オタハイト沖海戦

むーしゅとこうぼうせん

バルチスタ沖大海戦と同時期に生起した、グラ・バルカス帝国の別動隊分艦隊によるムーの首都攻撃をめぐる戦い。*1
日付
中央暦1643年2月7日
ムー首都オタハイト東海岸沖 約170km
交戦勢力
ムー首都防衛艦隊
ラ・カサミ改
ムー空軍増援部隊
グラ・バルカス帝国本国艦隊第52地方隊イシュタム
指導者/指揮官
ムー首都防衛艦隊司令ムレス
ラ・カサミ改艦長ミニラル
戦艦「メイサ」艦長オスニエル
戦力
戦艦「ラ・ゲージ」他1隻
ラ・デルタ級装甲巡洋艦8隻
戦艦「ラ・カサミ改」
ムー空軍機316機
オリオン級戦艦「メイサ」
軽空母 1隻
巡洋艦「フルド」他1隻
駆逐艦「レサト」「ジュバ」他2隻
計8隻
損害
首都防衛隊艦隊
全滅
ラ・カサミ改大破
艦船
戦艦「メイサ」、巡洋艦1隻、駆逐艦2隻撃沈
-無力化のち追撃で撃沈
軽空母1隻、巡洋艦1隻、駆逐艦2隻
航空機
多数撃墜
結果
双方壊滅的な被害を出しつつ、首都防衛には成功

注 この海戦はWeb版にない書籍版オリジナルの展開となります。そのため、ネタバレ要素がかなり強いので、読了済みないし覚悟のある人のみ続きをどうぞ。

未読でネタバレを好まない方、後悔させないので是非購読をお勧めします。では続きをどうぞ。



前史

前史については、マイカル沖海戦を参考に。
なお、時系列的にはオタハイト沖海戦の方が先である。

戦闘前の状況

イシュタム艦隊司令メイナードは、オタハイトマイカルの両方を壊滅させることは不可能と判断。首都攻撃は主に心理効果が狙いであることから、そちらを陽動とすることを決意。
艦隊を二分させ、そのうち戦艦を主とした分遣隊に首都へ突入する"フリ"をさせ、警戒がそちらに集まった隙を突いて、本隊が戦略目標として価値の高いマイカルを火の海にする作戦をとった。
この作戦案に則り、オリオン級戦艦「メイサ」艦長オスニエルの指揮の下、首都オタハイトに8隻の艦隊が向かうことになった。

一方、日本より連絡を受けたムーも直ちに偵察機を発進させ敵艦隊の捜索に乗り出す。
翌日、オタハイト東350kmを航行するイシュタム艦隊を発見、直ちに戦艦2隻と装甲巡洋艦8隻からなる首都防衛艦隊が出撃。
オタハイト港で補給中だった「ラ・カサミ改」も、艦長ミニラルの熱意に折れた上層部が出撃を許可、遅れて出撃していく。
ここにムーの首都眼前で艦隊戦が勃発する。

戦闘開始

戦闘開始直後、ムーの首都防衛艦隊はイシュタムの航空隊に対し圧倒的劣勢に立たされ、「ラ・カサミ改」が戦線に到着する頃には、旗艦「ラ・ゲージ」を除く全艦が戦闘不能に陥っていた。
「ラ・ゲージ」が爆撃を受ける刹那、戦場に到着した「ラ・カサミ改」が圧倒的な対空火力を持って航空隊を殲滅。
さらにレーダーで捕捉した敵艦隊に向け、18ノットで迎撃に向かう。「ラ・ゲージ」も後方から追従していく。

ここで「ラ・カサミ改」の艦長ミニラルは、敵艦隊に向け通信を入れる。あくまで欺瞞目的のハッタリであったが、結果として『首都攻撃は陽動』という重要な情報を得、ただちに本国に通報。
たとえ陽動であっても、ここで逃げては首都が火の海になるのは同じ。そのまま敵艦隊に向かう。何度か来襲した敵機は、すべて撃ち落とした。

敵艦隊を双眼鏡で捉えた時点で、速度を最大戦速30ノットに上げる。敵が8隻と多いことから、あえて最大射程で砲撃を開始。まず駆逐艦「レサト」を撃沈する。
続いて右舷の「改良型中距離多目的誘導弾」50発を連続発射。前衛の駆逐艦「ジュバ」を戦闘不能とし、巡洋艦「フルド」のレーダー、そして旗艦である戦艦「メイサ」の前部主砲搭1基と右舷高角砲を使用不能にする。

残りの誘導弾を後続の巡洋艦・駆逐艦に向け、砲撃を「フルド」と「メイサ」に集中。「フルド」の戦闘力を削ぐ事は出来たが、訓練期間の不足でHEAT弾を使用する判断ができず装甲の厚い「メイサ」の戦闘力を奪えなかった。
ついに「メイサ」の副砲弾1発が命中し、前部主砲は使用不能。後部主砲も、砲塔を主砲弾が直撃して、丸ごともぎ取られてしまう。
砲戦能力を失った「ラ・カサミ改」だが、前部魚雷発射管から、切り札である89式長魚雷改2発を2斉射。大威力の誘導魚雷4本が「メイサ」と「フルド」に向かう。

3斉射目の準備中、左舷後部に命中した「メイサ」の主砲弾により、「ラ・カサミ改」は機関を破壊され、航行不能に陥る。
直ぐに後方の「ラ・ゲージ」が割って入るが、性能的にかなうはずもなく撃沈されてしまう。だが、魚雷命中までの時間を稼ぐことに成功。
「メイサ」が再度ラ・カサミ改に主砲を向ける前に、「メイサ」と「フルド」に89式長魚雷改が命中。1発が命中した「フルド」は航行不能となり間も無く沈没。3発が命中した「メイサ」は急速な浸水によって転覆。弾薬庫が爆発して海中に消えた。

