしい。


安い部類であるM16やAKと比較しているから高く感じてしまうのだが……ちなみにM16は一挺あたり4万ぐらい。
M16は優れた連射性能と反動の少なさ、携行性を有しておりAKと並んで傑作銃の一つ。ゴルゴ13の愛銃でもある。
欠点もあったんだけど今はだいたい改善してる。

それでこの値段差である。
確かに輸出を前提としないので生産数はおのずとコストに跳ね返るので致し方ない点もあるが、最近は色々と調達方法も柔軟になったためか一括購入で30万を切ったとか工夫はたくさんされてる。

それでも陸上自衛官15万人のうち11万人には行き渡った。行き渡ってないのは後方部隊だけである。
海自とか他のは必要な分だけある。

これは豊和の小銃製造技術維持のための製造数制限とか理由は色々とある。
製造できるメーカーは限られてるし、軍事産業は基本的に需要が政府機関にしかなく平時には儲からない分野のために新規参入もない。だから競争原理も働かない。
輸出すりゃ良いのにとか思うだろうが、これ日本人に特化の銃なのでどっちにしろ需要は限られてる。
独自開発やめたらノウハウは途切れるし、情勢が変わって高くなっても困るし、何より白人のは日本人の体格に向いてないことが多い。ちなみに情勢変わると倍くらいになることが……ふっかけられるのようん……

事情が特殊化したときにそれ用のアサルトライフル作れなくなるのもものすごい困る。

その分優秀なのは間違いないので安心してほしい。
特に銃口周りの設計は諸外国の銃と比べても非常に優秀で、同じ性能の弾薬を使っているにもかかわらず、M16などとは明らかに反動が違う。
どっかのちょろいもんだぜな漫画のコマを思い出してほしい。あれでもフルオート出来るのが本銃である。


他にも個人で使うものなのでこういうのはたくさん上がってる。
拡張性も低いし。改修費をくれ財務省。訓練と分解を繰り返しすぎてガタが来て黒いビニテまだ巻いてるんですよ。流石に前線用のは大丈夫なはずだけど念の為やってるんですよ。


はっきり言う。世界の銃史に恥ずかしくない傑作小銃である。
ただその傑作具合に見合いすぎた値段が問題なのである。
製造時のノウハウ不足もあちこちに現れているが……これは後継に期待である。現在開発中。

※出典:第6師団ホームページ (http://www.mod.go.jp/gsdf/neae/6d/equipment/89_rifle.html

作中での活躍


オペレーションモモタロウ、外伝「忘れられた世界」にて登場。
また、47話においてリーム王国国王に対し情報官が日本の自衛隊の実力の解説する上で本銃も紹介している。

おそらくはロウリア王国王逮捕時にロウリア城に乗り込んでいった自衛官とSATの連合部隊が使用していたのも本銃である。空挺用も存在する上にSATと自衛隊で同じ銃器が配備されているためほぼ確実。

銃の存在しない文明圏においては黒い杖扱いを受ける。

ロウリア城において、多くの兵を鎧を貫通し撃破している。盾すら貫いているらしい。その鎧は対魔法用の銀製である。


オペレーションモモタロウにおいて、マラストラスを撃破、他多くのゴブリン等を倒している。流石にオーガ魔王ノスグーラには効かなかった。

忘れられた世界においては岡真司や現地の兵数名が一時貸し与えられ使用。エスペラント王国の銃兵を岡が率い戦況に大きく貢献した。
当該国においては銃は少数ながら火縄のものが存在するが、命中精度及び連射能力は現地民を大変驚かせることになった。
火縄と本銃の差は説明するまでもないだろう。300mの狙撃も岡はフルオートではあるが命中させている。
ただし、現地には射撃を見ただけでその性能を理解出来る識者もいた。


  • 次期小銃が豊和のやつかHK416か住友エアロのスカーまで絞られてきたね(米海兵隊のMk.318弾薬とかも共用も考えてるみたいやし、それともM885A1にするのか) -- AGM-88 (2018-01-14 21:22:43)
  • 300BLK(7.62×35弾)とかも防省はテストしてるみたいだし強装弾が撃てなきゃ海兵と共用できねーな(89式実包で満足してるわけなさそうだし) -- HG.85手榴弾 (2018-01-14 21:23:14)
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