日本国陸上自衛隊の多目的ミサイルシステム(Multi-Purpose Missile System)。実在する。
全長 |
約1,400mm |
全幅 |
約330mm |
直径 |
約140mm |
重量 |
約26kg |
射程距離 |
約8,000m(推定) |
誘導方式 |
赤外線画像誘導+セミアクティブ・レーザー誘導 |
開発 |
防衛省技術研究本部 |
製作 |
川崎重工 |
概要
87式対戦車誘導弾(中MAT)の後継として、2004年に開発開始され、2009年から調達開始、2011年から部隊配備されている。
開発時の名称は「XATM-6」。
「部隊使用認証」という形で採用されており、「制式採用」されていないため「○○式」という名称ではない。
これは制式化してしまうと、部品一つの変更ですら多大な事務手続きが必要になるためで、近年採用された
自衛隊装備にはかなり見られる。
高性能ではあるものの、最低でも6輌の高機動車とトラックを必要とするほど大規模になり、かつ1セット約13億円という高価格化まで引き起こしたため、37セットしか調達できなかった
96式多目的誘導弾システムの反省に基づいて開発されている。
まず、標定装置、誘導装置、発射装置(誘導弾6発入り)からなるシステムの全てを高機動車1台にまとめて搭載、簡素なシステムにしたことで柔軟な運用が行えるようになっている。
誘導装置と発射装置は高機動車から降ろして使用することも可能で、誘導弾には先行して開発された
01式軽対戦車誘導弾と同じサイドスラスター方式の推進装置や赤外線画像誘導式のシーカー、タンデム式成形炸薬弾頭を採用している。
調達価格についても平均で1セット約5憶円と
96式多目的誘導弾システムの4割以下に抑えられており、2019年までの11年間に119セットが調達されている。
96式多目的誘導弾と比べて誘導弾自体が小型化しているため、射程や弾頭重量が減少しているのは否めないものの、最近のミサイルらしく発射後ロックオン能力や多目標同時攻撃能力を有している。
また作中では、
新世界技術流出防止法の緩和による他国へ供与する兵器の有力候補として、本誘導弾が度々議論の俎上に登っていたらしい。
改良型中距離多目的誘導弾
書籍5巻に登場したオリジナル兵器。新型多目的誘導弾(RMPM)とも呼称される。
改修の結果、対艦兵器としての性格が強くなっており、パーパルディア皇国戦から開発が行われていたロケットブースターが追加されている。
これにより射程が原型の5倍近い40kmまで延伸しており、
80式空対艦誘導弾に迫る数値になっている。
弾頭は複数種存在すると記述されているが、HEAT弾頭以外は明らかにされていない。
HEAT弾頭であれば
オリオン級戦艦の最重要区画も貫通可能だが、軍艦は戦車等と比較すると内部が広いため、充分な内部破壊に繋がり難いという欠点がある。
作中では
ラ・カサミ改の改装時に追加兵装として50連装ランチャーが左右両舷に一つずつ搭載され、各種弾頭の誘導弾を計100発搭載している。
まだ試作段階の兵器であるため、自衛隊には採用されてないが、安価かつ大量に搭載できることから、帆船や戦列艦等に対する攻撃には有用と思われる。
作中での活躍
外伝「新世界異譚II 孤独の戦士たち」において初登場。
サフィーネの祖母が予言した通り、竜を討つ矢として邪竜
アジ・ダハーカの中央の首を吹き飛ばして討伐する。
改良型中距離多目的誘導弾は
オタハイト沖海戦の序盤においてラ・カサミ改から右舷側50発が一斉発射され、駆逐艦ジェバを大破、巡洋艦フルドと
オリオン級戦艦メイサを中破させている。
残りの左舷側50発も、その直後に使い切ったと記述されている。
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最終更新:2025年08月15日 23:16