この時点で、イシュタム側で残存していた巡洋艦1隻と駆逐艦2隻はすでに戦闘不能、軽空母は艦は無傷だが艦載機を喪失していた。
「メイサ」と「フルド」の沈没直後、ムー空軍が近隣の基地から掻き集めた航空機316機が現れる。ほぼ同時に「日本の海上自衛隊第4護衛隊群が、[[マイカル]]防衛のため参戦を決定した」との連絡がラ・カサミ改に入る。
結局イシュタム艦隊は、1隻残らず撃沈された。

結果

ムーにとって残念なことに、イシュタムの全滅はグラ・バルカス帝国の戦略にすぐには影響を与えなかった。
この頃、グラ・バルカス軍はムー本国にレイフォル側からの陸上侵攻を準備しており、それを察知したムー政府は、日本に軍事支援を要請する。
なお、イシュタム艦隊が報告をしないまま全滅したため、グラ・バルカス本国は彼らが消息を絶った原因をすぐには掴んでいない。
関連項目
歴史ムーイシュタムラ・カサミ改マイカル沖海戦

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過去のコメント
  • 仮で並べてみました。ただ、前半はマイカルと被っているし、冗長なきがしなくもないので編集したほうがいいかも・・・あと中途半端になったのは力尽きたからです、すみません。あとはたのみます・・・・ - 名無しさん (2019-02-28 01:07:19)
    • 追記 ネタバレし過ぎない説明ってどれくらいがいいんでしょう・・・? - 名無しさん (2019-02-28 01:38:17)
      • 前史はちょっと削った方がいいかもしれない。ダラスが外務大臣に自分の作戦を売り込んだことで発生したぐらいのノリで。 - 名無しさん (2019-02-28 14:54:12)
  • みのろうさんは成形炸薬弾が嫌いなのかな?戦艦メイサは穴が開いただけで内部にダメージが通ってない事になってたし、チハ改は成形炸薬のクラスター弾喰らって平気だったし。 - ハインフェッツ (2019-02-28 10:18:46)
    • いや、ダメージはあったと思うよ。たぶん高温のメタルジェットのせいで、砲塔内の用員が全員やられ、電気系統もやられたんだ。でなければ砲塔そのものが使用不能になどならない。 - 名無しさん (2019-02-28 10:31:42)
      • にしちゃ、描写がどうもね… 装甲を貫いた背後の空間でエネルギーが拡散されたが、重要な部品の密度が高い駆逐艦や巡洋艦は大ダメージを喰らった、メイサはそこまで大事にはならんかっただって。 - ハインフェッツ (2019-02-28 10:55:23)
        • 追記 でも、メタルジェットの貫通って装甲に穴開けてそこから榴弾放り込むようなもんだから、気層防御とか液層防御が無い限り、本当なら水密区画を丸ごと一つ持ってかれちゃう筈なんよね。 - ハインフェッツ (2019-02-28 11:01:02)
      • 勘違いが混ざってるので補足。 - 名無しさん (2019-02-28 12:14:08)
        • ミスりました。成形炸薬に被弾した戦車の乗員が生き残るのは結構ある事例で、あくまでメタルジェットの貫通理論はapfdsに近い高圧ジェット。だから、基本的に配線や弾薬に被弾しない限りは致命的にはならない。特に今回は300mm相当の厚みで、弾頭も比較的軽量の多目的誘導弾だから、貫通のみで全エネルギーを使い切っても不思議じゃないかと。タンデムとかじゃないしね。 - 名無しさん (2019-02-28 12:19:06)
  • とはいえ、ラ・カサミの奮闘には目頭が熱くなりました。私は、これは素晴らしい描写の数々に賞賛を送りたいと思います。 - 笠三和大 (2019-02-28 20:42:06)
    • ミニラルの名ゼリフが炸裂しまくってた。熱い展開に本当に買って良かった。 - 名無しさん (2021-05-25 21:06:33)
  • 今回は書籍版オリジナルの戦いが一番燃えると評判らしい - 名無しさん (2019-03-01 19:09:44)
  • こんなん読んだら、模型も欲しくなるよ・・・。 さぁ、来るべきアニメの際は、(出すとしたら)WL連合かフジミ帝国か。。 - 名無しさん (2019-03-01 20:39:08)
    • 三連対空砲さえなんとかできれば、静岡の狂チワワこと、アオシマが出す可能性も…… - 名無しさん (2020-08-24 19:28:37)
  • ラ・カサミ改もボロボロだけど沈没しなかったしミニラルたち乗員も生き残ったし、次につなげられるな。また改装されて強くなるだろうな。 - 名無しさん (2021-11-05 13:33:42)
  • 次世代新戦艦は満を持してラ・ムーに命名だろ。どこまで呉が関わるかがポイントかねぇ。ラ・カサミ改改はどこまで魔改造するんだろか - 名無しさん (2022-04-09 22:14:34)
  • 描写がどうのってあるかもだが既刊の中で一番熱い展開&読み応えのある部分だね - 名無しさん (2022-05-08 23:05:36)

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〔最終更新日:2024年02月09日〕

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最終更新:2024年02月09日 12:34

*1 名称は前まで仮の命名だったが、6巻P47にて正式名に。オタハイト海戦とも言われている。